↓(執筆中)
作者「このままだと、一夏の成長する話が少なくなる・・・一から作り直そう」
↓(構想中)
作者「ラウラの立ち位置をこうして、今後のために一夏は・・・・・・」
↓(執筆中)
作者「IS最新刊発売までには完成させたいなぁ・・・」
↓(執筆終了)
作者「最新刊発売されてるし、一夏の
・・・・・・どうしてこうなった
クラスリーグマッチ当日
俺はアリーナのピットでシャルルと打ち合わせをしていた。
なんせ一回戦は「ラウラ・ボーデヴィッヒ&更識簪」のペアだ、油断大敵だ。実はラウラ、簪ペアはリーグマッチの中で異質のコンビと言われている。二人の接点が見当たらない、共通項は分からない。考えてみれば、クラスは別々なのにどうして仲が良いのか分からない。おまけに二人のISに関する情報は無いに等しい。油断したら秒殺だってあり得る。
「一夏君、どうしたの?」
「二人がどう戦えばいいのかイメージトレーニングしているんだけど、いまいちイメージができない」
「しょうがないと思うよ。二人に関する情報はないから、立ち回りの確認ぐらいしかできないからね」
シャルルの言う通りだな。立ち回りの最終確認でも・・・
『これより、クラスリーグマッチ第一試合を開始します』
真耶のアナウンスがピット内に響き渡る。
「そろそろ試合だな。シャルル、行くぞ」
「うん。行こう」
俺は白式でフィールドへ飛び立とうとしたけど・・・
「山田先生・・・」
シャルルが真耶の事で妬んでいたのは気のせいだな。・・・多分、きっと。
実はリーグマッチ当日までシャルルと練習をしてたんだが、積極的にアプローチみたいな事をしてくる。アリーナでの練習は普通に連携の練習だけど、連携の感覚を忘れない為にと言って部屋でも練習させられるんだが、体を密着させてくるし、一緒のベッドで寝ようと来たり、一緒にシャワーを浴びようと来たりと、あの三人より危ない事をしてきて、安心して学園生活が送れない状態である。しかも真耶の事になると目の光がたまに消えたりして、怖いです。千冬姉程じゃないけど怖いです。
「来たな、織斑一夏」
アリーナのフィールドではラウラと簪が俺達が来るのを待っていた。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ・・・」
「貴様を倒し、私は過去の自分と決別する。悪く思うな」
「なら、早々と倒されるわけにはいかないな」
ラウラから迷いが無くなっている。少しでも気が抜けたら、勝機がなくなる。
「無理だな」
突然、ラウラの目つきが鋭くなった。
「貴様は自分の過去に恐れを抱いている」
・・・ハッタリか?
「その恐れに気付いているにも関わらず、見て見ぬ振りをして恋人を欺き、自分に安心感を持たせようとしてる。だが学園に貴様の過去を知る者がいるせいで、その安心感を持つ事が困難になっている」
「悪いけど、何を言っても俺はなんとも思ってないからな」
「一夏君を動揺させる作戦みたいだけど、結果は失敗だね」
シャルルがアサルトライフルをラウラに向け、戦闘態勢に入ってるけど、実際は動揺を何とか隠してるので精一杯だ。
何故だ?真耶を守るって誓ったのに、どうして動揺する!あの時の俺じゃないんだ!俺は一人で戦ってるんじゃない!俺は・・・
「織斑一夏。貴様は共に戦う仲間を持っているのか?」
「どういう意味だよ?」
「言葉の通りだ。貴様が身内と恋人以外に心を許した者を見たことが無い。まるで、自分の過去に触れて欲しくないと言わんばかりに心に壁を作っている」
「そんな訳・・・」
「本当にそうなのか?ブリュンヒルデの弟」
俺の心の何かが揺らいだ。
「貴様は教官に対し、劣等感を持っているところがある。貴様は言ったはずだ。『お前は織斑千冬の幻影に取り憑かれてる』と。だがそれは貴様が教官に見下されるのを恐れ、あの様な発言をした」
雪平弐型を持ってる腕が震え始めた。
「貴様に何があったのかは聞かん。だが、敢えて言わせてもらおう。自分の過去に恐れる者に私達を倒す事などできん」
「・・・・・・」
アリーナは静まり返っていた。異様な熱気に包まれていた観客席はラウラの言葉で冷めてしまった。
「そう言うけど、僕と一夏君が・・・」
「シャルル・・・ラウラは俺が倒す」
「え?」
俺は何を考えている。俺はシャルルと連携を組んで、ラウラを倒す筈なのに・・・
「ラウラは・・・俺が倒す」
どうして一人で戦おうとする・・・
