なんと驚異の2000文字以下!
内容も薄い!
でもいいの!いいのよ!
だって…………だって!繋ぎなんだもの!
(ネタがなかったともいう)
「あー………気分が、最悪か、これは……」
二日酔いの極致のような気分で目覚める。
「…………ダッッルゥ……」
目覚めの第二声がこれではあんまりな感じもするが…………事実、精神感応波の使用のせいでかなり参っているのは確か。
置き時計を見やるとまだ7時、意外にもぐっすり眠れていたようだ。
「はいはーい、水持ってきたよ〜」
「すまん………」
ヘンゼルから水をもらい、少しずつ口にする。
昨日のことを……時間で言えば今日の2時過ぎくらいのことを思い起こしながらコップの水を飲み干す。
地獄━━━━━━と呼ぶには優し過ぎるあの催眠について考える。
ヘンゼルの荒唐無稽な発想が、害する者たちの迅速な制圧を呼んだのは確か、それは事実だ。
しかし、出来そうだから、という理由で本番に挑む者はいない、受験にしろ面接にしろ、練習は必要だ。
今回の行動は私自身やる気がなく、ヘンゼルとグレーテルに適当にやらせたのが反省するべき点だろう。
まあ、何も反省するばかりではなく、新たな可能性に発見もできたゆえ、そちらについて考えるべきか。
精神感応波による催眠術……なんて発想、私にはできたかどうかわからない。
そも私であれば、剣や銃を持って物理的に制圧することを選んだだろう。
ヘンゼルとグレーテルもそうであると勝手に思っていたが……。
ふっ…………良いではないか、これがアンドロイドの、人工頭脳の進化というものか。
この価値、例え
「ククク…………」
電子部品の塊に過ぎぬ機械が、人間を超えた進化を見せつけたのだからな!
「実に愉快よなぁ……」
日々進歩、日々進化の道を歩むブリタニアにおいて、進歩・進化は何よりも優先される。
そして何より賞賛される、何故ならそれが、人類に許された、神すら穿つ業なのだから。
いずれはこの技術が、ブリタニアのあらゆる人種の家庭にて存分に振るわれるその時が、今から待ち遠しい。
…………よし。
「ヘンゼル、グレーテル、
「あー、親衛隊のほうにあげたよ」
「今頃てんやわんやでしょうね」
「はっ……だろうな」
犯人捜しは内々でやらせておくとして、会談が延期されて暇な時間をどうしようか?
…………うむ、復興の進行は如何程かどうか、自分の目で見て確かめねばならない。
コードのおかげか、起きて早くに体調も回復してきた。
本国の上層部が浅知恵を巡らせ、列車の緊急停止の隠蔽やら親衛隊内部の秘密調査をやっている間、隅々まで作業を見させてもらおうか。
秘密の立入検査のようなものだ、軽くでいいだろう。
そもそも、ジェレミアがいる状態で悪事などできる者はおらんだろう。
裏には疎いが、嗅覚は犬以上だからな。
「暇だから散歩に行く、ヘンゼルは支度しろ、グレーテルはこの部屋で警備だ」
「オッケー、かわいいの選んで来るから待ってて〜」
「よっしゃあ自宅警備じゃぁ〜」
言うなり衣装ケースを漁って鏡の前で服を当てて唸るヘンゼル。
ベッドにボフンッと飛び込み寝っ転がるグレーテル。
見た目だけなら普通に美女なのに、絶妙な残念具合とフル・フロンタル・スタイルのせいで、OLのオフ以上にひどい。
特にグレーテルは酷い、基本私しかいないときはフル・フロンタルでいるようになったのだ、せめて下着はつけておけと何度も言ったが聞く耳持たぬ。
いっそのこと、こいつに恥じらいという感情をインストールさせたい。
まあ、ああいうサバサバした性格も、民にとって受けがいいのは事実、そう否定するものでもないか。
ヘンゼルが着替えを吟味する中、私のほうも適当に繕った服を着ていく。
春とは言えど気候は日本とはまるで違う、うっかり薄着なんぞしていたら風邪をひきかねないレベルで寒いのだから。
「では、行くか」
「ちょっと!?まだ選び終わってないの!待っててよ!」
「えぇい!私のクローン擬きの癖にうざった奴だなお前は!」
「いやあ〜…………
「ちっ………」
「覚えていろヘンゼル!帰ったらロイドに話してボディを変更させてやる!」
「ちょっ!?ままま待ってよそれだけは!お助けー!!」
バカな叫びをあげるヘンゼルを黙らせつつ、パリの街へと繰り出したのだった。
リア友によく聞かれるのツキトの存在、性格などについて、ご想像にお任せ……っと言ってもイメージがなかなかわかないと思います。
そもそも、ツキト自身が純粋な人間ではないこともあって、人間らしからぬ思考━━━━避ける必要はないとか、死んでも別にいいとかがあるわけです。
それでもナナリーが悲しむから、という理由で『何が何でも避ける』し、『死なないように』しているだけで、本来なら、肉体を超再生しながら突っ込むほうが手っ取り早く処理できます。
どれだけ負傷しても再生するなら、そっちの方が効率的だから…………しかし、それも過去の話、今のツキトにあるのは肉体を保つこととライフ1で耐える能力だけです。
超高速で肉体は再生できない、毒への耐性も低くなっており、むしろコードが枷となっているまであります。
つまり今のツキトは、人間の訳から半歩だけ外に足を伸ばした存在であり、純粋な人外とも呼べるほどではありません。
だからと言って、半人、というわけでもなく、人間と人外の領域をどっちつかずでぷらぷらしている…………それがツキトの存在でしょう。
性格ですが、人外であるという自覚のもと、思考もそちらへと向いていますが、未だ多くの思考は人間らしいままです。
人外であれば本来不必要なはずの3大欲求も変わらず身につけたまま、自身を人間ではない人外だと思い込み、人間なのに人間らしく振る舞いたいと考え、人間としてナナリーを愛したい…………なんて事を考えている。
それがツキトです、自分が人外の生物であると思い込んだただの死ににくいだけの人間です。
それではまた、次回をお楽しみに。
どうか、最後は愛が勝つ物語であることを願って。