外道標準装備のTKTNKの姿、見とけよ見とけよー。
前回のアラスジィァァァアアアアア!!!
TKTNK「親衛隊の裏切り者、窓際行って、シコれ」
裏切り者「ヤダYO!」バァン!
TKTNK「あっ、ふーん…………ヘンゼル、拷問して、どうぞ」
ヘンゼル「かしこま!」
裏切り者「ぬわああああ!!!嫌だああああああああ!!!」
親衛隊「やべえよやべえよ……」
いや、しかし…………なんだ……。
「世の中の男という生物に対し、少し同情しそうになるな、この光景は」
「うぁぁ……あ……」ぐったり
「!!!???」ググッ
「いっ…………あぁああぁぁああああぁ!!!!」ジタバタ
「…………」シーン
ある者は力なく横たわり、ある者は急所を押さえて震え、ある者は激痛に悶絶し、そしてある者は………死んでいた。
暖房の効いた高級ホテルの一室に、股間を押さえた男たちが転がっているという、珍妙な光景を作り出した当人は、今、女を尋問中だ。
「にしても、思い切ったものだな」
横たわる男たちを見る。
どいつもこいつも死んでいるか虫の息やつばかり、股間からは血液が溢れ続け、床を汚染し続けている。
「しかし貴様ら、運が無かったな、あいつらがいなければ、こんなことにはならなかっただろうに」
ベッドに腰かけながら、残り時間の少ない命を眺めてそう言った。
「ふざ……っけんな!…この……悪魔、ガァ……ッッ!」
「おやおや……」
股間からの出血を抑えようと両手で必死に患部を押し付けながら、健気にも震える脚で立ち上がり、怒りのこもった目で睨みつけてきた。
しかし悲しいかな、股間を必死に押さえつけている様子は…………あれだ、あれ、勃◯を隠しているようで、笑えるなぁおい。
「クククッ……」
まずい、自分で言っといてツボったwwwクククッwwwwww
◯起隠しwww中学生かよwwwwww
「んふっ……くふふ……ハァー、ハァー…………ふう、面白かった」
「て、めぇ……っ」
「あーー……なかなか楽しかったよキミィ」
それなりには、楽しめたかな?
「ほら、さっさと退場したまえ」
「ふz」
ドォン!
グジュッ……ビュッチャァッッ!
「ふぅむ…………存外悪くない威力だな」
撃ち終わった単眼鏡型散弾銃をクルクルと回してからその辺に投げ捨てる。
顔を含めた上半身が真っ赤に染まった上でぐちゃぐちゃになった勇者くん(仮)を少し観察してから、ヘンゼルとグレーテルのいる場所へと向かった。
場所、と言っても、同じ部屋の中のシャワールームだが。
広いシャワールームに入ると、女を尋問しているヘンゼルとグレーテルがいた。
「まだ終わらんのか?いい加減退屈なんだが」
「いやあ〜それがさあ、イチモツ食わせたら壊れちゃってさあ」
「はあ?壊した?」
そう聞き返し、女を見る。
女は持ち込まれたパイプ椅子に拘束されて目隠しをされている、猿轡などは無いが、口を半開きにしたまま動かない。
目隠しを外して瞳を覗き込んでみると、なるほどたしかに、かなり激しく壊れているようだ。
「だから言ったじゃないヘンゼル、指からいくのがいいって」
「早いほうがいいと思って……あとお腹減ってたみたいだし」
「まったくお前らは…………」
私の人格コピーなのに尋問が下手とは、改善が必要か。
この際だ、教育しておくのがいいか。
「私が尋問の手本を見せてやる」
「お!さっすがオリジナル!」
「いよ、鬼畜の権化!」
なにやらうるさいヘンゼルとグレーテルを無視し、ライターを取り出す。
「ライター?オリジナルってタバコ吸わないのになんで持ってんの?」
「吸うとしても電気の方と思ってた」
「ここのホテルの部屋ごとに置いてある使い捨てのライターだ」
基本はマッチらしいが、物資の不足と安価という点で最近は増えて…………そこは今はいい。
「それでどうするの?指と爪を焼いて繋げちゃう?」
「それとも乳首を焼いて切り落とす?」
「どちらも違うな」
「じゃーどうすんの?」
「足の裏をな、ちょっとずつ焼く」
言って、ライターで女の足の裏を炙り始めた。
少しずつ、少しずつ、女の悲鳴をBGMにこんがりと。
何時間経っただろうかわからない。
しかし、この女が10分もしないうちに吐いたのはわかっている。
