ナナリーside
「ナナリー様……」
「咲世子さん……」
血の付いた下着を前に重い空気が流れる。
「…………ナナリー様、おそらく……」
「やっぱり、ですか…………」
「はい……………………初経です」
お兄様、ツキトさん、私は大人になりました。
ツキトside
「予算はこれでいい、広報部も人員は十分だ、【2年でブリタニア人になろう!】に向けて訓練を増やす、コイルガンが足りない?本国から100丁取り寄せておこう、KMFの損害も増えたな、部品も取り寄せよう……………」
はぁーーーーー、疲れる。
予算はマシになったが物資が足りないな、無理な侵略を推し進めたからだと思うが、やはりテロに対する耐性が低いな。
ん?咲世子からメール………………!?
ガタッ
ピポパピピ
「ユーフェミア様、今日は早退します」
『え?なにがあったのですかツk(ブツ)』
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
階段を駆け下りバイクにまたがりアクセル全開でクラブハウスに戻る、バイクを飛び降りてクラブハウスの扉を荒々しく開けて目の前にいる咲世子に食ってかかる。
「咲世子おおおおおおおおおおおおおお!!!!あのメールは本当か!?!?」
「本当です」
そう聞いた瞬間足の力が抜け、涙がにじむ。
「うっ……くっ…………ついに!ついにナナリー様が大人になられたッッッ!!」
涙が床に落ちていく、床が涙で濡れていく。
「はい」
「これほどッッ!!これほど嬉しかった瞬間など!!!妹が生まれた瞬間と!!!ルルーシュ様が精通なされた瞬間以来だッッ!!!…………………咲世子!」
「お赤飯の用意は出来ております、オードブルも注文いたしました、スザク様はどういたしましょう?」
さすが咲世子だ!!パーフェクトだッッッ!!!
「呼ぶぞ!ナナリー様が大人になった日だぞ?皆で祝わねばなるまい!!」
「ではミレイ様やシャーリー様もお呼びに?」
「あいつらを呼ぶと青髪チャラ男(リヴァル)もついてくるからダメだ」キッパリ
「スザク様はよろしいのですか?」
「スザクにはお前がオブラートに説明しておけ、それにあいつは絶対に言いふらさないからな」
「わかりました、ではスザク様もお呼びいたします」
「ああ………………ナナリー様が、大人に………………実に喜ばしい、今年1年はいいことがありそうだ………そうだ!ルルーシュ様にも伝えなければ!!」
ルルーシュのもとへと走る。
ルルーシュside
「ルルーシュ、次は何だったっけ?」
「次の授業はブリタニア史だぞ、宿題はやったか?」
「うん、ばっちりだよ」
スザクと話しながら授業の準備をしていたその時。
「ルルーーーーーーーーーーーーーシュううううううううううううううううう!!!!!(皇帝陛下ボイス)」
「ほぁっ!?」
「だ、誰なんだ!?」
シャルル!?なぜ日本に…………。
ズバァン!!
自動ドアがツキトの手によって無理やりこじ開けられ、俺の方に近づいてきた………………ってシャルルじゃなくてツキトかよ!!
「ルル……げほっげほっ!」
「お、おいツキト、どうしたんだそんなに慌てて…………」
ってかむせてる、いったい何があったっていうんだ………………。
「ルルーシュ!ナナリーさm…………ナナリーが!」
「なに!?ナナリーがどうした!?」
まさか気づかれたのか!?
