コードギアス オールハイルブリタニア!   作:倒錯した愛

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3ヶ月ぶりの投稿、TPPの動画面白すぎて遅れた。


『式典』の『準備』を

ツキトside

 

 

 

翌日の早朝、総督府演習場の巨大トレーラー近く。

 

「資材の積み込みは終わったか?」

 

「すべて完了いたしました」

 

報告書を渡しながらそう言う下士官、報告書を受け取ってしばらく眺める………………記入漏れはないな。

 

「よし、では5分の休憩ののち各員搭乗、目的地まで安全運転で行くぞ」

 

「ハッ!」

 

命令を受け取った下士官は敬礼し、整列している兵士たちのほうに向かった。

 

今日は式典に向けての合宿とリハーサルを始める日だ。

 

式典で使う資材、兵士たちの食料、ユーフェミア用の高級食材、簡易トイレ等々、様々な物資をトレーラーに詰め込んだ。

 

今回は作戦のこともあるため、ガウェインの代わりにグロースターを持っていくことにした。

 

日傘をさして資材を積み込む様子を眺めているユーフェミア、その隣で話し相手となっているスザク。

 

………………やっぱりお似合いじゃないか。

 

邪魔をするのは気がひけるが、報告はしなければならない。

 

「ユーフェミア様、5分後に発進いたします、準備のほうは……」

 

「大丈夫です、ではスザク、また後で」

 

「うん、またね」

 

友人同士のように挨拶を交わして別々の乗り物に向かって歩く。

 

スザクはランスロットを載せたトレーラー、ユーフェミアは白塗りのベンツっぽい高級車………………のように見える装甲車(最大装甲厚200mm)に乗り込んだ。

 

ふむ、そろそろ時間か。

 

「総員搭乗せよ!なるべく早く、且つ安全運転で目的地を目指すのだ!」

 

「「「イエス!マイロード!!」」」

 

兵士たちがそれぞれのトラックやトレーラーに乗り込む、やがて私とグロースターを載せたトレーラーも動き出した、さて、2時間は暇になるな、寝るか。

 

おっと、その前に、メールメール。

 

【from エリー

 

やっほー!ゼロの右腕のエリーさんだよー!

 

作戦許可下りたから、予定通りお願いね〜。

 

どうしても疑われちゃったら、『極秘命令』とでも言っといてね。

 

成功を期待して待ってるよ〜

 

以上!】

 

こんな感じのでいいのだろうか?顔文字もつけたほうがいいのだろうか?………………とりあえずこれでいいか。

 

送信………………完了、と。

 

次はナナリーだな、電話でいいか。

 

『はい、ナナリーです』

 

『おはようございます、ナナリー様』

 

『ツキトさん!おはようございます!今日はどうして朝いなかったんですか?』

 

『申し訳ありません、実はユーフェミア様の護衛に来ていまして…………』

 

『ユフィ姉様のですか?』

 

『はい、式典のリハーサルをトウキョウドームで合宿で行うため、私含めスザクも同伴しております』

 

『まあ!私も見に行ってもよろしいでしょうか?』

 

『残念ですが、関係者以外は入れないのです、恐れ入りますが当日にお願いいたします』

 

でないといろいろ困る。

 

『そうですか…………では当日は楽しみにしていますね!』

 

『はい、それでは、また』

 

『はい、またです』

 

電話をきってグロースターの頭部に座る。

 

よし、寝るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!?ツキトさんの婚約者なら関係者になりますよね!?」

 

「なると思いますよ、ナナリー様」

 

のちに自分が関係者に入ることに気づいた模様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後。

 

トレーラーの中、グロースターの頭部で揺られること2時間、途中、渋滞を迂回しながらも無事に全車到着した。

 

装甲厚200mmの高級(装甲)車の運転手が流れる動作で車を降り、後部座席のドアを開ける。

 

それと同時に助手席の女が大きな日傘をトランクから取り出して降りるユーフェミアの頭上に傘を広げた。

 

何度練習したのかわからないほど正確で無駄のない動きに内心感心しつつ、スザクとランスロットのトレーラーに向かう。

 

トレーラーの中に入ると、予想通りスザクが寝袋の中で寝ていた。

 

「スザク、目的地に到着したぞ」

 

「ぐーー………………はっ!?つ、ツキト、もう着いたのかい?」

 

「ああ、ユーフェミア様がお待ちだ、顔を洗ってからいけよ、ヨダレでイケメンが台無しだ」

 

口の端から垂れたヨダレがなぜか顔の上のほうに向かって固まっている、どういう寝方をしたんだ?

