やはり彼女たちの青春ラブコメはまちがっている。   作:眠り羊

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そして彼の決断はまちがっている。

4時限目の体育の授業が終り昼休みになった

 

既に男女とも着替え終り周りは仲の良いグループでの昼食を始めていた

 

 

そこへ今日一番の注目株川崎が俺の元へ歩いてきた

「何処でお弁当食べようか?」

 

ぐっ・・・男達の視線が痛い・・・いやお前ら今まで川崎の事興味ないどころか怖がってただろ・・・俺も他人の事は言えんが・・・

「あぁ、今日は由比ヶ浜と雪ノ下が用事があって部室を使わないそうだからそこで良いか?」

川崎は少し考えると赤くなり顔を左右に振った

「あ、う、うんそこで良いよ」

?何だ今の不審な動きは・・・・まぁ良いか・・・

 

 

 

部室の鍵を開け中に入ると川崎は律儀に挨拶をした

「失礼します・・・」

「いや別に畏まらなくても良いだろ、二人だけなんだし」

「そ、そうだよね二人きりだもんね・・・」

そう言うと川崎はソワソワしつつ椅子に座った

 

何か川崎の様子がおかしい・・・

 

「やっぱりさっきも思ったけど教室に二人きりって何か照れるね・・・」

「な・・・」

クラスから川崎の様子がおかしいのは教室に二人きりになるのを考えてか・・・ってクラスで何妄想してたんだよ顔真っ赤にして・・・

 

気まずい空気が流れる・・・顔が熱い・・・俺は換気の為に窓を一枚開けた

 

「べ、弁当食おうぜ」

「う、うん」

川崎が真っ赤な顔で頷いた

 

あの作戦は食べ終わってからで良いよな・・・

 

「頂きます」

と言って弁当に手をつけた俺に川崎がニコリと笑う

 

カチャカチャモグモグ・・・・・・

 

シャリモグモグ・・・・・・

 

「あーんとかやった方が良いかな?」

カタッと部室の外から音が鳴った

「ブフォッ・・・ゴホッゴホッ」

川崎のいきなりの提案に俺がむせる・・・最初に鳴った音は部室の外にいると思われる雪ノ下か由比ヶ浜だろう、まぁ由比ヶ浜だな・・・

俺は部室に来る途中で買ったマッ缶を一気に呷った

「はぁはぁ・・・い、いや、別にしなくて良いから・・・」

「そ、そう」

川崎は恐縮したような感じで赤くなって俯いた

 

ほどなくしてお弁当を食べ終えた俺をチラリと川崎が見る

あぁ・・・

「ごちそうさん、やっぱり沙希は料理上手いな」

 

「そ、そうかな?ありがと」

そう言うと川崎は嬉しそうな顔で頬を桜色に染めていた

 

嬉しそうな所に気は引けるがそろそろ切り出すか・・・

 

「ところで沙希って俺と大志どっちが好きなんだ?」

川崎一瞬何を聞かれたか分からずキョトンとした後困惑した表情を浮かべた

「え?・・・何でそんな事聞くの?」

 

「いや今後の為に、もし俺と大志が何かで対立した時にどっちを選ぶのかと思ってな」

 

「それは・・・好きのベクトルが違うから比べられないよ・・・」

表情が険しくなる・・・これは計画通り良い方向・・・もとい悪い方向へ行ったのか?

と思った瞬間川崎の表情が一転し、顔を真っ赤にして俯いた

「でもど、どちらか選べと言われたらそれは選べないけど・・・きっと大志より八幡の方がずっと好き・・・意地悪だね八幡は・・・」

川崎は顔を上げ更に顔を真っ赤にしてはにかんだ

 

俺の心臓が一気に跳ね上がる

 

ブラコンの川崎が弟以上に俺を好きって・・・ちょっと想像出来ないくらい凄いな、俺が言えばなんでもやっちゃうんじゃないのこいつ・・・

その時由比ヶ浜が言った言葉を思い出した

 

えっちなお願いしてみるとか・・・

 

