問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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地球の理は血みどろのようですよ?

「「逃げろ(て)!」」

 

そう耀と叫んだ俺は、なかなかに早い速度で突進してくるガルドに対してバーニングシフトlevel1の状態で身構える

 

そして、右腕だけでガルドの突進を押さえ込む

 

少しずつガルドの力が強くなっているがそれすらも、腕力でねじ伏せる

 

タイミングを見計らってガルドの足を屈みながら払い、外へ蹴り出す

 

ガルドは手すりを破壊しながら、一階へと落ちていった

 

そこですぐに周りに他の人物がいないか確認した

 

結果、いた

 

「逃げろって言ったはずなんだがな、耀」

 

「二人でやった方が早い」

 

そう言いあいながら、ガルドのいた部屋を見てみると、奥に一本の白銀の十字剣が刺さっていた

 

俺は耀にアイコンタクトで剣を取ってきてもらうようにたのみ、俺はというと、下から飛びかかって来たガルドを踵落としで迎え撃つ

 

案の定、下の階から飛びかかってきたガルドが着地した瞬間に顔面に踵落としを打ち込む

 

傷付かないと言っても衝撃は通っていたようで、ガルドはなかなか起き上がって来ないようだ

 

その間に、俺は耀の所に戻る

 

耀は壁に深く刺さっている剣と格闘していた

 

「抜けてるか?」

 

「あんまり」

 

耀はそう言うと場所をあける。どうやら俺にやれと言っているようだ

 

俺が少し力をかけて引くと剣は抜けた

 

抜けた剣を耀へと渡す

 

このとき俺は油断していた

 

ガルドは一時的に動けなくなっただけであって、気絶した訳ではないということを忘れてしまっていた

 

だから、その責任は俺がとらなくてはなるまい

 

なので俺は正面にいる耀を突き飛ばす

 

そして、俺の肺の辺りから三本の鉤爪が貫いた

 

「え?」

 

耀から戸惑いの声が聞こえてくる

 

「こ、甲!!」

 

俺の口から血が出る

 

しかし、俺はこの程度では死にはしないのだ

 

俺は自分の体に刺さっている鉤爪を全力で掴む

 

反対にガルドは叫びながら必死に抜こうとするが俺の力の方が明らかに強かった

 

俺は目で耀に、剣を突き刺してくれと懇願する

 

必死の訴えは耀に伝わったようで、弾かれたように立ち上がった耀は剣でガルドを切り裂いた

 

ガルドは灰になり、俺の体を貫いていた鉤爪も同様に灰になった

 

血を押さえていたものが無くなった為、血が吹き出る

 

耀は、俺の傷口を上から押さえ出血を止めようとする

 

「……ょ…………だい…………」

 

俺は声を出そうとするが肺をやられているため、声がうまくでなかった

 

「甲!甲!」

 

耀は涙を流しながら止血するがあまり効果はなかった

 

俺は、肺が治ったことを確認するように大きく深呼吸をする

 

俺の異常を感じ取った耀はぽかーんとした声で俺に問いかける

 

「甲?」

 

「ん?どうした?」

 

「…………大丈夫?」

 

「胸の傷なら問題ないぞ。あの程度で俺は死なないから」

 

そうこうしているうちに完全に傷は回復したようなので立ち上がる

 

「すまん。驚いただろ」

 

苦笑いを浮かべながら耀に笑いかけると怒られた

 

「バカ!……………心配して損した!」

 

「すまんすまん。そう怒ってくれるな」

 

俺は宥めるように、耀の頭を撫でる

 

「それじゃ、行くとするか!」

 

俺達はその場所を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刀を腰に指した少年が二人、ノーネームの廃墟にいる

 

「へえー、広いなここは」

 

「感嘆しますね」

 

「次はあそこに行ってみようぜ!」

 

「もう不法侵入はやめてくださいよ?」

 

「それを言われてやめるとでも?」

 

「次のツッコミは刃の部分でやりますね?」

 

「ジョークだって」

 

「まあ、何はともあれ、甲の事を知ってる人がいるといいんですが」

 

「まあ、マイペースにやるとしようぜ。真」 

 

「わかっていますよ、悠雷」


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