コードギアス オールハイルブリタニア!   作:倒錯した愛

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「あいつには隠された能力がある!それは………大して面白くない話を少ない文字数で(良心を全く傷めずに)投稿することができる能力なんだ!」

「「「「なっ、なにィ!?」」」」

「(投稿の)スイッチを押させるなァアアア!!」

「いいや限界だ!……押すねぇ!!!!!」

ポチッッ




『晩餐会』は今宵、開かれた

ツキトside

 

 

アーニャとの兄妹水入らずの楽しい時間は過ぎ、晩餐会当日である年明けの1日前の朝。

 

テレビや電子掲示板には残り14時間と数分のタイマーが表示され、年明けまでのカウントダウンを行なっている。

 

年明けまで残り14時間ジャスト、つまり午前10時にラウンズの全員が宮廷に集まった。

 

それぞれに個室が与えられ、晩餐会の時間まで各々好きなことをしていればいいそうだ。

 

ラウンズ同士の接触に特にこれといった決まりはなく、各部屋間の移動は自由だ。

 

台本とかミーティングとかなにかあるかと思ったが、本番は全てアドリブで行うらしい、何でも、各ラウンズの素の様子を国民に見せたいらしい。

 

こういう場合、一番の懸念事項は誰かが暴走しないかどうか…………最も心配になるのは私の妹、アーニャだ。

 

再三にわたってテレビの前ではあまりはしゃがないようにと言っておいたが…………たぶん、無理だろう。

 

はあ、スザクでもいてくれたら、フォローを頼むことくらいはできたんだがなあ。

 

ユーフェミアの騎士にしたのが間違いとは言わんが…………何だろうな………。

 

何というか、100歳超えて、いろいろなことを覚えて、こうやって転生したというのに、ままならないことは多いものなんだな、人生とは勉強すること、とはよく言ったものだ。

 

これでは、人生経験の少ないクレアなんかもっと大変だっただろう………いや、あいつは先読みできるからそんなことないか。

 

一旦考えるのはやめて、リフレッシュも兼ねて素振りでもしようか。

 

トレーニングルームなんてないだろうし、部屋の中でいいか。

 

動き易いように薄着になって………木刀は持ってきてないから、本物でいいか。

 

「ふう……………やるか」

 

まずは、11時までに1万回だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーニャside

 

 

『ハァッ!……ハァッ!……』

 

お兄ちゃんと隣の部屋にしてもらって良かった、お兄ちゃんの声が聞こえる。

 

『ハァッ!』

 

感覚と声の大きさからして筋トレよりも素振り、もしくは格闘の練習かも。

 

お兄ちゃんはすごい、他のラウンズは筋肉馬鹿とか脳筋とか言ってるけど、それはお兄ちゃんを知らないだけ。

 

『ハァッ!』

 

…………行ってもいいよね、兄妹だし、お兄ちゃんの部屋に行くのは問題ないよね。

 

「よし………」

 

部屋を出てすぐ隣のお兄ちゃんの部屋の扉をノックする。

 

『誰だ?』

 

「アーニャ」

 

『鍵は開いてる、入っていいぞ』

 

意外と不用心………もしくはお兄ちゃん流の罠だったりするのかな?

 

扉を開けて中に入ると、備え付けのポッドを弄って紅茶を淹れてるお兄ちゃんがいた。

 

「よく来たな、もうすぐ紅茶がはいるから座って待っててくれ」

 

「うん、わかった……ところで、運動してたんじゃないの?」

 

「ん?あぁ、聞こえていたのか、実はさっきまでやっていてな、やめようと思っていたところにちょうどアーニャが来たんだ」

 

「そう…………邪魔しちゃったりしてない?」

 

「まさか、アーニャなら大歓迎さ」

 

嬉しいことをさらりと言っちゃうお兄ちゃん、もうホントに抱いて欲しい………突っぱねられると思うけど。

 

「紅茶がはいったぞ、はい、砂糖とミルク、角砂糖は2つで良かったか?」

 

「うん、2つでいいよ、ありがとう」

 

覚えててくれたんだ………ずっと昔のことなのに。

 

「それで、何か用があった来たのか?」

 

「用事…………特に、なかったけど………………お兄ちゃんと一緒にいたかった」

 

「………そうか、嬉しいよアーニャ、ありがとう」

 

「//////」

 

「ふふっ、紅茶よりも真っ赤だな」

 

