問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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な、何とかここまでこれた

甲「お疲れさん。これまたヤバくなりそうだな」

まあね。それでは、本編をどうぞ!


理の覚醒と二人の思いのようですよ?

俺はもがいた

 

胸に刺さった触手を抜こうと手を伸ばすが掴むことも出来ずに力が入らなくなる

 

マナは取られれば取られるほど、死に近付く

 

生き物である以上、無くなれば死んでしまう

 

人の体の中心点に深々と刺さっている触手は、一切抜ける気配がしなかった

 

徐々に消え始める意識

 

ぼやける視界

 

体から感覚が遠ざかる

 

音がはっきりと聞こえない

 

その時、体が地面に叩きつけられる

 

「ッ!………………」

 

声にならない悲鳴があがる

 

「甲!甲!しっかりして!」

 

仰向けで倒れている俺を耀が上から覗き込む

 

何とか、減り続けていたマナの減少が止まったことに気付いた俺は、ほんの少ししかないマナを体に少しずつ回した

 

「……あい……つ、は?」

 

決死の思いで出した声は掠れていた

 

「今、悠雷が相手をしてる。甲は早く回復して!」

 

俺はまた、掠れた声で答える

 

「そう、か。…………すま…ん。…………もう……ダメっ……ぽい」

 

「……え?」

 

「もう……マナが…ない……。ごめん……な……」

 

また意識が遠くなり始める。今度のは帰ってこれないだろうと本能でわかった

 

唖然とする耀

 

俺は最後の気力を振り絞り、言葉を紡ぐ

 

「最後、に……ひとつ…………いい、か……?」

 

耀は泣きながら首を縦に振る

 

「俺…………今……わかった、んだ」

 

本当はもっと早くにそうだったのかもしれない

 

自分のくだらないプライドが、自らを騙していたのかもしれない

 

だが、耀が誘拐されたと聞いたとき、皮肉だが、本当の自分の気持ちに気づけた

 

「俺……城崎…………甲は…………春日部…耀、の事……が」

 

俺は、この言葉に、残った最後の気力を込めた

 

「好きだ」

 

耀は、更に涙を流しながら答えた

 

「私も、甲の、事が……」

 

必死に涙を堪えようとしながら、言葉を紡ぐ

 

「大好きです」

 

ああ、俺達は相思相愛だったのか

 

なら、もっと早くに言うべきだった

 

幾つもの思い出が頭の中をよぎる

 

だが、耀の言葉はここで途切れていなかった

 

「だから、だから………………」

 

「もう一度、立ち上がってよ。甲!もっと一緒にいようよ!」

 

耀が心の中の言葉を叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、一つの奇跡が起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耀の胸から、一つの光の珠が現れる

 

その光は優しくて、全部を包み込む光

 

俺の胸からも、一つの珠が現れた

 

その光は力強く、全てに勇気を与える光

 

二つの珠は混ざりあい、一つとなり、また、二つへ別れて俺たちのもとへと戻る

 

その時、俺達の頭の中に、一つの言葉が頭に浮かんだ

 

俺達は互いに頷き、その言葉を形にする

 

耀の言葉が響く

 

「私は理に祈りし者。理と共にありし者」

 

「地球の理よ、私の願みを叶えてほしい」

 

「私の祈りは貴方の勝利。全てを護る、貴方の勝利」

 

今度は…………俺

 

「我、地球の理。その願い」

 

この言葉を言うときには、さっきのような苦しみは、なかった

 

「叶えよう!!」

 

俺は、叫ぶ!

 

「バーニング・シフトoverload!」

 


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