人物紹介
ツキト・アールストレイム
・まさかのコードギアスの世界に特典をもらって転生した
身長150cmと前世より2cmほど高い(それでも低い)、髪はアーニャと同じでピンク色、目もアーニャと同じ色。
生まれ持っての高い身体能力とそれなりに回転の速い頭脳、しかし短気なのがたまに傷。
特典は【コードを持つ者を殺すことができる】という原作ブレイカーも良いところ、C.C.逃げて!超逃げて!あ、V.V.は死んで、どうぞ。
転生後、前世のことをある程度だが割り切っているため、女性(男性とも)なんらかの関係を持つことに罪悪感を感じない。
…………ものの、恋愛に関しては一途。
実はアーニャの従兄弟でしたという恒例の裏設定が存在する(?)…………筈もなく、しっかり血の繋がった兄妹だ。
ツキトside
真夜中のアリエス宮、そのエントランスの柱の陰に身を潜めV.V.を待つ。
実は夕食に睡眠薬を盛られたがなんともなかったのは自分でもおかしいと思いながら今エントランスにいます
しばらくするとマリアンヌがエントランスに一人で出てきた、護衛を一人もつけずに。
そしてエントランスと庭をつなぐ扉が開き子供が入ってくる、この子供こそすべての元凶であるコードを持つ男【V.V.】、マリアンヌの前に立ち何かを話し始めた。
おそらくギアスのこと、そして計画のことでしょう。
そして剣呑な雰囲気を醸し出したその時。
「神話の時代から男を惑わすのは女だって話だよ」
そう言ってV.V.はマントの下からサブマシンガンを取り出しマリアンヌに標準を合わせようとする。
今!
「マリアンヌ様!お下がり下さい!!」
「っ!ツキト!?」
「おそいよ!」
ダダダダダダッ!
サブマシンガンから吐き出された弾丸は次々とマリアンヌへ向けて突撃していく。
腰のレイピアを抜刀してマリアンヌの体にあたるものだけ切り捨てていく。
その中の一発を真っ二つに切り裂きながら弾道を少しだけ変え、マリアンヌの両目にあたるように調整する。
「っっぐぅっ!」
両目が潰れた痛みからでる悲鳴を堪えうずくまるマリアンヌ、よし、これでいい。
そして、ついにサブマシンガンの弾薬がきれた。
「くっ!リロードが………」
レイピアを弓矢を引き絞るように引き、思い切り突く。
ザシュッ
「あぐっ!?…………」カクッ
レイピアはV.V.の脳天を貫いた、私がもらった特典によって、V.V.はコードを持っているにもかかわらず絶命した。
V.V.の血液によって服が真っ赤に染まる、洗濯して落ちるか不安だ。
ここで振り向いてマリアンヌの負傷を見る、そして叫ぶ。
「っ!?……ま、マリアンヌ様あああああ!!!」
「っく…………ツキ……ト……」
これでいい、完璧だ。
私の叫び声で駆けつけた医者によってマリアンヌの目の治療はすぐに行われた、私の目論見通りもう二度と光を感じることができないとのこと。
あまりにうまくいったので笑いそうになったぞ、今も現在進行形で笑いそうだ。
「ああ……マリアンヌ様………」
マリアンヌの病室の外の椅子に腰掛け力無くうなだれるゴッドバルト卿。
「……ゴッドバルト卿………私の力不足で……っ!」
私は彼の前で顔を伏せ肩を震わせる。
「己を、責めるな………あの状況でよくやった、幸い傷は浅く、目が見えなくなった以外はなんともないと言っていた…………だから、あまり思い詰めるな」
ゴッドバルト卿は優しく私の頭を撫でる、その顔は普段以上に慈愛に満ち溢れていた。
…………いや、肩が震えているのは笑いを堪えているだけなんだ、別にマリアンヌを守りきれなかったことを悔いているわけじゃないんだ。
………………ブフッwwwマリアンヌざま(様)ぁwwww
おっと、失礼。
とにかく、これで第一段階はクリア、マリアンヌのギアスも発動しないだろうし、アーニャが記憶のことで悩むことはなくなる。
問題があるとすれば、陛下から罰される可能性があるということ、私個人に対する島流し程度なら別にいいが、アールストレイム家まで巻き込む必要はない、その時は……………シャルルを殺して私が皇帝にでもなればいいか。
