シャルロットの自己紹介の場面はダイジェストでお送りいたします。
そうしないと、デートより修羅場の描写が多くなるから。
クラスリーグマッチからの数日間、俺は激動の学園生活を送っていた。
シャルロットが俺と混浴したとカミングアウトしたせいで鈴が暴走するし、箒とセシリアは真剣とスターライトを使い、暴動を起こして教室は混沌と化していた。
千冬姉とマドカの活躍で事なきを得たけど、その時の二人の動きが人間離れをしているのは覚えている。
マドカは素手で双天牙月をバラバラにするし、千冬姉は素手で真剣を壊すし、混乱に乗じてシャルロットはキスをしようと迫ってきたし、とにかく苦労の絶えない朝だった。
俺のことに関してはクラスが一丸となって応援すると約束してくれたけど、箒とセシリアとシャルロットが怖くて安心できない。ついでに鈴も。
そんな事もあったが、今は制服姿でレゾナンスにいる。真耶と一緒に買い物する為だけど、なんで制服?
「一夏君。待たせてごめん」
真耶の声を聞き、俺は振り返った。そこには・・・
「真耶、その・・・」
「私、似合ってる?」
「似合ってるよ。だけど・・・」
「どうして制服姿なんだ?」
制服は箒と同じ改造が施されていない普通の制服だけど、元々スタイルが良いため、出る所は出て、締まってる所は締まってる。しかも年齢より若く見えるため、学園の生徒と見間違えてしまいそうだ。
「実は制服デートを一度してみたかったんです!」
「でも、今じゃなくてもいいんじゃないんか?」
「今じゃないとダメなんです!」
頬を少し膨らませ怒ってる真耶はかわいいけど、どこから制服を手に入れたんだ?
「ところで、どこから制服を手に入れたんだ?制服の注文はもう終わってるはずだけど?」
「会社に直接交渉してオーダーメイドで作ってくれたんです」
そんなに制服デートしたかったのか。
すると、真耶は顔を赤くしながら俺の右腕に抱きついてきた。
「私だってわがままの一つや二つはあるよ。一夏君と同じ学園の制服を着て買い物したり、食事したり、カラオケに行ったり、いろんなことを一夏君としたいの」
顔を赤くしながら答える真耶を見て、心は純粋な女の子だと実感した。あの四人と比べると純情で青春なわがままだな。
「わかった。今日一日、真耶のわがままに付き合うよ」
「ありがとう」
制服姿の真耶ってかわいいなぁ。もし神様がいるならば、感謝したい気分だ。
「最初はどこに行こうか?」
「じゃあ、最初は・・・」
「何をしている」
「「・・・え?」」
背後から声がしたので振り返ると・・・
「千冬姉!?」
「織斑先生だ。山田君、最近デートしてないからと特注の制服を着てまですることなのか?」
「えぇと・・・その・・・」
千冬姉の登場により、楽しいお買い物が楽しめなくなりそうです。
「はあ。別にお前達がデートする事に異議を唱える気はないが、場をわきまえろ。学園の風紀を乱れる様な事をやっては困るからな」
「「わ、分かりました」」
「私はレゾナンスの見回りをしてくる。二人とも、変な事をするなよ」
千冬姉は俺と真耶に釘を刺し、レゾナンスの見回りに行った。
「じゃあ・・・どこ行こうか?」
「水着売り場に行きましょう・・・」
若干、意気消沈しながら水着売り場へ向かった。
「あれ・・・腕組んでない?」
「組んでますわね」
「そっか、やっぱりそっか。あたしの見間違いでもなく、夢でもないんだ・・・」
「鈴さん。こういうのは好機を待つのが得策です」
「ええ・・・分かってる。一夏、あんたはアタシがいないとダメなんだからね」
イギリスと中国の刺客が付いて来てることに気付くこともなく。
「そういえば真耶」
「どうしたの?」
「どうして水着を買うんだっけ?」
「来週の臨海学校に備えてですよ」
「ああ、そうだった」
ここ数日、色々と騒がしかったから臨海学校の事を忘れてたよ。
「一夏君、もしかして他の女の子に・・・」
「大丈夫。そんなことはないから」
「そう、良かった」
