嫌いな人は終盤まで飛ばして、どうぞ。
ユフィに首筋を刺された私は、気がつけばベッドに寝ていた。
首筋には包帯が巻かれているようで、刺した刃物は取り除かれた後のようだった。
布団をはぐって立ち上がろうとするも、力が入らず起き上がることもできない。
首を動かそうにも力が入らない、そのため周りの様子も確認できない、思ったよりも傷が深いのか?神経をやられた?あり得ないことではないな……。
視覚で分かる情報はその程度のもの、現状を確認できた程度で問題解決に至れるほどではない。
コードの回復力も私の持つ特典と反発し合って機能してくれていないようだ。
ただ、死んでいないところを見るにキチンと死なない程度に機能はしたようだ。
解析中のヘンゼルとグレーテルをリンクして呼んでもいいが…………私自身で解決するべきだろう。
ユフィも命までは取らないだろう、殺す気なら首筋に刺した刃物を抜くのはともかく、包帯を巻いたり治療するのはおかしい。
「y…………y……f……」
だめだ、ユフィを呼ぼうにも喉が震えず声が出ない、厄介な………。
動くのは目玉くらいのものか、そのうち手足も動くようにはなるはず、声が出ないくらいはどうにでもなる。
一睡して体力を回復させよう、考えても動けないし、身につけた武器は全部外されている………というか着替えさせられている。
刺されて気絶した時にユフィがやったのか、それとも誰かメイドでも呼んだのかはわからんが、気絶する前まで着ていた服より今の服のほうが寝心地が良いことは確かだ。
しかし、万が一武器に触ってユフィに怪我をされたら困るな………さすがに銃は重くて持てないだろうが、剣はユフィでも持てるくらい軽量なレイピア、使い方を気にせず振るうだけでも充分に凶器だ。
うぅむ、どうしたものか……………おっと、余計なことは考えるな、寝て体力を回復だ。
気絶疲れ(?)からか、意外にもすぐに意識が……………。
………うっ…………‥。
…………………………この歳で漏らしたか。
死にたい……………………………?
…………おい待て、なんでこんな生暖k
「じゅるるるるるる……」
「〜〜〜〜!?」ビクッビクッ
ああああああぁあぁぁああぁあぁああああぁぁあぁあああっっ!!??
な、な……ユフィ!?一体何をして…………おい!咥えるな!おい!
「じゅるるるる…………おいひぃ」
「〜〜〜〜!!」
感想を言うなあああああああああ!!!!
ぺっしなさい!ぺっ!だめだぞそんなの飲んだら!病気になる………じゃない!抵抗!抵抗しなくては…………あっ。
ふん、ぬ……こなくそ……ええい!くそぉ!………身体が動かん!なぜだ!?まだ回復しきっていない………って、手錠!?
しかもご丁寧に一番頑丈なやつか!………………まあ、私にはさして変わらんし破壊してもいいが…………いや、そもそも腕に力が入らないからそうもできんか。
あっ!!………もしや、首筋を刺した刃物に薬物が………一服盛られたか!やられた!さっきの時点で気づくべきだったのに!どこまでも脇が甘いぞ私ぃ!!
筋肉に作用する何かしらの薬物の類だろうから死にはしないだろうが…………くっ、だめだ、コードの能力で解毒もできん、そもそも能力が制限されいる今はただの人間とさして変わらん。
「ペロペロ…じゅっぽ、じゅるる、じゅっぽ」
あああああ!!!変則的なのやめろ!!!!
薬だけじゃないなぁこれは!確実に精力剤の類もいくつか盛られている!明らかに気持ちよすg
「じゅるるるる」
「〜〜!〜〜〜!!」ビクッビクッ
吸うなああああああぁああ!!!
我慢が………もう…………………。
「!……じゅっぽ、じゅっぽ、じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽ」
ラストスパートやめ…………あぁっ!待って!待って!待ってください!ダメダメダメダメ!!出る!出ちゃう!やらぁあ!
バァンッ!