あの暗殺未遂事件から三日が経った、ルルーシュとナナリーから感謝の言葉を受け取った、ユーフェミアとコーネリアからは褒められ、たまたま来ていたクロヴィスにも褒められた、アーニャからも褒められた、アールストレイム家からも同じような内容の手紙が届いた。
感謝されるのは悪くないが、あの行動全てが私の独善だったことから素直に喜べない。
…………なんだ、私にもまだ良心が残っていたのか。
まあそんなことなどもはやどうでもいい、障害たり得ないマリアンヌなどに興味はない。
次の時代は、ルルーシュとナナリーが背負っていくはずだ、ならばルルーシュたちについて行き、私の忠義を貫くのみ
「よし、行くか」
第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの召喚状を握り締めて立ち上がった。
『神聖ブリタニア帝国第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニア様御入来!』
大仰な扉が開かれる、声に従って陛下の御前にでる。
「ツキト・アールストレイム、陛下の命により参上いたしました」
陛下の座る玉座から5mほど離れた場所で跪く。
「おもてを上げい……」
命令通りに顔を上げる、陛下の威風堂々とした雰囲気が体の真正面から伝わってくる、まさしく王者にふさわしい風格。
「(これが………これがシャルル・ジ・ブリタニアだと!?そこいらの貴族や皇族など比べるのも烏滸がましいこの威圧感!人の皮を被った魔王だ!)」
ざわめきの中陛下が話し始める。
「ツキト・アールストレイムよぉ、よくぞマリアンヌを守り抜いたぁあ…………」
「それが私の使命ですから」
「ふん……謙遜をぉするでなあああい……………わしは貴様の行いにぃぃいい、感動ぉおしたのだぁぁあああ………」
「感動、でございますか?」
ざわめきが大きくなる、弱肉強食の国是を掲げる神聖ブリタニア帝国の皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアは滅多なことでは人を褒めたりはしない。
ゆえに、ただの貴族の息子である私を褒め、感動したということは本来ならありえないこと、帝都ペンドラゴンに隕石が落ちる確率の方が高いだろう。
「そぉおうだ………よってぇえ、貴様に褒美をつかわそう…………貴様の望むものはなんだぁ?」
陛下の問いかけに対し、一呼吸を置いて答える。
やっとここまで来たか!待ちわびたぞ!この瞬間を!
「では、【ナイトオブラウンズ】の称号を」
答える時、自然と口角が吊りあがり邪悪極まりない笑みがこぼれる、失敗したか?冷や汗が流れる。
「ほぉう!その眼……まるで獣のようではないかぁ!」
陛下は目を見開き満足げな声を出した後、ニヤリと笑った、機嫌を損ねてはいないようだ、むしろ獣…………野心的ととられて好感触のようで安心した。
「よろしいぃぃ………貴様にはルルーシュやナナリーの警護もあるぅぅだろう………よってぇえ、貴様には存在せぬ13人目のラウンズ、【ナイトオブサーティーン】の称号を与えよう…………」
「はっ!ありがたき幸せ!」
「【ナイトオブサーティーン】はぁぁあ…………我がシャルル・ジ・ブリタニアの直轄ではなくぅぅ………【ナイトオブサーティーン】自らが定めた主の直轄となるぅぅ…………聞こう!【ナイトオブサーティーン】よ!そなたの主はだぁああれええだああああ!?!?」
芝居がかった大声に集まった皇族・貴族たちはビクリと震える。
どうやら陛下は私を気に入ってくれたみたいだ、これは好都合、弱肉強食を国是とするだけはある!より高みに至らんとする者には関心が高いようだな。
「我が主は…………我が主はただ2人のみ!ルルーシュ様とナナリー様でございます!」
「ではぁあ!【ナイトオブサーティーン】よ!そなたの忠誠は誰に捧げているぅぅうう!?!?」
「我が主、ルルーシュ様とナナリー様にございます!」
「ならば!そなたは何のために生きるぅぅうう!?!?」
「我が主、ルルーシュ様とナナリー様のために!!」
「よろしい!立てい!ツキトよ!」バァン!