そんなことを言ってるうちに水着売り場に辿り着いた。色とりどりの女性用水着が売られてる中、男性用の水着は隅に寂しく売られているのを見て、少しショックを隠せない。男の水着、種類豊富にしてほしいよ。
「一夏君、どんな水着が良いと思う?」
「そうだなぁ」
臨海学校だからクラスメイトや他のクラスの生徒たちもいる。生徒たちの刺激にならないシンプルな水着を着させたほうがいいから・・・
「これなんかどうかな?」
俺が選んだのは、クリーム色の水着である。首元、腰の所で結んで留める「紐留め」の水着である。
「これね。分かったけど・・・」
真耶が突然俺に詰め寄ってきた。
「本当は、どの水着にしたかったの?」
「いや、俺は・・・」
「私に隠し事は、めっ!」
やっぱり隠し事はできないみたいだ。
「実はこの水着を・・・」
俺が真耶に着せたかったのは、緑と白のチェック柄のビキニである。
「どうしてこれじゃないのにしたの?」
「夏休みのデートの時に着て欲しくて」
「つまり、独占したいの?」
「・・・はい」
俺は顔を赤くしながら真耶の質問に答えた。俺だって欲の一つや二つはある。真耶と二人きりで海水浴に行きたいし、プールのウォータースライダーとかにも行きたい。何より水着姿の真耶を独占したい。
「じゃあ、それも一緒に買おう」
「え!?」
「だって、私に着て欲しいならデートの時に着てあげるから」
俺の心の中ではガッツポーズをとった。俺、神様がいることを信じるよ。
「一夏・・・何喜んでるのよ?」
「一夏さん、何をしてらっしゃるのですか?」
「何って、山田先生と・・・」
「その山田先生がどうして制服を着てるの?」
「もしかして・・・一夏さんのご趣味ですか?」
「あの・・・これは・・・」
「別に学園の外だから問題ないんじゃないか?」
真耶が制服を着てることに二人が問い詰めてるが、問題でもあるのか?
「あるわよ!山田先生のアブノーマルな趣味にあんたが巻き込まれてるんだよ!」
「あ、アブノーマル!?」
「そうですわ。一夏さんとの恋仲をいいことに、破廉恥なことを・・・」
「待てよ!俺はそんなことをされてないし、真耶が制服を着たぐらいで大袈裟だよ」
「もう・・・公私混同の時点で山田先生に毒されてるよ」
鈴は聞く耳を持たずかよ・・・
「山田先生、ここからはわたくしと鈴さんの二人で一夏さんをエスコートしますので、お引き取りいただけませんか?」
セシリアは主導権を渡さないために話を切り上げるのかよ・・・
「俺は真耶と・・・」
「あんたは山田先生以外の人と交流を深めなさい!」
そう言い、鈴はISを部分展開させ俺の腕を・・・
「シャオッ!」
掴むことはできなかった。
「兄さんのSOSを受信して来たが・・・こんな所に野党共がいたとは」
マドカ・・・来てくれるのは嬉しいけど、変な電波を受信しないで。
「ちょっと!何してくれるのよ!?」
「そうですわ!マドカさん、あなたは山田先生のアブノーマルな趣味に賛同するのですか!?」
だから、真耶の制服姿はアブノーマルじゃないだろ!
「少なくとも、お前たちに賛同するぐらいなら・・・」
俺と真耶の方を振り向き、険悪な顔のまま
「今日は何故か、お前達を殺したくて仕方がない・・・!」
八つ当たりかよ・・・
「兄さん達は早く安全な所に避難しろ・・・」
「わ、分かった。行こう真耶」
「え、ええ・・・」
俺の後ろで二つの断末魔がレゾナンスに響いたのは、言うまでもない。
「はぁ。何とか買えたね、真耶」
俺と真耶はレストランに逃げ込み(?)一安心をしていた。けど、制服で来てるの俺と真耶だけだから少しばかり目立つな。
「そういえば、一夏君の水着が・・・」
「大丈夫、ちゃんと買ってあるから」
「え?いつ買ったの?」
「避難する時に、こっそり買ったんだ。あのままだと買えずに臨海学校を迎えちゃうからさ」
そう言って、真耶に買った水着を見せて安心しようとしたら・・・
「一夏・・・何をしてるんだ?」
箒と遭遇した。偶然とは言え、何でお前がいるんだ!
