問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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少しの間本編を書けていなかったので少し書き方が変わっているかもしれません。

すいません!


ノーネームきっての苦労者ですよ?

レティシアは立ち上がり、服の裾に付いた砂利を払う

 

払い終わった頃にはレティシアの表情は険しいものになっていた

 

「話を戻させてもらうが、これ程の力を持つ魔王は私が生きてきた中でも片手の指ほどしか会ったことがない」

 

僕はこれ程の実力を持った相手に戦いを挑むことを考え、再度覚悟を決めた

 

僕は決めたのだ、彼女は、彼女だけはなんとしても守ると

 

「時間操作による土地の自壊……………これほどまでに大規模な事が可能な種ば星霊゙級以上、それも星の運航を支配する類いでしょう」

 

「星の運航を司る星霊となれば、最強のフロアマスター・白夜叉か……………もしくはかの黄金の魔王゙クイーン・ハロウィン゙と同クラスの怪物という事になる」

 

僕らはは苦い顔で押し黙る

 

クイーン・ハロウィンという魔王は知らないが、白夜叉と同クラスと言われれば否応なく実力が分かる

 

今の僕らでは、太刀打ちできないことも

 

「箱庭゙最強種゙の魔王ーーーでございますか」

 

「そういう事になるな。…………最悪の冗談だ」

 

力なく笑う二人を元気付けるために、少しだけ僕は行動を起こした

 

「いつか、取られた旗と名前を取り返す。それが僕らのコミュニティの目標じゃないか。今は敵わなくてもその時が来るまでに力をつければいいことだよ」

 

奮い立たせるように笑いかける僕に二人は同調するように笑った

 

「ああ、そうだな。それまでに強くなればいいんだ」

 

「そうでございますね!」

 

黒ウサギがそう答え、レティシアはふと首をかしげる

 

「しかしこれほどの力を有しているのなら、コミュニティの名前くらいは聞きそうなものだが………何か分かったことは?」

 

「いえ。白夜叉様に聞いても、東側のコミュニティではないのだろうという程度です」

 

「そうか。………白夜叉がそう言うなら、そうなのだろうな」

 

また落ち込み出すレティシアを今度は僕らがが元気付ける

 

「だ、大丈夫でございますよ!今のコミュニティはには真さん等の強力なギフト保持者が六人もいるのですから!

皆様が力を合わせれば、この荒廃した土地を復活させるなど容易いのです!」

 

「うん!むしろその程度がこなせないでここをこんなにした魔王には挑めないよ!」

 

必死に元気付ける僕達二人を見てレティシアも元気を取り戻し

 

「……………ああ。主殿達ならこの苦境も撥ね除けてくれるだろう」

 

レティシアが元気が出たことが分かった黒ウサギはウサ耳をバタつかせる

 

「理想的なのはコミュニティの中で生活のサイクルが確立できることでございます。それが出来れば備蓄を蓄えることも、組織力を高める事も出来るのですよ!」

 

「ああ。まずは土地の再生…………となれば、南側で行われる収穫祭が目下の目標」

 

収穫祭?と疑問が沸くが今は話を進めるために黙っておく

 

「yes!今は皆さんと一緒に力を蓄えておく時期なのです!」

 

「だが北側の大祭はどうする?収穫祭まで時間もあるし、主殿達が聞けば喜ぶと思うぞ?」

 

北でも祭りがあるのか、やっぱり箱庭はお祭りが多いのだろうか?

 

北の大祭なるものを知らない僕は大人しく聞き役に徹していた

 

気まずい顔になっている黒ウサギにレティシアは眉をひそめる

 

「なんだ、話してないのか?北と東のフロアマスターが行う大祭なのだろう?七桁は最下層の外門とはいえ、華やかな物になる事は間違いない。主殿達ならいい結果を残すことも」

 

黒ウサギはレティシアの言葉を遮るようにして話した

 

「いえ、その…………実は路銀がないので御座います。東西南北の境界壁まで行けるだけの蓄えが、今のコミュニティにはもうないのですよ。無理に無理を重ねて、一回分が限度で………」

 

…………。何も言えないや

 

「………貧乏は辛いな」

 

レティシア、渾身の苦笑いである

 

「で、ですがもう少しの辛抱でございます!十六夜さんや甲さん達なら必ず南の収穫祭でギフトを」

 

「く、黒ウサギのお姉ちゃぁぁぁぁん!た、大変ーーーーー!」

 

本拠に続く一本道から、狐耳の少女。リリが全力で此方に走ってくる

 

その顔は涙で一杯だ

 

「あッ!?」

 

リリが転び、一時的に体が空中に浮遊する

 

その瞬間に僕はリリの真下に(ゲート)を造り此方に落ちてきたところをお姫様だっこもどきで受け止める

 

「あ、ありがとうございます。真様」

 

「気にしなくていいよ。それで、どうかしたの?」

 

「じ、実は飛鳥様と十六夜様が甲様と耀様と悠雷様を連れて…………あ、こ、これ、手紙!」

 

リリは僕の腕から降りて、手紙を取り出すと黒ウサギに手渡した

 

黒ウサギが読んでいるところを、隣から僕も見させてもらう

 

そこには腹が立つほど達筆な字体でこう書かれていた

 

『黒ウサギへ。

北側の四○○○○○○外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。

貴方も後から必ず来ること。あ、あとレティシアと真君もね。

私達に祭の事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合()()()()()()()()()()()()退()()()()死ぬ気で探してね。応援しているわ。

p/s ジン君は道案内に連れていきます』

 

「「…………………………、」」

 

「「……………………………?」」

 

「「ーーーーーーー!?」」

 

はあ!?どういうことなの!?

 

黒ウサギと僕は仲良く片側ずつ持つ手をワナワナ震わせながら、悲鳴にも似た痛切な叫び声をあげた

 

「「な、ーーーーー…………何を言っちゃってる(言ってるんだよ)んですかあの問題児(共があああ)様方あああーーーーーー!!!」」

 

そこにはこの゙ノーネーム゙きっての苦労者がいた

 




感想や、評価をくれたら嬉しいなーー(棒)

甲「本当は欲しいがあえて強く主張しないやつを装う者がそこにいる」

うるさい!

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