陛下は玉座の肘置きを叩いて立ち上がる、私も立ち上がり直立不動をとる。
「そなたの忠誠はぁぁあ、我がシャルルに届いた!今後も【ナイトオブサーティーン】として神聖ブリタニア帝国に仕えるがよい!」
「イエス!ユアマジェスティ!!」
「皆もツキトを見習いぃ、存分にぃ争い、競い合うがいぃ!それがぁ!我がブリタニアを進ン化させるのだぁ!オール・ハイル・ブリタあああああああああああああああニアあああああ!!!」
「オール・ハイル・ブリタニア!」
「「「「「「オール・ハイル・ブリタニア!オール・ハイル・ブリタニア!オール・ハイル・ブリタニア!オール・ハイル・ブリタニア!オール・ハイル・ブリタニア!」」」」」」
これが陛下の、シャルル・ジ・ブリタニアの力!弱肉強食を国是にし、競い合わせ、その最終目標、頂点たる玉座に座る者!神聖ブリタニア帝国を統べる王者の力!絶対たる強者!
この風格を、ルルーシュが最も受け継いでいる、ならば!我が使命は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとナナリー・ヴィ・ブリタニアただ2人に仕え、皇帝陛下として君臨なされるその日までそばで支えること!
その結果が魔王であれなんであれ、我が命と忠義、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに捧げる!それがこの世に転生した私の使命だ!
陛下との謁見も無事終わり、数日後に急遽行われたナイトオブラウンズ就任式にも出席した、アールストレイムの本家は大喜びだろう。
就任式の晩はルルーシュやナナリーに祝ってもらった、アーニャも祝ってくれて本当に嬉しかった、驚いたのはマリアンヌも祝ってくれたことだ、恨まれはすれど祝われるとは思ってもいなかった。
原作では死んでいたであろうマリアンヌが今もここにいるのは結果的にルルーシュとナナリーの心の支えになるだろう、目が見えない(ギアスが使えない)ようにするだけでマリアンヌはもう計画の手伝いはできなくなった。
個人的に陛下を殺したくはない、だが最後には殺すことになる、何かいい方法は…………。
確かコードを持つ者が二人以上いて初めてアーカーシャの剣は起動し、【(自分たちにとって)優しい世界】が出来上がる、だがそれは時の歩みを止めた、人間として生きることも何もかも投げ出すということと同じだ、それをルルーシュが破壊して皇帝に…………ん?
待て待て待て、コードを持つ者が二人以上必要なんだよな、一人はC.C.だ、原作ではもう一人はV.V.のコードを奪った陛下だった、では今は?V.V.のコードは?もしやCの世界に飲み込まれ消滅したのか?もしくは…………………………私がコードを受け継いだ?
…………つまりなんだ、私はコードを持ちながらコードを殺す能力を持つ矛盾生命体なのか?誰得なハイブリッドだそれは。
まあまだ決まったわけではないか、よし、ここに一本の果物ナイフがある、これで指先をスパッと…………いや自分で持って切ったら意味ないか、テーブルに固定して、っ!痛っ!おお!修復が早いな、だが、痛いな……。
とりあえず仮説は証明された、私はV.V.から知らぬうちにコードを奪っていた、私の特典でコードを持つ者を殺せる能力とうまく共存している、つまり、今の私を殺す方法は私に自殺させるしかない…………………とんでもない化け物になってしまったようだ。
「まあ、そこらへんも兼ねて利用させてもらうか、不死身の肉体も悪くない」
いらなくなったら自殺すればいいし。
さて、次はどうするか………まあ、もう決まっているが。
「ルルーシュとナナリーを日本へ?」
マリアンヌと対面するように椅子に座る私、マリアンヌは私の投げかけた言葉の意味を考え始めた、そして口を開いた。
「関係が悪化しつつあるブリタニアと日本の交渉材料…………」
「…………に見せかけて、ルルーシュとナナリーの安全確保が目的ね?」