「いや、これは水着を・・・」
「どう見ても男性用の下着ではないか」
俺が買ったのは黒のサーフパンツだが、どうやったらこれが下着に見えるんだ。
「これはサーフパンツと言って、れっきとした・・・」
「男性用の下着だな」
「水着だよ」
箒・・・ちゃんと話を聞け
「ちゃんとした水着を買わないといけないな。一夏、今すぐ水着を買いに行こう」
「箒、俺は山田先生と・・・」
「山田先生が学生服を着てるわけがない。そこにいるのは赤の他人だ」
「何で勝手に決めつける!?」
「武士の勘だ」
「当てにならん!」
箒は強引に話を終わらせるために俺を連れて行こうとする。
「目を覚ませ一夏。そこにいるのは、山田先生の姿をした変態だ」
「変態じゃないだろ!」
「制服のコスプレをする教師がどこにいる!」
「どうして、俺の話を最後まで聞かないんだ!」
「お前と話す時間が惜しいからだ!」
箒、周りの人たちが俺たちを見てるよ。
「あ、あの・・・周りの人達が・・・」
「黙れ!」
「はぅ・・・」
箒の一喝に真耶が縮こまっちゃったよ。その姿もかわいいけど、箒を何とかしないと・・・
「一夏、私と一緒にここから出よう!」
「どこに行くんだよ!?」
「それは決まってる。私・・・」
「篠ノ之箒限定、三途の川遊泳コースだ」
「・・・え?」
俺達が言い合いしてる内に千冬姉が修羅の形相で立っていた。周りの人達が汗を滝のように流しながら平静を保ってる。てか、厨房の人達がどこかへ逃げたぞ。
「
「「は、はい」」
俺と真耶は買った水着を持ち、レストランを後にした。
俺はレストランを振り向くことは出来なかった。まるで見てはいけない食事風景が繰り広げられていそうだから。
「はぁ。なんで真耶とのデートが堪能できないんだ?」
「学園内で人気者だから、私が付きあってることに嫉妬してるかもしれない」
あの三人は嫉妬以上のものを感じる。
「でも、どうしよう。まだ昼食は食べてないから、どこか別の場所で食べないと」
別の場所で昼食を食べないといけない。だけど他の飲食店に行っても邪魔が入るのは確実。
真耶と一緒に昼食が出来て、邪魔が入らない場所・・・値段は高いけどあの場所しかない。
「真耶、行ってみたい所があるんだけど」
「え?どこ?」
「ここ・・・なの?」
「ここだよ」
誰にも邪魔されず、真耶と一緒に昼食が食べられる場所・・・
カラオケボックスである。
ここなら、誰かが勝手に入ることもなく昼食も堪能できる。それに・・・
「真耶と一緒にカラオケに行きたかったんだ」
「そういえば、一夏君とカラオケに行ったこと無かった!」
真耶はどうして今まで気付かなかったのかぐらいの驚きの顔を見せた。
「・・・」
「どうしたの?」
「いや、真耶はかわいいなぁって」
「もう!」
顔を赤くしながら、俺にそっぽを向ける姿も可愛い。
「とにかく、カラオケに入りましょう!」
「ああ、そうだな」
俺は真耶と手を繋ぎ、カラオケデート兼昼食を楽しむことにした。
「一夏・・・僕の事・・・忘れてないよね・・・」
フランスからの刺客が今まで付いて来たことに気付く事も無く、二人はカラオケボックスに入って行った。
次回はカラオケボックスでのイチャイチャ(?)を執筆する予定です。
ご意見、ご感想、お待ちしております。
オマケ
※このお話は、更識簪視点のお話です。このお話を読まなくても、次の話に支障はありませんが、キャラへの理解が深まる・・・はずです。
