やはり彼女たちの青春ラブコメはまちがっている。   作:眠り羊

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そして彼女たちは対峙する

四時限目の終業のベルが鳴り挨拶と共に授業が終わりを告げる

 

いつものベストプレイスで昼飯を食べようと席を立つ・・・そーいや弁当貰ってたんだった

川崎の席を見ると川崎は教科書を立てて寝ていた・・・一応食べる前にもう一度礼を言っておいた方が良いと思ったんだが・・・

まぁ今日は朝早かっただろうからな起こすのは悪いな・・・俺はそのままベストプレイスへと向かった

 

 

 

昼飯を食べ終え教室へ戻る路を進む・・・うーんやっぱり弁当だと満足感が違うな、しかも美味かったし

予鈴が鳴り少し早足で階段を登る、教室までもう後少しの廊下を曲った所で川崎に遭った

 

「あ!あんた何処行ってたの!?」

 

「いや、昼食ってただけだが・・・あ、弁当美味かったサンキュー、弁当箱は洗って返すわ」

 

「うん、口に合った様で良かった、別に弁当箱は洗わなくても・・・って違う!」

「・・・い、一緒に食べようと思ったのに、気付いた時にはもう居ないってどーゆー事よ!」

 

「え・・・」

そんな計画立ててたのか・・・

「そうだったのか一応声を掛けようとはしたんだが寝てるのを起こすのは気が引けてな」

俺の場合お誘いの声掛けじゃなくお礼だがな・・・

「それにそれなら起きた時電話でもメールでもくれれば良かっただろ」

 

川崎が赤くなって俯く

「だって起きたら昼休みが終り近かったし・・・」

 

「そ、そうか、わ、悪い」

「もう良いよ、ちゃんと伝えて無かった私も悪いんだし・・・あ、明日は一緒に食べよ?」

少し照れながらながら川崎が言った

 

「お、おぅ・・・」

俺は心臓が跳ねるのをなんとか押さえ込んで返事をした

 

 

 

 

今日の全ての授業が終り放課後になる

 

さて・・・っと

由比ヶ浜は終わるのが早いか俺に先に行ってると言って慌しく教室を出て行った

問い詰める気満々だったから事前に雪ノ下と打ち合わせでもしたいんだろ・・・

 

じゃぁ俺も行くか・・・川崎は今日は一緒に帰れるとか言ってたがどうするんだ?

部活が終わるまで教室で勉強して待ってるとかなのか?

俺が疑問に思っていると川崎が俺の席にやってきた

 

「これから部活なんでしょ?」

「おぅ」

「じゃー私も一緒に行く」

「おぅそうか・・・って・・・は?」

 

「何?私が一緒に行ったらなんか問題あるの?・・・あんた戸塚には何も無くても来て良いって言ってなかった?」

何処で聞いたそれ・・・って俺が教室で堂々と言ってたな、でもその時川崎さん近くにいませんでしたよねぇ・・・

まぁボッチは総じて耳が良いからな、ボッチでやっていく為の必須スキルでもあるソースは俺

 

「いや問題があるってことは無いと思うが・・・」

・・・二人に説明がし辛いな・・・

「じゃー良いじゃん行こ」

 

 

部室のドアを開け中に入る

いつものように雪ノ下が読んでいた本から視線を外しこちらを一度見て挨拶をする

 

「こんにちは比企谷君」

「うっす」

 

「あ、ヒッキーやっと来た!」

「こんにちは先輩、遅いですよー」

ぷくーっと一色が膨れ顔になる

 

「はぁまたいるのか一色・・・しかも俺の席に座ってるんじゃねぇ」

俺の席とは言ったが位置が変わっていて三人とも相談者席の真正面にいる

 

「またとはなんですかまたとは、これd」

一色は何かを言いかけたが俺の後から来た川崎がその言葉を遮った

「失礼します・・・」

 

ピクッっと雪ノ下が反応し顔を上げる

「どうぞ・・・と言っても相談者という訳でもなさそうね」

由比ヶ浜と一色から声が漏れる

「川崎さん・・・」

「この人が例の・・・」

 

いや一色何初めて見たような顔してるんだよ、お前見た事あると思うんだけど・・・クリスマスイベントしかり進路相談会しかり・・・

 

「まぁなんだ見学したいみたいなんでな良いか?」

 

雪ノ下が顎に指を置き少し考える素振りをする

「そうね・・・これからする事に関係もあるし良いでしょう」

「但し部長である私が不都合だと思ったら悪いけど退室して頂くわ・・・それで良いかしら川崎さん」

 

「分かった、でも理由が理不尽すぎる事なら受け入れられないかもしれない」

「それとこれからする事って何?私が関係あるって言ってたけど」

 

由比ヶ浜が雪ノ下を見ると雪ノ下がコクンと頷いた

「昨日ヒッキーが川崎さんに呼び出されてから様子が変だったから事情を話して貰うの」

 

川崎が三人を睨む、雪ノ下と由比ヶ浜は受け流したが一色は少し気圧されていた

「はぁ?何それ、別に私とこいつの事なんだから関係無いじゃん」

 

冷静に雪ノ下が答える

「いえ関係無くは無いわ比企谷君の態度によって奉仕部活動に支障が出ては迷惑なのよ、きちんと納得出来る理由を話して対策を練って貰わないと困るわ」

俺が足を引っ張る人扱いされてるんですが・・・いやまぁ確かに理由を言って無いから支障が出ないとは考え切れないか・・・

 

