問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
「だあー、疲れた!」
俺は、上に伸びをする
あの後、一時間三十分程休憩無しで話続けた俺はもう肉体的に限界だった
もとよりあまり理論はわかっていない上に感覚でやっているので、言葉での説明などしたことが無く、思った以上に悪戦苦闘した
「さてと、そろそろギフト鑑定といこうかの」
そう言うと白夜叉は俺達の顔を両手で包んで見た
「どれどれ……ふむふむ………うむそこの理は素養が高いのはわかっていたが、他の三人も素養が高いのう。しかし、これでは何とも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度把握している?」
そんなこと、決まってるさ
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「以下略」
「うおおおおい?いやまあ、仮に対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が進まんだろうに」
「別に鑑定なんていらねぇよ。人に値札張られるのは趣味じゃない」
十六夜がそう言うと、俺も同調するように言った
「だいたい、俺に至っては推測がついてるから不要だ」
俺が言った後にこれまた同調するように頷く飛鳥と耀
困ったように頭を書いている白夜叉は、しばらくすると妙案が浮かんだといわんばかりのどや顔をすると言った
「ふむ。何にせよ″主催者″として、星霊の端くれとして、試練と決闘をクリアしたおんしらには″恩恵″を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」
白夜叉は一つ大きく柏手を打った
すると、あら不思議目の前にカードが現れるではありませんか
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム
″
ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム
″威光″
パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム
″
スカイブルーのカードに城崎甲・ギフトネーム
″
俺達は目の前に浮いているカードを取った
黒ウサギは驚嘆すると俺達のカードを覗き込んでくる
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「お饅頭?」
「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息があってるのです!?しかも、甲さんは、関係ないもの過ぎます!?このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードなのですよ!耀さんの″生命の目録″だって収納可能で、それも好きなときに顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「だからなんで適当に聞き流すんですか!あーもうそうです、超素敵アイテムなんです!」
黒ウサギにどやされながら俺達はカードを見つめる
暫くすると、白夜叉が言った
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、お主らは″ノーネーム″だからの。少々味気ない絵に成っているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」
「ふぅん……………もしかして水樹って奴も収納できるのか?」
そう言うと十六夜は水樹の方へカードを向けた
すると、水樹は細かな光の粒子となり、十六夜のギフトカードへ吸い込まれていった
「おお?これ面白いな。もしかしてこのまま水を出せるのか?」
「出せるとも試すか?」
黒ウサギが急に二人の会話に割り込んできた
「だ、駄目です!水の無駄遣い反対!その水はコミュニティの為に使って下さい!」
チッっと苛つく十六夜の後ろでハラハラする黒ウサギ
それを見る白夜叉は高笑いをした後、解説をする
「そのギフトカードは、正式名称を″ラプラスの紙片″、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった″恩恵″の名称。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」
十六夜は不敵に笑いながら言った
「へえ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ」
それを見た白夜叉は驚嘆した