IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回の山田先生は序盤だけです。

山田先生が若干暴走しています。

仕事の疲労とストレスで思うように執筆が進まない。


第18話

戦いの結果は言うまでも無く真耶の勝ちである。

 

セシリアと鈴のコンビネーションが上手くいってなかったのも原因だが、真耶の実力が高かったことには変わりなかった。

 

セシリアのビットを全て予測射撃で落とすし、鈴の双天牙月を利用してセシリアの狙撃を妨害させるし、龍咆なんか全部避けるし、もう凄いの一言に尽きるよ。

 

 

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように。織斑!」

 

ん?千冬姉が何だか不機嫌だ。

 

「お前はいつまで山田先生を抱かれているんだ?」

 

え・・・?

 

気付いたら真耶は俺を力強く抱いていた。真耶の豊かな所が俺の胸で潰れるほど強く抱き、顔を俺の首元に近づけ、息を荒くしながら匂いを嗅いでいた。

 

真耶も辛かったんだ・・・俺と一緒にいることができなくなったのが。

 

「真耶」

 

「えっ!?あ、あの!・・・これは!・・・そそそその」

 

我に返った真耶は慌てて俺から離れようとした。だけど俺は真耶が転ばないように力強く抱きしめた。

 

「俺と一緒にいるのが嫌なの?」

 

「い、いえ!だけど・・・」

 

「俺は気にしてないよ。むしろここまで俺の事を愛しているのが分かったから」

 

そうだ。無理に自分を抑え込む必要なんて・・・

 

 

 

「お前達・・・付き合ってる事を話せば・・・授業中は何をしても良いと・・・思っているのか?」

 

 

 

ありました。千冬姉ごめん。でも、俺だって我慢できないんだ。真耶が頑張って勝った時の笑顔とか、俺を抱いて顔を赤くしてる時の顔を見たら・・・

 

 

 

「織斑。今すぐ打ち首に晒されるか、授業に参加するか、どちらか選べ」

 

 

 

・・・一択しかないじゃないですか。

 

俺は真耶から離れて白式を解除し、クラスメイトの群れに戻った。

 

「ではグループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな?では分かれろ!」

 

千冬姉の掛け声と共にクラスメイト達はバラバラになって実習が始まったけど

 

 

 

「「「「「織斑君、よろしくお願いします!」」」」」

 

 

 

どうして俺の所に集中するんだ・・・

 

「山田先生と恋仲だからって、さっきのはやり過ぎだよ!」

 

「山田先生の胸って、織斑君の愛で出来てるの!?」

 

「マドカの言う通り・・・あれは悪魔だ」

 

みんな揃って、山田先生の事について言い始めたけど・・・マドカ、真耶を悪魔とか言わないで。

 

「出席番号順に一人ずつ各グループに入れ!順番はさっき言った通り。次にもたつくようなら貴様らにSHINOBIのフルコース特訓を行わせるぞ!」

 

千冬姉の脅迫とも近い一声にグループは綺麗に分かれた。

 

 

 

「出席番号一番!相川清香!ハンドボール部!趣味はスポーツ観戦とジョギングだよ!よろしくお願いします!」

 

「ああっ、ずるい!」

 

「私も!」

 

「第一印象から決めてました!」

 

 

 

皆、俺が真耶と付き合ってるの知ってるよな。一時限丸々使ってクリスマスの告白を暴露されたんだよ。

 

「みんな、俺が山田先生と付き合ってるの・・・」

 

「織斑君、私達は山田先生と付き合ってることは応援するけど、場をわきまえて!」

 

「もしかしたら、授業中に・・・いやん」

 

「ただでさえ鼻血が出るのを堪えてるのに・・・」

 

もうやだこの学園。ここにはまとまな生徒はいないのですか?

 

 

 

真耶の方を見てみると、皆がちゃんと授業をやっているのか見ていたが、俺の方を見ると若干ふてくされた顔をする。真耶、ヤキモチを焼かないでくれ。俺だってこんなのは望んではいない。皆との交流を深める為にやってるだけで、俺は真耶一筋だ。俺の心も体、全てを真耶に捧げたって構わない。真耶が積極的になっても、夜這いを仕掛けて来ても、浴場で後ろから襲いかかって来ても、喜んで受け入れるよ。だから、ふてくされた顔を・・・

 

 

 

「貴様らは何者だ!」

 

「「「「「はい!私達は史上最弱の出来損ないです!」」」」」

 

「貴様らがこれからやることを理解しているか!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「それは何だ!」

 

「「「「「IS(オモチャ)に遊ばれることです!」」」」」

 

「そこの出来損ない!このオモチャに遊ばれて来い!」

 

「はい!」

 

「はいではない!イエス、マムだ!分かったか出来損ない!」

 

「イエス、マム!」

 

「声が小さい!」

 

「イエス、マム!!」

 

「処女膜から声を出せ!」

 

「イエス、マム!!!」

 

「そんなに声が張れるなら、さっさとオモチャに遊ばれて来い!」

 

