プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

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倉橋との絡み話をしたいが為にちょっと無理矢理感があると思いますがご了承ください!

倉橋「早く登場したいよー!」

もうちょっと寝てなさい!


虫の時間

楓と渚が着替え終わり、皆は進んでいると7階の大広間にでた。

 

「この階、何か他の階と違って壁違うな……」

 

楓はそう言うと壁をコンコンと叩いて確認していた。

 

「7階はVIPフロアのようですからねぇ。中だけではなく外で騒いでも他の階や部屋の中に響かない用になってるみたいですね」

 

殺せんせーの説明に成る程っと楓は呟くとスレッドで確認していった。

 

「防音ってだけあって振動が伝わりずらいな……でも……この先に2人の男が見張ってる。…………いや、他にもいる?ダメだ気配隠して上手く感知出来ない。律、カメラで調べれないか?」

 

「お任せください」

 

そう言うと律は皆のスマホにパッとカメラ映像が出てきた。

その映像は8階に続く階段の所に男が2人見張っていた。

念のためカメラを動かして辺りを探ってみたのだが他に人影のようなものは写っていなかった。

 

「…………気のせいか?でも確かに他にも……」

 

「あまりスレッドの感知ばかりに頼らない。周囲に張り巡らせてるならまだしも、簡易的に張って調べて解るのは精々数メートル。スレッドばかりに頼らないで体で気配を上手く感知なさい。あんたには集中力操作自在ってスキルがあるんだから極限まで集中して察知しなさい」

 

兜蟲の言葉に楓は頷いてスレッドをしまいこんでいた。

 

「それにしても上への階段に見張りか。超強そう……」

 

「私達を脅してる奴の一味なの?それとも無関係の人が雇った警備?」

 

菅谷と矢田が呟いてるなか、寺坂はフンと鼻で笑っていた。

 

「どっちでもいーわ。倒さなきゃ通れねーのは一緒だろうが」

 

「寺坂くんの言う通り。そして倒すには君が持ってる武器などが最適ですねぇ」

 

殺せんせーの言葉に寺坂は舌打ちをしながら鞄を降ろして鞄の中をゴソゴソしていた。

 

「……できるのか?一瞬で2人共仕留めないと連絡されるぞ」

 

「任せてくれって…………おい木村、テメーなら直ぐに敵だとは思われねーだろ。あいつらをちょっとここまで誘い出してこい」

 

「俺がぁ?どーやって」

 

「知らねーよ。何か怒らせること言えば良い」

 

「じゃあ、こう言ってみ木村……」

 

木村が考えてるときカルマがピンと閃いたのか木村に耳打ちをして伝えていた。

楓や華鎌、兜蟲の3名は何があっても良いように準備をして待機していた。

カルマが耳打ちで伝え終わると木村は男達の方に向かって歩いていった。

 

「?……何だボウズ」

 

「あっれ~?脳みそ君がいないなぁ~?コイツらの頭の中まで筋肉だし~………………人の形してんじゃねーよ豚肉どもが」

 

男の1人が木村に気付くと木村はカルマに言われた挑発を言い踵を返して皆の所に戻ろうとしていた。

 

「「おい、待てコラ」」

 

男2人は鬼の形相で木村を追いかけに来て、木村は全速力で皆の所に戻っていった。

木村の俊足に男2人は追い付かず皆の所に戻ると寺坂と吉田が男2人に向けてタックルをしていた。

男2人のバランスを崩した寺坂と吉田はそのままスタンガンを男の首にあて、強烈な電撃を浴びさせてノックダウンさせていた。

 

「……良い武器ですね寺坂くん。ですが、その2人の胸元を探って下さい。膨らみから察するにもっと良い武器が手に入る筈ですよ」

 

寺坂は殺せんせーの言われた通り、胸元に手を入れて探してみると、其々の胸元からM60の銃が2丁出てきた。

 

「そして……千葉くん速水さん、この銃は君達が持ちなさい。烏間先生はまだ精密な射撃が出来るほど回復していない。九重君達も自前の銃を持っています。この中で次にそれを使えるのは君達2人です。ただし、九重や華鎌君にも言いましたが先生は殺す事は許しません。君達の腕前でそれを使えば、倒す方法はいくらでもあるはずです」

