プロの暗殺者は学生?   作:☆麒麟☆

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旅行の時間

来週から修学旅行で京都に行くことになった俺達は烏間先生の話を聞いていた。

 

「知っての通り、来週から京都2拍3日の修学旅行。本来なら君等の楽しみを極力邪魔をしたくないが、これも任務だ」

 

任務と言うことは向こうでも暗殺なのだろう。

現に岡野が暗殺なのか?と言う問に烏間先生は肯定していた。

 

「京都の街は学校内とは段違いに広く複雑だ。しかも、君達は回るコースを班毎に決め、奴はそれに付き添う予定になっている。国は既に狙撃のプロを手配したそうだ。君達には暗殺の……狙撃向けのコース選びを頼む」

 

烏間先生がそう言うと皆ははーいと返事をして話は終了した。

 

その後、一部の人達は班員を決めたりとしているなか、俺達の班は地図を広げて悩んでいた。

 

「狙撃向けのコースか……素人の俺達にとっては難しいな」

 

前原はポツリと呟きながら地図とにらめっこしていた。

 

「プロの暗殺者ってどんなやつなんだ?」

 

「レッドアイで名の通ってる殺し屋みたいだ」

 

磯貝の疑問に俺はさらっと答えると皆が此方を見てきた。

 

「何で知ってるんだ?」

 

「さっき、烏間先生にその暗殺者の名前を聞いてきた。2㎞迄の距離なら問題なく撃ち抜ける腕の持ち主らしい」

 

俺はうろ覚え気味に答えた。

 

「九重だったらどういう条件だったら狙撃しやすいの?」

 

岡野の疑問に俺はうーんと考えながら地図を見た。

 

「あんまり狙撃はやらないから宛にはならないぞ?俺なら…………着弾地点と同じか其よりも高めの位置は欲しいな」

 

狙撃地点が低ければ場所にもよるが、障害物の邪魔になったりして狙いにくい。

その点、狙撃地点が高ければ周りを見渡せるし撃ちやすい筈だ。

 

「それと対象者があまり動けなかったら尚更やり易いな。…………そう言う意味ではここだな」

 

俺は地図のある一点を指した。

 

「嵯峨野トロッコ列車?」

 

「そう。列車と言う密室の場所なら動く場所も限られるし列車も一方にしか動かないから撃ちやすい。其にトロッコだから窓なしだから遮蔽物はないし、鉄橋の上では少しの間、景色を見るために停車するらしいからその時を狙えば狙撃地点が低くても当てることは可能かな」

 

俺はケータイで嵯峨野トロッコを調べながら言った。

てか周りの反応が無いんだが気のせいか?

俺は班員の顔を見ていると皆は驚きと尊敬の眼差しで見ていた。

 

「何かプロの暗殺者って言ってる割には普段は皆とバカやってたりしてるからてっきりデマかと思ったけど、やるときにはやるんだね!」

 

「あぁ、俺はすっかり忘れてたよ」

 

「OK。お前さん達が俺の事どう思ってたか今理解した」

 

倉橋、そんなことデマ言う奴は先ずいないから。

てか前原、忘れてたとか酷いだろ。

 

「まぁ、九重君の事は置いといて…………皆は何かある?」

 

片岡がそう聞くが皆は無いらしく首を横に振ってたりしていた。

 

「じゃあ、私達の班は嵯峨野トロッコって言うことで烏間先生に説明してくるわね」

 

片岡は俺達の反応を見たあと、そういって烏間先生の所に向かっていった。

それに合わせて俺達も解散して各々が好きにしていた。

 

 

1週間経ち修学旅行の日がやって来た。

 

椚ヶ丘中3年の生徒及び教師は東京駅にいた。

AからD組はグリーン車で俺らE組は普通車とここでも不当な扱いで一部の人達は文句を言っていたりとあったが、電車に乗ってからはそんなのお構い無しと言う感じで賑わっていた。

 

「あんた達は元気ねぇ」

 

そんな中、ビッチ先生がゴージャスな格好でやって来た。

 

「目立ちすぎだ着替えろ。どう見ても引率の先生の格好じゃない」

 

烏間先生は苛立ちながら、それでも平静に言っていた。

 

「堅い事言ってんじゃないわよ烏間!ガキ共に大人の旅の「脱 げ 。 着 替 え ろ」…………」

 

烏間先生の有無を言わさない物言いにビッチ先生はトボトボとトイレに行き、寝間着であろう服に着替えていた。

 

「何で寝巻きなんだろう?」

 

「どうせリッチな生活ばかりしてきたから金銭感覚がマヒしてんだろ」

 

俺達は席で1人しくしくとしているビッチ先生を見てそう話していた。

 