「イエス、マム!!!!」

 

 

 

ラウラが班長の実習だけど、ここはIS学園だよな?いつから新兵の特訓を実施したんだ?ラウラの表情からは過去への執着心がかなり無いのが分かって嬉しいけど、問題ありまくりだ。周りは引いてるし、千冬姉はため息吐いてるし、真耶は戸惑ってるし、はっきり言ってカオスとしか言いようがないよ。

 

 

 

「貴様らよく見ておけ!これがオモチャに遊ばれるで・・・」

 

「ボーデヴィッヒ!」

 

「ぐはっ!」

 

千冬姉の出席簿ブーメランがラウラの額にクリーンヒットした。千冬姉、出席簿は武器じゃないから。

 

「お前は一個小隊を作り上げるつもりか!?」

 

「いいえ!これはISに対する認識を改めさせる為の訓練です!一個小隊を作り上げる気はありません!」

 

というより、どうやったらこの短時間で性格を変えられるんだ。

 

「だったらあの生徒達の態度は何だ?まるで最前線送りにされることが分かってるのにも拘らず、絶対生きて還ると大口叩いて散って行く兵士に見えるぞ」

 

千冬姉、例えが分かりません。

 

「はい!これは、訓練プログラムの成果によりISに対する認識が変わったのです!」

 

認識以外の部分が大きく変わってるんですけど。

 

「ボーデヴィッヒ。このプログラムはお前一人で作ったのか?」

 

「はっ!この訓練プログラムはクラリッサと共同でせ・・・」

 

「ボーデヴィッヒ!その訓練プログラムを中止しろ!そして二度と使うな!」

 

クラリッサていう単語が出た瞬間、千冬姉の顔が若干険しくなったけど知り合いなのかな?

 

「理由をお聞かせください!」

 

「クラリッサの情報は当てにならないからだ!」

 

「いいえ!クラリッサの情報は・・・」

 

「とにかく中止だ!」

 

「しかし・・・」

 

「返事はどうした!」

 

「イエス、マム!」

 

わぁ・・・何だか千冬姉が遠い国の人みたいに見えてきた。

 

 

 

 

 

 

あの後、問題なく授業は進んだけどまさか俺の班に箒がいたとは・・・

 

俺を見る目がまるで「我に好機来たり!」みたいな顔をしてて、冷や汗が止まらなかったよ。

 

真耶の方は・・・俺から遠ざかるようになった。俺に抱き着いて息を荒げたことに罪悪感を感じて距離を置いてるけど、俺は別に・・・

 

 

 

「一夏君、聞いてるの!」

 

「あ、ああ。ごめんなシャルル、せっかく一緒に飯を食べようって誘ったのに」

 

「一夏君、山田先生のこと考えすぎだよ」

 

「えっ・・・」

 

「顔に出てたから」

 

「・・・ごめん」

 

ここ最近、シャルルに俺の考えが読まれてるな。まあ、男同士だからな。分かることは分かっちゃうんだろうな。

 

「織斑先生に言われたでしょ。山田先生以外の人との交流を深めないといけないって」

 

「返す言葉が見当たりません」

 

「僕がいるのに・・・」

 

「・・・え?」

 

「えっ!?えっと、ほら!まずは男同士の交流を深めないとね!同じ部屋にいるんだから」

 

「ああ、そうだな。じゃあ今日の放課後、一緒に特訓に付き合ってくれないか?」

 

「いいよ!」

 

そうだな、同じ男同士のシャルルとの交流を深めないとな。後、真耶に自分の思いを言わないとな。あの様子だと、随分落ち込んでいるだろうし。悲しんでる顔より、喜んでる顔の方が真耶には似合ってるからな。

 

 

 

 

 

 

放課後になってアリーナに来たのは良いんだけど・・・

 

「シャルル・・・一体何があったの?」

 

「分からない。僕が来たときには既にこうなってて・・・」

 

何でラウラとマドカが戦ってるんだ。ラウラのISは大型ボロボロなのに対してマドカは素手で無傷。しかもマドカの横には他のクラスの女の子がいた・・・って、人質をとってる!?

 

 

 

「IS如き、この拳法の前ではゴミクズ当然だ!」

 

千冬姉の立場はどうなるんだ。教師なんだぞ・・・一応。

 

「貴様・・・一体何が目的だ!」

 

「貴様を強くさせるに決まってる」

 

「何!?」

 

「だが、貴様が強くなるにはこの女を殺すしか方法は無い」

 

だからって、人質をとるのはどうなんだよ?

 

「ふざけるなぁ!」

 

怒りの叫びと共にラウラは大型の実弾砲を撃ったけど・・・

 

「どこを見ている!」

 

人質を抱え、空中ダッシュをしているマドカには当たらなかった・・・どうやったら空中ダッシュなんてできるんだ?