 

千葉と速水は先程の失敗もあり不安に苛まれてながら銃を受け取っていた。

 

「あなた達、お話は一旦おしまいよ」

 

「「「え?」」」

 

兜蟲の言葉に何人かが惚けた声を出していると目の前に2人の巨漢体型の男がいた。

 

「ガキどもに伸されたのかよ。なっさけねーなー!」

 

アロハシャツを着た巨漢……鉄腕は見張りの男達の無様な姿を見てガハハ!と笑っていた。

 

「グフッ!柔らかそうなのが……一杯……何れも脆そう……グフフフ」

 

ローブを羽織っている巨漢……ビックフットは薄気味悪い笑い声を出していると女子達はゾクッと寒気に襲われて身震いしていた。

 

「コイツ等って兜蟲が言ってた……」

 

「そうよ。私の獲物よ。……にしても2人同時はちょっと面倒ね楓、あんたは友達を守ってなさい。花蟷螂はビックフット相手してもらえる?」

 

兜蟲の指示に2人は頷き、楓は兜角を兜蟲に渡した。

 

「その服装からして手ぶらでしょ?俺の貸すから早めにぶっ飛ばしちゃって」

 

「ってちょっと待てよ九重!ヤバそうな奴等なんだお前もいった方が良いに決まってんだろ!?」

 

吉田は楓の肩を掴み巨漢2人の方を指差しながら怒鳴っていた。

 

「花蟷螂の方はヤバかったら勝手にシャシャリ出るから……良いだろ?」

 

楓はそう言うと華鎌は縦に頷いて、鎌を展開させていた。

 

「別に全員が相手でも良いんだぜ?貴様等雑魚が何人束になっても俺にゃ敵わねーんだからよ!」

 

鉄腕はそう言うと大笑いしていたが楓はあちゃーと言い顔に手を当てていた。

 

「終わったな……」

 

楓はポツリとそう呟いていた。

 

 

 

鉄腕は兜蟲目掛けて思いっきり、義手の拳を兜蟲にお見舞いしていた。

鉄腕はそのまま何度も何度も拳を振るい、生徒達はその光景から目を反らしていた。

 

「楓くんの師匠がこのままだと「問題ないよ渚。現にあの場所から1mmも動いてないし」え?」

 

渚の言葉に楓はそう言うと見てみなと指を指していた。

そこには鉄腕の腕を片手で受け止めてる兜蟲の姿があった。

 

「これが全力?……なら今度は此方の番ね!」

 

兜蟲はそう言うと兜角を床に刺して、両手で鉄腕の腕を持つとブンブンと何て事無いかの用に振り回し始めた。

天井を床を壁を何度も何度も叩き付けていた。

 

「そもそも、兜蟲相手に力業で挑むのが間違いなんだよ。馬鹿力だけなら虫の中でも右に出るものは居ないって言うのに」

 

皆が目の前の光景に唖然としてる中、楓は苦笑いしながら見ていた。

兜蟲はパッと腕を離すと鉄腕は遠心力で飛ばされて壁に激突していた。

 

「こんなバカな事があるか!非弱な女に!この腕力で最強な俺が!」

 

鉄腕が叫んだ時には目の前に兜角が顔に迫っていて振り抜かれていた。

 

「ふふ、あんたに1つ教えてあげるわ」

 

兜蟲は一旦そう区切ると両腕の義手を力任せにへし折っていた。

 

「最強は10年早いぞ♥」

 

そう言い終わると顔と腹に兜角を1発ずつ加えると鉄腕の意識を奪い去った。

 

「あら?花蟷螂はまだかかってるのね」

 

鉄腕を床に倒して兜蟲はその上に座り観戦するのだった。

 

 

 

 

華鎌の方は一方的な展開だった。

ビックフットの気配が全く感じられず、一方的に殴られていた。

楓達も華鎌の方を見ていたが、一方的にやられて言葉が出ない状態であった。

 

「気配を消すのが上手すぎて存在すら認知出来ない…………」

 

