問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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力の確認、そして………………のようですよ?

体に力が満ちる

 

指に、手に、腕に、優しくて、強い力が満ち溢れる

 

体に、力がたぎる

 

四肢に銀色の焔を纏う

 

限界を超えたバーニング・シフト。それがこのoverloadのようだ

 

ここに至るには、一人であれば辿り着けなかっただろうな

 

俺は、上半身を起こす

 

「俺、行ってくる」

 

「うん」

 

互いの事を信頼している俺達に、それ以上の言葉は必要なかった

 

俺は、ジェット噴射で悠雷のもとへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人称(悠雷)

 

俺は完全にキレていた。この上なく

 

甲が刺されているところを見た瞬間に、敵が弱かったら手加減でもするか。等と甘い事を考えていた自分を殴りたくなった

 

「怒天雷速!」

 

雷速の上位の天雷速。それに怒りの雷を付けて自らに纏わせるのがこれだ

 

はっきり言ってリスクが高く、あまり好きではないが、今の俺にできる限界がこれだった

 

即座に走り、五本の触手に五十の斬撃を叩き込む

 

そして、本体へ回し蹴りを叩き込んだ

 

「ぐぅ!」

 

本体はうめき声を上げて体を折る

 

俺は畳み掛ける

 

しかし、触手が足に絡み付き、持ち上げられる

 

「さっきは、よくもやってくれたね?」

 

本体はそういうと両足に絡みついてくる

 

たが、俺にこれは、好都合だった

 

「食らっとけ!」

 

全身の纏う雷を、触手に流し込む

 

本体は、人とは思えないような悲鳴を上げながら、俺を放した

 

また斬りに行こうかとしたとき、それは起きた

 

後ろから

 

そう

 

甲のいるところからだ

 

辺りを暖かい光が包み込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人称(甲)

走れば、風が吹き荒れるぐらいの速さで移動し悠雷のもとへと向かう

 

俺はその勢いで、ハイパーを壁まで殴り飛ばした

 

「ゲェ!」

 

よくわからない悲鳴をあげながら飛ばされるハイパー

 

俺は、何時ものように構えながら、自身の状態を確認した

 

マナの量が比べ物にならない位上がってるな

 

それに比例して身体能力も俺の出来る限界点のlevelⅥの三倍は越してるし

 

なにより…………

 

「負ける気がしないな」

 

俺が呟くと、穴の空いた壁の向こうから悲鳴にも似た、叫び声が聞こえてきた

 

「ば、バカな!大半のマナは吸って、もう一分ほどしか体が持たない状態だったんだぞ!」

 

俺は、冷静に切り返す

 

「忘れたか。マナは生き物の生命力だが、俺たち一族は、人の祈りでもマナを蓄えることが出来る」

 

ハイパーは、ヒステリックな叫びを上げた

 

「チィ!このメスがァァァァァ!」

 

ハイパーは叫ぶと同時に穴から飛び出し、耀に向かって炎を纏った30近くの触手を放つ

 

「やらせねぇよ」

 

俺は、両手にハイプラズマ火球を1つ作り、触手に向けて撃つ

 

何時もは人の頭位の大きさのハイプラズマ火球だが、今回のは人が一人まるまる収まるほどだった

 

特大のハイプラズマが触手にぶつかりって、しばらく拮抗する

 

そして、勝ったのは俺のハイプラズマのようだ

 

「グギャァァァ!!」

 

両手両足の触手と背中の触手が燃えたハイパーは、またしても、叫び声を上げる

 

「グゥ、こうなったらあれを使ってやる!!」

 

そう言うと、ハイパーは腕を後ろに引き、両手に俺と同じようにプラズマ火球を貯める

 

あのマナの溜まりようは、ウルティメイトプラズマキャノンか?

 

俺はそう推測すると、同じく両手にマナを貯める

 

だが、向こうの方がマナの溜まりが早かったようだ

 

「食らえ!ウルティメイトプラズマキャノン!!」

 

放たれる極太の炎弾、徐々に俺に迫り、俺を殺さんと向かってくる

 

それに対して、俺は

 

「イデオンソード」

 

右手を銀の焔で覆い、焔を剣の形状にしたもの

 

イデオンソードで対抗する

 

「バカめ!そんなものでこれが防げるものか!」

 

俺はハイパーの声を無視して、右腕を頭上に上げる

 

「ああ、防げないさ。でも………………」

 

俺は右腕を下に降り下ろした

 

()()()()…………問題ない」

 

銀炎の斬撃波と極太の炎弾がぶつかり合う

 

これは、拮抗もなくすぐに片付いた

 

無論、俺の勝利で、だが

 

勢いの残った斬撃波は、そのまま直進

 

その先のハイパー目掛けてまっしぐらだ

 

「ナッ!や、止めろ!来るなぁ!?」

 

そんなことを言っても斬撃波が止まるわけもなく

 

俺は最後に一言、ハイパーに言ってやった

 

「お前の敗因は………………俺の大切な人を傷付けたことだ!」

 

そう叫ぶと、今度は左手に新しく作ったイデオンソードを横一文字に凪ぎ払った


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