「ツキトぉ!無事k………えっ?……」
「じゅっぽ………あ、あれ?コーネリアお姉様?」スッ
「ユフィ、お前何してるんだ!?ツキトも、は、裸じゃないか!!」
うぁ…………んぅ…………ふっ……くぅぅぅ…………………はぁ、何とか、落ち着いた。
「ツキト!今外すぞ」
「c……n………a………」
ちっ、コーネリアの名前も呼べんか…………しかも、落ち着いたとはいえ、薬の作用で愚息の収まりが………。
さっきまで気にする余裕がなかったが………近くにいるユフィの匂いが……………ええい!鎮まれ!鎮まらんか!私の愚息!
ナナリー以外に欲情しおって!この下郎!粗◯ン!サイズだけナイトオブワン!
「お姉様、お待ちを」
「ユフィ!お前も手伝……」
「お姉様、ツキトのこの逞しい剣が見えませんか?」
「……………………何が言いたい?」
「お姉様もどうですか?…………美味しいですよ?」
「…………いただこうか!」
いただくな!
チッ……………………キレたぞ、キレたぞ私は!
…………………ヘンゼル!グレーテル!
私を助けろ!
ボゴォ!!
「そうは問屋が」
「おろさないってね」
床を突き破って現れたのは2体のアンドロイド、【ヘンゼルとグレーテル】
さすがロイド製、通信制限区域で精神感応波の共感覚システムがリンクできるとは。
あとで個人的なボーナスをやろう。
「な、なんだお前たち………って全裸!?」
「しかも双子………全裸の双子!?」
いや、全裸のなにが面白いんだコーネリアとユフィのやつ。
それを言うならユフィも半裸で……………うっ!?反応するな愚息ゥ!!
じゃない!ヘンゼル!グレーテル!2人を拘束しろ!
「はーいはいっと、んで、なんでオリジナルは裸なのさ?」ガシッ
「いきなり呼び出して………どんなプレイしてんだか?」
「ちょっ!?力強い!?」
「あっ!ちょっと待ってください!最後にひと舐めだけ!」
ひと舐めでもされたら出るからやめろ!
「え?まじ?オリジナルって早漏?」
「早漏で候」どやっ
うっぜぇなこいつら…………。
「あーっ、拘束が緩むわー(棒)」スゥッ
おいやめろグレーテル!
ヘンゼルはロ………セシルを呼べ!女性兵士か女性のお手伝いさんを数人連れてくるように伝えろ。
男は入れるなよ!いいな!
「はいはいっと………もーしもし?セシル?ごめんちょっと女の子何人か連れてきてくれない?………どこって?ユーフェミア様の部屋だけど…………いいからいいから、早くきてよねー、このままじゃユーフェミア様とコーネリア様がオリジナルのアレ構って部屋ん中で精◯ぶちまけるから、うん、早めにねー」
「そ、そんな………私そんな卑猥なこと……////」
………………もう少しは言葉を選んでくれてもいいんじゃないか?
あとユフィ、お前はここまでいろいろやっといて今更何を言う。
「あのさぁ、あんま暴れないでくれる?」
「えぇい!あと少しでツキトの宝剣を握れるというのに!」ジタバタ
「死んでも触らせるなって言われてるからだめ」
いいぞヘンゼル、そのまま私から遠ざけるんだ。
「へーい、まーったくアンドロイド使いが荒いんだから」
うるさい、貞操の危機なんだ、しっかり動かないように拘束していろ。
「りょーかいでーす」
「鍛えているはずだったが、微動だにせんとは……」
「ふぁぁ………眠い」
「そう言う割には、拘束を緩めてはくれないんですねっ……!」
「「特派印のアンドロイドは伊達じゃない」」ドヤッ!
ここぞとばかりにドヤ顔しおって、確かにそうではあるが。
お、廊下を走る足音が聞こえるぞ、だんだんと近づいてきているようだ。
「ヘンゼル!グレーテル!いったい何があったっt…………エェッ!?////ちょっ!!ツキト君!?そんな………お、おっきい////」
「セシルさんいったい何が………OH////」
「ふ、太いぜ…………////」
なんだこの……………なんだこの、羞恥プレイは!?