「仕方がない。貴様の目を覚ますにはこれぐらいの荒さが必要みたいだな。簪はシャルルの相手を頼む」
試合開始のブザーが鳴り響いたのと同時に俺は
「甘い!」
ラウラは俺の腹に強力な蹴りを喰らわせ、零落白夜を強制中断させた。
「ぐっ!」
「分かっているはずだ!自ら過去とケジメをつけなければならない時が来たのだと。だが貴様は自分の過去と向き合う事に恐れを抱き、逃げの手段として山田先生を利用しているに過ぎない!」
「違う!俺は真耶と一緒に・・・」
「動揺してる時点でそれが貴様の限界だ!」
ラウラは間髪入れずに殴り掛かって来た。俺は雪片弐型で防いだが、反撃のチャンスなど無く防戦一方の展開である。
「貴様にとって山田先生の存在は私の想像を超えるものだ。だが、貴様のエゴを全て飲み込める程の人間ではない」
「エゴだと!?」
「教官に劣等感を持ち、解決策を見出さずに山田先生に甘えてる貴様には『ブリュンヒルデの弟』という二つ名がお似合いだということだ」
「俺は織斑一夏だ!ブリュンヒルデの弟なんかじゃない!」
「なら貴様はブリュンヒルデの弟と呼ばれないための努力をしたのか?」
「俺は力を闇雲に・・・」
「闇雲に力を求めない。やるべきことをやり遂げる。耳触りのいい言葉を盾に自分の過去と向き合わず、心に壁を作り自分の弱さを隠す。それがお前だ」
「違う!俺はそんなんじゃない!」
「ならこの私に証明して見せろ」
「言われなくたってぇ!」
俺は零落白夜を起動させ、ラウラと距離を取った。
「俺はブリュンヒルデの弟なんかじゃない・・・。俺は織斑一夏・・・織斑一夏だ!」
「そのセリフが既に貴様の限界だと言うのを知るがいい!」
・・・・・・
「一夏くん・・・もうやめて・・・」
私、山田真耶はアリーナの管制室でただ泣くことしかできなかった。
ボーデヴィッヒさんの言葉に一夏君は心を乱され、それを否定するために立ち向かってる姿は昔の一夏君そのままだった。
織斑先生に劣等感を持ってる事や、自分の過去に向き合ってない事や、心に壁を作ってた事に悲しみは感じなかった。
私は・・・
『貴様は自分の限界いや、自分の過去に向き合おうとしない。そんな人間の語る愛や力など大したことでは無い』
『違う!俺は自分のやり方で・・・』
『動揺してる時点で貴様の力などたかが知れてる』
『俺は・・・』
『知るがいい。これがISを使った戦い方だ!』
一夏君が苦しんでいる姿に私は耐えられなかった。
「どうして・・・どうして一夏君がこんな目に遭わなければならないの・・・」
ボーデヴィッヒさんの言ってる事は全てが間違ってるわけではありません。だけど・・・
『ぐあっ!』
『やはり貴様は自分の弱さを山田先生とそのISで隠していたな』
『違う・・・』
一夏君は少しずつ強くなっていった。不器用だけど、マドカさんや織斑先生、1組のクラスメイト達の助けもあってだけど・・・
『認めろ織斑一夏。自分の弱さを認められない者が何かを守る事など出来ない』
やめて・・・
『俺は・・・』
もう・・・やめて
『自分の過去から逃げてる者に守る力などない』
一夏君をこれ以上・・・苦しめないで・・・
『俺はぁ!』
・・・・・・
「俺はぁ!」
俺はラウラを倒す。それ以外にあいつの言葉を否定する方法はない。
「感情に任せて攻撃するなど、獣そのものだな」
「黙れ!俺はお前を倒す!」
「どうやら、貴様が教官の幻影に取り憑かれてるみたいだな」
ラウラはプラズマを帯びた手刀を出現させ、俺の攻撃を受け流す。
「くそっ!」
「今のお前は無いものを求め、泣いている子供だ」
「そんな訳あるか!俺は周りの助けがあって・・・」
「なら、その周りを見てみろ」
「何?」
俺はラウラの言われた通りにフィールドの周りを見た。
俺とラウラは上空、シャルルと簪は地上にいるがシャルルは倒れていた。
「貴様は周りの助けがあってと言ったが、貴様はその周りを助けようとしたのか?」
胸の高まりが収まらない。
「シャルルは戦闘中にも関わらず貴様の事を心配していた。貴様はシャルルの事を少しでも心配したのか?」
呼吸は荒く、汗が止まらず流れ続ける。
「私は気付いた。他者の存在がいてこそ力が生まれる。その力があるから仲間と未来を守ることができる。だが貴様は、その他者の存在を恐れている」
やめろ・・・
「自分と言う存在を否定される恐怖。自分の過去を見られる恐怖。自分の居場所を失う恐怖。貴様はその恐怖から逃げるために他者との間に壁を作る」
やめろ!
