やはり彼女たちの青春ラブコメはまちがっている。   作:眠り羊

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そして彼女は動き出す

ピンポーン・・・家のチャイムが鳴った

 

ベッドから腕だけ出し携帯を手繰り寄せる

 

「はーい」

そうしている間にも小町が返事をして対応していた

 

携帯を手繰り寄せた俺は時間を確認する

・・・まだ普段俺が家を出る1時間以上前じゃねぇーか

なんだこんな朝っぱらから・・・しかし小町の対応が早かったな時間指定の宅配サービスでも頼んだのか?

こんな朝早く時間指定出来るとか主夫の味方だな、俺が主夫になった際は是非色々使わせて貰おう、むしろ家から出ないで全部宅配で済ませるまである

ふぁ~・・・まぁまだ眠いし外は寒いし寝ておこう・・・後13時間くらい・・・俺は頭から布団を被り再び夢の中へ旅立った

 

「・・・おきn・・・」

「ねぇ・・そr・・・おきなって」

 

掛け布団の上から身体を揺すられたので手だけ出してその手を払い退ける

「小町~後12時間だけだから~」

呆れた声が返ってくる

「いやそれ学校終わってんじゃん・・・」

 

小町の手を払い終わった手に力が無くなりそのまま投げ出す

するとポヨンとした弾力に少し弾き返された

「きゃっ」

 

ポヨン?きゃっ?

小町の身体の一部にそんな柔らかい所とかあったっけ?思考はやわらか頭さんなんだけどなぁ

後きゃっって小町っぽくないんだが・・・

 

恐る恐るもう一方の手で布団から顔を出すとシュシュで髪を一つに纏めた見覚えある人物が赤い顔で座っていた

「おはよ」

 

俺がぎこちない挨拶を返す

「お、おぅ・・・ってなんでお前がここにいるんだよ・・・」

何で家知ってるの?ストーカーなの?

 

そんな疑問がありありと顔に出ていたのか顔が赤いままの川崎が答える

「・・・大志に聞いた」

 

はぁ?小町のやつ毒虫に家の場所まで教えてるのか・・・

あの毒虫は永遠に友達かと思ったがチェックしなおさねばならんな

 

まだ顔が赤いまま訝しげに川崎が続ける

「昨日あんたの妹に電話しといたんだけど、聞いてないの?」

 

なるほど、どおりで昨日の夜小町がやけに上機嫌だと思ったんだよ、これか・・・

てか川崎なんでずっと顔が赤いの?ポストなの?

 

そんな疑問が次の言葉で一気に吹き飛んだ

 

 

 

 

「・・・それよりあんたいつまで人の胸に手置いておく気なの?」

 

・・・そうでした、びっくりして顔出した状態のまま固まってたので手もそのままでした・・・

そりゃ顔も赤いままですよね・・・はははは・・・やっべフォローしないと

 

一度手を布団の中に仕舞いベッドから身体を起こし謝罪の言葉を口にする

「いや、その・・・すまん・・・」

 

川崎が俯いて答える

「べ、べつにわざとじゃないなr」

川崎の言葉が終わる前に俺は言葉を重ねた

 

「つい弾力が気持ちよくt」

 

「なっ!ばっかじゃないの!」

 

フォローという名の地雷を踏み抜いた俺の言葉が終わる前に、耳まで真っ赤になった川崎にグーで頭を殴られた

顔はやめて、ボディにしてボディに・・・実際ボディにされたら一日立てなさそうな威力だけど・・・この拳は世界を狙える!

って打ち所が昨日と同じ場所なのかめっちゃ痛い!ピンポイントで狙ってるだろこれ

 

「朝食の支度終わってるから早く降りてきなよ!」

吐き捨てるように川崎は言い終わると部屋を出て下に降りて行った

 

小町の計らいで目覚めはバッチリだったぜ!・・・ほとんど自分の功績だったような気もするがな・・・

 

手早く制服に着替えリビングに行くと昨日に引き続き上機嫌の小町が居た

 

「おはようさん、おい小町川崎が家に来るなんてお兄ちゃん聞いてないんだけど?」

「おはよーお兄ちゃん、うん!だって言って無いもん、お兄ちゃんに言ったら絶対阻止しようとするじゃん?」

「小町的にはそれはいただけないのでサプライズとさせていただきました♪」

テヘ☆っと笑顔で舌を出す

 

うぜー、超うぜー・・・そしてやっぱり超かわいい!