くっそ!くっそ!自分の直立したままの愚息を考えていなかった!
咲世子を呼ぶべきだったか、呼べるわけないが。
「セシルー、オリジナルから伝言、この2人をちょっと医務室まで連れてって」
「私たちはオリジナルを運ぶからさ」
こうして、コーネリアとユフィは医務室へ強制連行となり、私は拘束を外してもらい、ヘンゼルとグレーテルに支えてもらいながら立ちあがる。
服を着させてもらったが、未だ薬の効果は続いているようで、全然収まる気配がない、仕方ない、処理するか。
ヘンゼル、グレーテル、トイレに連れて行ってくれ。
「お?処理(だ)しちゃうの?」
「ヒューッ!便器を妊娠させる気とは、たまげたわね」
あぁ、処理だ処理、1発出せば収まるだろう。
「はーい、それじゃあトイレ行こっかー」
「介護者用のとこでいいっしょ?」
そこでいい、早くしてくれ、愚息が熱くて痛い。
「うん、めっちゃテント張ってるもんね」
「テントっていうか……尖塔?」
黙れ小娘ぇ!さっさとせんか!
「おーこわいこわい、んじゃトイレ行こっか」
やっとのことでトイレに入り、ズボンと下着を脱いで愚息と対面する。
『ビュッと出してスッキリしたらノックしてー』
気が散るだろうが!
喉が治っていればこんなことにはならんだろうに。
まあ、いい、まずは共感覚システムを切断して、っと。
処理を始めるわけだが…………なんとも言えんもの悲しさがあるな。
さて……………ん?メール?ナナリーから?
なにもこんなタイミングで送ることはないだろうに………向こうは事情を知らないにしてもだな。
「なっ!?」
メールを開いて目に入ってきた衝撃に思わず声が出てしまった。
なんだ、喉治ったのか………と感傷に浸る暇もなく飛び込んでくるナナリーの写真。
部活終わりに撮ったであろう一枚、暑いのか、練習着を少しだけはだけさせた状態での自撮り写真。
滴る汗、上気した頬、眩しい笑み、ピースサイン、お下げ髪……………。
「あっ……………!!!」
no side
「いきなりリンク切ったと思ったらものの数分で出て着ちゃって…………スッキリしたの?」
「死にたい………」
「え?はい?」
「…………あ、目ぇ死んでるわオリジナル」
「うわマジだ、ちょっとどうしたのよ」
「死にたい…………」
「あーー!もう!グレーテル、オリジナルをベッドに運ぶわよ!」
「はいはい、リンクも弾かれてるみたいだし、寝かすのがいいかもね」
総督・副総督の乱心ということで、急遽ダールトンを代理として立てた。
はいろいろと複雑な心境ながらも、ツキトの死んだ目に察して無言で受理した。
ヘンゼルとグレーテルは全裸であったため、総督府はしばしの間混乱に包まれた。
しまいには、『ツキト・カーライルがユーフェミア、コーネリア、美人の双子、特派のセシル・クルーミー、その他大勢の女性と聖行為を行っていた』という噂まで流れたほど。
2週間後━━━━━━…………。
騒動が沈静化してきた頃。
特派の研究室。
セシルとスザクを帰らせたあと、ロイドとツキトのみが残って話をしていた。
「………………ねえ、これ本当に作らなきゃダメ?」
ツキトの持ってきた計画書を読み終えたロイドが、ピラピラとしながらそう聞いた。
「当然だ、もちろんヘンゼルとグレーテルの解析が終わってからゆっくりやってもらって構わない」
「そうでなきゃボイコットしてるよ………………ていうかさあ、君、無茶な注文しすぎだから!」
計画書をテーブルに置きつつそう叫ぶロイド。
計画書にあるのは、【対人近接戦闘特化型アンドロイド(E型、F型、S型、M型、Z型)の開発】と書いてある。