R成分が入っております。ここから先を閲覧する際は自己責任でお願いします。
私の名前は更識簪。私は今、ラウラと一緒にレゾナンスにいるんだけど・・・
「ら、ラウラ・・・」
「どうした?」
「どうして・・・更衣室に二人で入ってるの?」
更衣室に私とラウラの二人で入っています。外では、マドカさんが叫びながら誰かと戦ってる。ラウラはその光景を見ないように私と更衣室にいるけど・・・
・・・近い。いや、私と密着してる。そう考えるだけで、私の頭はショート寸前。
「どうした、簪?」
「いや・・・その・・・」
「安心しろ。お前と一緒の部屋になれなくても私はお前を軽蔑したりはしない」
クラスリーグマッチの日に私は保健室でラウラに告白された。
『お前は私の嫁にする。決定じ・・・』
『ラウラ・・・』
『何だ?』
『私・・・ラウラのお嫁さんに・・・なってなかったの?』
『・・・すまない、お前の想いに気付く事が出来なくて』
『別に謝ることじゃないよ。私、ラウラのお嫁さんに・・・』
『簪ちゃん!何言ってるの!?』
『何故貴様が現れる、更識楯無!』
『呼び捨てしないで!』
お姉ちゃんの介入で告白は台無しになった。そのせいか、私とラウラの間に壁が出来上がった。
「ら、ラウラ・・・」
「何だ?」
「あの時、お姉ちゃんの邪魔が入ってこなかったら・・・どうしてたの?」
「聞きたいのか?」
「うん」
「耳を貸してくれないか」
外で爆発がする中、私はラウラに耳を貸そうと顔を近づけたら・・・
「はむっ!?」
私の口はラウラの口で塞がれていた。
想いを伝えようとしているのか、私の口の中で不器用に舌を動かしていた。
「ぷはぁ!」
「ら、ら、ラウ・・・ラ?」
「いや・・・その・・・お前を・・・愛してる証拠を見せたくて・・・」
ラウラは顔を赤くしながらも私を見ながら答えた。
「ねぇ、ラウラ・・・」
「な、何だ?」
壁なんて・・・最初から無かったんだ。
「さっきの続き・・・して・・・」
私はただ、お姉ちゃんが怖くて自分で壁を作ろうとしてただけなんだ。
「・・・いいのか?」
「私もしたいから・・・」
「分かった」
私は勇気を振り絞ってラウラの顔を向き合い、頼みごとをした。
「ラウラ・・・私をお嫁さんにして・・・」
「いいだろう。お前は私の嫁だ。異論は認めない」
外では世紀末の戦いが起こってる中、私とラウラは更衣室で愛を誓い・・・
「んっ」
「んむっ」
愛の
互いに口の中を貪りあい、吐息、喘ぎを立てながら、私はラウラの愛を感じていた。
「ん・・・んむっ・・・ふぅ・・・んん・・・ちゅぷっ・・・」
「んん・・・はむっ・・・ちゅぱっ・・・れろ・・・ん・・・」
「「はあっ・・・」」
どれくらいやってるんだろう。気付いた時には私とラウラは服を脱ぎ、下着姿で互いの口を貪りあっていた。
だけど、ラウラの顔はまだ足りないと言わんばかりの表情をしていた。
「簪・・・私は・・・お前を食べる」
どこでそんな言葉を覚えたんだろう。でも私・・・好きな人に言われてみたかった。
「いいよ・・・私・・・ラウラに食べられるなら・・・」
「お前達・・・ここで何をしている?」
「「・・・え?」」
気付いた時にはカーテンは開かれて、私とラウラは汗だくで下着姿。周りには修羅となった織斑先生以外誰もいない・・・
「「あ、あの・・・」」
「サンダァァァスウィィング!」
「「ギャアァァァ!」」
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