私がボッチなのはどう考えても『神(アイツ)』が悪い! 作:ふぬぬ(匿名)
『何の用だ? 美猴。今更、
『そう邪険にするなよ、ヴァーリ。お前さんのおかげでオレッチ結構恥かいたんだぜぃ。話くらい聞いてくれや』
『……用件は?』
『オーフィス』
『……無限の龍神がどうかしたか?』
『俺等の大将様がお前等に興味津々なのよ。なぁ「なかよしドラゴン」。くっくくくっ……』
『……笑ってろ。俺は帰るぞ』
『ワリぃ、ワリぃ。んでもよぉ、殺しあわないどころか、仲良く修行する二天龍なんぞ、珍しいどころか初じゃねぇの?』
『ライバルが弱くては張り合いが無いからな。好敵手となるまで鍛えているだけだ』
『へいへい、それでそんな珍獣を是非とも眺めてみたいとおっしゃってるわけだ。うちの大将様がな』
▼ぼっちじゃない? 日々(二学期中間テスト前)
おかしいな?
学園祭一緒にまわったよな?
あれ、夢とか幻とかじゃなくて現実だったよな?
なんで会話が無いの?
どういうこと?
お前、あなたって呼び合う関係になったんじゃないの?
どういうことなの?
これじゃあ、前となんにも変わってないじゃないか!
教室の席は相変わらず。
"いじめっこ軍団"に囲まれた孤立無援な四面楚歌。
特別なにかされるわけじゃないが、油断はできない。
朝来たら、花瓶が置かれていたりするかもしれないしな。泣くぞ!
ヴァーリ君とは会話が無い上に、しゅっちゅう居なくなるから顔を合わさない日々も多くて……。
ハッ!
これが倦怠期? 倦怠期なのか!?
イチャイチャした覚えもないのに、いつのまにか倦怠期だと……。
どうなってるんだ、速すぎるだろ展開が。
ダメだ。
これはダメだ。
わたしはもっとイチャイチャしたいんだ!
というか、万年新婚夫婦とか! 漫画の中のああいうのが目標です!
……帰ろう。
帰ってテストの勉強でもしてよう。
悲しみを背負った背中を見せてしまっているな……。
「らかられすね、アザゼルせんれいが、はららかないのれすよ!」
帰れよ、ジャージ!
なんでちょくちょくウチにやってくるんだよ。
アザゼルがゴミなのは同意だが。
だが、だがな、生徒の家にやってきて酒飲むなよ!
「もう帰れよ!」
「つれらいこといわないれれ、いっしょ、はいやなかやなか」
ああ、吐いたな。
その始末したのは私だがな。
ついでに運んだのも私だがな!
「あーあー、臭いし、重いし大変だった」
「ひろい、わたすくさくなか、おもか?」
「少なくとも酒臭いわ!」
ボッチにちょっと優しくしてやったら、付きまといはじめやがった。
これだからボッチは!
「このボッチ女が! よるな、さわるな、寝るな」
泣き出しやがった! めんどくさい酔っ払いだな、もう!
「う、ううぁぁ。わたすがボッチなのはみんな
神が悪いのか……。
うん、なんかいろいろあるんだよな。
うん、わかるわかるぞ。
「つまみ喰うか?」
「うぇ?」
「一緒に呑もうぜ」
「生徒がお酒を飲んではダメですよ!」
なんでそこで教師になるんだよ!
「お前、歳は十代とか言ってなかったか?」
「うっ……」
ちなみに私は……。いくつだ?
適当なモノを作って、酒を追加する。
「なんれこんらに、お酒があるんれすか!」
嬉しそうだな、ぼっち女。
これはな……これはな……。
「お前が置いていったんだよ!」
「らいらいれすね、あの
「わがる、わがるぞぉ!
なんつっても最初の堕天使だからな。みんなは白くてひとりだけ黒とかな、もー、あれはたまらなかったな。
「そうれすよね。あんらんいるから、わるいんら」
「そうりゃ、そうりゃ! わかってるら、おみゃえ。よしよしもっりょ、ろめ」
どぼどぼどぼってな。
「あははは、こぼれりゃ。こぼりゃてる」
「あっとおおお、もったいね。すするじょ」
「あははは、ひーひー」
なんか、久しぶりに酔うほど飲んだなー。
▼ぼっちじゃない? 日々(二日酔いとかしないし)
10時だと!
寝過ごした!
ヤベー、やべー、やべーーー!!
「うぃーーー」
って、おい! 教師!
「おきねェか、この!」
蹴ったぞ!
この役立たずが!