「ぐぇ!?」
首を引っ張られ顔が近づく。
「ナナリー様が、大人になられました」
耳元でそう囁かれる。
「な、なんだって!?ほ、本当か!?」
「本当です、ナナリー様が体調が悪くて休まれたのを察した咲世子が発見しました………」
「そうか…………ツキト」
「お赤飯とオードブルは咲世子が用意します、スザクも呼ぶ予定です」
「それでいい、それにしてもついにナナリーも大人になったか…………」
「このツキト・アールストレイム、歓喜の極みでございます」
「ねえツキト、ルルーシュ、さっきから何の話を……」
「「スザク!!」」
「な、何かな?」
「「今日の放課後必ずクラブハウスに来い!!」」
「う、うん、わかったよ」
「「絶対だぞ!絶対だからな!!!」」
スザクに2人で釘を刺したあと、ツキトは教室から出る前に振り返り。
「では私は行く、くれぐれも内密にな」
「ああ、わかっているさ」
そう言って帰っていった。
「フフフ…………フフフハハハハハハハハハハハ!!!」
「る、ルルーシュ?」
「ん?どうしたんだスザク?」ニコニコ
「(怖いよ!笑顔が怖いよルルーシュ!)な、なんでもないよ…………」ガクガク
数時間後。
ツキトside
「今宵はナナリー様がより一層大人へと近づかれた日として、私、ツキト・アールストレイムよりお祝いの言葉を送らせていただきまして、それを乾杯の音頭とさせていただきます、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
「か、かんぱ…………うぅ////」
ルルーシュ、スザク、咲世子、私、そして主賓のナナリーの5人だけのささやかな祝いの会が始まった。
予想通りナナリーは恥ずかしそうだ。
「ついに来たんだなあ………………まだ子供かと思っていたんだが」
「私たちの知らないところでどんどん成長していってしまいますね………………悲しいような嬉しいような…………」
「俺も同じようなもんだ、ナナリーも、大きくなったなあ…………」
「ええ、アリエス宮の時はとても可愛らしかったのに、いつの間にかこんなにも美しくなられて…………ウッ…………グスッ…………長らく仕えてきた私としても嬉しい限りでございます」
「これからもナナリーをしっかり頼む」
「お任せくださいッッ」
ルルーシュと話が弾む、ナナリーを見ると咲世子とスザクと話しているようだ、咲世子がスザクに今回の祝いの会について超オブラートに説明しているのをナナリーが赤面して聞いているだけのように見えるが。
「そうなんだ、ナナリーも女の子(子供)から女性(大人)になったんだね、おめでとう」
「あ、ありがとうございますスザクさん」
「ナナリーに先を越されちゃったなあ、僕も頑張って大人にならないとね」
「スザクさんならすぐになれますよ」
「そうかな?」
「はい、スザクさんはしっかりしていますから、すぐに大人になれますよ、頑張ってくださいね」
「ありがとうナナリー、うん、頑張るよ」
「スザク、話の途中ですまんが、お前は来週あたりには大人の仲間入りだぞ?」
ナナリーとスザクの話を切ってそう言う。
「え?そんなに早く大人になるのかい?」
もしかして忘れてるのか?
「ああ、来週には……………式典があるからな」
「式典?何の式典なのですか?」
ナナリーが式典について聞いてきた。
「新しい政策の発表式典だよ」
とスザクが答える。
「どんな政策なのですか?」
「えっと、それは…………」
ナナリーの問いにスザクが詰まる、発表目前とはいえ国家機密だからな、そう簡単には言えないか。
「ナナリー様に話してあるはずですが、聞き覚えはございませんか?」
「…………………あっ、あれのことですね!いつ発表するんですか?」
ナナリーが内容を思い出して目を輝かせる、ほんま天使やで。
「8日後の正午より執り行いますが……………まさかお忍びできたりはしませんよね?」
「え?ダメですか?」
ナナリーがキョトンとした顔になる、おい皇族ならもっと頭使いんしゃい。
「ユーフェミア様やコーネリア様もいらっしゃいますので危険かと思われます」
「そう、ですか……残念です(ツキトさんのかっこいい姿を見ることができないなんて…………)」
「変装していくのはどうでしょうか?」
しょげたナナリーを見て咲世子が言った。
「……………それなら、たぶん」
「いってもいいんですね!!」ガバッ
身を乗り出して聞いてくるナナリー、近い近い、あ、いい匂いする。
「た、確かにいい案です、ですがやはり危険です、クラブハウスからテレビでご覧になられては?」
「嫌です、直接見たいです」
「うっ……………」
どうしても引かな………………いや待て、すでにルルーシュはユーフェミアに素顔を見せている、ならばいっそナナリーのことも見せてしまえばいいじゃないか、ユーフェミアがゼロがルルーシュだと言っていないことを考えればそうとう口が固いことがわかる。
……………かけてみてもいいかもしれない。
「………………わかりました、では変装してくださるなら、来てくださっても構いません」
「本当ですか!?やったぁ!」
「かわい………じゃなかった………………では式典終了後にある場所に来て欲しいのです」
「ある場所……………ホテルですか!?」
「そんなわけないでしょう!!ナナリー様がそういう思考を持ってると知って私今すっごく悲しいんですが!!!」
「ご、ごめんなさい………」
ええい!この純粋微淫乱もどき超絶美少女(嫁)め!
萌え殺す気か!!