 

「あ………………じゃあ顔洗ってくるよ」

 

「うむ、私は先に行く、早く来いよ」

 

「わかったよ」

 

そう言うとスザクはトレーラー内の洗面台でバシャバシャと顔を洗い始めた。

 

トレーラーを出てすぐのところにあった観客席に座ってスザクを待つ、目の前では下士官の号令のもと兵士たちが整列し点呼を取っている。

 

観客席を見回していると。

 

「…………」じーーー

 

子供の姿が目に入った。

 

近所(瓦礫)に住んでいる子供なのだろうか?いや、住むというより、住まわされている、というのがここ、エリア11の現状なのだが。

 

くぅ〜〜

 

子供の腹の虫がなった、ふと、確か懐に携帯用食料としてチョコレートを持っていることを思い出す。

 

チョコレートの箱を取り出してアルミを剥がす、エリア11…………日本において、かつて絶大な人気を誇ったMEIJ◯のミルクチョコレートである、現在も販売してはいるが、市場は縮小を辿っているようだ。

 

ついでに言うと、作者はGh◯naのチョコレートは買わず、ME◯JIやMORIN◯GAの製品のみ購入して食している、理由は『Ghanaのチョコは脂肪多くて不健康そう』、だとか。

 

そんなことは置いといて、アルミを剥がしたチョコレートを片手に子供に近づく。

 

子供はおびえた様子もなく私を見上げている、よく見ると男の子のようだ。

 

少年の前で膝をついて日本語で話す。

 

「《こんにちは》」

 

「《!!………………こんにちは》」

 

日本語で話しかけられたのが意外だったのか、一瞬目を見開き驚いた様子だった。

 

「《お腹が空いているのか?》」

 

「《…………うん》」

 

いきなり日本語で話しかけたのが原因なのか、警戒されているようだ。

 

「《チョコレート、食べるか?》」

 

「《いいの!?》」

 

と言ってうなづく少年。

 

食物の話題には警戒心ゼロで食いつくのか、なんというか、これが子供の純粋さなんだろうな。

 

「《じゃあこれをあげよう、ついでにこっちも》」

 

そう言って非常用のパンをチョコレートと一緒に差し出す(本来はダメだが、まあいいだろう)。

 

「《ありがとう!》」

 

「《ふふっ、ここは危ないから、お母さんのところに行って、みんなで食べなさい》」

 

「《うん!またね!【お姉さん】!》」

 

………………うん、きれちゃダメだ、相手は子供なんだ、きれちゃ、ダメだ。

 

それに見間違えられるのはこれが初めてではない、堪えろ。

 

「《じゃあね》」

 

と、怒りやらなんやらを堪え、笑顔でパンやチョコレートを抱えた少年を見送る。

 

少年は瓦礫の中に消えていった。

 

………………腹が減っていた……おかしい……これはありえない。

 

シンジュクゲットーへの生活物資の輸送、日本人への配布は滞りなく進んでいるはず。

 

腹が減るなんて事態はまず起こるはずがない。

 

まさか横領が起こっているのか?だとしたら責任者をどう処刑してやろうか考えなければなるまいな。

 

……………………よし、私直属の日本人部隊を式典後に編成しよう、そして彼らに物資の輸送から何から何までやらせればいい。

 

同じ日本人ならばシンジュクゲットーの日本人にも受けがいいはずだ、横領も無くなるだろう。

 

私の株も上がるしな。

 

この件は式典の最後に発表しよう、【2年でブリタニア人になろう!】との相乗効果が期待できる、はずだ。

 

いや待て、それでは結局のところ日本人部隊隊員もブリタニア人になってしまうことになる、日本人からブリタニア人になってしまってはシンジュクゲットーの日本人の心情はあまりよろしくないだろう。