「近接戦闘特化型は作ろうと思えばいくらでも作れる、今のB型アンドロイド、【ヘンゼルとグレーテル】からストレージのほとんどを占める学習装置を取り外して、より高出力・高反応なモーターと、大型冷却機を付ければそれなりにはできる」
「やればいいじゃないか」
「こっちのが問題なの!!」
ロイドは計画書の一文を指してそう叫んだ。
「【各機には専用装備を搭載すること】ってなにさ!B型と同様のブレードでいいじゃん!」
ロイドが近接戦闘特化型の開発を拒む理由、それはツキトの趣味全開とも取れる各機ごとに専用装備を持たせるという、コスト度外視の計画だからである。
「メイス(M型)ツヴァイヘンダー(Z型)はまだわかるよ、ツヴァイヘンダー…………ツーハンデットソードのリーチと重さは日本刀型ブレードに通じるものがあるから、技術の応用が利く…………でも!フランベルジェ(F型)とエクスキューショナーズソード(E型)とショーテル(S型)は何さ!何なのさ!」
机をダンダンと叩きながら叫ぶロイド、対照的にツキトは静かで、紅茶をすすっている。
「フランベルジェとショーテルの湾曲した刀身と耐久性能を両立させるのは無理!エクスキューショナーズソードは戦闘には不向きでしょうが!!」
リーチ、重さ、扱いやすさ、量産性………それらが揃ったツヴァイヘンダーはともかく、残り3つが問題児だったのだ。
まずフランベルジェ、陽炎が揺らいでいるような湾曲した刀身を持つ、斬りつけた相手に治り難い傷を残す剣。
しかしその実体は、頑丈さとはかけ離れた柔さの元に成り立つ能力であり、アンドロイドの腕力では最悪人を斬りつけた瞬間に刀身が吹っ飛ぶ可能性すらあり、およそ武器として効率的ではない。
同様に、細く、大きく湾曲したショーテルは、フランベルジェ以上にひ弱なのである。
エクスキューショナーズソード、処刑人の剣は、ツヴァイヘンダーと同等以上に肉厚の刀身をもち、リーチもあり、一考の余地があるように見える。
しかし、ツヴァイヘンダーと異なる点があり、それが最大の欠点でもあるエクスキューショナーズソードはロイドに一蹴されても仕方ない。
最大の欠点、それは切っ先が無いことである。
つまり、ツヴァイヘンダーとは違い、『突く』攻撃ができず、そのぶんだけツヴァイヘンダーにリーチで劣る。
その上、エクスキューショナーズソードで出来ることは、ツヴァイヘンダーでも充分に可能で、寧ろツヴァイヘンダーのほうが攻撃手段が多彩なため、『お前、いる?』状態。
「……………ひとつ、勘違いをしていないか?ロイド」
ティーカップを置いたツキトは、未だ鼻息荒いロイドに語りかけるようにゆっくり口を開いた。
「なにさ?言っとくけど、挑発には乗らないよ、これに関しては今流通している素材以上に優秀な素材でもないと無理だからね!」
怒り心頭といった様子のロイドに、ツキトは口を開く。
「E型、F型、S型、M型、Z型………いずれのアンドロイドも、武装は既存の物を使う」
「…………は?」
これにはさすがのロイドもポカンとした、そんなことをしたら耐久性能が足りないじゃないか…………だが。
「あぁすまん、用途について説明していなかったな」
そう言ったツキトは、懐から一通の封筒を取り出し、テーブルに置いた。
「【コレ】に用途が書いてある…………見たくないならそれでもいいがな」
「………………」スッ
封筒をトントン、と叩いたツキトはロイドの顔を見る。
ロイドは無言で【極秘】とロウで封をされた封筒を開けた。
さっきまでの怒った顔や雰囲気は何処へやら、今は極秘文書が封入された封筒を震える手で開けようとしている。
封を開け、中の文書を読み始めるロイド。
ツキトは再びティーカップを手に紅茶を啜り始めた。
