UA50.000越え
更に初めてランキング入りしました!
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!
最上階、ガストロは銃を口に加えながら監視カメラのモニターを見て疑問を感じていた。
(妙だな……交渉期限が迫ってんのに監視カメラに変化が無さすぎる。鉄腕やビックフットは兎も角、スモッグとグリップにもケータイが繋がらねぇ)
「あのっすねボス……」
ガストロは雇い主に報告をしようとしたが、雇い主は興奮しながら別のモニターに夢中になっているのに気付いた。
「このアングルだと一部の生徒しか映らないなぁ……あのホテルにもっとカメラを仕掛けておくべきだったぜ。良いなぁ……中学生どもが苦しむ顔」
雇い主はE組の生徒達が苦しんでいるのを顔を掻きながら狂ったような笑い声を出しながら見ていた。
「(……ボス…あんたの拘りも中々のもんですぜ)見回りに行くッス。何かあったらご連絡を」
ガストロは雇い主を見て溜め息を吐くと、聞いていないと理解していても雇い主に一言そういってその場を離れていった。
(味の悪ぃ仕事になってきたぜ。超生物を殺す任務がいつの間にかガキどものお迎え…………ボスの直属の手下は突っ立ってるだけ……ったくパシリかっての。くそ不味い…………やっぱり美味いのは銃だけだ)
そんな事を内心で呟きながら8階のコンサートホールのステージにつくとガストロは幾つかの気配を感じ取り、仕事人の表情になっていた。
「…………15いや17匹だな。2匹ほど気配を消してるな……恐らく、教師と殺し屋のガキだな。そして動ける全員で乗り込んできたのか」
ガストロの言葉に皆は座席の後ろに隠れたまま息を殺してじっとしていた。
何の返答も無かったことにガストロは口に咥えていた銃を手に取り背後の証明を振り向かず撃ち抜いていた。
「言っとくがこのホールは完全防音でこの銃は本物だ。お前ら撃ち殺すまで誰も助けに来ねえって事だ。おとなしく降伏してボスに頭下げとけや!!」
ガストロの発砲した銃がコンサートホール内を響かせて叫び銃を指でクルクル回していた。
その突如、またもや発砲音がしてガストロの横を掠めて照明を撃ち抜いていた。
(外した!?銃を狙ったのに……!!)
銃を撃った速水は外したことに顔を顰めていた。
(今の発砲音……ボスの手下の銃を奪ったのか!!)
ガストロはガストロで銃を奪って迎撃体制を整えていた事に驚いていた。
そんな驚いてるのを余所に楓と華鎌は左右のステージから素早くガストロに接近して近接攻撃を仕掛けていた。
しかし、それに気付いたガストロは咄嗟にもう1つの銃を取りだし楓と華鎌に向けて発砲しようとしたが、2人は銃に気付き直ぐ様飛び退いて座席の後ろに隠れた。
「(今の動きは!?殺し屋のガキは1人じゃなかったのか!…………それに暗殺の訓練を受けた中学生…か)意外と美味ぇ仕事じゃねぇか!!」
ガストロはそう叫ぶとステージの照明の明かりを強くさせ、銃を発砲をした。
発砲した弾は僅かな隙間からみていた速水の横を通り過ぎ壁に命中していた。
(う……うそでしょ?座席の間のこんな狭い隙間を通した!?)
速水は顔を青ざめながらサッと覗いていた顔を引っ込ませていた。
「1度発砲した敵の位置は絶対忘れねぇ。もうお前はそこから動かさねぇぜ。グリップ達殺し屋は暗殺専門だが、俺は軍人上がりだ。この程度の多戦闘は何度もやってる。幾多の経験のなかで敵の位置を把握する術とかを身につけた。今更お前ら中坊ごときに遅れを取るかよ」
皆の緊張が走るなか突如、殺せんせーの声がコンサートホール内に響いた。
「速水さんはそのまま待機!!今、撃たなかった千葉くんは懸命です!君はまだ敵に位置を知られてない!ここぞという時まで待つんです!!」
「どこから喋って…………」
ガストロはホール内をキョロキョロ見渡して指揮をした声の主を探していると席の最前列で無敵形態の状態でニヤニヤとガストロを見ていた殺せんせーがいた。
「熟練の銃手に中学生が挑むんです。このくらいの視覚ハンデは良いでしょう」
「……ハッ、その状態でどう指揮をするつもりだ」
「では…………木村君5列左へダッシュ!寺坂くんと吉田君はそれぞれ左右に3列!!死角ができました!茅野さんはこのスキに2列前進!!カルマ君と不破さんは同時に右8!!九重君と華鎌君は殺気を放ちつつ3列後退!!」
ガストロは戸惑いながらも今言われた名前とその移動した人を的確に記憶していつでも対応出来るようにしていた。
しかし殺せんせーは更なる1手を打った。
「出席番号13番!!右に1で準備しつつそのまま待機!!」
「へ!?」
突然の出席番号での指示だし。
これにはガストロも予想だにしていない事で慌てていた。
そんなガストロを余所に殺せんせーの指示は続く。
「4番と6番はイスの間からターゲットを撮影!律さんを通してステージ上の様子を千葉君に伝達!!」
「ポニーテルは左前列へ前進!!バイク好きも左前に2列進めます!!」
出席番号出 でもなく名前でもない、特徴で指示を出されガストロはもはや着いてこれなくなっていた。
それでもなお殺せんせーの指揮は続く。
「最近、メイド喫茶にハマった人!!撹乱のため大きな音を立てる!悪戯小僧は右に4列前進!!漫画好きは前に1列!貧乏人は左に2列!プリン好きは後ろに1列!鈍感は4列右!!」
(鈍感って俺の事か?いや……違うよな?うん!そうだ俺じゃない!)