 

やはりこの超可愛い妹を守る為には毒虫を抹殺せねばならんな・・・と考えているとキッチンの片付けを終わらせた毒虫姉もとい川崎が声を掛けてきた

「この間も思ったけどあんたんとこ仲が良いんだね」

 

「そうか?普通だろ、お前んとこもこんなんだったし」

 

「そ、そう」

そう言うと川崎は恥ずかしいのか顔を逸らしてしまった・・・

ちょっとそういう可愛い行動やめてくれるかな、朝から心臓に悪いんですけど・・・何コレ胸がドキドキする

 

「ひゅーひゅー、お二人さん熱いねぇ~、小町は凄く嬉しいよ!あのお兄ちゃんが・・・奇跡も魔法もあったんだね!でも何でかな涙がでそう」

ひとしきり煽った後小町がわざとらしく寂しげな顔で泣く真似をする

 

「ばっか、違うから別にそんなんじゃないから」

俺が慌てて否定するが小町はそんな俺の慌てぶりを他所にケロリと素に戻って忠告した

「あ~でもでもお兄ちゃんとか沙希さんの下の子に対する愛情は全然普通じゃないから・・・過剰すぎだから気を付けてよね!」

 

俺と川崎は大人しく返事をするしかなかった

「は、はい」

 

「じゃーごはん食べよ、今日は沙希さんと二人で作ったんだ~沙希さんお料理も上手でこんなお義姉さんが出来て小町幸せだよ☆」

「何かといたらない兄ですがこれからも末永く宜しくお願いしますね沙希さん♪」

そこには晴れ晴れとした小町の顔があった・・・何だこの外堀から埋められていく感は・・・

 

川崎を見ると赤い顔で小町の言葉に素直に頷いていた

「あ、・・・うん」

 

ぐ・・・やっぱり今日の川崎の態度が一々可愛いんだけど・・・

 

何なの?コレが恋なの?・・・いや断じて違う・・・

恋とは見つめるだけでドキドキしたり

笑顔を守りたくなったり

思わず毎朝、俺の味噌汁を作ってくれと言ってしまったり

横に寝顔があったら朝チュンと勘違いしたりしてしまうものだ

うむ、全て戸塚にしたことだった・・・即ち戸塚=恋、Q.E.D. 証明終了

 

 

朝食を食べ終え片付けを済ますと小町が感想を聞いてきた

「どうだったお兄ちゃん」

 

川崎も横目でこちらを意識する

 

「ああ、まぁ美味いんじゃねぇの?」

「それだけ?はぁ~お兄ちゃんもっと気の利いた言葉とか言えないの?折角彼女の手料理なのに」

 

実際川崎の料理は美味かった、忙しい両親の代わりに下の子の面倒を見ているのだから料理を普通にしているのだろう

小町の料理もそこそこ美味いが、そこは年季と食べさせる相手の差だろうな

 

川崎がふっと笑う

「いいよ別にそんな言葉とか期待してないし、私がやりたくてやっただけだから」

「それより・・・」

 

川崎が手を俺の顔に伸ばす・・・何俺殴られちゃうの?と思い身構えていると俺の口元に触れその指を自分の口に持って行き何かをぱくっと食べた

「ずっとおべんとつけてたのが気になってたんだよね、ははは」

 

ふと心臓が跳ねる、自然な良い笑顔だった・・・って

「え?はっ?」

多分川崎にとっては普段下の子達にしている自然な行為だったのだろうが俺が動揺すると

川崎は自分が何をやったのか自覚したのか急に赤面し俯いて言い訳する・・・

「いや、これは違くて、あの、その・・・」

 

「ごちそうさまでした~♪後は若い二人に任せて小町は先に行くね~」

小町はその様子を見るとニヤリと笑い部屋を出て先に学校へ向かってしまった

 

「えっと・・・さ、さぁ私たちも行こうか」

 

「お、おう」

 

俺たちも二人して赤い顔で学校へと向かった・・・

 




何このえろげ(まて
3話分書いてみて分かったことがあります・・・思いっきり甘いイチャイチャとかデレとか書けない俺ガイル・・・でも思いっきりじゃないのは多少は書けてるのかな?

まぁ文章の書き方なんでしょうね、会話の合間の描写とかいらないのかもなぁ・・・まぁ今更変えないですけど、変えられる程器用でもないですけどorz

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