このあとしばらくお兄ちゃんに弄られ、世間話をして自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツキトside

 

 

アーニャと雑談をして分かれ、時間も近づいて来たためラウンズの正装に着替える。

 

さて、いよいよショータイムだな。

 

晩餐会会場となる宮廷の一室に入る、見渡すとどうやら私で最後のようだ、まあそうなるように時間を調整して来たからな。

 

「(……やはり、見た目が変わっておらん、陛下が考えを改められた理由はこれか)」

 

「(げっ、13……)」

 

「(お兄ちゃんかっこいい!!)」

 

「(うお!?やっぱベテランラウンズは雰囲気ちげえなぁ、1のビスマルクさんといい、やばさが伝わってくるぜ)」

 

「皇帝陛下、ナイトオブサーティーン、ツキト・アールストレイム、陛下の御前に」

 

陛下の前で膝をつきこうべを垂れて報告をする。

 

「よく来たなサーティーンよ………貴様の席はぁ………ナイトオブシックスの隣だぁ」

 

「はっ!」

 

指示された席、アーニャの隣に座る。

 

「待たせてすまなかったな、アーニャ」

 

「そんなことない、それよりも今日のお兄ちゃんは一段と格好良い………////」

 

「そうか?新調した新しいデザインのやつなんだが、アーニャに気に入ってもらえて良かった」

 

そう、私の今回の正装は、今までとは違い、ユーロの旧ドイツ的デザインにブリタニアの優雅さと気品を足した私のパーソナルカラーの紺色の軍服調の正装で、軍帽付きだ。

 

そこにサム・ブラウン・ベルトを着け、左腰の位置にサーベルを帯刀、右腰にはギラギラと光る巨大な金ピカ長銃身ダブルアクションリボルバーがレザーホルスターに収まる、靴も式典用の革靴ではなく、戦闘用のブーツだ。

 

一昔前の野戦服を思わせるデザインに厨二心が踊るが、実戦向きにアレンジされている。

 

ホルスターは革製だが抜きやすく加工されたもので、今回持って来た金ピカリボルバーをすぐに取り出して敵の頭に突きつけるのは容易い。

 

そして今回レイピアじゃなくサーベルなのは、抜きやすさ重視のためだ、不意をつかれた際の抜刀では反りがあり軽量、かつ抜刀のエネルギーをそのまま斬撃に移せるなど、直剣であるレイピアよりも優れるからだ。

 

前世におけるアメリカの名将、パットン将軍が学生時代に設計した1913年型騎兵サーベルのような反りの浅いものではなく、欧州諸国で流行った反りが深いものだ。

 

格好だけならば、儀仗兵のように見えなくもないな、身長とか顔面偏差値とかいろいろ足らないものが多いが。

 

「うぅむ………我がブリタニアの騎士達がぁあ……いよいよ集まったぁ…………でぇはこれよりぃ……晩餐会を執り行う!」

 

「カメラ用意!!」

 

「マイクチェック!……よーし!」

 

「電源よし!10秒前!」

 

陛下の側近達の動きが素早い、練習でもしていたのだろうか。

 

「3……2……1……今!」

 

「ごぉきげんよぅぅう、我がブリタニアの帝国民達ぃ………今宵この時!ブリタニアに忠誠を誓う全ての騎士達がぁぁ……集ったぁ、よってこれよりぃ、晩餐会を開くぅ!!」

 

(まさかの)陛下による帝国の全国民への挨拶から始まり、番号順に各ラウンズの挨拶となった。

 

「ナイトオブワンのビスマルク・ヴァルトシュタインだ」

 

「ナイトオブスリーのジノ・ヴァインベルグです」

 

ヴァインベルグの礼儀正しい挨拶が逆に気持ち悪いな………。

 

「ナイトオブフォーム、ドロテア・エルンストよ」

 

…………………………………………………………………………………あっ!原作アニメでスザクにシュンコロされたやつだ!!

 

影薄くてわかりにくい………というかアニメでもほぼ一瞬だったような……?

