プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

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プロローグの時間

東京のとあるビルの一室。

暗闇の部屋のなか、外の街灯で2人の人影が写っていた

1人は中年のオジサン。

裕福なのか腕には高そうな時計、指にはキラキラ光る指輪に立派なスーツを着て、もう1人はまだ年端も行かない少年だった。

少年は何かを構えオジサンに向けているものの、オジサンは脅えてはいるのか動かない。

…………否、オジサンの体は細い糸か何かで雁字搦めにされて宙に浮いて動けない。

 

「おい!さっさとこれを解け!!私にこんな事してどうなるのか解っているんだろうな!!」

 

オジサンはギャーギャー叫んでいたが少年は聞く耳を持たなかった。

 

「で?言いたい事はそれで全部?」

 

少年はじゃあと言った後、“パァン”と乾いた音が鳴り響きオジサンは何も喋らず顔を俯いており、少年は口元から赤い液体を流れてるのを確認したら何事も無かったかのように部屋を後にした。

 

 

帰り道、少年はコンビニ袋を片手に持ち人気の無い公園を歩いていると目の前に1人の少女がいるのに気づく。

金髪をサイドに結っていて、4月で暖かいのにセーターにマフラーと防寒に適した格好で少女の手には何やら細長い物を入れる袋のような物を握っていた。

 

「随分、遅かったじゃねえか『蟲』。何かヘマでもやらかしたか?」

 

少女は少年の事を蟲と呼び、笑いながら憎まれ口を叩く。

 

「なに言ってんだよ『ギロチン』。これでもかなり早く終わったんだぜ?それにお前じゃ無いんだからヘマ何か有り得ないね」

 

少年は逆に少女の事をギロチン呼び皮肉で返しながら笑った。

 

「よし、お前を直ぐに殺してやるよ」

 

ギロチンと呼ばれた少女は細長い袋の中から刀を取り出しながら言ってきた。

 

「はっ、かかってこいよ」

 

蟲と呼ばれた少年をコンビニ袋を地面に置いて構え対峙し衝突する。

 

 

 

 

…………数時間後、少年と少女はお互い肩で息をしながら地面に座り込んでいた。

 

「ハァハァ、ったく相変わらずお前の殺り方はめんどくさい!」

 

「ハァハァ、そりゃあ此方の台詞だバーカ。男の癖に嫌らしい手使いやがって」

 

「あーあ、もう日付変わってんじゃん!明日、いや今日学校あるって言うのにどうしてくれるんだよ!?」

 

「知るかよ!?小さいことグチグチ言いやがって。だからお前、器も中身も小さいんだよ」

 

「うるせぇ!背の事言うなよまな板!」

 

そのまま、お互いに罵声や暴言を暫くぶつけ合ってギャーギャー騒いでいでおり、数分したらお互いは先程以上にゼーゼーと疲れた感じで息をしていた。

 

「そう言えば何でお前ここにいんの?」

 

「この近くで仕事があったので、自分の家に帰るの面倒くさかったので泊めてもらおうかと」

 

少女は先程の口の悪さから一変しだるそうに話していた。

少年は溜め息を吐くと立ち上がり「んじゃあ、行くか切彦」と言って少女と一緒に瓦礫と化した公園を後にした。

 

 

 

 

 

翌朝……

 

 

「ったく怠いな」

 

少年は頭を掻きながらソファーから起き上がり辺りを見渡すと切彦の姿は無く、テーブルには“See you again someday. ”<またいつか会いましょう>とだけ書かれたメモ書きを見つけた。

少年は其を読み終えるとクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げ捨て、怠い体を無理矢理動かしながら学校に向かった。

教室に着くと少年は違和感を覚えた。

クラスの奴等が少年を見てクスクスと笑っている。

別段、このクラスの人達に何かした覚えも無い筈と考えた少年はそんなクラスメートを無視することにしてSHRが始まるまで机に突っ伏して寝ることにした。

 

「おい!起きろ!」

 

声が聞こえたので顔をあげると其処には先生がニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かばせていた。

 

「お前、何でここにいるんだ?」

 

は?言ってる意味がわからない。

 

「ここはもうお前の来るクラスじゃ無いんだよ」

 

じゃあ、何処なんだよ?

 

と思ったら先生は山を指さす。

 

「お前のクラスはあの山にあるE組男だよ!」

 

先生がそう言うとクラスの奴等がギャハハハと馬鹿笑いをしていた。

 

「全く成績が良くても態度は悪いし、録に学校にも来やしない。お前はA組の汚点何だよ!」

 

「で?言いたい事は全部言ったんすか?正直、耳障り何で口閉じてもらってもいいすか?」

 

全く、要点だけ纏めてちゃっちゃと言えっての。

 

先生はわなわなと震えるのを尻目に、少年はそんな事をボソリと呟きながら欠伸を漏らしカバンを持つと教室を後にする。

 

「……にしてもE組かぁ」

 

 

少年はE組のある隔離校舎を見ながらポツリと呟く。

彼が通っている学校はは椚ヶ丘中学校と言う進学校の私立中学校。

そして先程、担任の教師が言ってたE組と言うのは成績が悪い奴や素行不良の奴等が行くクラスで場所は本校舎から1㎞離れた山の中にあって周りからはエンドのE組と言われている。

 

「…………眠いから今日は帰るか」

 

そう言うと少年は踵を返して家に向かおうとしたとき……

 

「ちょっと宜しいですか?」

 

ふと声をかけられたので振り替えるとスーツをピシッと着こなした女性がいた。

女性の後について行くと車があり、中に乗るように薦められた。

 

「お時間をお掛けしてすみません。私は防衛省の園川雀ともうします」

 

車に乗った女性は自己紹介をしていた。

防衛省と言う言葉に少年はピクッと反応する。

 

「これから話すことは他言無用でお願いします」

 

園川さんはそう言い話を始めた。

何でもE組で担任をしているタコのような成りをした奴を3月までに殺してほしいとの事だった。

秘密裏に防衛省の人達も殺そうとしたらしいが、どうやらそのタコはマッハ20の速さで殺せないとのことだ。

ただ、何故かタコはE組の担任をするとの事で隔離校舎で教鞭を振るっているとのこと。

成功報酬としてタコを殺せば100億貰えるとのらしい。

この話しはE組の人達に同じ説明をし既に任務に入ってるとの事だった。

 

園川さんから対タコ用のナイフと銃を渡された。

銃はどうやらガスガンで弾はBB弾、ナイフはゴム見たいでブラブラと振り揺らすとビヨンビヨンと曲がっていた。

 

「玩具と思っていると思いますが奴に有効なのは証明済みです」

 

そう言い終わると園川さんは「何か質問は?」と聞いてきたので少年は首を横に振って答えた。

 

その後、話を終えた少年は車から降りて自宅に帰った。

流石に今から山登りはめんどいと言う理由で…………

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

E組校舎で防衛省の烏間惟臣は誰かと電話をしていた。

 

「転入生ですか?」

 

『そうだ。確か、君がいる学校の生徒が何やら、素行が悪くそちらに行く事になったらしい。しかも子供でありながら名の知れ渡っている殺し屋でもあるらしい。烏間君、健闘を祈っているよ』

 

そう言うと一方的に電話は切られ烏間は溜め息を吐いていた。

その後、その転入生のプロファイルを見て烏間は再び溜め息を吐いていた。

その転入生の名前は九重 楓と記されていた。

 


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