「な、なんで……………こんなものを、僕に作れっていうのか!?」
文書をテーブルに叩きつけ、椅子から立ち上がったロイドは、ツキトから数歩後ずさった。
「何か、問題でもあるのかね?」
「大有りだよ!こんなもの、B型の比じゃない、技術の私的利用なんてもんじゃない…………こんなものでなにをしようとしているのさ!?」
ツキトの落ち着いた声が場違いなほど、ロイドは叫んだ。
文書に書かれている内容、それは………。
「書いてあるじゃないか、【処刑部隊構想】、と、ここにしっかり」
叩きつけられた文書の大文字の部分を指差してそう言うツキト。
「そんなものは何年も前に破棄された廃案だったはずだよ、非人道に過ぎるって理由でね………それをまさか、君が持ってくるとは思ってもなかったよ!」
ロイドは憎々しくそう吐き捨てた。
【処刑部隊構想】…………その昔、ブリタニアが植民地政策を行なっていくうちにある問題が生じた。
植民地において虐げられる植民地民が様々な武器を持ってパルチザンとなって牙を剥いたのだ。
パルチザンに対してしばしば現地徴収の軍隊で鎮圧・制圧を行なったが、もともと現地民であるため、最新の軍の装備を持ってパルチザンに合流されることもあった。
今も絶えず中東の植民地では小さい反乱が相次いでいる。
そこで、10年と数年前に発案されたのが【処刑部隊構想】である。
パルチザンやテロリストなどの反乱分子を即断即決で処刑を執行するための専門部隊として提案され、実際に結成寸前までいった。
しかし、即断即決であるため、たとえ群衆の中であろうと発砲や刀剣による殺傷を行うという人道的な理由や、そのようなシチュエーションで処刑を執行できる人間がいるのか疑問視されてしまった。
結局、結成当初のメンバーは解散となり、この構想の廃案となった。
そのはず、だったのだ。
「学習装置を設置しない、感情を持たないアンドロイドであるなら、【処刑部隊構想】の実現は充分に可能だ…………そうだろう?ロイド」
できる、できてしまうのだ、アンドロイドならば、【処刑部隊構想】に邪魔だった『あらゆる状況下での処刑を執行できる』という条件を、クリアーできるのだ。
「馬鹿げてる…………あの時の『もう少し』っていうのは、こういうことだったのかい!?B型の稼働試験を真近で確認して、充分に足りる性能だと確信した!そうだろう!?」
声を荒げたロイドはツキトの襟首に掴み掛かり、細腕とは思えない力で持ち上げた。
「その通りだ、ロイド……………B型はあくまで実験機、性能をオミットされたプロトタイプに過ぎない………」
「最初に言ってた、格闘性能が欲しいっていうのもこれが狙いだった!?」
「That's Right ! …………大正解だ、ロイド」
首元を絞められているにもかかわらず、苦しむ様子もなく流暢に言い切るツキトに、ロイドは掴んでいた手を離した。
「君は、君は………どうして……」
焦燥したロイドはヨロヨロと元の椅子に座り込むと、俯きながらそう聞いた。
どうして…………そこには様々な思いがあったはずである、人命を何よりも尊重するツキトらしくない、とか………いつもの優しいツキトらしくないじゃないか、とか。
だがツキトは、悪魔は告げる。
「【秩序】と【平和】という暖炉の【火(時間)】、それを保つためには、薪が必要だ、そう、【薪(生贄)】が必要なのだ」
そう言って紅茶を啜ってテーブルに置いた。
一点の曇りない表情で、【自分の言い分こそ正しい】と言わんばかりに。
「……………………わかった、解析が終わったらこっちのほうを進めるよ」
「頼んだ、では私はそろそろ帰る………………君も、早く帰って休むといい」