 

ならば、【日本人兼ブリタニア人】なら問題はないはず、イレブンという呼び方も、式典後には廃止する予定だし、大っぴらに日本人と呼んでも問題ないだろう。

 

いずれ行う自治区化のためにも、日本人にはブリタニアに対して好意的でいてもらわなくてはならないしな。

 

さっきの少年にチョコレートやパンを渡したのは、ほぼ完全な打算的行動だった。

 

『【ブリタニア人】の【ラウンズ】が、【日本人】に食料を【手渡した】』

 

先ほどの行動を結果だけ見れば上のようになる。

 

では、客観的に、この文章のみ読んで考えてみてくれ。

 

………………そうだ、この文章のみでは、【ブリタニア人が日本人に優しく接している】というように取れるわけだ。

 

さらに、今回のターゲットは少年だ、まだ小学3年生にも満たない男の子だ。

 

幼い子供が、裏の裏側まで人の心を読めるわけがない。

 

つまり、少年はここであったことをそのまま親に伝えるだろう、そうすれば、【ブリタニア人の中にも日本人を差別しない人種がいる】、と考えるはず。

 

その考えが広まり、やがて日本人は二極化する。

 

一つはレジスタンスのような抵抗組織、反ブリタニア組織、いわゆる【反ブリタニア派】だ。

 

もう一つはブリタニアとの共存を目指す者たち、【共存派】だ。

 

そうなった時、かねてより計画していた自治区化を行った場合、どうなるのか?

 

おそらく、二極化した日本人が、争いあうことになるだろう。

 

果たして勝つのはどちらだ?

 

日本人としての誇りを胸に戦う、誇り高き戦士達、【黒の騎士団】か?

 

それとも、神聖ブリタニア帝国に跪き、枷を負う、【共存派】か?

 

………………その時が楽しみであり、逆に怖いな。

 

「ツキトーー!」

 

っと、ずいぶん考え込んでいたようだ。

 

スザクが手を振りながらこちらに近づいてくる。

 

「終わったか?」

 

「うん、顔も洗ったし、歯も磨いてきたよ」

 

「うむ、それなら大丈夫だろう、では行くぞ、ユーフェミア様がお待ちだ」

 

「うん、ところでツキト、いつもの剣はどうしたんだい?」

 

スザクが私の腰を指差して言った。

 

いつも私の腰に帯刀していたマリアンヌのレイピアは現在咲世子に預けてある、このあとのことを考えると少しでも身軽なほうがいいし、もしかしたら何かの弾みでポッキリ折れてしまうかもしれないからだ。

 

それに、ロイドに頼んでおいた秘密兵器が式典までに完成すると聞いたため、もうマリアンヌのレイピアは不要になるだろうと思ったからだ。

 

「ここはゲットーだ、腰にレイピアなんぞ挿して歩いていたら日本人が怖がるだろうからな、クラブハウスに置いてきた」

 

「なるほど」

 

「まあ、さすがにコイルガンとナイフくらいは持ってきてはいるが…………この警備の中襲おうと思う奴なんていないだろう」

 

脇のホルスターに入ったリボルバーコイルガンを見せ、トレーラーを指差す。

 

北から50、南から30、総督府から40、合計120人の精鋭のKMF乗り達を集め、数日間の警備に当てるのだ、こんなところを襲うなんて馬鹿はそういやしない、いるとしたら………………マジギレしたスザクくらいだな。

 

「そうだね、でも油断はできない、ナリタの時や、サイタマゲットーの時のように、ゼロは不利な状況でもそれを覆してしまう、安心はできないよ」

 

スザクは真剣な顔つきでそう言った。

 

「その通りだ、それにもし襲われれば今回は防衛戦となる、その場合は彼ら精鋭含め我々121人がユーフェミア様の盾となるのだ、スザク、お前はその時になったら味方を見捨ててユーフェミア様だけを逃がすために全力を注げ、いいな」

 

「…………わかってるさ、でも、死なないようにね」

 

「ふっ……タダでは死なんさ、あの仮面野郎(ゼロ)にドデカイ請求書叩きつけるまではな」

 

