コードギアス オールハイルブリタニア!   作:倒錯した愛

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FGO新クラス【フォーリナー】のアビゲイルが出ましたね。
さらにピックアップガチャもきたと…………。
欲しいので回しますよ、えぇ、当然です。
まあ難しいでしょうが……。
回せば出るので回します(迫真)


新たな『技術』の『使い道』

ツキトside

 

 

「ユーフェミア様の報告書によれば、キョウトには相応に妥当な判断を下したと言えますね」

 

「この程度の制裁ならば、ユフィの性格も加味して考えても本国の連中を納得させられるだろう」

 

アンドロイド暴走事故以後のゴタゴタで確認できたなかったキョウトの一件の報告書。

 

そのコピー紙には、ユフィの直筆らしき文字で事の顛末が書いてある。

 

大規模な立ち入り調査の結果、巨額の資金が不透明に処理されているのを発見したのだ。

 

「問題は…………これですね」

 

「とんだ厄介ごとを呼び寄せてしまったようだな……」

 

そこを重点的にリフレイン調査時に使った顧客リストやバイヤーのリスト等を合わせ、警察も抱き込んだ捜査を展開。

 

なんと、本国の大物貴族にたどり着いてしまったのである。

 

しかもその貴族、代々皇族、皇家の人間を支援しており、支援を受けた皇族からの寵愛の凄まじい事この上ないのである。

 

しかし、それだけの支援ができる資金がどこから湧いていたのかと考えれば、なるほど、と合点が行く。

 

さぞ笑っただろう、民族の尊厳を踏みにじるのは…………さぞ楽しい茶会になっただろう、目の前に餌をチラつかせて自ら人間の尊厳を捨てる場面を鑑賞するのは。

 

エリアの人間がリフレインに狂い踊る様を興じながら、得た資金を皇族に支援金として提供してコネクションを獲る。

 

あぁ、まさにこれこそがブリタニアの貴族と言えよう。

 

薄汚く、面の皮は厚く、愚蒙で、不遜で、無知蒙昧で、まるで豚のようだ。

 

下の者には偉く突っ張って、上の者には媚びへつらう。

 

惰弱、脆弱、矮小の極み。

 

【汚物】、【恥部】とも呼べる穢らわしい存在。

 

金と名声と快楽の海に溺れる、まさしく愚者の体現だ。

 

そんな愚者も、此度ばかりはどうしても放置はできない。

 

愚者は愚者でも、こいつは癌なのだ。

 

「皇族と癒着し寵愛を受けているとなると、拘束は難しい」

 

「そうでもありませんよ、コーネリア様」

 

「そうなのか?」

 

「はい、この者が帝国の癌であるならば、何より私の出番です」

 

「…………そうか、平和維持のための処断ならば、ラウンズのツキトであれば可能なのか」

 

平和に馴染めないこの称号も、こういう時には役に立つものだ。

 

「今すぐ拘束しても良いのですが…………生産元の特定ができてからに致しますか?」

 

「拘束して吐かせれば良いんじゃないか?」

 

「そうしたいのは山々ですが……こちらを」

 

「これは?」

 

「少なくとも、8桁以上の支援をしている皇族のリストです」

 

「よ、よく手に入ったな…………」

 

「身辺調査と銘打って調べたらポロポロ出てきました」

 

「そうか…………しかし、ふむ、これだけの繋がりがあるとなると、いささか厄介だな」

 

リストには30名程度の皇族の実名と受け取った支援金が書いてある。

 

どれもコーネリアと比べれば雑魚とも言える格下だが、資金は潤沢にあるやつらだ。

 

その貴族を拘束すれば、優秀な弁護士を雇って守りに入るに違いない、コーネリアもそこは容易に想像できたようだ。

 

「拘束を急ぐようなら皇帝陛下、もしくはオデュッセウス殿下の直筆の書状でもない限りは、厳しいでしょう」

 

「オデュッセウス兄上のほうが多少は…………いや、兄上に謀は無理だろう」

 

コーネリアはしばし悩んだ後『オデュッセウスはダメだな』と切ってため息をつく。

 