泊めてやったんだから朝ぐらい起こせよ!
「うぎゅ。……なんですかぁ?」
寝ぼけてんじゃねーよ。時間見ろ時間!
「時計見ろよ!」
「えぇぇえええー! って、今日は休み……うぅぅう゛。頭が……」
お?
あ、ホントだ。
そうだよな、いくらジャージ女でも仕事あるのに前日に泥酔したりしないよな。
仕事中に泥酔することはあっても……。
そっちのが悪いわ!!
くそ! ジャージのせいで朝からなんか恥ずかしい思いをしてしまったじゃないか。
しかし、ジャージめ。二日酔いか? あのくらいで頭痛いとは情けない。
私なんかまったく問題ないね。むしろ久しぶりに気分爽快なくらいだし!
「あー! あー!あー!」
「やめっ……う゛ぁぁぁ」
ふはははは、お前はそこでうめいていているがいい。
私はその間に顔を洗う。
お? 鏡の中に――。
「美人? なんか美人がいる!」
え? どういうこと? なんで?
そういえば体調がすごくいい気がするし。
おおおお、右目の充血が治ってる!
クマもなし、胃腸も良し。
なんだか私が輝いているぞ!
どういうことだ……?
違うことといったら――酒?
酒か!?
百薬の長って言うしな!
「アハ、アハハハハ。なんだ、なんだ、こんな簡単なことで治せたのか! 大した事ないな
そうとわかれば、呑まねばなるまい。
呑んで呑んで呑みまくるのだ!
もっともっと美人になって倦怠期を打破するのだ!
「おい、ジャージ。呑むぞ!」
「え?」
「迎え酒だ! 酒で二日酔いを追い出すんだ!」
「えええー!?」
次の日には充血してた。
酒じゃないのか……。
「……ちっ」
〇英雄二人
『すまない、曹操』
『どうした?』
『奪い取ったオーフィスの力が消失した』
『何? どういうことだ』
『おそらく術式に含まれて居ない、計算外の要素があったと思うのだが……』
『こちらにないのであれば、どこにいったんだ……』
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『召喚用の魔方陣を用意できた。――
『イッセーさん! オーフィスさん!』
『ひどい……。何があったの、オーフィス!?』
『サマエルの血。撃ち込まれた』
『なに!? 治療を急げ! はやくしろ!』
『この呪いに耐えたか……。俺が鍛えたのだからそれぐらいはしてもらわないとな……』
『ヴァーリ、お前もすぐ治療だ。
『まだ、この呪いには勝てないか……』
『そう簡単に勝てたら世話がないだろうがよ』
『違いない。だが……だからこそ挑み甲斐がある』
『おら、さっさと運ばれろ!』
『アザゼル! イッセーの容態は?』
『ああ、なんとかなりそうだ……オーフィスの協力もあったしな……。それに……』
『それに? ……なに?』
『こっちの話だ……』
――ヴァーリの時に手元に来た"血"。あれの研究が役に立つなんてな。
『まぁ、あれだ。イッセーのヤツは寝込むの慣れてるだろ? だから耐えられたのかもしれねぇなと思っただけだ』
『なにを言って……そんなわけ無いでしょう!』
――いや、マジでそうかもしれんからなぁ。
〇赤龍帝はなんとか生きていたそうです。慣れってスゴイですね。
▼ぼっちじゃないし! でも、いじめかも……
ときどき、というかしょっちゅう思うのだが……。
ヴァーリ君、三魔女、あと兵藤。休みすぎじゃないだろうか?
出席大丈夫なのか?
来年は後輩になってるかもしれないな。
いじめっこ共が来ないのはいいんだが……。
ヴァーリ君が来ないのは問題だ。
兵藤はどうでもいい。
思えばボッチのころはよく、リア充死ねだのなんだの思ったものだが、今となっては遠い過去だな。
これが余裕ってやつだ。
そう、余裕ってやつだ……。
私の周り、人がいないんですけど!
なんだよこれは!
新手のいじめか?
私の席は教卓のすぐ手前。その左右と後ろが三魔女だ!
なんだよこれは!
問題児の周りから他の生徒を避けてさ。教師がバッチリ見張ってます!
そんな感じに見えるだろうが!
ただでさえ一番前で教師に見られてイヤなのに、なにこれ。
後ろのヤツラからも注目されてるんじゃないの?
変なことしたら丸見えじゃねーかよ!
さすがに無いと思うが……出席日数削ってまでやってるんじゃないだろうな。三魔女め!