「いや本当に死なないでね?ナナリーとか自殺しちゃうかもしれないし」

 

「…………よし、意地でも生きるぞ」

 

自分の主の妹かつ嘘でも婚約した相手が自分のせいで自殺とか…………ちっぽけな良心すらすり潰して味方すら見殺しにする私でも心が痛む。

 

「ははは、やっぱりツキトはツキトだね」

 

「ナナリー様に死なれたくないだけだ………………何よりルルーシュ様が怖いしな」

 

「あーー………………ルルーシュなら地獄まで追いかけてくるだろうね」

 

「やめろスザク!そんなこと言われたら成仏できなくなるだろうが!」

 

ハハハハ、と笑うスザクに突っ込みつつユーフェミアの仮住まいに向かう。

 

皇族を野宿させるなどあってはならぬ、というコーネリアの言葉で、式典会場内に仮設の住居を建てるという案に決まった。

 

仮設住居と言っても、おもちゃの人形の家のようなもので、家具は完全固定、日本の気候にも強く、自家発電ができて、例えKMFが4機乗っても潰れないという、本国の科学者たちや設計者たちが知恵を絞って設計された仮設住居だ。

 

ついでに、住宅街には当面の間、これのコストダウンバージョンタイプを大量に設置する方針だ。

 

仮設住居の2人の門番に敬礼する。

 

「ツキト・アールストレイムだ、ユーフェミア様にお話がある、通してくれ」

 

「ユーフェミア様、アールストレイム卿と枢木がお見えです」

 

『開けてください』

 

「イエス、ユアハイネス」

 

扉越しに敬礼した門番はタッチパネルに数字を打ち込みはじめる、もう1人はそのまま周囲を警戒をしている。

 

…………………………番号は一応暗記したほうがいいか、見えないようにタッチパネルを操作している門番には悪いが、そっちのほうが何かと便利なんでね。

 

扉が門番によって開かれる。

 

仮設住居の中はかなり広く、ユーフェミアは真ん中のテーブルで紅茶を飲んでいた、傍にはメイドが立っている、気弱そうなブリタニア人女性だ。

 

「待っていましたわ、ツキト、スザク」

 

こちらに気付いたユーフェミアは顔を向け紅茶を両手に持ってそう言う、どうでもいいが両手でコップを持つ女の子は可愛いよな。

 

「少し野暮用がありまして、遅れてしまい、申し訳ありません」

 

「いいのです、それより座ってください、立ったままでは疲れるでしょうから」

 

「ありがとうございます」

 

私とスザクは椅子に腰掛ける、するとメイドがカップに紅茶を注いで私とスザクの前に出した。

 

「ありがとう」

 

「ありがとうございます」

 

スザクとともにメイドに礼を言う。

 

「い、いえ…………」

 

メイドは少し赤面すると俯いた。

 

スザク、お前のせいだな、このイケメン野郎純情そうなメイドさん落としやがってこの野郎。

 

おっと、落ち着け、紅茶を飲んで落ち着くんだ………………ズズッ………………。

 

「ふぅ…………では、まずは当日の予定からいきましょうか」

 

「えぇ」

 

そう言って台本を取り出す、台本を捲り最初のページを開いてテーブルに置く。

 

「まずはコーネリア様の挨拶から初まります、それが終わるとユーフェミア様による演説になります、そちらに送った文は読まれましたか?」

 

「はい、少し長いようですが、暗記は出来ました」

 

首を少し傾げてニコッと微笑むユーフェミアの愛らしい姿にナナリーへの愛が若干揺らぎかけたが、鋼の理性にボルトを捻り込んで耐える。

 

ブリタニア皇族の女性ってさ、男の理性を殺しにかかってるよな、絶対。

 

「え!?ユフィはあの量の文字を暗記できたのかい!?」

 

スザクが驚いた顔でユーフェミアの顔を見る。

 

「はい、暗記は得意ですから」

 

微笑みながらそう返すユーフェミア、スザクは「すごいなぁ」と感心したようにため息を漏らした。

 

「こういう文章を読み上げる場が多かっただけです、私は、お飾りでしたから…………」

 