 

「ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム………これでいい?」

 

「あぁ、上出来だ」

 

80点だな、私の腕に絡みついていなければ100点だった。

 

振りほどくのもあれだ、このままでいいか。

 

「ナイトオブナイン、ノネット・エニアグラムだ」

 

確か、士官学校時代のコーネリアの先輩にあたる人物だったか。

 

「ナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリーだ、吸血鬼と呼んでもいいぜ?」

 

中二…………おっと、これ以上はブーメランか。

 

「ナイトオブトゥエルブ、モニカ・クルシェフスキー」

 

ん?こいつだけスカートなのか、軍服なのに、いいのだろうか?陛下が許可しているなら大丈夫なんだろうが。

 

いよいよ私にカメラが向く。

 

「ナイトオブサーティーン、ツキト・アールストレイム、コーネリア様とユーフェミア様と共に日本エリアの活性化に努めている、旅行先に迷ったら、ぜひ日本エリアへ来てくれたまえ」

 

少し長くなったが、日本エリアの宣伝もできたのでまあ良し。

 

「では皆様、グラスを持っていただいて……皇帝陛下、お願い申し上げます」

 

「Cheers‼︎(乾杯)」

 

「「「「「「「「Cheers‼︎」」」」」」」」

 

陛下の乾杯の音頭で晩餐会は開かれた、グラスに入ったシャンパン……ではなくジンジャエールを半分ほど飲んで置いた。

 

晩餐会だからコース料理だろうが、まあフレンチだろう。

 

運ばれてくる様々な料理を口にする、うん、まあ、美味しいか?久々の宮廷料理なのに舌が反応できん………。

 

「お兄ちゃん、ジュース注ぐ?」

 

「アーニャ様!そのようなことは私が………」

 

「いいの、私がやりたいの」

 

「しかし!」

 

「構わんよ、アーニャ、頼めるか?」

 

「うん!」

 

差し出したグラスにニコニコ笑顔でジュースを注ぐアーニャ。

 

「ありがとう、ほら、アーニャも」

 

「うん、お兄ちゃん、お願い」

 

アーニャからジュース瓶を受け取り、今度はお返しにアーニャのグラスにジュースを注ぐ。

 

「ありがとう、お兄ちゃん」

 

「あぁ…………さあ、もう一度乾杯をしようか」

 

「うん」

 

「「Cheers」」

 

チン、とグラスが小さく音を鳴らす、アーニャと一緒に笑っていると、いつの間にかカメラが私とアーニャに向いていることに気がついた。

 

アーニャはカメラに向かって小さく手を振った、しかし表情は笑顔ではなかった、たぶん『こっち見んな』的な意味で振ったのだろう。

 

あれでもファン的には嬉しいのだろう。

 

私も何かサービスしたほうがいいのだろうか?きっとナナリーも見てることだろうし、ちょっとだけ微笑んでおくか。

 

ニコッ

 

これでいいだろう、さて、食事の方に…………。

 

「ではこれより、神聖ブリタニア帝国ラウンズ同士による『チキチキ・王様ゲーム』を開始します!」

 

はっ?

 

え?皇帝陛下の前で王様ゲーム!?チョイスを間違えすぎだろう!?

 

「ちょっと待ってくれ、なぜ王様ゲームなんだ?レクリエーションならもっと他のでも良かろう?」

 

さすがに突っ込んだ、突っ込まずにはいられなかった。

 

「中高生へのアンケートより、こういう場では王様ゲームが行われるとの結果が出ましたので」

 

「皇帝陛下の前でよりによって『王様』ゲーム……」

 

「なお、ルールはオーソドックスなものをそのまま使用し、あまりに過激なものは却下させていただきます」

 

いいのかそれで………。

 

「お兄ちゃん?」

 

「…………まあ、いいんじゃないか?」

 

「「「「「「(シスコン………)」」」」」」

 

「では、皇帝陛下、ボタンをお願いします」

 

「うぅむ」ポチッ

 

皇帝陛下の前に出されたデカくてやたらデコレーションされたボタンを、陛下は押した。

 

ピコピコピコピコピコピコピコピコ…………

 

自分の座る場所の机の部分に小型テレビが現れた、テレビにはルーレットが映し出され、数字盤の真ん中に『KING』という文字が書かれたものだ。

 

数字とKINGがランダムに点滅しだし、次第に点滅の間隔が長くなっていき、ある数字の場所で止まった。

 

その時、ヴァインベルグの椅子が光った。

 

「うぉ!?」

 

「第一回のルーレットではヴァインベルグ卿が王様ですね、では命令をどうぞ」

 

「お、俺が王様!?マジ!?」

 

おいヴァインベルグ、口調口調。

 

というか陛下………あんた絶対この状況を楽しんでるだろ………。

 

午後18時、まだまだ晩餐会は始まったばかり…………。

 


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