ゴクリ・・・乾いた喉に唾が通る音がする

 

川崎が不安げな表情をした

「大丈夫?なんか凄い目が血走ってるんだけど・・・」

 

いかん冷静になれ俺、川崎に呆れられるのが目的なんだ仮に例えば「お前の胸が見たい」と言ったとしてそんなほいほいみせるはずがない・・・だから・・・

 

「なぁ沙希・・・」

まだ俺の顔が変なのだろう、川崎は少し緊張気味に返事をした

「な、なに?」

 

「沙希の胸が見てみたいんだが・・・」

 

「・・・は、はぁー?・・・」

いきなりの事に川崎が驚きの声を上げた

 

・・・・・・・・・・・・

 

静寂が部屋を包み込む

 

これはやっぱり効果は抜群!か?

 

 

すると川崎が制服に手をかけボタンを外し始める

 

「なっ、ちょっと待て沙希何してんの!?」

 

「え?だってボタン外さないと見せられないでしょ?」

「恥ずかしいけど、よく考えたら見せるくらいなら大丈夫かなって・・・それに私の事女性として・・・女として見てくれてるのは嬉しいし・・・」

川崎はボタンを外しながら真っ赤になって答えた

 

「いや、それはそうだけど、そうじゃなくてだな・・・」

まさかの事態に俺がうろたえる

 

コンコン

 

その時ドアからノックの音が聞こえた

 

川崎が慌てて服装を直す

 

た、助かった・・・

 

コンコン

 

もう一度ノックの音がした

 

川崎の服装が整ったのを見て俺が返事をする

 

「どうぞ・・・」

 

扉が開き雪ノ下と由比ヶ浜が入ってくる・・・雪ノ下はいつも通りなのだが由比ヶ浜は俺を睨んでいた

「こんにちは、ごめんなさいちょっと用を思い出して・・・この部屋を使うのだけれど大丈夫かしら?」

俺が何事も無かったかのように返事をする

「お、おぅ」

 

川崎は直前の事が恥ずかしかったのか「えっとじゃぁ先に教室戻ってるね八幡」と言って出て行ってしまった

 

そして奉仕部員だけが残される・・・超居心地悪いんですけど・・・

 

 

「ヒッキー最低・・・」

由比ヶ浜にしては低い声を出した

 

「いやあれはだなまさか川崎があそこまでするとは思わなくてだな・・・」

「それにあの案は由比ヶ浜が言ったことだろ」

慌てて言い訳をした

それに由比ヶ浜が憤慨する

「だから私はなしって言ったじゃん!」

雪ノ下が冷めた表情で俺を睨んだ

「人になすりつけるなんて言い訳も最低ね・・・川崎さんの言動からあそこまですることも十分考えられたでしょうに」

 

「うっ・・・」

 

雪ノ下の冷静な言葉で冷や水を掛けられたように俺は頭を切り替えた

「まぁそうだな・・・由比ヶ浜悪かった」

 

「あ、う、うん、私も・・・なんかごめん」

 

「はぁ、もうまどろっこしいのは止めだ、川崎の事を傷つけてしまうかもしれんが本当の事を言う」

 

雪ノ下がコクリと頷く

「そうね、最初からそうするべきだったわね・・・私としたことがありえない事態なので少し混乱してしまっていたようだわ」

ありえない事態っていや、そうだけどちょっとくらいはありえるだろ・・・いや、ないか・・・

「うん、そうだよねそっちの方が良いと思う・・・ヒッキーがんば!」

由比ヶ浜がさっきまでの事は水に流したかのように応援した

 

 

がんば・・・って振るのを頑張るの?まぁ振るのも体力がいるとか何かの本で読んだ気もするな・・・あと一発グーで殴られる覚悟もしておこう・・・

 

俺は覚悟を決めると教室へ向かい歩き出した




TVニ期・・・劇の演出とかルミルミが皆の輪に入る所とかはちゃんと描写して欲しかったなぁ・・・

前話のタイトル変更しました

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