プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

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夜の時間

あれから京都のいろんな場所を回って、観光を満喫していた。

今は……

 

「念願の出町ふたばの豆大福!」

 

「もちもちして美味しい~♪」

 

「京都に来たのならこれは食べないとだよねぇ」

 

「ありがとう九重君」

 

「悪いな九重」

 

「並んだかいがあったぜ!」

 

俺達は皆、片手に出町ふたばの豆大福を持っていた。

京都に来たならこれ食べたい!と言う意見が出たので一行は店を目指していた。

その時、前原が……

 

『ただ、買うのも味気無いからじゃんけんで負けたやつが皆に奢るって言うのはどうだ?』

 

その意見に俺達は面白そうだと言うことでじゃんけんを

した結果、俺が1発で負けてしまい皆に奢る羽目になった。

 

「くっ、悔しい……けど美味しい」

 

俺は豆大福を頬張りながらそんなことを呟いていた。

PPP!

突如、誰かのケータイが鳴り各々のケータイを確認していた。

どうやら片岡のケータイだったようで、メールを返信するとポケットに仕舞い込んだ。

 

「原さんから、狙撃失敗だって」

 

それを聞いて皆はやっぱりかと苦笑いをしていた。

中村からも先ほど、連絡が来て同じく失敗の報告が来ていた。

 

「後は渚達か。場所は祇園だっけ?」

 

「それなんだけど何か渚達の班でトラブル発生して殺せんせーが慌ててたみたい…………」

 

「カルマの奴が何かやらかしたか?」

 

「まさか、いくらカルマでも修学旅行で問題は起こさないだろう」

 

なんて問答をしていると片岡のケータイに渚から連絡がありトラブルは無事に解決したとの事だった。

 

「あっ、追記で暗殺は中止になったって」

 

それを聞いて俺達はあららと苦笑いを浮かべていた。

まぁ、あれだ何があったかは解らんが無事だったらいっか。

それから俺達は京都の食べ歩きを再開し京都を満喫するのだった。

 

「また、お前の敗けだから奢り決定な」

 

「ちくしょう!」

 

同時に俺のじゃんけんの弱さも皆に知られ、食べ歩き代は全部俺が払う事になった…………

 

夜、皆が旅館に戻り自由に過ごしていた。

俺は旅館にあるゲーセンで千葉とガンシューティングで対決していた。

 

パパン!パパパ!カチャ……パンパン!

 

「やるな」

 

「お前こそ」

 

迫り来る敵を撃ち殺しているのだが、スコアは同じ……いや若干、千葉が上か?

千葉の方が正確な射撃でヘッドショットを狙ってるので弾の消費も少なく尚且、スピーディーに次のターゲットを撃ち抜いている。

結果は最終ステージクリアーでスコアは俺の2000足らずで敗けてしまった。

 

「なに飲む?」

 

「じゃあ、ペプシで」

 

この勝負は敗けた方がドリンクを奢ると言う物だったので俺は自販機でペプシを購入し千葉に渡した。

 

「にしてもヘッドショット狙ったはずなのに中々倒れないってどういう事だよ」

 

「このゲームのヘッドショットはシビアだからな。正確に撃たないとカウントされないんだよ」

 

どうやら千葉はこのゲームを何度かやったことあるらしく、それでヘッドショットを明確に撃てたらしい。

 

「九重、今日でいくら出費した?」

 

「…………言うな」

 

前原の言葉に俺はそっぽ向きながら答えた。

周りはなんの事だ?と聞いてきて今日の事を話したら見事に笑われてしまった。

 

その後、俺は涼みに外に出たら烏間先生がいた。

 

「ん?九重君か。こんなところでどうした?」

 

「涼みに来ただけですよ。ジュース2本あるんですが1本いります?」

 

涼みに来る前、自販機でジュースを買ったら当たりを引いてもう1本ついてきた。

その事を烏間先生に言うと貰おうと言いジュースを渡した。

 

「レッドアイが暗殺を辞退した。だから明日は暗殺の事を忘れて皆で楽しむと良い」

 

「わかりました。皆には後で伝えときます」

 

「それとすまない。君の過去の経歴を勝手に調べさせてもらった」

 

「…………そうですか」

 

烏間先生がそう言うと俺は俯きポツリと呟いた。

 

「無論、他言はしないことは約束する」

 

そう言って貰えると助かるよ…………

 

「ただ、何時か知られるときがあるかも知れん。その時は覚悟しといた方が良いだろう」

 

烏間先生はそう言うと、涼むのも程々になと言って旅館の中に入って行った。

 

「おっ、九重じゃん」

 