ユーフェミアの美顔に影がさす、お飾りである自分に対する劣等感か、もしくは役に立てないことに対する嫌悪感・罪悪感なのか…………。

 

「…………でも、これからはユフィが先頭に立って行くんだ、もうお飾りとは言わせない」

 

スザクがユーフェミアを励ます、ユーフェミアは微笑んで「ありがとうございます」と返す、さしていた影はなりを潜め、年相応の爽やかさと年不相応な女性的な魅力が目に見えてわかる。

 

そのまま談笑を始めるスザクとユーフェミアの楽しそうな姿に自然と笑みが浮かぶ、やっぱりお似合いバカップルだな、間違いない。

 

「こほん……進めてもよろしいですか?」

 

「「あ、うん(はい)」」

 

しかしいつまでも談笑されても進まないので強制的に止めさせてもらう。

 

「では……えー…………ユーフェミア様の演説後、ユーフェミア様がスザクを騎士に任命、略式ではありますが就任式を行い、スザクが意気込みを述べた後、私の演説となります………………ところでスザク、お前に送った文は暗記できたか?」

 

「半分くらい……かな」

 

ふむ、だいたい500文字くらいと言ったところか、時間が足りん、削るか。

 

「スザクのほうは少し削っておく、700文字くらいにするからそっちで覚えてくれ」

 

「わかったよ」

 

幸いスザクは物覚えは悪くない、さして多くない文字数ならば1週間は覚えていられる、700文字を式典当日まで覚えていさせるくらいわけない、まあ覚えさせるのに時間がかかるのだが、まあ間に合うか。

 

「それが終われば式は終わりですが…………日本人も来るということで少々派手に行かせてもらいます」

 

「派手に?」

 

「はい、こちらをご覧ください」

 

テーブルに広げたのは会場近辺の地図だ。

 

「これは……」

 

「シンジュクゲットーにある式典会場周辺の瓦礫撤去を急がせました、式典の日はかなりの日本人が来場することでしょう、そこで………」

 

地図にシャーペンで円を描く、会場から50m〜100m離れた地点に楕円状に描いた。

 

「この範囲内に、屋台を呼びます」

 

「屋台って、たこ焼きとか焼きそばとか?」

 

スザクが驚いた表情で聞き返してきた。

 

「そう、スザクの言ったように、タコヤキ、ヤキソバ、オコノミヤキ、ワタアメ、その他数々の屋台を設置します」

 

「ツキト、これはどういう意図があるのですか?」

 

今度はユーフェミアが聞いてきた。

 

「まず、今回主役であるユーフェミア様が日本人の文化に理解や関心を持っていることのアピール、次に、日本人に食事をしてもらうためです、きっとお腹が空くでしょうし」

 

「まるでお祭りみたいだね」

 

「オマツリとは?」

 

「神様を祭ったり、祝ったりする儀式のようなものなんだ、お祭りのときは必ず食べ物の屋台が出てたんだよ」

 

「オマツリで屋台を出すというのは日本人の伝統のようなものです、日本人にとって大きなアピールになることは間違いないはずです」

 

実を言うと一番の理由は私自身が食べたいからなんだ、ブリタニアに生まれてしまったせいで10数年間醤油と味噌が食えなかったんだからな、式典が終わったら屋台巡りをしようそうしよう。

 

「へえ、ツキト、僕も食べに行きたいんだけどいいかな?」

 

「式典が終わった後ならいいぞ、ユーフェミア様と一緒に行くといい、並んで歩けば日本人とブリタニア人、2人種の友好をアピールできる」

 

「ツキトは来ないのですか?」

 

「そうですね…………いけると思います」

 

「では、3人で回りましょう」

 

3人でか……ナナリーにも会わなきゃならない、アクシデントが起こったとか言って途中で抜ければいいか。

 

「そうすることにいたしましょう」

 

その後も話は続いた、スザクは屋台の食べ物について語り、それを聞いて目を輝かせるユーフェミア、やっぱりお似合いだよお前らは。

 

さて、屋台を出せそうな日本人は調べてある、機材はこちらで揃える、食材もトレイラーに大量に紛れ込ませてある、あとは本人たちにあってみるしかないか。

 

スザクを連れて行くといいかもしれんな。

 


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