プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

99 / 99
遅くなりましたがあけましておめでとうございます!
今年も暗殺教室・プロの暗殺者は学生?をよろしくお願いします!


推理の時間

「あはははは!!確かに君の言う通りこれはかなりの計算違いだったよ。…………まさかこんな簡単に超生物を捕らえれたとは思わなかったよ」

 

死神は腹に手を当てながら愉快そうに笑い生徒達が入っている牢屋を見ると牢屋の中には生徒だけでなく何故か殺せんせーまでもが入っていた。

数分前、犬の恰好をした殺せんせーは烏間先生と共に現れたもののビッチ先生と死神の策により後れを取り、更には落とし穴という単純な罠に嵌まってしまい生徒達がいる場所に落とされてしまった。

この結果に生徒達は勿論、殺せんせーや烏間先生は驚きのあまり声が出ない状況だ。

烏間先生は死神に案内され生徒達や殺せんせーが捕まってる牢屋の前に案内される。

案内された場所にはローブを纏った数人と華鎌がクスクスと牢屋越しの生徒達を見て笑っていて烏間先生もそちらの方に視線を移す。

そこには首に機械でできた輪のような物が取り付けられていて両手が後ろで施錠されている生徒達の姿が見えた。

烏間先生がジッと生徒達を見て見ると何人か顔に痣がある者もいるが、見た感じ皆んな無事だと理解すると烏間先生は安堵の息を吐く。

 

「まさか君が彼等に危害を加えるとは思わなかったぞ。それにお前まだイリーナ」

 

一先ず生徒達の無事を確認し終えると睨みつけるように華鎌とビッチ先生に視線を見遣る。

 

「当然じゃないですか。私達はプロなんですよ?素人の彼等より彼等(死神達)と組んだ方が確実じゃないですか。現に死神はこうやって殺せんせーを捕まえる事に成功したじゃないですか」

 

烏間先生の言葉に華鎌はさも当然と言った感じに答える。

悪びれる事なく答える華鎌に烏間先生は顔を顰めていると檻の中にいる不破が不意に話しかけてきた。

 

「あなた本当に華蟷螂(ハナカマキリ)?」

 

不破の突然の言葉にその場にいた全員の視線が集まる。

しかも不破は〝華鎌〟とは呼ばずに〝華蟷螂(ハナカマキリ)〟と呼んだことに疑問を感じ杉野や寺坂はどう言う意味か聞こうとしたが、透かさずカルマが不破に問いかけた。

 

「ねぇ、どうしてそう思ったのさ?この場でそう宣言するって事は自信があるって事だよね?良ければ教えてくれない?」

 

「うん。先ずは華蟷螂(ハナカマキリ)に聞くけど、どうしてC班を気絶させるのにスタンガンを使ったの?」

 

「どうして?変な事を聞きますね。人を気絶させるのですからスタンガンを使うのは当然でしょ?」

 

不破の問い掛けに華鎌は可笑しそうにクスクスと笑うも不破は首を横に振って「それはあり得ないよ」と言うと笑い顔から一変して顔を顰める。

 

「それが楓君ならスタンガン使うのも納得するけど。君は華蟷螂(ハナカマキリ)でしょ?どうして十八番の鎌を使わなかったの?」

 

「だからそれは人を気絶させるからと言ったじゃないですか」

 

不破の言葉に華鎌はそう返答するもその会話に檻の中にいる何人かが「え?」や「あれ?」などと言った言葉が漏れ始める。

 

「『私は華蟷螂(ハナカマキリ)です。なので私はナイフや銃は使わないで鎌しか使わない……それが私の拘りなんです』……って前にそう言ったんだよ?」

 

不破の言葉に華鎌は何も言わずただ顔を顰めている反面、檻の中では今の会話を憶えている生徒達の中で「確かに」や「俺も憶えてる」などという会話が聞こえて来た。

華鎌が何も言わず顔を顰めている事に不破は有無を言わせない為に更に畳み掛けるように問い掛ける。

 

「それだけじゃないよ!華蟷螂はどうして楓君の事を名前で呼んでるの?普久間の時や偽殺せんせーを捕まえる時だって楓君の事を蟲って言ってたよ?それなのにこの建物に入る前に華蟷螂は〝蟲〟じゃなくて〝楓〟って呼んでたのはどうして?」

 

「あっ……!?」

 

「あっ、って言ったね!2人は仕事の時になると呼び方を〝蟲〟と〝華蟷螂〟って呼び合うのが癖になったって言ってたんだよ!こう言う状況なら楓君が居なくても君なら〝蟲〟って呼んでた筈だよ!それを呼ばないと言う事は君は偽物君確定だね!!………うぅ、ビシッと指差して言いたかったのに両手施錠されてるから決めポーズ出来ない」

