問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
ミノムシのようですよ?
耀に告白して早一ヶ月、朝は冷えるので俺は布団にくるまってミノムシのようになっている
柄にもなく早起きしたので、何かしようかと思ったがこの寒さで何もやる気が起きない
否、今一つの名案と共にやる気が起きた
「二度寝しよう」
これ以外になんの選択肢があるんだろうか、いや、ない
下らない思考をする頭を枕と敷き布団の間に突っ込み、暫くして空気を求めて顔を扉の方へ向ける
暫くすると、俺の意識は夢の世界へと向かっていった
そして、もう一度覚醒したときに事件は起きた
まて。ちょっと待て。少し整理しよう!
早い時間に起きた俺は、何もやる気が出ずに二度寝したそこまではいい
だが、何故耀が隣で寝てるんだ!?そのうえ何か当たってる!?
あ、これはあれですね。俺は抱き枕なんですね、わかります
よし!こうなったら抱き枕としてひとつ頑張
「……ぅん。甲…………大好きぃ……」
れるかよ!バカヤロウ!
何、何なの!?このかわいい生き物!?
そのうえ、結構強めに掴んでて少し痛いが気にならないくらいかわいいぞ、こんちくしょー!
俺はコアラのように俺を掴む耀が起きるまでその寝顔を堪能していた
起きた耀が恥ずかしがっていたのは此処だけの話
感想、とても幸せでした。これを人は早起きは三文の得と言うのだと知りました
閑話休題
何だかんだがあったが、耀が「食事はたくさん人がいた方がいいから、飛鳥のところに行こう」と言い出したので、二人で一緒にリリのところへ行き、三人で朝食を持って行っている
耀は飛鳥の部屋の扉の前に立つと、コンコンと軽く二回ノックをして、用件を告げた
「えっと、春日部です。甲と年長組の子と朝御飯を持ってきた。飛鳥は起きてる?」
帰ってきたのは沈黙だった
もっとも、俺も耀も起きていることはわかっている
だが、此処から先は飛鳥の部屋なのでそこの区別は確り着けるべきなので、この方法を取っているだけなのだ
コンコンコン
今度は三回になった
「飛鳥?…………寝てるの…………………?」
飛鳥が布団を被り直す音が聞こえる
コンコンコンコン
四回に増えたノックの数
今度は五回だろうと思っていたのだが、その考えは耀の横顔を見て変わってしまった
耀は少しムッとしていた。そう、ムッとしていたのだ
食べ物を愛する彼女がムッとしていた、つまり
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
こうなるのである
「ごめんなさい、私が悪かったわ」
振り返った耀は心なしか満足そうな表情に思えた
俺は思う
耀、恐ろしい子。………………………………可愛いからいいか
人はこう思うことをのろけていると言うのだろうか?
俺は、ふと疑問に思った