「成る程……だからビックフット(未確認生物)何ですね。九重君が相手ならどうしてますか?」

 

殺せんせーの言葉に楓は少し考えてから答えた。

 

「ここら辺一帯にスレッドで張り巡らして捕らえるか、奴の動いた時の気流を読んで攻撃するかですかね…………どちらにしても相手が動かないと俺も手が出せません」

 

楓は真剣な表情でそう答え、でもと言い再び口を開いた。

 

「花蟷螂にとって問題ないですよ。あの程度の相手は」

 

楓はニヤリと笑いそう答えるのであった。

 

華鎌はビックフットの殴る蹴るを直感的に察知し鎌で防いでいるが、そうそう上手くは行かなかった。

ビックフットの蹴りが腹に命中し宙に浮いた所を殴って壁に叩き付けていた。

 

「がはっ!!」

 

その影響か、華鎌は口から血を吹き出していて床に倒れていた。

起き上がった華鎌の顔には大粒の涙が零れていて、手を合わせて祈るようにしていた。

 

「ヒッグ……お、お願いです。も、もう……やめて……ウッ……ぐだざい……痛いのは……もう嫌です」

 

華鎌は見えないビックフットに降伏していた。

その様子からは殺気はおろか、完全に戦意を失っていているのが生徒達にも解っていた。

 

「おい、九重!助けてやれよ!」

 

磯貝は楓にそう叫ぶも、楓は一切その場から動かなかった。

 

「聞いてるのかよ!?」

 

磯貝はそんな楓を見てイラッと来たのか胸ぐらを掴んでいた。

 

「大丈夫だって言ってるだろ。それよりその手を離してくれ……苦しいから」

 

楓はそう言うと磯貝は胸ぐらを離して直ぐに楓の顔に拳を叩き込んでいた。

 

「失望したぞ!」

 

磯貝の言葉に楓は溜め息を吐いて烏間先生と殺せんせーに口を開いた。

 

「先生方に質問。さっきまでとは何が違うの解ります?」

 

楓の言葉に烏間先生は考える素振りをしていて、対する殺せんせーはニヤニヤしていた。

 

「ビックフットと呼ばれる男の気配が徐々にですが漏れてますね」

 

殺せんせーの言葉に烏間先生ハッとした表情になっていた。

 

「正解です。そろそら花蟷螂が攻撃開始すると思いますよ」

 

「どうしてそう言い切れるの?俺から見たって、戦意喪失してんじゃん」

 

カルマの冷めた視線で楓を見ていたが楓は問題ないと口にしていた。

 

「あれが花蟷螂の殺り方なんだ。見てみろって、ほら」

 

楓はそういって指を指すとそこにはビックフットの腕に華鎌の鎌が刺さってる光景があった。

 

時間は少々、巻き戻って華鎌が手を合わせてビックフットに降伏している時。

 

(グフフフ、漸く…諦めた……か。そ、そしたら……直ぐに……楽にしでやる!)

 

ビックフットは華鎌の姿に嗜虐心がそそられたのか、満面の笑みで華鎌の背後に立ち、止めを刺そうとしていた。

 

「そこでしたか」

 

短い声だけどハッキリとビックフットには聞こえた瞬間、ビックフットの腕に鎌が刺さっていた。

 

「!?バ、バカな……お…おでは……完全に気配を消して……たのに!?」

 

ビックフットが驚いてるなか、華鎌はビックフットの方を向いていた。

華鎌の表情は泣き顔ではなく、獲物を見付けたような顔でビックフットを見ていた。

 

「そうですか?まるで餓えた獣のようにありありと殺気を放ってましたよ」

 

 

ビックフットは獲物に見付からない用に気配を消して獲物を狩るのに対して、花蟷螂はその逆で獲物に発見されるようにして獲物を狩る。

花蟷螂は特殊な体色により、より多量の紫外線を反射し更に動作や芳香も完璧に擬態し、より鮮やかでより美しい“花”より目立つ“華”となり獲物の方から近付いて来るほどの御馳走を演じる。

 

「そして、蟷螂にとって手を合わせる動作は祈りでも降伏でもない。攻撃の体制何だよ」

 

楓は磯貝に殴られた所を擦りながら説明していた。

 