「「「「さっさと移動しろ鈍感!!」」」」
楓は自問自答しているなか、皆に怒鳴られ渋々移動していた。
そんな中、殺せんせーは千葉と速水に声をかけていた。
「……さて、いよいよ狙撃です千葉君。次の先生の指示の後……君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは状況に合わせて千葉君のフォローを」
殺せんせーの言葉に千葉と速水の心臓の鼓動は物凄く高まっていた。
次は失敗出来ない……失敗しては行けない、その言葉が頭いっぱいになり、指が硬直して思うように動けなくなっていた。
「…………律、2人に通話頼めるか?」
2人がプレッシャーに押し潰されそうになってるとき……
『緊張してる?』
2人のスマホから楓の声が聞こえてきた。
『まぁ、あれだ……あんまり上手く言えないけど2人がプレッシャーを抱える必要は無いんだ。今、ここには超頼れるプロの俺と……次いでに華蟷螂もいる。もし、2人が外しても俺達2人が……いやクラスの皆でフォローして奴の鼻っ柱をへし折るから安心して引き金引け。クラス1の腕前の2人なんだ胸を張りな…………以上!通信終わり』
そう言うと通話が切れていた。
(…………フッ)
(自分で頼れるプロとかバカみたい)
2人は楓の言葉を思い出して苦笑いしていた。
そこに2人の緊張は何処にもなく落ち着いていた。
一方のガストロも先程の動揺を落ち着かせて、ある程度の目星をつけていた。
(出席番号13って奴が準備待機から1人だけ動いてない。そのくせ呼吸は何かを企んでやたら荒い…………)
ガストロはそんなことを考えながら他の場所も警戒していたが、その近辺は特に警戒していた。
「出席番号13番!!立って狙撃!!」
(ビンゴぉ!!)
殺せんせーの言葉にガストロがマークしていた場所から人影が立ち上がった。
ガストロは読み通りだと心の中で叫んでそいつの眉間を素早く撃ち抜いていた。
しかし、ガストロが撃ち抜いたのは菅谷の即席人形だった。
(ふー、音立てずに作ったから疲れたぜ)
菅谷はイスに隠れながら片手で額の汗を拭っていた。
「(分析の結果狙うならあの一点です)」
「OK、律」
律の言葉に千葉はそう短く返すと千葉は銃を構えて発砲した。
ガストロも人形の出現に驚いていたので完全に他はノーマークだった。
しかし、発砲音は聞こえたがどこも当たった様子が無いことに気付くとガストロは笑いを漏らしていた。
「へへへ……外したな。これで2人目も場所が……(ゴッ!!)!!」
ガストロは突如、背後から物凄い衝撃に襲われそのまま柱に激突していた。
千葉が狙ったのは釣り照明の金具。
それを撃ち抜き、釣り照明がガストロを襲ったのだ。
「く……そが…」
衝撃によるダメージにより意識が朦朧としていたがそれでも銃を離さず千葉を撃ち抜こうとしていた。
しかし、引き金は引く前に速水の発砲に銃を弾き飛ばされてしまった。
「チッ……だ…が…………まだだ!!」
ガストロがもう1丁の銃を取りだし引き金を引こうとしたが……
「残念、ここで…………」
「ゲームオーバーです!」
楓の兜角と華鎌の折り畳まれた鎌がガストロの顔面に直撃し、ガストロはそのまま倒れていた。
その光景に寺坂がテープを持ち素早く簀巻きにしていた。
「肝を冷やしたぞ。よくこんな危険な戦いをやらせたな」
烏間先生は呆れながら呟いていたら、殺せんせーは口を開いた。
「どんな人間にも殻を破って大きく成長できるチャンスが何度かあります。しかし、1人ではそのチャンスを活かしきれない。集中力を引き出すような強敵や、経験を分かつ仲間達に恵まれないと……だから私はそれを用意出来る教師でありたい。生徒の成長の瞬間を見逃さず、高い壁を良い仲間を直ぐに揃えてあげたいのです」
(何て教育だ……命懸けの撃ち合いをした後なのに…表情はむしろ戦う前より中学生だ)
烏間先生はそんなことを思いながら生徒たちを見ていた。
千葉と速水は照れながらも成功した嬉しさかお互いに腕をガシッと合わせて喜んでいた。
一方で……
「蟲……ちょっと話があります」
華鎌が楓の肩をガッチリと着かんでニッコリと笑っていた。
しかし笑っていたと言っても目が一切笑っていない。
「…………話なんて無いだろ」
「いいえ……先程、楓は私の事を次いでにと言いましたね?その考えを改めないと行けないと思いまして」
そう言うと鎌を展開させて楓に襲っていた。
「ちょっと待て!何、ガチでキレてんだよ!?ちょ!…まっ!…………ギャァァアアア!!」
楓の悲鳴に皆は止めるところか逆に笑っていた。
ちょっとしてから解放された楓は鞄から荷物を取り出して武器の確認などをしていた。
手甲のディノスパインを両手に装着させて針が出るのを確認し銃の弾を確認するホルスターにしまっていた。
「九重君、1つ言います。ギロチンと呼ばれた殺し屋との戦闘は多くても10分しか取れません。もし長引くと判断したら華鎌君にヘルプに入ってもらいます」
殺せんせーの言葉に楓は頷いて荷物を渚に預けた。
「んじゃ行こっか」
楓はそう言うと一同は9階の階段を昇ってあった。