今回はちょっと休憩していたら思いの外サボりすぎてしまいました……
待っていた読者の皆様、いましたら心より謝罪しますm(_ _)m
久しぶりなので文章が変だったり、何時もより誤字脱字が目立つと思いますが読んでいただければと思います
今後は更新を速めるよう努力をするので暗殺教室~プロの暗殺者は学生~をよろしくお願いいたします
『椚ヶ丘中体育祭の棒倒しのルール説明!!相手側の支える棒を先に倒した方が勝ち!!
掴む投げるは良いが殴る蹴るは原則禁止!!もちろん武器の使用も禁止!!
例外として棒を支える者が足を使って追い払うのや腕や肩でのタックルはOKとする!!
なおチームの区別をするためにA組は帽子と長袖を着用すること!!』
「あれ帽子じゃなくてヘッドギアだぞ」
「要するにあっちだけ防具有りか」
杉野と岡島がA組を見ながら呆れた口調で言う。
「ほれ、そんな差別今更だろ。磯貝、フォーメーションは変わりなし?」
楓がそう言うと磯貝は頷き、皆は行動に移す。
一方のA組は前衛にケヴィンとバタール、瀬尾率いる5人1組の3小隊、棒の周辺に固まる中堅にジョゼとカミーユ、他2名が率いる2人1組の4小隊、そして浅野とサンヒョク率いる棒を守る9人と言う攻防確りしてる“防御殲滅”のフォーメーションを組んでいた。
浅野の考えはE組は勝ちに行くなら防御を捨てて攻めるしかない。
そこを袋叩きにしようと言う考えだった。
「おおい……あいつら勝つ気あんのか」
小山が棒を支えケラケラ笑いながら言っているのを聞いた浅野はE組を見てみるとそこには男子全員が棒を支えており攻める人が誰もいなかった。
“完全防御形態”
これがE組の初期陣形だった。
(攻めて来い浅野!)
「(誘い出そういうわけか…………良いだろう)……攻撃部隊司令F」
磯貝の思惑に乗ろうと考えた浅野は前衛のケヴィン、バタール、瀬尾が率いる3小隊に指示を出す。
するとケヴィンとバタールは待ってたと言わんばかりの笑顔で頷きドシン!ドシン!とE組の方を目指し歩き出しており、瀬尾とその他のメンバーはそれに着いていこうと慌てて歩き出した。
(僕たちが油断して皆で攻めたらカウンター狙いで戦力を潰して隙をついて此方の棒を倒す算段か……甘いな。
僕たちは棒を倒すのが目的じゃない。
お前らを確実に潰す事だ。
まず手始めにケヴィンとバタールのパワーで脅して反応を見る。
ビビって飛び出してくれば此方の陣地で袋叩き……逆にケヴィン達を押さえるのに躍起になっていればその隙に残りの部隊で包囲殲滅する。
これで万全……お前らは観客の目の前で無様に潰されろ!)
浅野がそのような考えをしている最中、ケヴィン達は迷いなくE組の方に進む。
「くそが……」
「無抵抗でやられっかよ!!」
「吉田!!村松!!」
「馬鹿!戻って来い!」
耐えきれなくなった村松と吉田は磯貝と楓の制止を無視してケヴィンとバタールに向かって行った…………が見事にケヴィンのタックル、バタールの痛烈な突っ張りが吉田と村松に直撃し2人は客席まで吹っ飛ばされてしまった。
『なんつー威力だ!!客席まで10メートルは吹っ飛ばした!!』
放送の声にE組の男子達は耳に入らず顔を青ざめ女子達はありえないと言った感じで口をあんぐりさせていた。
「亀みたいに守ってないで責めてみたらどうだ」
「やめとけって所詮コイツらは雑魚なんだ、さっきの奴等みたいに突撃かまさないだけ賢明な判断だろ?」
「そりゃあ違いない!」
ケヴィンとバタールがE組の前でそのような会話をしてバカ笑いしているとカルマが口を開く。
「いーんだよこれで今の2人はE組の中でも最弱って感じだからさ」
「てかさっきのが本気なの?その贅肉って意外に見かけ倒し何だね」
カルマの後に楓も口を開き挑発をする。
「ダメですよ楓。彼等はその贅肉が素晴らしいと思い込んでいるんですから本音でもそれは失礼ですよ」
