問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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地球の理達が″サウザンドアイズ″に入るようですよ

暖簾が仕舞われている状態を見て、声をあげる黒ウサギ

 

「待ってください!」

 

だが、帰ってきた言葉と言うボールは無慈悲だった

 

「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやっていません」

 

こりゃ無理だと判断した俺は片目を閉じて未来を見るために時間を貯める

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

 

「ま、全くです!閉店時間の5分前に客を閉め出すなんて!」

 

「文句があるなら他所へどうぞ。あなた方の今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

 

俺はここで片目を開き未来を見る

 

………どうやら、面白いことになりそうだな

 

「まあまあ二人とも落ち着こうぜ」

 

「あと、店員さん。ここに黒ウサギが来てることがこの店の店長に知られても大丈夫なのか?」

 

俺は「ここに」の部分から敢えて声を大きくした

 

理由は簡単

 

「いぃぃぃぃやほぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!」

 

こうなるからだ。

 

白髪の少女というより幼女は黒ウサギにタックル否、フライングボディーアタックで捕獲され、そのまま体操選手もびっくりな速度で空中四回転半ひねりを行い、さらに奥側にある水路に落下した

 

「きゃあーーーーー………!」

 

勿論、黒ウサギはふっ飛んだ時点から叫び続けていた

 

「………おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

俺の後ろで行われていた真面目なのかどうなのかがわからない話には触れないでおこう

 

「し、白夜叉様!?どうして貴方がこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに!フフ、フホフホフホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!ほれここが良いかここが良いか!」

 

………打開策(巻き)で来てもらうためにあえて大声だしたのにこれで打開出来たのだろうかと自問自答になるのは何故でしょう

 

「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

黒ウサギは白夜叉と呼ばれた幼女の頭をアイアンクローで掴み、そして、こちらに投げた

 

「甲、パス」

 

「へ?」

 

十六夜が飛んできた幼女を俺の方へ向かって蹴り飛ばす

 

俺は咄嗟の事に驚きつつも弾丸のように回転しながら飛んでくる幼女を受け止める

 

 

 

 

と思ったか、バカめ!

 

「オラァ!」

 

殴り止めちゃいました………テヘペロ

 

「グフゥ!お、おんしら!飛んできた初対面の美少女を蹴り飛ばし、殴り止めるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」

 

「何様でもいいが、普通初対面の美少女は飛んで表れるものじゃない事だけは確かだと言っておこう」

 

十六夜は笑いながら言い、俺はいたって普通の事を述べる

 

すると、後ろから飛鳥を声が聞こえてきた

 

「貴方はここの人?」

 

「おお、そうだとも。この″サウザンドアイズ″の幹部で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育のいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

…………どうやら、相当な変態のようだ

 

「オーナー。それでは売上が伸びません。ボスが怒ります」

 

店員さんが冷静な声で釘を刺す

 

後ろの水路から脱出した黒ウサギが複雑そうな声で呟く

 

「うう………まさか私まで濡れることになるなんて」

 

「「因果応報…………だな(かな)」」

 

『お嬢と旦那の言う通りや』

 

悲しげに服を絞り続ける黒ウサギ

 

ちょっと可哀想になった俺は少しの慈悲を与えてやろうと考える

 

「シルフィード」

 

いままで言っていなかったが契約した精霊は俺の思考を読むことができる。なので、俺はシルフィードに黒ウサギの服を乾かすように頼んだ

 

「あれ?風が」

 

「俺がシルフィードに頼んで風を起こしてもらったんだ。感謝してくれよ、黒ウサギ」

 

「甲さんは精霊と契約をしているのですか?」

 

「ああ。今は、三体しかいないけどな」

 

「ふふん。お前達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私達の元に来たと言うことは……………遂に黒ウサギが私のペットに」

 

「なりません!どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」

 

ウサ耳を立てながら怒こる黒ウサギ

 

何処まで本気か分からない意味深な笑みを浮かべる白夜叉

 

「まあいい。話があるなら店内で聞こう」

 

「よろしいのですか?彼らは旗も持たない″ノーネーム″のはず。規定では」

 

「″ノーネーム″だと分かっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任をとる。いいから入れてやれ」

 

ムスッとしている店員さんに睨まれた俺は、どや顔を決めて″サウザンドアイズ″の暖簾をくぐった

 

 


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