 

「飛燕流舞!」

 

マドカが叫んだのと同時に体の何処かから三日月の何かを飛ばし、大型の実弾砲を・・・壊した。

 

「くっ・・・なめるなぁ!」

 

ラウラは諦めずに腕からプラズマを帯びた手刀を出現させ突撃しようとしたら・・・

 

「うりゃっ!」

 

マドカは手刀アッパーのカウンターで浮かせた後、そこから空中殺法の連撃を繰り出していた。もう・・・兄として止められる自信が無くなってきた。

 

「シネェーイ!」

 

そう叫びながら腕を開きラウラに突進してる画は凄くシュールなんだけど・・・

 

「シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!シネェーイ!」

 

それを繰り返し出してる姿のマドカを見てられない・・・いろんな意味で。後、乱暴な言葉遣いはやめなさい。

 

「ぐはっ!」

 

ああ!ラウラのISが解除されて地面に叩き付けられた。

 

「どうした、貴様の力はそんなモノか?」

 

「ふざける・・・な」

 

「ISに頼ってる貴様がふざけてる様にしか見えんが」

 

マドカ、ふざけてるのはそっちだよ。人質を取るなんて、最低の行為だぞ。

 

「何ぃ!」

 

「まだ分からないのか?ISに頼ってる限り、この私に傷一つ付けられないということが」

 

「・・・なるほど。そういう事か」

 

・・・え?

 

「マドカ、貴様を倒す方法はISの力ではなく・・・」

 

「そうだラウラ。己の力、つまり己の拳でなくてはこの私を倒すことなどできん!」

 

なんか理解しちゃったよ!ラウラもマドカや千冬姉方面の人!?あ・・・そういえば千冬姉に一年間お世話になってたんだ。もう人質の事を無視して二人の戦いが始まろうとしてるよ!

 

ええい!俺がどうなっても構わない!だけど、二人の喧嘩だけは・・・

 

「それが分かれば芝居を続ける必要など無い」

 

「「・・・え?」」

 

全部芝居だったのかよ!

 

「どうやら、貴様の力は嘘偽りのないものだと分かった。精進するんだな」

 

「ま、待て!一体どういう事だ!?」

 

「貴様の力の本質を見極めるために一芝居を行っただけだ」

 

じゃあ、あの人質もラウラを本気にさせるために・・・やっちゃいけないでしょ!人質をとる行為なんて!

 

「だが、お前の大切な人を人質にしてすまなかった」

 

「私は気にしてなどいない。むしろ感謝している。私は・・・」

 

 

 

「お前達・・・何をしているんだ?」

 

「「!?」」

 

 

 

千冬姉、ちょっと目を離した隙に現れないで。SHINOBIだからできるの?

 

「何者かが無断でアリーナを使用してると聞いたが、そうらしいな」

 

「一体何者なんだ?」

 

「お前だマドカ!」

 

「何!?」

 

マドカ、それは狙って言ってるのか?

 

「今から私が、IS学園での生活というものが何なのかを指導しよう」

 

「そんなものが無くても人はこの激動の時代を生きていける。指導は不要だ」

 

マドカ・・・千冬姉の火に、油を注がないで

 

「お前に拒否権など無い」

 

「仕方がない。なら示して・・・」

 

「先手必勝!」

 

「ぐはっ!」

 

マドカが構える前に千冬姉のボディーブローが炸裂した。

 

「マドカ、私が現れてから構えるなど気が緩んでいる証拠だ。指導しなければならないな」

 

もう・・・ツッコみきれないよ。

 

「それでは学年別トーナメント開始まで、私闘の一切を禁止する!解散!」

 

勝手に話を終わらせるな!

 

 

 

 

 

 

結局シャルルと一緒に模擬戦をすることなく俺は部屋にいた。シャルルは今シャワーを浴びているんだが、シャワーと言い、着替えと言い、何か落ち着きが無いな。

 

それにマドカは今、生徒指導室で千冬姉にみっちり絞られている最中だろう。マドカ、頼むから真人間になってくれ。兄としての切実な願いだ。

 

あとラウラのISは、マドカに人質にされた子と一緒に修理できるから問題ないと千冬姉に言って去って行ったけど、随分爽やかな表情をしてたな。昨日の内に何があったんだろう?

 

そんな事を考えてもしょうがないか。俺は真耶の所に行くか。真耶に聞きたいことがあるし・・・

 

 

 

「あ!替えのボディーソープをシャルルに渡してなかった!」

 

 

 

今シャワールームにあるボディーソープは空だから、渡さないとシャルルが困るぞ。

 

「シャルル」

 

「何?」

 

シャルルが返事をしたのを確かめ、俺は替えのボディーソープを持ってシャワールームのドアを開けた。

 

「替えのボディーソープをも・・・てきた・・・け・・・ど」

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

俺は信じたくなかった。

 

 

 

いや、認めたくなかった。

 

 

 

シャルルの

 

 

 

シャルルの胸に

 

 

 

二つの膨らみがあるなんて・・・




次回はシャルルと山田先生をメインに執筆・・・したいです。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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