「てか華鎌も失礼な事言ってんじゃんwww
デブ達の前で失礼だって」
「あら、これは失礼」
「何気にカルマも失礼な事言ってんじゃん。……にしてもなんかさ急に汗臭くね?」
「そりゃあ俺等の目の前にデブが2人もいるんだから臭いに決まってんじゃんwww」
いつの間にか華鎌も混じって3人で英語で会話をする。
ケヴィンとバタールの笑い声はいつの間にか無くなっており変わりに怒りが込み上げている。
それでも尚続く3人の会話に英語が得意なA組は顔をヒクつかせており、逆にE組は苦笑いしていた。
ケヴィンとバタールは浅野の方を見ると次の合図があり頷く。
「おいバタール先にコイツらを殺らせろ」
「その代わり獲物は残しておけよ?」
「勿論だ」と呟いたケヴィンは瀬尾と他の連中と一緒に思いきりE組の方に駆け出し勢いよくタックルしようとする。
「今だ“触手”!!」
しかし磯貝の合図に前衛を守っていた皆は思いっきり上にジャンプしてケヴィン達の突撃を回避する。
ケヴィンと瀬尾を含む5人のタックルは空振りに終わり相次いで上に逃げたE組の下敷きとなっていった。
「へへへ棒を凶器に使うななんてルールは無いよな?」
寺坂はそう言うと棒を傾けて棒の重みもA組の連中にお見舞いしていた。
「お…………重い!」
そんな中、一番下に下敷きになってる瀬尾は顔を真っ赤にさせながら呟く。
それもその筈……2番目にのし掛かっているのは体格の大きいケヴィンであり他の連中も下敷きになって全ての重さが瀬尾に襲いかかってるのだから。
「重そうだな瀬尾。元同じA組の好で助けてやろうか?」
「た……頼む!俺を助けてくれ!」
余程辛いのか瀬尾は形振り構わず楓に頼み込む。
「え?まだ余裕だって?寺坂もっと棒の重み加えて良いってさ!」
「イトナ君あなたは棒にしがみついて重みを加えてあげてください」
楓と華鎌の言葉に寺坂とイトナはいい笑顔で頷き行動に移す。
すると瀬尾からは更に悲鳴が聞こえておりカルマはそれをニヤニヤと眺めていた。
「さて……そっちのモンゴル人もかかってきなよ」
「上等だ!」
楓がバタールに向かって挑発をするとバタールは楓に向かって手を振りかざして突っ張りをしてくるがそれを容易くかわす。
「おい!審判!さっきも思ったけど突っ張りは反則だろ!」
寺坂が審判に向かって怒鳴り付けるが審判はそれを鼻でフンと笑う。
「何を言ってる?彼は平手で突いてるだけだ。拳を作って殴ってるわけでは無いんだから反則にはならん。
それ以上文句を言うなら退場させるぞ」
審判の言葉に寺坂はわなわなと震わせるとカルマが話し掛ける。
「落ち着きなよ寺坂。九重がそう簡単にやられる訳ないじゃん」
カルマが体重をかけて棒を支えながらホラと楓を見るように促す。
其処にはバタール自慢の突っ張りを余裕綽々にかわしている姿があった。
「まぁ、あの程度の速さなら余裕でしょ。何たってしょっちゅう私達がブッ飛ばしてるんだから」
E組の観客席から兜蟲こと咲和がおつまみの柿の種をポリポリと食べながら呟く。
「普段、楓君や華ちゃんはどんな訓練してるんですか?」
「んー……私は単純に楓や桐と対人訓練で叩き潰してる」
倉橋の質問に咲和はさらりと答える。
それを聞いたE組の女子達はえ?と言う表情をしているのを余所に咲和は続ける。
「叩き潰しすぎたせいでそこら辺の人に比べてかなり頑丈になったけどね」
「私なんて意識が飛んでるのにも関わらずこの女の自慢な馬鹿力でブッ飛ばされた記憶がありましたわ」
蜚蠊ことめぐみの言葉に女子達は無言で楓と華鎌に合掌をする。
そんなこと露知らずの楓は挑発をしながらバタールの攻撃を躱わす。
「お前等!ぼさっとしないでこいつを何とかしろ!」
バタールの言葉に前衛に向かっていた残りのA組の連中は楓を捕らえようと動き出していた……がそれを阻む者がいた。