やはりマリアンヌにはわかってしまうか、【閃光】の名は伊達ではないか。
「そうです、今後マリアンヌ様と子息であるルルーシュ様とナナリー様は狙われます、マリアンヌ様にはゴッドバルト卿がいますが、私はルルーシュ様かナナリー様のどちらかしか守れません、なので国外に出た方がゴッドバルト卿はマリアンヌ様の警護に集中できます」
「なるほどね、関係の悪い日本なら狙われにくいと考えたわけね」
「それに、日本とは関係が悪化していますが、日本人は人種・民族に問わず友好的な人種なので日本人から狙われることはないでしょう、あったとしても、平和ボケしてヤマトダマシイも持たない貧弱な者どもには遅れはとりません」
「そこまで考えてくれているのを知ったらルルーシュとナナリーは喜ぶでしょうね」
「それが私の使命ですから」
「ふふっ、シャルルから聞いたけど、本当に欲がないのね」
「ナイトオブラウンズの称号を欲した私に欲がない?それは勘違いですよ」
「でもそれ(ナイトオブラウンズの称号)はルルーシュとナナリーのためなのでしょう?ナナリーも幸せ者だわ、そうだ、ナナリーの婿に来なさいよツキト」
「そんなことしたらルルーシュ様に殺されてしまいます」
「ルルーシュにそんな力はないはずだけど?」
「本気を出した兄は強い者なのですよ」
「うふふ、説得力あるわね…………いいわ、ルルーシュとナナリーはあなたに任せるわ、使用人を何人か連れて行っても構わないわ」
「ありがとうございます、それでは一週間後に日本へ発ちます」
「ええ、ルルーシュとナナリーを、頼んだわね」
「イエス、ユアハイネス」
話をしている間、マリアンヌは非常に穏やかな笑みを浮かべたままだった、同時に、子の幸せを願う母親のような顔にも見えた。
ルルーシュとナナリーにもこの考えを話した、ルルーシュはマリアンヌの負担が減るというなら、と二つ返事で了承した、しかし、やはりと言うべきか、ナナリーの説得には時間がかかった、最終的に説得が成功したのはその日から三日後、マリアンヌに立ち会ってもらいやっと成功した、一桁の年で母親から離れろというのは厳しいものだが、耐え忍んでもらいたい。
そして時は流れ、期日の一週間が経ち、ブリタニア領内の空港に来た、見送りとしてマリアンヌとゴッドバルト卿、アーニャも来ていた。
コーネリアとユーフェミアも来る予定だったが、どちらも皇族としての仕事が多く、見送りの言葉は手紙で送られてきた。
「アールストレイム卿、ルルーシュ様とナナリー様を頼みます」
「敬語はいりませんよゴッドバルト卿」
ちなみに今の私の格好はナイトオブラウンズの正装、マント含め紺色で統一した服装に右目に眼帯を付けている、というのも、コードを奪うと体のどこかに紋章が表れる、V.V.は額だったが、私は右目に表れてしまった、ギアスでもないのに紛らわしいし、何より怪しまれるので眼帯を付けることにしたのだ。
「む、では私のこともジェレミアでいい」
「はい、ジェレミア卿、マリアンヌ様を頼みます」
「任せたまえ」
ジェレミア卿は力強くうなづいて見せた。
「お兄ちゃん……」
アーニャが寂しそうな顔で私を見上げる、上目遣いは反則だぞ。
「なに、たかだか1、2年だ、すぐに戻って抱きしめてやるさ」
口角を少しあげて悪魔的な笑みを浮かべ、右手を腰につけて言う、少しキザっぽかったか?
「うん、ちゃんと抱きしめてね////」
「え……あ、ああ」
アーニャがデレるとは思って………いや薄々感じてはいたが、まさか頬を朱色に染めて恥ずかしがるとは思わなかった、惚れるかと思ったぞ。
「それではルルーシュ様にナナリー様、行きましょう」
「はい」
「う、うん……」チラチラ
「うふふ……」ニコニコ
ニコニコと笑って見送るマリアンヌをナナリーはチラチラと不安げに何度も見てから皇族専用ジェットに乗った。
その五分後、ジェット機は離陸した。
さて、私の物語を始めよう。
オール・ハイル・ブリタニア!