 

「それぐらい我慢しようよ!?」

 

最後の言葉に茅野が思わずツッコミを入れる。そのやり取りに檻の中ではクスクスと笑い声が聞こえて来て死神やローブを纏った人物達は少なからず困惑していた。

 

「ず、随分と余裕がありますね。不破さんが言った事は確かにそうですよ?ですが私だってプロとは言え人間です。言い間違える事だってあります。それに自前の鎌は丁度手入れをしている最中で使える状態では無かったから止むを得ずスタンガンを使っただけです。それだけで偽物扱いされるとは心外ですね」

 

「じゃあさ、1つ質問をしても良い?君が華蟷螂(ハナカマキリ)なら答えられる筈だよ」

 

挑発気味に言う不破に華鎌は苛立ち気味に了承すると不破は「じゃあ……」と言い質問を始める。

 

「簡潔にで良いから自己紹介をこの場でしてよ」

 

「そんなので良いんですか?」

 

不破の質問に華鎌はそう聞き返すと不破は自信ありげに頷く。

 

「名前は椎原梢。現在は華鎌桐と名乗っていてコードネームは華蟷螂、性別は女です」

 

椎原梢と言う名前に聞き覚えは無い物の、性別の場所で檻の中にいる皆んなは揃って「「「え?」」」と聞き返してしまう。

 

「性別の所が聞き取れなかったからもう一度言って」

 

「だから女ですってば」

 

華鎌の言葉を聞いて不破は不敵な笑みを零す。

 

「フッフフ。君は今、自分で偽物と暴露したね!華鎌君は男なんだよ!!」

 

「はぁ!?」

 

不破の言葉に華鎌は素っ頓狂な声を出してしまう。

皆んなの目の前にいる華鎌は普段から女性物の服を着たり、仕草なども女性だから女だと思っていた。

資料を見ても性別は女と記載されていて疑う事もしなかった。

現にE組の皆んなも初見では女だと思っていて、楓の言葉と男子は華鎌のナニを見て華鎌を男と認識する事が出来ている。

不破の言葉に大きく狼狽えている華鎌を放っておいてカルマは死神に声をかけた。

 

「ねぇねぇ、死神さん。つかぬ事を聞くけどこれも些細な計算違いなの?」

 

「うん。偽物を見つけ出した事には素直に驚いたけど、君達は檻の中にいるんだ、問題は何もないよ。

これからこの場所に毎秒200t近い水を流し込む。その水圧で超生物の体の自由を奪い、対先生物質の頑丈な檻に押し付けてバラバラにする」

 

カルマの言葉に死神は躊躇うことなくそう言うと、生徒達や殺せんせー、烏間先生は激しく動揺する。

 

「まて!?生徒ごと殺す気か!?」

 

「当然さ。今更まてない。。生徒と一緒に詰め込んだのも計画のうちだ。乱暴な脱出をしようものならひ弱な生徒達も巻き添えになる」

 

死神の言葉を聞いて烏間先生はビッチ先生の方を素早く振り向く。

 

「イリーナ!!お前、それを知った上で……!?」

 

「……プロとして結果優先で動いただけよ。あんたの望む通りでしょ」

 

そう言い切るビッチ先生だがその顔は烏間先生と同様に困惑した表情が見えている。

恐らく、ビッチ先生も今の今まで知らされてなかった事が伺えた。

烏間先生はこのやり方に気に食わず、睨みつけるように死神を見る。

 

「……なんだいその目は?日本政府の君が僕の暗殺を止めるのかい?

……確かに手段は手荒だけど地球を救う最大のチャンスをみすみす見逃せと言うのかな?

それに仮に止めようとしても超生物を相手に揃えた殺し屋達もいる。君一人で止められる事は100%不可能だと言っておこう」

 

死神の言葉を聞いてその場にいたローブを纏っている人達が一斉に構え始める。

 

「……じゃあ、一人じゃなければ出来るんだ」

 

「ふふ、今満足に動けるのは彼だけだよ?」

 

カルマの言葉に死神はそう言うもカルマは死神の方を見ておらず大きなモニターを面白そうに凝視していた。

 

「あっ!?」

 

カルマと同じように視線をモニターの方に向けていると倉橋は嬉しそうに声を上げる。

他の皆んなもモニターの画面を見て声を上げることは無い物の皆嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「それじゃあ、何度も聞くけどこれも些細な計算違いなのかな?」

 

「………」

 

カルマの言葉に死神は何も答えない。

画面には楓と華鎌、更には楓の師匠達が建物の入り口前に立っていたのであった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。