プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

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打ち上げの時間

「じゃあ、球技大会お疲れ様!!そして必ず殺せんせーを殺るぞ!!カンパーイ!!」

 

「「「「「カンパーイ」」」」」

 

磯貝が音頭を取り皆は紙コップの中のジュースを飲んだ。

 

球技大会が終わって土曜日、楓の家の庭で球技大会の打ち上げでバーベキューをしていた。

この日は天気も良く、皆は庭にシートを引いて座ったり、パイプ椅子を用意して座ったりしていた。

 

「にしてもごめんよ、九重。急に大勢で押し掛けちゃって」

 

「気にすんな。それよりも楽しもうぜ…………ほらこれも焼けた」

 

楓はそう言って磯貝の持ってる紙皿に焼けた肉と野菜を乗っけた。

 

「おっ、九重!俺にも乗っけてくれよ!」

 

岡島が皿を持ってやって来たので楓はトングで焼けたものを岡島の皿に乗っけた。

 

「……って全部野菜かよ!?肉をくれよ肉!!」

 

「さっきので焼けたのは無くなったよ。今、焼いてるから待ってろ……生で腹壊しても良いのなら乗っけてやるけど」

 

「ありがたく野菜を頂きます!」

 

岡島はそう言って野菜をむしゃむしゃと食べていた。

 

「九重君、代わるよ?」

 

「良いよ。皆、食材買ってきて持って来てくれたりしたからこれぐらいは俺がやるよ」

 

原が代わろうかと声をかけてくれたのだが楓は大丈夫と言い飲み物を飲んでると、原は何時でも代わるからねと言って女子の所に戻っていった。

 

「肉焼けたぞー!欲しいやつ早い者勝ちだぞー!」

 

楓がそう言うと肉に飢えてた奴等が一目散に寄ってきた。

 

「ほらよ!持ってけ!」

 

楓は焼けたものをどんどん紙皿に乗っけていった。

 

「楓君さっきから焼いてばっかりだけど食べてるの?」

 

「焼いてる合間にしっかり食べてるよ」

 

楓はトングと割りばしを持っており、合間を見て食べていた。

 

「「かっらー!!」」

 

唐突に叫ぶ声が聞こえたのでそちらを見てみると三村と岡島が喉を押さえて転げ回っていた。

その傍ではカルマが激辛香辛料を持っており、けらけらと笑っていた。

それを見ていた者は苦笑いしており地味にカルマと距離を取っていた。

 

「楽しそうですね」

 

ふと声が聞こえたので振り向くと家の窓からアリスが此方を覗いていた。

 

「アリス姉、帰ってたんだ。お帰りー」

 

「あ、アリスさんだー!こんにちわ!」

 

「お久しぶりです!それとお邪魔してます!」

 

楓と会ったことのある倉橋と矢田はアリスに挨拶しており、他の皆は誰だ?って顔をしていた。

 

「えぇ、久しぶりですね陽菜乃ちゃん、桃花ちゃん。それと皆さんは初めましてですね。藤井アリスと言います」

 

「俺に糸の扱い方を教えてくれた師匠になる人で、蜘蛛と呼ばれてる人だ」

 

アリスの紹介に楓は付け足すように言うと皆は崩していた足をしっかり座り直すようにしていた。

 

「わっ、す、すいません!お邪魔してます!それと騒がしくしてすみません」

 

片岡が申し訳なく言い、頭を下げるとアリスは気にしない素振りをしていた。

 

「近所迷惑にならなければ良いですよ。皆ゆっくりしていってくださいね」

 

「アリス姉が家の中にいるってことは暫くは仕事休みなの?」

 

「えぇ、ですが今日はこれから沖さんとショッピングしに行きますけどね」

 

「あぁ、蜚蠊さんもいるのか…………」

 

「何ですの?その汚物を呼ぶみたいな言い方は」

 

楓の呟きに異議があると言いながらパクパクとお肉を食べていた女性がいた。

 

「うわっ!?いつの間に…………」

 

「「「!?」」」

 

楓とアリス以外、皆が驚いており2人は苦笑いしていた。

 

「いつの間にかそこにいる…………それが蜚蠊ですわ」

 

その女性はツインテールにしており蜚蠊の触覚に似たアホ毛が2本ついておりるのが特徴の女性だった。

 

「この人の名前は沖めぐみ。一応、殺し屋でコードネームは蜚蠊と…………って食いすぎ!」

 

楓は蜚蠊の自己紹介をしようとしたが肉ばかりをパクパクと食べているので背後から殴ろうとしたのだが、後ろを振り向かずにヒョイっとかわしていた。

 

「そんな攻撃じゃ簡単に回避出来ますわよ。…………ご馳走様でした。ではアリス様、行きましょう」

 

蜚蠊は何事も無かったかのようにそう言ってアリスと一緒に買い物に出掛けていった。

 

「くそっ、相変わらずヒョイヒョイ避けやがって」

 

楓はいなくなった蜚蠊に悪態をつきながら何事も無かったかのように肉を焼いていた。

 

「あの人、楓君の攻撃を後ろも見ずにかわして凄い…………」

 

渚がそう言うと周囲の人たちもウンウンと頷いていた。

 

「背後の攻撃だけじゃなくて糸もかわされたよ」

 