そんなこともあったが電車は発進して班事に座り皆で談笑していた。

 

ある班はスイーツ等の甘いものの話、またある班は殺せんせーの話を、別の班はこれから行く京都の事について話していた。

 

俺等の班は昨日のと言うと…………

 

「やっぱペット飼うといえば犬がいいな」

 

動物の話で盛り上がっていた。

倉橋が鹿に餌をあげるのが楽しみと言ったのが切っ掛けで話していた。

 

「因みにどんな犬種が良いの?」

 

俺が飼うとしたら犬がいいと言ったら片岡が聞いてきた。

 

「大型犬も捨て難いけど俺はポメやトイプーが良いな。あのモコモコが堪らないんだよなぁ。抱き心地が最高」

 

俺がそう言うと倉橋がそれわかる~と共感して笑いあっていた。

俺も動物は割りと好きで倉橋とは普段、教室で動物談

をしていたりする。

 

「俺は逆に大きめのボーダーやシェルティーが良いな。毛並みが綺麗だし、何か一緒に走り回りたい」

 

前原はそう言っていた。

 

「ボーダーやシェルティーは牧羊犬として活躍しているから、動き回るのはスッゴい好きな犬なんだよねぇ」

 

「犬が関わってる仕事って他にはどんなのがあるんだ?」

 

磯貝が唐突にそんな質問をして周りは俺達に目を向けていた。

俺と倉橋は思い出すように考えていた。

 

「私が思い付く限りじゃ盲導犬や介助犬ぐらいかな?」

 

「後は警察犬も聞くよな。てか警察犬ってどんなことするんだ?」

 

岡野、前原が思い付くように幾つか言って警察犬の事を聞いてきた。

 

「うーとね。1つ目は足跡追及活動だね。犯人の臭いや触ったもの匂いを嗅いで追跡や追及することだよ」

 

「2つ目は臭気選別活動って言って現場の遺留品と容疑者の匂いを照合させて犯人を見付ける仕事だな」

 

倉橋と俺とで答えると班の人だけでなくE組の人達、殆どが聞いていた。

 

「後は災害救助犬。これは3つあって1つは「地震救助犬だよ」……であって倒壊した家屋の中から人を見付ける作業だな。……と言うか俺の台詞を奪うなよ」

 

「えへへ、2つ目は山岳救助犬だね。これは山で遭難したり行方不明者を見付けるお仕事だよ」

 

「3つ目は水難救助犬。簡単に説明すると海や湖で遭難した人を見付ける仕事だ」

 

俺達はそう言うと周りはへぇと考え深く声を漏らしていた。

 

「まぁ、まだまだあるから説明は省くけどセラピー犬や麻薬探知犬、猟犬や害獣駆除犬何かもいるな」

 

他にも競争犬や闘犬何かもあるがこれはまた今度で良いか……

 

「面白いのではトリュフ犬何かもあるんだよ」

 

「トリュフ!?」

 

倉橋がそう言うと磯貝は興味ありげに聞いてきた。

 

「うん。地中に埋まってるトリュフを探し当てたりするんだって」

 

「あれ?でもトリュフ探すのって豚って聞いたけど違うの?」

 

話を聞いていた矢田がおもむろに質問してきた。

 

「豚よりも犬の方が覚えやすくて近年は犬の方で探してる人が多いらしい。それに豚だと見付けたトリュフを食べることもあって大変だからって言う理由もあるな」

 

矢田の質問に俺はそう答えていたら磯貝は何かぶつぶつと言っていた。

 

「トリュフを見付けて売って金にする…………中学でたらトリュフ犬を育てて生きていこうかな…………いや、トリュフで出来るなら松茸探しも出来るんじゃないか?…………やってみる価値はあるな」

 

何て言ってるのを聞いた俺達は苦笑いしていた。

 

「…………あれ?そう言えば殺せんせーは?」

 

杉野のふとした一言に皆、ピシッと固まった。

 

「そう言えばこの話で殺せんせー、全く出てきてないよね」

 

「メタいよ不破さん」

 

メタ発言をしていた不破に渚は苦笑いしながら突っ込んでいた。

 

「うわっ!!」

 

突然、誰かが叫んだのでそちらを振り向くと其処には窓に張り付いた殺せんせーがいた。

どうやら駅で販売されていたスイーツを買っていたら乗り遅れたという何とも傍迷惑な理由だった。

 

まぁ、何はともあれこうして全員が揃い京都に向かうのであった。

 

 

 




殺先「先生のセリフがありませんよ!?」

楓「電車に乗り遅れたと罰らしいよ」

麒麟「今、セリフあったしこれで良いでしょ?」

殺先「酷い!?」

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