コードギアス オールハイルブリタニア!   作:倒錯した愛

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今回も、短いです。

アンドロイドの暴走からさらに時間が過ぎ、それぞれの動きについて簡単に説明した感じです。


『風向き』は悪く、そして強い

ツキトside

 

 

アンドロイドの暴走事故から早くも3週間が経った、未だ多くの兵は入院生活を送っている。

 

総督府はあらゆる場所が損壊し、修復には3ヶ月先までかかる見通しだ。

 

修復に予算を回す都合上、そして事故防止と安全対策のため、処刑部隊構想を一時的に凍結、余剰予算を修復日に充てることとした。

 

また、今回の事故の責任は私にある、コーネリアやユフィはそんなことはない、と言ってくれたが、誰かが責任を取らねば納得しない者がいると、説得した。

 

スザクからは相当怒られた、最初は驚きで固まっていたが、詳しく聞くと責任を1人で被ったことが許せなかったようだ、全くなんて好青年っぷりなんだあのイケメン。

 

肝心の責任の取り方だが、休職すると業務に影響が出かねない事、総督府内部の様子を観察できない事などの理由もあって、減給に留まった。

 

1年の給料を6割カット、それで私自身納得して了承の印を押したんだが…………なぜかコーネリアに届いた書類には半年の給料を5割カットという内容に変わっていた、不思議なこともあるものだ。

 

…………なんてことはなく、ただのコーネリアとユフィの差し金だった。

 

優しさでうるっと来たが、その程度の責任で良いのか?と思い、兵士達に人を通して内密に聞いてみたところ『それで十分だ』と本音を語ってくれた。

 

彼らの気持ちの良い性格に土下座したい気持ちでいっぱいになった、泣きそう、嬉しくて。

 

以上が私のそれから、である。

 

ジェレミアについてだが、今回の事故に対する一早い対応と、毎日兵士達1人1人にお見舞いに行く姿は、これまで以上に彼自身の人望を高めるだろう。

 

兵士達からすれば、恐れ多くもジェレミア【准将】が毎日にお見舞いに来るのだから、気が気でないのかもしれないが…………まあ、ジェレミアは一般的なブリタニア人ではないことから人気も高いし、何よりフレンドリーだ、きっと大丈夫だろう。

 

ああ、一般的なブリタニア人、というのは、差別的な奴らのことだ、日本エリアではかなり改善されたが、未だ本国や貴族連中は他民族に対し差別的だ。

 

そこも、今後の課題になるだろう。

 

次にコーネリアだが、先の会議でより制圧力の高い個人兵装の補填を議題として提出していた。

 

やはり、死人は出なかったにしてもかなりの人数の重傷者が出たことを気にしているようで、強力なストッピングパワーを持つ武器について構想を練っている。

 

ユフィは、ジェレミアほどではないがお見舞いに行ったり、コーネリアの手伝いをしている。

 

コーネリアは頑張り過ぎると体調を崩すことが多いため、ストッパーとしてもユフィは機能性の高い人物だと思う。

 

対コーネリア限定で超強力なストッピングパワーを持っているわけだ…………もっとうまい言い回しがあっただろうに……はあ…………なんだこのダサさ。

 

まあ、いいか。

 

ロイドは脚を骨折して入院中、治るまでかなりの時間が必要だが、あいにくとデスクワーク中心のロイドに休みはなく、昨日も泣く泣くパソコンを打っていた。

 

セシルはロイドの見舞いをしつつ、負担を減らそうと一緒にパソコンを打っているところをよく見る。

 

その時のセシルの表情はまるで…………ふっ、春よのぉ。

 

それで、スザクだが…………アンドロイド制圧に関して、何もできなかったと悔しがっていた。

 

『避難誘導と簡易病院における雑用、そしてユフィの護衛として近くにいてくれただけで、私としてはとても感謝している』………と伝えたが、重く受け止めてしまう性格上、素直に受け取ってくれなかった。

 

スザクは肉体派だから、ということで、スザクとの『個人レッスン』をジェレミアに依頼した。

 

今日で4日目になるが、スザクの調子も良い方向に向かっているようで、ジェレミアも熱が入っているようで良い運動相手になっているようだ。

 

何だかんだで肉体派同士、うまくいっているようで何よりだ。

 

続いて騎士団だが、ルルーシュとC.C.によれば、キナ臭くなってきているようだ。

 

ルルーシュもゼロとして手を回しているが、団員内でたびたび衝突が起きているようだ。

 

頻度は少ないにしても、殴り合いに発展する事態が増えたことから、私自身いよいよかもしれないと感じた。

 

まだ日本エリア防衛軍の設立も始まっていない現状では、暴走に対する抑止力となる部隊は半壊した猟犬部隊しかない。

 