「グ……グソッ!!」

 

ビックフットは再び気配を消して華鎌の前から消えていった。

 

「また見えなくなった!?」

 

「いいえ。先程よりも気配を隠すのが雑です」

 

不破の言葉に殺せんせーはそう言うと楓は頷いて付け加えていた。

 

「もし仮に気配を隠せても隠せないものがあるから皆も探すのは楽だよ」

 

楓の言葉に皆は考えてると千葉はハッとした表情で答えた。

 

「血か!」

 

「正解。桐の鎌でアイツの腕を怪我させて大漁の血が流れてる。隠れてるのなら床が血で染まってる筈だ」

 

楓はそう言うとある一点を凝視していた。

 

(グソッ……グソッ!!ごの…おでを謀りやがっで……絶対に殺しでやる!おでの気配を消す……スギルは完璧だ!)

 

一方のビックフットは完全に冷静さを欠いていた。

 

「見つけましたよ。どうやらあなたは焦りや興奮、冷静さなどが揺らぐとそのスキルも疎かになる。それがあなたの弱点見たいですね」

 

華鎌はそう言うと鎌で攻撃をしていた。

しかしその攻撃は回避されていたが先程とは違い、当てずっぽう出はなく回避の場所を誘導されていた。

次第にビックフットの背後には壁があって逃げ道がなくなってしまった。

 

それを見ていた楓は再び口を開いた。

 

「桐……花蟷螂の戦術は油断を誘ってペースを乱し、生まれた隙を狙い撃つ騙しの戦術。ビックフットの用にスキルを過信する奴ほど花蟷螂の恰好の獲物だ」

 

華鎌はビックフットに対して手を合わせているとビックフットは華鎌に殴りかかっていた。

しかし、その拳は空を切って華鎌に当たることはなかった。

華鎌は鎌を地面に刺して跳躍しビックフットの拳をかわしていた。

そのまま、折り畳んだ鎌でビックフットをタコ殴りし着地すると脚の健を切って、止めに折り畳んだ鎌で渾身の1発をビックフットの顔に叩き込んでいた。

その1発でビックフットの意識を奪い床に沈めるのであった。

 

「な?俺の出番なんていらなかったろ?」

 

楓は磯貝達にそういっていた。

 

 

 

 

「悪いけど、こいつ等の事もあるから私はここでお別れね」

 

その後、暫くしてから兜蟲はそう言うと意識のない2人の足を引っ張っりながら、じゃあね~!と気楽に言いながら去っていった。

 

「たく……お前にしちゃ、手こずりすぎだろ」

 

「聞きましたか皆さん!私、頑張ったのにこの言葉!頑張った私に労いの言葉も無いんですか!と言うかグリグリするのやめて下さい!」

 

「アー、ガンバッタネー」

 

「何で棒読みなんですか!!」

 

楓と華鎌はそんなやり取りをしていると磯貝は申し訳なさそうにしながら楓に近付いた。

 

「ごめん……あの時、思わずカッとしちまった」

 

「過ぎたことだ、気にすんな。殴られた痛みは……お前に八つ当たりだ」

 

楓はそう言うと後ろにいる奴に殺気をぶつけた。

ソイツは金髪の髪をサイドに縛って、季節外れのマフラーをしていた少女だった。

 

「どうせお前も雇われたんだろ?“ギロチン”」

 

「ククク、やっぱりお前がいたか蟲。正直、この仕事は乗り気じゃなかったけどお前がいるなら別だ。俺は9階で待ってる。たどり着いたら相手してやるよ」

 

楓がギロチンと言った少女はそう言うとエレベーターに乗って上に行ってしまった。

 

「あの言い分だとアイツの他に最低でも後1人は相手しなきゃならんのか」

 

楓の呟きに皆は緊張していたが寺坂がそれがどうしたと言っていた。

 

「皆のワクチンを取りに行って黒幕をぶっ飛ばしに行くんだ。そいつ等は次いでにボコれば良いんだよ!」

 

「寺坂くんの言う通りです。皆さん、行きましょう」

 

華鎌の言葉に皆は頷いて8階の階段を昇っていった。

 


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