「…………仕方ない、徹底的な証拠が出るまで捜査を続行、掴み次第拘束だ」

 

「(カリカリカリカリ……)……ではそのように伝えておきましょう、次ですが…………総督府の修繕費についてです」

 

「またごねられたか?」

 

「どうも工期の日数が足りないとか、どうとか」

 

「えらくフワフワしているな?」

 

「それが、どうもこの時期(春)は忙しいらしく、回せる人員が日によって増減するらしく、今回の工期延長は保険としてのもののようです」

 

「優先的にしてもらいたいところだが、都合があるなら仕方ないだろう」

 

「左様ですか、では、本日の会議はここまでに致しましょうか」

 

「そうしよう…………っ……ふぅ、今日はギルフォードもダールトンも休みでなかなか進まなかったな」

 

「2人がいれば半分の時間で終わっていたのですが…………」

 

本来なら私とコーネリア、そしてギルフォードとダールトンを加えた4人で会議をしているのだが、たまたま2人の休日が被ってしまったのだ。

 

おかげで時間が倍近くかかってしまった、改めて2人のありがたみを知ったよ。

 

「今日の残りの仕事は…………うん?」

 

「どうしたんだ?ツキト」

 

「どうやら今日の分はないようですね」

 

「そうか、なら……ちょうど良く2人きりだし、久しぶりにやってくれないか?」

 

「えぇ、構いませんよ、それではソファのほうに行きましょうか」

 

「あぁ……や、優しく頼むぞ?」

 

「心得ました」

 

この後めちゃくちゃ耳掻きした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって、特派の研究ラボ。

 

車椅子にてパソコンの画面を見ながらキーボードを打つロイドに話しかけた。

 

「ロイド、進行はどの程度だ?」

 

「おっと、ツキト君か………面白いよぉ、このKMF、いや…………KGF(ナイトギガフォートレス)」

 

「実に馬鹿馬鹿しいと、私は思うんだが?」

 

「まあね、でもこの神経伝達システムは凄いよ、天才的だ、精神感応波が微弱な人でも手術すればツキト君の数分の一くらいの精度でインコムを操れる、画期的だよぉこれはぁ」

 

車椅子の上で身振り手振りで感動を伝えようとする姿が痛ましいが、伝えたい気持ちはよくわかった。

 

「4基同時にか?」

 

「精彩も精度も欠くけど、動かす分にはね、戦闘ともなればまた別だろうけど、医療技術、生産技術的には最高だね」

 

「私は専門家じゃ無いからパッと来ないんだが…………要するにどういうことだ?」

 

「医療技術に転用すれば、アンドロイドからの技術も合わせて、文字通り自由自在に動かせる義肢が数年経たず開発可能だね」

 

「生産技術のほうは?」

 

「一般的な人力の生産ライン勤務の人の動作をやっている作業に最適化できる、それこそ限りなく0に近い確率でね、事故の予防になるし生産率向上にもなる」

 

生産率向上は働く人間の労働時間の短縮と高収入化を図れる、良案だが…………。

 

「医療はわかるが、生産のほうはまずいんじゃないか?」

 

「仕事中の動きに余計なものを含めないためのものだから、臨床試験が必要かな」

 

「そこじゃあないんだがなぁ……」

 

いくらなんでもマインドコントロールはマズイだろう………ロボットでいいじゃないか。

 

「もっぱら医療分野向けの技術であり、しかしそれ以上に軍事技術の宝庫でもある、と…………具体的には使うとしたらどうなる?」

 

「ジェレミア君の身体、主に背中側に埋め込まれた装置と、KMF、もしくはKGFのほうに同じような装置を取り付ければそれこそ手足のように、って感じかな」

 

「問題は?」

 

「まず人道的では無いこと、『人間やめて』って言ってるようなもんだしね……次にコスト、あくまで試験的だから、数人分の装置だけでもランスロットといい勝負するよ」

 

「コストはどうとでもなる、しかし人道と言われては看過できんな」

 

「ほかに、ジェレミア君のように適合率の高い人が見つかるかどうか、かな?」

 