その後、暫くしてから旅館の中に入り男子部屋に戻ろうとしたらカルマがいた。

 

「よぉ。部屋に戻るんなら一緒に行こうぜー」

 

「OK」

 

「そういや何かトラブったんだって?何やらかしたんだよ」

 

「いやいや、俺がやったみたいに言うなよ。高校の奴等が絡んできたんだよ」

 

なんだカルマじゃないのか…………

そんな話をしながら部屋に戻ると男子が集まって何か話していた。

 

「おっ、なにしてんの?」

 

俺はそう言いながら顔を覗かして見た。

集まってる男子の中心には紙があり其処には気になる女子ランキングと書かれており、女子の名前の隣に投票なのか正の字が書かれていた。

 

「面白そうな事してんじゃん」

 

カルマは覗き見してきてそう言ってきた。

 

「お前らクラスで気になる娘いる?」

 

「皆言ってんだ。お前らも言えよ」

 

木村、前原はそう言ってきた。

にしても気になる娘ねぇ…………

 

「うーん、奥田さんかな」

 

「お、以外何で?」

 

「だって彼女、怪しげな薬とかクロロホルムとか作れそーだし、俺のイタズラの幅が広がるじゃん」

 

「……絶対くっつかせたくない2人だな」

 

前原の呟きに一同はウンウンと頷いていた。

 

「九重は?カルマも言ったんだからお前も吐いて楽になれよ」

 

まるで警察の事情聴取だな…………

菅谷の言い方に思わず苦笑いになってしまう。

 

「まぁ、倉橋だな。クラスで良く話すし」

 

「あぁ、確かに良く話してるよなお前たち」

 

まぁ、話すって言っても動物関係が大半だけどな…………

俺はそう思いながらふと窓に視線を移したら。

 

「なぁ、皆。これって秘密なのか?」

 

俺の問に男子の殆どが当たり前だろと答えていた。

 

「じゃあさ、あれは良いのか?」

 

俺は窓に指を指しながら言うと皆は窓に視線をやった。

其処には殺せんせーが覗きながら今の話をメモしマッハで逃げていった。

 

「メモって逃げやがった!!」「殺せー!」「追えー!!」

「待てやこのタコ!!」「生徒のプライバシーを侵しやがって!!」

 

多くの男子はナイフと銃を瞬時に持ち、殺せんせーを追いかけていった。

 

 

 

 

 

一方、女子サイド…………

 

女子たちも何やら賑やかに話をしていた。

 

「あぁ、やっぱり一番人気は烏間先生かー」

 

「カッコいいからね」

 

どうやらこちらも男子の中で誰が良いかというランキングをしていたようで烏間先生が断トツの1位だった。

 

「ほら、ガキ共ー。そろそろ就寝の時間よ。って言ってもあんた達の事だからこのまま、くっちゃべってるんでしょ?騒がしくしないなら目を瞑るわ」

 

「さっすがビッチ先生、話が解ってる!」

 

そんな中、ビッチ先生は就寝時間の報告をしに来たのだが、端から聞かないだろうという理由で形だけの連絡をしてきた。

 

「ん?へぇ、面白いことやってるじゃない」

 

ビッチ先生は男子の人気ランキングの紙を手に取り、じっくりと眺めていた。

 

「って何で烏間が入ってんのよ。ここは普通、クラスの男子だけで決める物でしょ」

 

ビッチ先生はやり直しと言い今度は烏間先生抜きで再度男子の人気ランキングをさせていた。

 

「さてさて結果は…………やっぱり一番人気は磯貝の4票ね…………次に前原が3票カルマに渚が2票ずつで…………おっ、まだ来て日も浅い九重が1票入ってるじゃない。誰が入れたのかしらねぇ」

 

そう言ってビッチ先生は女子を見渡した。

その中で1人フッとビッチ先生と視線をずらした女子がいたのをビッチは見逃さなかった。

 

「ダメだよビッチ先生。あたしらだって解らないようにしたんだから」

 

「私ぐらいになれば表情をみれば解るのよ。…………でもまぁ、この事は私の胸の内にしまっといてあげる」

 

中村の一言にビッチ先生はしょうがないと言った感じで呟いていた。

 

「まぁ、女の賞味期限は短いの。あんた達は私と違って危険とは縁遠い国に生まれたのよ。その事に感謝して全力で女を磨いて青春を謳歌しなさい」

 

ビッチ先生はそう言うと千枚漬を1つ手に取り口に運んでいた。

 

「ビッチ先生がまともな事言ってる」

「何か生意気~」

 

女子達は有り得ないと言った口振りで言っていた。

それを聞いたビッチ先生は切れて叫んでいたのを女子達は笑っていた。

 