「その壁が傷つけられた時に・・・」
「やめろぉぉぉ!」
俺は零落白夜を起動させ特攻を仕掛けた。
「甘い!」
ラウラは同じ攻撃手段だと思い、俺の腹に蹴りを喰らわせたが・・・
「この瞬間を待ってたんだぁ!」
蹴りのために伸ばした右足に零落白夜を叩きこんだ。
「ぐあっ!」
ラウラはそのままフィールドの地面に叩き付けられたが、俺は間髪入れずに
「うおおおぉぉ!」
ラウラも想定外だったのか防御に移る行動がいつもより遅かった。これなら・・・勝てる!
「俺は・・・俺は・・・俺はぁ!」
ラウラのISから灰色の液体が溢れ出てきたが関係ない。
「俺はお前を倒す・・・今日!ここで!」
そしてラウラにトドメの一撃を与えようとした時、俺は意識を失った。
「こ、ここは・・・」
意識を取り戻したとき、俺は廃工場の中にいた。外は夜で大雨だ。
「たしか俺はラウラに・・・」
俺は状況整理をしようとした時、遠くで誰かが倒れた音がした。
「・・・何だ?」
俺はその音のした方角に向かって行った。そこで俺が見たものは・・・
もう一人の俺が男の胸ぐらを掴んでいた。
もう一人の俺はボロボロの黒の学ランで、体中痣や血だらけの姿だった。
・・・学ランと言うことは
「ここは二年前の・・・」
俺は二年前の出来事を見てるのか?あの日・・・
真耶が誘拐されたあの日の事を・・・
『ふっ・・・』
『何が可笑しい!?』
『お前・・・この俺に勝ったと思ってるだろ?』
『ああ、勝ったさ。お前の両腕はもう動けない。両足だって満足に動かせない。お前には・・・』
『お前は本当にバカだなぁ』
『何?』
その時の俺は真耶が誘拐されたことに怒ってる訳ではなかった。あの男は蘭を誘拐しようとしたり、弾に大怪我を負わせたりした事で俺は怒ってたんだ。
『お前はとっくに負けてるんだよ』
『負け惜しみを!』
『お前・・・俺がさらった女の顔を見てみろよ』
『黙れ!』
あの時の俺は男の言葉に耳を貸さずに殴り始めた。今の俺はその男の言葉通りに真耶を見た。
『いや・・・やめて・・・』
真耶の顔は青ざめ、悲痛な表情をしていた。
「!?」
その顔を見た瞬間、体が震え始めた。
(貴様は周りの助けがあってと言ったが、貴様はその周りを助けようとしたのか?)
ラウラの声が俺の頭の中に響く。
(自分の弱さを認められない者が何かを守る事など出来ない)
俺は・・・
(貴様は自分の弱さを山田先生とそのISで隠していたな)
俺は・・・
『うおぉぉぉ!』
あの時から何も変わっていない・・・
『織斑君!やめてぇ!』
いや・・・変えるべき所を変えずに逃げてたんだ・・・・・・
『山田・・・さん・・・どうして?』
『だって・・・織斑君が・・・・・・』
昔の俺が真耶に怪我を負わせた所を見届け、俺は意識を失った。
次回、一夏と真耶の愛が試される!?
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