楓は良く見てみろよと言うと皆は楓の周囲を凝視していた。

すると楓の周りに細い糸がいくつも張り巡らされていた。

 

「さっき、殴るついでに糸も張ってみたけど案の定、あの人には効果無かったな…………あの人はスピードと回避が特化した殺し屋なんだよ。だからついた名前は蜚蠊だ」

 

「でもどうやってかわしたの?」

 

「風読みっていうスキルだな。僅かな風の変化を体で感じて相手の動きや罠を見抜く危険察知能力を使用して回避したんだよ」

 

楓はスレッドを仕舞いながらそう説明をしていた。

スレッドを仕舞い終わった楓はパンと手を叩いていた。

 

「まぁ、そんな話は置いといて打ち上げ楽しもうぜ?肉も焼けたから食ってけ!ほら岡島」

 

楓は岡島の皿にどんどん乗っけていった…………が

 

「ってちょっと待て!!これ全部野菜じゃ無いか!しかも真っ黒に焦げてるぞ!?」

 

「安心しろ岡島。それを肉だと思えば真っ黒に焦げた野菜でも肉に「ならねーからな!!」……最後まで言わせろよ。とにかく、食えって…………さもないとカルマ」

 

楓は唐突にカルマを読んだ。

楓は岡島を逃げない用に押さえるとカルマは激辛香辛料を焦げた野菜に振り掛けていた。

 

「ほら岡島、食えよ。…………あーん」

 

「やめろ、やめてくれ!やめろーーー!!」

 

カルマは大量の焦げた野菜を岡島の口に詰め込み口にガムテープを張っていた。

岡島は辛さと苦さが口の中で凄まじい事になってるのか必死にガムテープを剥がそうと悶えていた。

それを見ていた周りの人は笑いながらバーベキューを楽しむのであった。

 

日も傾き辺りも暗くなり始めた辺りでバーベキューも修了した。

片岡、磯貝による指示のもと皆でぱっぱとやり30分とかからずに片付けは終了した。

その後、余った食材は欲しい人で分け合って一部の人以外は帰っていった。

残ったのは渚、杉野、岡島、千葉、倉橋、矢田、神崎だった。

残ったメンバーはリビングで集まっておりテーブルを囲って座っていた。

 

「で、皆持ってきたか?」

 

岡島の一言に皆は頷き鞄から徐にゲーム機を取り出してきた。

楓も自室からゲーム機を持ってきて、座る場所を探していたら矢田と倉橋が間を空けてくれたので楓はサンキューと言ってそこに座った。

 

「にしても男子は兎も角として女子も参加するとは思わなかったな。特に神崎の家って厳しいんだろ?」

 

「うん。明日は休みだから友人の家で泊まり掛けの勉強会するって言って来たから大丈夫だよ。実際に今日は矢田さんの家で倉橋さんとお泊まりだし」

 

神崎がそう言うと倉橋と矢田はねーと言い合い神崎はニコッと笑っていた。

かく言う男子も今日は楓の家で泊まることになっている。打ち上げの後、皆で1日ゲームしようぜと言うことになっており、その話で盛り上がっていたら女子達もゲーム参加したい!と言ってきて3人が参加してきたのだった。

 

「そう言えば渚も大丈夫なのか?お前の母ちゃん結構厳しいだろ?」

 

「うん。でも楓君が助けてくれたから何とか問題ないよ」

 

杉野の言葉に渚は苦笑いしながら言い楓の方を向いていた。

当初、渚の母が反対していたのだが元A組で前回のテストで総合4位を取った楓に教えてもらうと言って、楓も電話越しだが渚の母親と話し手なんとか許可を貰えたのだ。

 

「ただ、今度のテストで50以内に入って結果を出せって条件出たけどね」

 

「おい、ちょっと待て!それは初耳だぞ?これって俺責任重大じゃないか」

 

渚の言葉に異議を唱えていた楓。

それに渚はゴメンゴメンと平謝りしていた。

 

「たまにはこうやって皆と楽しみたかったんだ。それに前回のテストは散々だったけど、今度はしっかりやるよ」

 

渚の言葉に皆はうんと頷いていた。

楓もそれ以上の事は言わずにじゃあやるかと言っていた。

 

「男子も泊まるなら、このまま私達も楓君の家に泊まらない?」

 

矢田の何気無い一言に楓はダメだろうと異議を唱えた。

 

「女子が男子の家に泊まるってそれは不味いだろ。神崎や陽菜乃も嫌だろ?」

 

「九重君が良いなら私は平気だよ。皆、変なことしないって信用出来るから」

 

「私も大丈夫だよー?」

 

神崎、倉橋共に大丈夫と言って頭を抱える楓。

神崎が大丈夫と言って杉野のがよしっ!と小さくガッツポーズをしてたのを見た男子は苦笑いしていた。

楓は最終手段でアリスに電話をかけるとアリスからは「如何わしい事さえしなければ別に良いですよ?あ、後今日は兜蟲さんと芋蟲さん、沖さんとで飲みに行くことになったので今日は帰りません」と言って電話は切れた。

 

「この家の家主から許可が出たからどうぞ」

 

楓はそう言うと女子達はやったーと喜んでおり、岡島と杉野も喜んでいた。


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