「じゃあさ、ビッチ先生がオトしてきた男の話聞かせてよ」

 

「あ、興味あるー」

 

矢田と倉橋がそう言うとビッチ先生は窓の縁に腰を掛けて口を開いた。

 

「フフ良いわよ。子供には刺激が強いから覚悟なさい。……例えばあれは17の時……………………っておい、そこぉ!!然り気無く女の園に紛れ込むな!!」

 

ビッチ先生が話そうとした瞬間、指を指し怒鳴り混んできた。

びっくりした女子達は指した方を見ると其処には殺せんせーが、にやけた顔で座り込んでいた。

 

「良いじゃ無いですか。私もその色恋の話聞きたいですよ」

 

「そーゆー殺せんせーはどーなのよ?自分のプライベートはちっとも見せないくせに」

 

「そーだよ、人のばっかずるい!!」

「先生は恋話とか無いわけ?」「片想いぐらい絶対あるでしょ!」

 

中村を切っ掛けに女子達は次々に殺せんせーに言っていた。

殺せんせーの額にはうっすらと汗が見え瞬間、殺せんせーは逃亡し始めた。

 

「逃げやがった!!捕らえて吐かせて殺すのよ!!」

 

ビッチ先生の言葉が口切りとなり皆は銃とナイフを持ち、殺せんせーを追いかけていった。

 

「まぁ、頑張んなさい陽菜乃」

 

ビッチ先生はそう言うと殺せんせーを殺るために追いかけていった。

 

「ねぇ、陽菜ちゃん」

 

「どうしたの?桃花ちゃん」

 

殺せんせーを追いかけていく最後尾で矢田は倉橋を呼んだ。

 

「もしかして九重君に投票したのって陽菜ちゃん?」

 

矢田がそう言うとプイッと顔を横に反らしていた。

 

「…………う、うん。良く話もするし、多分クラスの異性の中では仲が良いと思うから」

 

倉橋は恥ずかしがりながらポツリと呟いていた。

 

「うん。私からみても凄く仲良く見えるもん」

 

「何か気になるから投票したんだけど…………お願い!この事はどうか」

 

「わかってるよ。この事は誰にも言わないから」

 

赤面しながら言う倉橋に矢田は勿論と言って倉橋はホット胸を撫で下ろしていた。

そうこうしていると女子達はバラバラに散って殺せんせーを探し始めていた。

 

 

「もしもーし、たった今旅館全体の床や壁、天井に糸張り巡らしたから殺せんせーの位置解ったら随一連絡するわ」

 

 

『『『わかった』』』

 

ふと、玄関の方で誰が電話しているのを聞こえて来たのでそちらに向かうと楓が普段使っている糸を持ちながら誰かと電話していた。

 

「九重君何してるの?」

 

「ん?おぉ、

矢田と倉橋かちょっと男子で殺せんせー殺ることになったから罠張ってスカイプで皆に連絡してた。…………ん?男子に通達、多分殺せんせーは男子便の方に入ると思う。至急、急行して」

 

『そこなら俺たちの方が近い!俺達が殺ってやるぜ!』

 

糸に反応があったので連絡すると寺坂が反応してドタドタと走る音が聞こえた。

 

「どうして殺せんせーがトイレに入るのが解るの?」

 

「壁や床に糸を張り巡らしたから誰が通ると振動で俺の持っている糸に伝わるんだ。殺せんせーはマッハで移動したりするから他の人達と違って解りやすいし」

 

倉橋の質問に楓はそう返すと2人はへぇーと返していた。

 

「2人はどうしてここに?」

 

「私達も殺せんせーを探しているの。女子皆で探し回っているの」

 

「なるほど。通りで糸から凄い振動が来るわけだ」

 

楓は納得と言った感じで呟いていた。

 

『ちっ!タコに逃げられた!おい、今あのタコ何処にいる?』

 

寺坂から逃げられたと連絡があり楓は直ぐ様、糸に集中して探し出していた。

 

「…………多分、烏間先生の部屋に入って行ったと思う」

 

楓がそう言うと男子達は直ぐ様駆け出し、どこから知ったのか女子達もそちらへ駆け出していった。

 

「皆、げんきだなぁー」

 

「アハハ。でもこういうのも楽しいじゃん。ねっ、桃花ちゃん」

 

「そうだよ。旅行は楽しまなきゃ損なんだし」

 

倉橋、矢田の言い分に楓はそれもそうかと呟き口角を上げていた。

 

その後も楓は2人と雑談をしながら逐一、連絡し殺せんせーを追いかけ回しながら夜が過ぎていった。

 


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