これまでの行動が水の泡になる、どころか日本人に対する心象やイメージが悪化しては自治区化構想も無意味になる。

 

工作でもなんでも、早いうちに対応策を打たなければならないだろう。

 

最後にナナリーだが、ナナリーの親友のマリーを連れて喫茶店でお茶をする予定だ、それもルルーシュと咲世子も行ったことがあり、評価も良い店でな。

 

今日は土曜日、ナナリーやマリーにとっては休校日であり、私にとっても休日だ。

 

丁度、3人の都合が取れたこともあり、ルルーシュと咲世子が通ったと言う喫茶店が良いところだと聞いていたため、ならばそこに行こう、と思い立った次第だ。

 

デートではないが、ナナリー曰くマリーは気合が入っているらしいので、こちらもそれに応えるために相応の服装で行くことにした。

 

ガチガチのデートではないので、できるだけカジュアルな方向で選び、咲世子のチェックも良好だった。

 

私にもようやくファッションセンスというものが身についてきたようだ、フッ、我ながら才能が恐ろしい…………定まった才能ほどつまらないものもないがな。

 

咲世子に服を選んでもらう手間や時間を考えれば、咲世子の負担を減らすと言う面でも喜ばしいことだろう、きっとそうだ。

 

もっと咲世子を労ってやらねばな、そういえば、そろそろ結婚も良い年令だったか、あれだけ気立てが良い良妻確実の咲世子に見合う男が見つかるかどうか、逆に不安だ。

 

話がそれたな、それで、人目につく場所に行くわけだ、髪も染めた、茶髪にな。

 

本当は黒が良かったんだが、あまりに黒いと貞子みたいでな………通報待った無しの事態は避けるべく、あえなく茶髪を選んだ。

 

ナナリーの栗色の髪と少しかぶるが、まあ隣を貞子が歩くよりはマシだろう。

 

本来なら、ヘアスタイルのセンスもファッションセンスと一緒に磨くべきなんだろうな。

 

今回は特に私がツキト・カーライルであるとバレないように注意を払う必要がある。

 

アンドロイドの事故が、表向きの発表で死者0人で済んでいることになってはいる。

 

しかし多くの怪我人が出たことは明らかで、アンドロイドの開発を命じた私は、事の発端を作り出した元凶そのものだ。

 

いかに、ネット上で私の剣技を持て囃されようと、いかに私の支持率が高かろうと、非難は避けれない。

 

そんな私が、呑気に女性と喫茶店でお茶などしていれば色々と落ちる。

 

『じゃあなぜこのタイミングで行くんだよ?』だって?

 

そんなの決まっているだろう。

 

今日が総督府内部における統一代休の日だからだ。

 

どんなに忙しい勤務の毎日でも、この統一代休の日ならば、一定の人数、または一定の部隊員はまるごと休みになる。

 

運が良ければ、長くて3連休も時間を貰える。

 

まあ、ぶっちゃけると、本来仕事をする予定だった土曜日がコーネリアあたりの根回しでいつのまにか猟犬部隊と共に統一代休処置になっていたからなのだが…………。

 

しかし、せっかくの休日、楽しまねば損だ。

 

根を詰めても仕方がない、たまにはリラックスできる時間を作るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おっと、忘れるところだった。

 

クレアについてだが…………ふふふっ。

 

どうやら、気合の入ったお出かけらしいぞ?

 

あの奥手なルルーシュと、遊園地デートだそうだ。

 

いやはや…………クレアよ、体に気をつけて、元気な男の子を頼むぞ?

 

…………まだ気が早いかな?




シ ャ ー リ ー 脱 落

仕方ないね、クレアネキは好意をストレートに伝えるタイプだからね。
クレアネキは普通に美少女だし、ルルーシュを理解してあげられる優しくて強い女性なので、ツンデレなだけのシャーリーに勝ち目はないです。

というのも、ルルーシュはツキト同様に愛に飢えているから。
幼い頃に母親と離れ、敵地でナナリーを守るために神経をすり減らしながら立ち回り続け、頼れるのはツキトと咲世子だけという、戦場より過酷な状況で高校生まで成長しました。
本来なら、母親に褒められたり叱られたりしながら成長していきますが、その過程がなかったルルーシュは大変愛に飢えている状態です。

そこに、好意をストレートに表現し、いつでも甘えさせてくれるクレア姉さんが颯爽と登場!
こんなん誰でも心持ってかれますわ、作者も持ってかれます。
こんなに包容力のある女性いなかったからね、だいたいの女子は周りでキャーキャー言うだけだったからね、好きになっちゃうのも仕方ないね。

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