「タックルは問題ないんですよね?」
そんな呟きと共に2人のA組の人が吹き飛ばされる。
「ほら楓、モタモタしていると咲和さんや美樹に弛んでるって言われてブッ飛ばされますよ」
「そりゃあヤバイ」
加勢にきた華鎌の言葉に楓は軽口を叩きながらバタールの何度目かわからない楓の顔を目掛けての突っ張りを大きく仰向けに仰け反る。
「“
次の瞬間、仰け反った体勢から勢いよく起き上がりバタールの渠に向かって頭突きを食らわせる。
厚い脂肪がめり込み暫くするとバタールは数歩下がり渠を押さえながらその場に倒れ込んでしまった。
「…………よくブーツ無しでやれますね。この技って地面にボルトを打ち込んで使う技でしょ」
「グラウンドだから出来たんだよ」
楓はそう言うと華鎌は足元を見る。
そこには地面に見事な足形が出来ていた。
恐らく食らう前に素早く地面を思いきり踏みつけて足を固定させたのだろうと華鎌は推測する。
「相変わらずあの体制でよく攻撃出来るなってある意味感心するよ私は」
観客席で中村は呆れた口調で言うと何人かが同調するように頷く。
「いやぁーそこまで言われると素直に照れるわ」
声が聞こえた方を振り向くと美樹が照れ臭そうに頭を掻いていた。
「楓にアレを教えたのは彼女なんですよ」
「どんな無理な体勢からでも全力の馬鹿力を繰り出すのが芋蟲の戦術ですからね~」
美樹に変わりアリスが言うとめぐみが補足するように説明をする。
「それにしても以前、楓と話をしてたけど……芋虫って襲われたら逃げる事しか出来ない虫ってイメージの方がやっぱり強いかも…………どうして芋蟲って名乗ってるんですか?」
岡野は美樹の目の前で言いずらそうに言う。
それに対して芋蟲と名乗ってる美樹は気にしない素振りをしていた。
「まぁ、そうですわよね。芋虫何て鈍間ですし捕食される側の虫ですもの弱いと思うのも当然ですわ…………って痛い……イタイですわ!!」
余計な事を言ってるめぐみに美樹は頭を鷲掴みして万力の用に潰そうとする。
心なしかミシミシと聞こえてはいけない音がしているのは気にしてはいけないと女子達は思い、触れないようにしていると美樹はめぐみの頭を鷲掴みにしながら岡野達の方を向き説明した。
「確かに世間のイメージは天敵も多くて常に捕食される側で弱いって感じだけど私はそうは思わない。
ハワイ島に棲む尺取虫の一種“カニヴァラスキャタピラー”は他種と同様に直立不動の体制で小枝に擬態し外敵の目を欺く芋虫だ。
だけど獲物が足元を通りかかると瞬時に体を屈曲させ捕らえるんだ。
蛾の幼虫とは思えない獰猛さを備えたその尺取虫は隔絶された弱肉強食の世界に適応して独自進化を遂げた戦闘種何だよ」
「芋虫と言う昆虫は進化する前の原初の形……つまりは節足動物の起源形態。
複雑な機構を備えた限定的条件下でしか力を発揮出来ない成虫とは違って極限まで単純化された構造はどんな環境をも生き抜く力を持っているんですよ」
「単純が故に柔軟、単純が故に強靭それが芋虫。
私は芋虫は最弱な存在だとは思わない……寧ろ他の種より強いと思ってるから名乗ってるのさ」
美樹とアリスの説明にE組の生徒から思わず「へぇー」と言う声が所々から漏れているのが聞こえる。
烏間先生は何故、今ここで授業擬きが始まってるんだと言う疑問に思うが気にしても仕方がないと判断して某倒しの方に意識を集中させる。
一方の殺せんせーは普段、生物の授業でそこまで深く掘り下げないので生徒たちに新たな知識を加えることが出来て遠目で微笑ましく眺め、然り気無くカメラで1枚撮影をする。
「ほらあんた達、お話するのも良いけど応援もやってやりな。
相手の大将は次の手を打ってきたわよ」
咲和の言葉に一同は話を中断して棒倒しの方を見る。
そこには浅野が何やら指示を出す姿が映っていた。