「あんたも何か言ったら?」

明らかに不機嫌な顔で川崎が俺に言った・・・ふぇぇ~こういう時の川崎は怖いよぉ・・・って言ってる場合じゃないな

「いや昨日ちゃんと話すと言ってるしな、それに部活に迷惑をかけるのは本意じゃない」

 

「ふ~ん・・・分かった私が話す」

 

「そう、お願いするわ」

「ちょっとゆきのん私はヒッキーからちゃんと聞きたいんだけど」

「私も先輩の口から聞きたいです」

「そう?どちらから聞いても同じでしょ?むしろ言い訳しそうな比企谷君より川崎さんから聞いた話の方が信憑性があるわ」

「それは・・・そうだけど」

「それは・・・そうですけど」

どんだけ信用ないんだよ俺・・・

 

「別に単純な話なんだけど?・・・ただこいつが私に告白して私がそれを受けただけだから」

 

一色が大きな声を上げた

「えぇー!先輩が告白!?ありえないです!」

ありえないってことはお前がいつも断ってたアレはやっぱり告白と思ってなかったんじゃねーか・・・いや告白じゃねーけど

 

由比ヶ浜を見ると川崎の言った言葉を理解出来ず「・・・ヒッキーが告白・・・」と小さく呟いて呆然としていた・・・

 

まぁこの俺が告白して受け入れられるなんてありえない話を言われたらそんな反応になるよな・・・

ただ解せないのは雪ノ下だ動揺もなく俺を一瞥し視線を川崎に戻しただけで俺に確認もとろうとしない

 

「それはつまりあなた達はお付き合いをしているという認識で良いのかしら?」

 

「うんそれで間違いないよ」

 

「そう、それでは聞きたいのだけれどあなたはこんな友達のいない腐った目の男の何処を気にいったというのかしら」

「おい、俺を思いっきりdisるのはやめろ」

「先輩は黙っててください!そーですよこんな犯罪者のような目をした最低な先輩のどこが良いんですか!?」

もうやめて俺のライフは0よ!

 

「別に何処だって良いでしょ?友達がいなかったのは私も同じだし、あんた達と違って私が腐った目とか見かけでこいつを判断しなかったってだけ、あんた達が付き合うわけじゃないんだから私が何処を気にいったって関係ない」

 

「それは!・・・」

一色が何か言いかけて止めた

 

雪ノ下は頷き納得したようだった

「そうね、後もう一つ確認したいのだけれど付き合っているのに比企谷君の事をあんたとかこいつとか呼んでるのが気になるわ、本当に好きならそんな呼び方にはならないんじゃないのかしら?」

一色がそれに追従する

「そーですよ!本当に好きなら名前とかその人達だけの愛称とかで呼ぶはずです!」

 

川崎が俺を見て聞いた

「やっぱり変かな・・・」

 

「恋人同士が呼び合う時に決まりなんてないが、こいつとかあんたとかはまぁ・・・呼ばないんじゃないか?」

今まで恋人が居たことないから良くは知らないけどな・・・それどころか女友達もまともに居たこと無いまである

 

「そ、そっか・・・分かった・・・」

「じゃーこれからは八幡って呼ぶからあんt・・・八幡も私の事名前で呼んで・・・」

川崎は頬を染めながら言った

 

「え?いや、抵抗ないかいきなりとか・・・」

「ちょ、ちょっとはあるけど、お互いを名前で呼び合ったり、ゆ、遊園地でデートしたり、そんな想像も前もってしてたから大丈夫」

川崎さんあなた普段どんな想像してるんですか?てゆーかきっとそれは想像じゃなくて妄想って呼ぶものだと思いますよ川崎さん

「だから八幡も私を名前で呼んで・・・ほら早く」

・・・え?今呼ぶの?やばっ名前なんだっけ・・・海老名がサキサキって言って・・・あ、沙希か

「・・・さ、沙希」

川崎は顔を真っ赤にしていた・・・何これ顔が暑いんだけど・・・

 

向こうを見ると一色は憮然とした表情でこちらを睨み雪ノ下は冷淡な表情でこちらを見据え由比ヶ浜は・・・まだ呆然としたままだった

いや由比ヶ浜ショック受けすぎだろ・・・

 

雪ノ下がこめかみに手を置き溜息を吐いた

「わかりました、部でこれからの方針を決めたいので部外者は少し外して貰えるかしら」

「そーです!出て行って下さい!」

川崎が一色を睨む

「な、なんですか睨んでも無駄ですよ」

一色・・・怯えながら言っても説得力無いぞ・・・

 

「一色さんあなたもよ、部員以外は部室から出て行って頂戴」

「えー!あっ生徒会長権限で」

「生徒会長にそんな権限は無いわ」

冷めた視線で一色を睨む

「わ、わかりました・・・」

一色がしゅんとしながら退室する・・・それに納得したのか川崎も部屋を出た

「じゃー八幡教室で待ってるから」

「ああ・・・悪いな」

 

ふぅと雪ノ下が溜息を吐いた

「さて比企谷君・・・本当の所を聞こうかしら」

俺は雪ノ下に言われた言葉に冷静に切り返す

「雪ノ下これ全部お前の思惑通りだろ・・・」

 

その言葉を聞き今まで呆然としていた由比ヶ浜が我に変える

「え!?そうなのゆきのん!?」

 

雪ノ下が涼しい顔で微笑んだ

 




さてやっとのことであの二人+不遇?ないろはすの本絡みです
と言ってもガハマさんは呆然としてただけな気もします

もう一つ進めてる掃除の改訂の方は不定期としてあるのでこっちが終わるまでお休みで、あれは続きが気になる場合改訂版じゃない方で完結してますしね(だからそれ推すな

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