「そうさせてもらうよ…………」
席を立ち、研究室を後にするツキト。
ため息をついて立ち上がったロイドは、ツキトのティーカップをキッチンに持って行く。
キッチンにティーカップを置いたロイドは洗おうか迷い、明日セシルにやってもらおうと考え、荷物をまとめて研究室を後にした。
自室に入ったロイドは、1人ぼやく。
「ティーカップに付くほど、唇を噛み締めるくらいなら、やめとけばいいのに……………」
荷物を放って白衣のままベッドに倒れこむ。
持ち帰った極秘文書をかざす。
「馬鹿だねえ、『大』が1京個は付く馬鹿だよ………もうちょっと隠さなきゃダメだってのに」
電灯の光が透けて、極秘の文字の裏側に、【破棄】の文字を見ながらそう呟いた。
「怒鳴ったせいで疲れちゃった………もう寝よ」
破棄の文書を放り投げ、そのままロイドは眠りにつく。
ふと、去り際のツキトが一瞬見せた悲しそうな表情がよぎる。
「……………もうちょっとストレートに言って欲しかったなぁ」
TKTニキ(毒盛られて動けないゾ)
ユーフェミア「おち◯ぽふとぉい……」じゅっぽじゅっぽ
TKTニキ(あーイクイク、あーイク、イキソ、あー……)ビクンビクン
コーネリア「おい!待てい!」
TKTニキ(コーネリアネキ!?やったぜ!助けてクレメンス!)
コーネリア「俺も仲間に入れてくれよぉ〜」
ユーフェミア「イイゾ、クチアケーナ、ホラ」
TKTニキ(ダメみたいですねぇ)」
TKTニキ(ヘンゼル&グレーテル!助けてクレメンス!!)
ヘンゼル「BOY(TKTニキ) next door」バァァアン!
グレーテル「あぁん?HOIHOI炒飯?」バァァアン!
TKTニキ(なんで全裸なん?)
ヘンゼル&グレーテル「「なんの問題ですか?♀」」
コーネリア「なんだこの…………なんだこの全裸!?」
ユーフェミア「はぇ〜すっごい貧乳」
ヘンゼル&グレーテル「「もう逃がさねえからな?」」ガシッ
コーネリア「これ無理ゾ」グイグイ
ユーフェミア「あとひと舐めだけ、頼むよ〜」
ヘンゼル&グレーテル「「FUCK YOU !!!」」
セシル「警察だ!ファッ!?」
メイド「すっごいデカイ///」
メイド2「ラウンズは巨◯ン、はっきりわかんだね」
メイド3「おうおう、いいかっこだぜぇ〜?」
ヘンゼル&グレーテル「「(こいつら連れて)出て行けぇ!!」」
セシル&メイド達「「「「かしこまりぃ!」」」」
TKTニキ「(媚薬のせいで)チ◯ポがパンパンだぜ………もう我慢できねえよ!!」
ヘンゼル「あ、おい、待てい、トイレ行くぞ」
グレーテル「補助?補助?」
TKTニキ「NO thank you」トイレイン
TKTニキ「(気が乗らないけど)いきますよぉ〜………ん?」
TKTニキ「NNLからメールが来たゾ」
TKTニキ「限界だけど、開くゾ」
TKTニキ「これ(練習後の自撮り写真)って………………ヌッ!!!」
TKTニキ「あぁぁああぁあぁあああぁああぁぁぁあああぁあぁぁああぁぁぁあああ!!!」ビュルルビュルッビュルビュルッルビュルルビュルビュルビュルッビュルビュルビュルル!!
TKTニキ「アァ……アァッ!」ビュルッッ!
TKTニキ「もう、死ゾ」
ヘンゼル&グレーテル「「えぇ………」」
ダールトン「有給やるよオラァン!?」
TKTニキ「(処刑専門のアンドロイド)作って♡」
ロイド「は?(怒り)」
TKTニキ「作れっつってんだよ!」バァン!
ロイド「しょうがねなあ………(渋々)」
TKTニキ「頼んだゾ」悲しそうな表情
ロイド「おかのした(あっ(察し))」
血のついた(アイス)ティーカップ。
ロイド「やっぱり嫌なんじゃないか………」ため息