ちなみに途中で本当にゲロを吐いたものだからほとほと困った、臭いし汚いし…………まあ、肉の焼ける匂いで既に鼻は慣れていたからそうでも無かったが、視覚的にはキツイものがあった。
今は、泣き叫び、ゲロをブチまけ、化け物のような呻き声まで上げていた女も、ぐったりしていてまるで意識がない。
「ふむ……死んだか」
やり過ぎたか…………まあいいか。
「少し強情な女だったが、情報は吐かせることができた、もういらんな」
「捨ててこよっか?」
「…………ゴム手はあるか?」
「あるけど、何?ヤるの?」
「うっわ、オリジナルちょっと……まだ暖かいからってそれは………」
「ちがわい、少し、蘇生してみるだけだ」
渡されたゴム手を付けて、ヘンゼルとグレーテルに距離を取るように言ってから、女の腹を押した。
ほぼ殴るようなパワーで。
「オッ…………お”ぅ“ぇ”え“えええええ!!」
「…………当たったは当たったが、なんだこのやるせないような微妙な気持ちは」
喉あたりで詰まって窒息しているのだろう…………と思ってど突いたら見事に息を吹き返しやがった。
ゲロと一緒に。
「よし、これくらいでいいか」
「え?何が?」
ヘンゼルはとぼけた顔をしている。
いや、お前なあ、わかってて言ってるのかこいつ?
…………だがしかし、それもあり得ることか。
そもそも、この状況は…………。
『『『私達が作ったのだから』』』
ヘンゼルの姿が歪んでいく、グレーテルの姿も歪んでいく。
縛り付けられた女の姿が崩れていく。
部屋の内装が回る、外の暗闇の空が回る、ユーロピアの夜景が回る。
グルリ、グルリと。
回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って回って。
ひとつに溶ける。
黒に、闇に、暗闇に……染まる。
黒い視界が回転する錯覚を覚える。
すぐに暗転。
しばらく経ってから、目を開ける。
「「「…………私は……ん?」」」
声を出すと違和感を感じる、違和感の正体はヘンゼルとグレーテルと完全にはもったことだ。
違和感がわかったところで、リンクの解除、共感覚の解除、ヘンゼルとグレーテルは自己人格を起動させる。
「…………ハッ!?」
「……マジでできちゃったよ」
文字通り再起動を果たしたヘンゼルとグレーテルがキョロキョロと目線をせわしなく動かし、体を動かして調子を確認している。
そんなヘンゼルとグレーテルを横目に、床を眺める。
床には数人の男と女が転がっており、外傷はないが酷くうなされていた。
「いやぁ、できるものだねえ」
「こりゃやばいよオリジナル、サイコウェーブ万能過ぎてヤバイ」
感心した様子でうなづきながら言うヘンゼルと、妙に興奮気味なグレーテル。
床に転がり呻く男女。
この風景を生み出した元凶は私…………いや、私達だ。
「サイコウェーブの精神への干渉能力を利用した『集団催眠』………こんなに上手くいくとは」
「それでも、保たせるためには私とグレーテルとリンクして範囲と効力を広げて、部屋ひとつがやっと」
「効果はバツグンだけど…………オリジナルの状態はかなり良くないわね、リンクしてた時の状態から見ても、いつ倒れてもおかしくないほど消耗してるわ」
「正直、もう……かなり、眠くてな…………」
精神感応波で他人の意識に干渉し、強力な催眠状態にする。
抵抗力のない(精神感応波が弱い)者には効くが、抵抗力のある者には効きにくいだろう。
デメリットとしては、消耗が激しいことだ、それも深刻なレベルで。
さて、もうそろそろ睡魔に飲まれる……あとは、任せたぞ…………。
「ヘンゼル……グレーテル……………掃除しとけ」
「うわひっど、掃除任せて自分だけ寝r…………」
途中からヘンゼルの声が聞こえなくなり、次いで視界が徐々に暗闇に飲み込まれていった。
飲み込まれる刹那、ヘンゼルとグレーテルの声が蘇る…………。
『精神感応波で行動能力を奪う!名付けて!【強制催眠!高級ホテルの個室で5Pレイp……』
『言わせるかバカヘンゼル!!』
『ぐべぇ!?』
万能電波『精神感応波』くん。
簡ケツに言うと……。
・オールレンジ攻撃ができるぞ!
・催眠もできちゃうぞ!
・気配が完全に読めるから死角はないぞ!
・使うと消耗激しいぞ!
はぇ〜……すっごいチート。