「私くらいの確率なのか?」

 

「数倍以上はいると思うよ、ただ、さっき言った通りとても人道的とはお世辞にもいえないからねえ………こんな非合法な形でしか研究できなかったんだろうね」

 

非合法、か…………そういえば、あそこで救出した子供達、皆目覚めて安静と聞くが、まさか彼らは…………。

 

「………………ロイド、非合法研究施設から救出した子供達の精密なバイタルチェック、そしてこの装置への適合率を調べてくれ」

 

「ツキト君?それは…………いや、できない、そんなこと僕には無理だ」

 

「生贄にするわけじゃない、この研究を指示し、スポンサーとなったバックの奴らが子供達を標的と定めた時、『特派の研究員による精密な検査でも適合率は無かった』と示せるようにしておきたい」

 

「向こうが適合について知らなかった場合は有効かもしれないね………でもあの施設にあった機材から見て、研究結果をリアルタイムで送信していた可能性もある、そんなやつらにはすぐに嘘だってばれちゃうよ」

 

「では、検査の結果は私が本人に届けてくる」

 

「本人って……検討ついてるの?」

 

「潤沢な資金があって今まで長い時間バレずに研究ができていたのなら、十中八九皇族の手が入っている、そして、日本に手をつけた皇族の中でこんなことをしそうなのは…………シュナイゼルを置いてほかにおらんだろう」

 

「あぁ〜〜…………うん、説得力あるよ、その仮説、腹に一物抱えてそうだと思ってたけど、まさかねぇ……」

 

「たとえ違っていても、『内容が内容だけに陛下に直接出すのを戸惑った』とでも理由をつけて渡せばいい、あいつあれで宰相だからな」

 

「キミって結構皇族に対して辛辣だねぇ……」

 

「私にとって、私の主人以外の皇族出身者に対しては一定以上の評価に足る人間は、片手で数えるほどしかおらん」

 

クロヴィス、コーネリア、ユーフェミア、以上3人のみだ。

 

「まあ、我が主人以外は誰一人として敬う気にもならんが………」

 

立場上、形式的な言葉遣いをしているだけであって、敬う気持ちも何も無い。

 

クロヴィスは評価はしているが、それは敬っているわけではなく、使える人材かどうかという基準で判断しているだけだ。

 

まあ、人間としてもそれなりには評価してはいるが…………曲がりなりにもC.C.の研究の一端を担っていたとなると同情の余地含めやや低めになってしまうのは致し方ないと思え、クロヴィス。

 

ユーフェミアはルルーシュ、ナナリー、スザクと仲が良かったこともあって、亡くなった後の荒れ具合が酷すぎてな、死なれたらシュナイゼル報復計画がおじゃんだ。

 

コーネリアは特に死んで欲しいわけでも無いし、邪魔にならない限りは生きておいてもらう感じだ。

 

シュナイゼル?あぁ、やつはそれなりに評価しているぞ。

 

ストーリーのラストであっけなく死んでもらう道化として、な。

 

「そんなことはどうでもいい、とりあえず近く検査日を決めておく、病院側との調整でも最短で3週間後にはなるだろう、準備をしておくように」

 

「はーいはい、わっかりましたよ〜」

 

ロイドは呆れたような顔でそう言いつつ、立ち去る私に手を振った。

 

「あぁそうだ、クルーミーと仲良くな?」

 

「えぇ〜?僕とセシル君はじゅーぶんに仲良しだよ?」

 

「なら良い、だが一つ言っておく、友人は大切に、な?」

 

「友達を大事にするのは当然さ、ツキト君も友達を大事にしなよー」

 

「肝に命じておく」

 

そう言って今度こそラボから立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神格を限定的に解放する方法、ですか」

 

「そうだ」

 

私は仕事を終え、クラブハウスに戻り久しぶりにナナリーの膝枕に身を落とし、意図的に超リラックス状態を作って白い神と接続していた。

 

「お前は私がこの世界で最強無敵といったが、それは違う、ナナリーやアーニャのような単純に剣で戦う時に才能も腕も上のような相手には勝てない」

 