いや、ちがうかアイツラはビッチなメスブタどもだからな……今頃、男を釣りに行ってるのかもしれん。
兵藤もいないし、アレか? 家でやりまくって、そのままお休みとか……そういう感じ……。
ハッ!!
ヴァーリ君?
え、え? まさか……。
ヴァーリ君までサバトに参加して……刺したり抜いたり、悶えてみたり。
そんな、ひどい、ひどすぎる……。
って、まぁ悪魔だしなヴァーリ君。仕方ないといえば、仕方ないか。
リリーが悪魔というものは、好きなときに好きなところで好きなことをするものだって言ってたし。
うん、仕方ない、仕方ない。
「はぁ……」
ぼっちじゃないならないなりに、悩みってのは尽きないものだな……。
まぁ? ぼっちには出来ない悩みだからな!
むしろ耐える妻的な。
健気。
私、健気!
私の健気さを察したヴァーリ君、最後には戻ってくるに違いないな。
これが待つ辛さってやつか……。
そういえば、本体は私の帰りをまってるんだろうなー。
ヴァーリ君、悪魔だったし。
頼んだら本体を助けるの手伝ってくれないかな?
あー、でも無理か……。ヴァーリ君そんなに強く無さそうだったし。
死んじゃったら悲しいもんな。
思い出だけでも持って帰ろうかな……。
「はぁーー……」
〇神器が出来た頃、既に封印されていた。
▼ぼっち? とリア充?
「なぁ、ロセ」
「なんれすか?」
当たり前のようにウチにやってきて、当たり前のように呑んでるよな、お前は!
だが、いい。
私は真実に気付いてしまったのだ。
「私は兵藤一誠という男を見直したんだ」
「え?」
なんだその、おまえもか!? みたいな顔は……。
すぐにそっちの方向で考えるからダメなんだよ。
だが、ここはサラッとながしてやるのも大人の余裕ってやつだ。
「ああいう男が、世の中にいっぱい現れたらいいんじゃないかと思うんだ」
「ええ、ちょっ……」
「勘違いするな。そう、これはお前にとってもいい話なんだ」
そう、こんな簡単なことに気付かないで……。
私は、私は、なんてバカだったんだ。
「お前はかっこいい男とイロイロしたいんだろ?」
「そ、そうれす!」
うん、うん。そうだよな。
「ならば、ならばだ! そのとき邪魔になるものはなんだ……」
「え、えええ」
即答しろよ!
だからお前はバカなんだよ!
「答えは簡単だ。他の女、特に美人だ!!」
「た、たしかに!!」
そう、兵藤一誠。
ああいうヤツが一人でビッチどもを集めまくってくれれば、ライバルが減るんだよ!
最近、あの紅毛女と兵藤が付き合いだしたとのウワサを聞いた。
あの紅毛に惚れていた男子も多かったことだろう。
そしてそんな男子に惚れていた女子も多かったことだろう。
まぁ、私は夏休みのときから知っていたがな!
まったく学校のヤツラの情報網も大した事無いな。
とにかく、そういうことなんだ。
「ああいう男が増えたらどうなるか……。もうわかるよな?」
「そんな……そんな……不潔だと、節操無しだと軽蔑していたのに……」
そう、私もこの真実に気付くまでは、死ねだの、苦しめだの、爆発しろだの思っていた。
「だが、兵藤には恐ろしいウワサがある」
「おそろしいウワサ……」
ゴクリと酒を呑む音が聞こえてくる。
お前、呑みすぎだろ!
「ヤツは……ヤツは……男も喰うらしい……」
「そ、そんな……!」
あまりの恐ろしさに震えているな。
まったくなんて恐ろしいヤツなんだ!
だが、利用価値は高い。
他の女どもをすべてヤツに押し付ける!
「ロセッ! お前に使命を与える!」
「は、はい!」
「教師の力でヤツの魔手から学校のイケメンを守るんだ! そうすれば自然とイケメンと触れる機会も増えるはず。あとは、わかるな……? あっ! ヴァーリ君は私が守るから、他のヤツね、他の」
「おおおおおぉ! スゴイ、素晴らしい。了解しました!」
こんなヤツだが見た目はいいからな。
ちゃっちゃと他の男とくっつけて始末しないとな。
まぁ、私の勝利は確定してるわけですが?
ククッ、勝ってカブトの緒をしめよだっけ? そういうことだ!
余所のイケメンとくっつけばそれでよし。
自然と接触が増えるだろう兵藤の餌食となってもよし。
「くくっ……」
なんて悪いやつなんだ私は!
〇《魔獣創造》の怪物軍団は、魔王が本気だして倒したそうです。