「勝利のために才能から一時的に脱却したい、と?」

 

「才能の中で私は最強であろう、しかしさらに限定されたルールや法の中では私は強くないのだ、人間が重力に逆らえないようにな」

 

人間である以上、才能によってあらゆるものが縛られてしまう。

 

それはつまり、一見上限がないように見えて、実は上限が設定されていることと同義なのだ。

 

「一時的にでも、私の剣の才能を5まで引き上げたいのだ……ナナリーはスピードはともかく私と打ち合えるレベルになったし、アーニャはすでに私のスピードに目が慣れてしまっている………せめて抜かれるなら、最大限、全力で戦って負けたい」

 

「負けるために他者に頼り全力を尽くす、というのは、あなたらしい思考ではないですね」

 

「無論、勝つつもりでいる、しかし才能で劣っている以上、圧倒されて完敗という可能性もある、兄として、婚約者として、また従者として、そのような姿はあんまりであろう?」

 

「なるほど…………それで、最もらしい言い訳はどうでもいいので、本心をお願いしたいんですが?」

 

「お前もなかなか適当になってきたな……」

 

というか、まあ、やはりというか、こうも見事に見抜かれているとは、さすがは神と言ったところか。

 

「まあ、本心というか、神格云々でコードの特性を打ち消し、本来の年相応の体格と身体能力を加算させることは可能なのかどうか、ということが聞きたくてな」

 

もっともらしく言い訳・こじつけを並べたのはちょっとしたフェイクだ。

 

すでにこの世界において私を超える存在は今のところない………なのにそれ以上の力を他者に願うのは私らしくないという白い神の指摘はまさにそうなのだ。

 

そも私は『教えてくれ』とは言うが『やってくれ』とは言わない。

 

それでは鍛錬にならないからな。

 

「この姿でいくら鍛錬を重ねようと、コードを得た時に成長が止まってしまっている体では効果がない、唯一、C.C.からの助言でコードの効力を薄くして辛うじて多少のレベルアップができている状態だからな」

 

「そういうことでしたか、しかしやり方を教えるのは……」

 

「私が納得しない、アドバイス程度の軽いものでいいからくれ」

 

「人間風に言いますと、『念じろ』、『考えるな、感じろ』、『俺がガンダムだ!』です」

 

「…………すまん、まったくわからん」

 

特に最後のはなんなんだ?お前がガンダムになってどうするんだ…………。

 

「って、伏字にしなくていいのか?」

 

「外側ですので」

 

「あぁ、そういう……」

 

便利でいいな、伏せ字がいらないっていうのは。

 

伏せ字忘れてやらかすからな、作者は。

 

 

(本当に申し訳ない…… by作者)

 

 

「しかし、ふむ………『念じろ』、とはまた妙だな」

 

よもや、アニメや漫画の主人公覚醒シーンのようなことになったりしないだろうな?

 

『うおおおおおお!!!(ビシューン!)』とかなったりしないよな?

 

「要するに強く願えば良いのです」

 

「最初からそう言え」

 

強く願え、強く願え……。

 

「…………パッとしないな、私に強い願望など……」

 

「あなたにも願望はあります、それもこの世界で最も傲慢で独善的と評していいほど」

 

「私ほど謙虚な人間はいないはずんだが……?」

 

「答えは得ていると認識しています、その応答には応答の必要はないと判断します」

 

すでに答えは得ている、だと?

 

「おい、それは…………いやいい、自分で探す」

 

「では、私は仕事があるのでこれで」

 

「あぁ、世界は任せた」

 

「えぇ、では」

 

最後だけ見ると決戦に向かう主人公にも見え…………いや魔王だな、間違いなく悪役だろう、完全に。

 

急速に意識が現実に引き戻され、ナナリーの膝の肉が、私の顔に当たっている感触が戻ってくる。

 

眠りを誘う温もりが伝わってきたところで、覚醒した意識は深い眠りへと落ちた。

 

有り体に言うと、二度寝した。

 




投稿後に回します。
みんな祈れーー!!

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