(おいそこの変態待てやおい by作者)
「とにかく、場所はおって咲世子に伝えます、ナナリー様は咲世子から離れないようにしてくださいね」
「はーい」
咲世子がいれば大丈夫だろう、はぐれなければ。
とりあえずナナリーをユーフェミアに合わせて複雑な事情があるとでも言って存在を隠して貰えばいいか。
ルルーシュは………………どうせゼロとして派手な演出で登場でもするのだろう、原作にはない流れだが、ゼロが来ても来なくても、ユーフェミアは死なない、死なせない。
ルルーシュの妹を、ナナリーの姉を、私の妹代わりを、スザクの主を、死なせはしない。
ナナリーside
翌日、昨日のあのちょっぴり恥ずかしいお祝いの会でのツキトさんの涙ぐんだ顔を思い出しながら生徒会室に入りました。
中にはミレイさん、シャーリーさん、ニーナさん、カレンさんの4人が先に来ていました、見事に女の子だけですね。
喋っているうちに私とツキトさんの仲についてのお話になって………………。
「で!?で!?どこまでいったの!?」
「お、落ち着いてくださいシャーリーさん」
「そうよシャーリー、ナナリーちゃん怖がってるわ」
シャーリーさんが私がツキトさんと、その………セッ………………そういうことをしたのか聞かれました。
「う、ご、ごめんねナナリーちゃん」
「いえ、大丈夫ですよ」
「それでさ、シャーリーと同じこと聞くけどどこまでいったの?」
「ええ!?ミレイさんも!?ええっと、その…………………」
ミレイさんは味方だと思ってたのに………………。
「もしかしてもうオトナになっちゃった?」
「……………キスです…………」
「「「え?」」」
ミレイさん、興味津々のシャーリーさん、となりで聞いていたカレンさんの3人が私の顔を見て意外そうな顔をする。
「えっと、それはナナリーちゃんがまだしたくないっていう…………………」
「したいのにさせてくれないんです……………」
「「「「………………」」」」
パソコンに向かっていたニーナさんも私の顔を見て同情の目線で見てくる。
「は、ハグとかは………」
「子供の頃に何回かやったっきりです………」
「頭撫でたりは……………」
「全然です………」
「…………オ◯◯ーは?」
「ツキトさんのキスを思い出しながら毎日………………ってなんてこと聞くんですかニーナさん!!!」
「ご、ごめんなさい」
これじゃ私が変態みたいじゃないですか!!
「うーん、どうしてさせてくれないのかって聞いた?」
「何度かあるんですけど、理由が『20歳未満の男女が肌をか重ねるなど破廉恥極まりない!』って……………」
「「「「古っ」」」」
「私も『古い』とか言ったりお風呂上がりに下着で誘惑したりするんですけど全然ダメで……………………むしろ『風邪引いたらどうするんだ!!』って怒られちゃうんです」
「「「「(何よそれ、ベタ惚れじゃない)」」」」
「大事にされてるのはわかるんですけど、やっぱりツキトさんに汚してほしいなって」
「よ、汚してほしいって………………ナナリーちゃんも言うようになったわね」
「それくらい強気じゃないとツキトさんは襲ってくれないと思って………………これでも襲ってくれないなら、私はどうすれば…………」
やっぱり咲世子さんが言ってた通りマイクロビキニで無理やり添い寝した方が良いのでしょうか?
「ふむ、よし、今日のガールズトークの題名はズバリ!【ツキトさんに襲ってもらおう!】」
と高らかに言うミレイさん。
「内容に察しがついちゃうんだけど…………」
小声で突っ込むカレンさん、ニーナさんとシャーリーさんも頷いてますね。
「ナナリーちゃんがどうすればツキトさんに襲ってもらえるか、意見を出し合ってみましょう!」
「会長、生徒会の仕事………………」
「今はナナリーちゃんの悩みが先よ」
生徒会の仕事のほうが先だと思うのですが。
「じゃあまずはシャーリーから!」
「私ぃ!?……………う、うーん、やっぱり恋はパワー!ってことで押していけばいいと思うの!」
「具体的には?」
「こう、大胆な服装で誘惑したりすれば………ツキトさんも落ちるはずよ!」
シャーリーさんの言ってることは咲世子さんとほとんど同じですね。
咲世子さんは【布面積の少ない服で抱きつけば落ちます】って言ってましたし、やっぱりマイクロビキニ作戦なんでしょうか。
「ふむふむ、シャーリーは大胆な服装で誘惑作戦ね、ルルーシュにやるつもりなの?」
「そそそそんなわけけないじゃないですか!!!」
あ、お兄様にする予定だったんですか。
「それじゃあ次はカレン!」
「また前みたいに決闘で決めればいいんじゃないの?勝った方が命令できるって条件で」
「あ、それは無理です」
「どうして?」
「ツキトさんが本気出したら私勝てないので」
「そんなに強いの?」
「たぶん、剣の腕で言ったら最強だと思います」
「最強って………」
「でもツキトさんはそう思ってないみたいです、自分はラウンズ最弱だって言ってましたし」
ツキトさんにかかればどんな相手でも一瞬で倒してしまうのに、どうしてなんでしょうか。
「最強の剣士が最弱ねえ、とりあえずカレンの案は無理そうね、次はニーナね」
「……………お風呂中に突撃」
ニーナさんはパソコンに視線を固定したままそう言いました。
「あ、それ1回やりました」
「やったの!?」
シャーリーさんが驚いて椅子から立ち上がる。
「はい、でも入った時にはすでにお風呂から上がってて、髪をすいてあげたりしたんですけど………………」
「無反応だったと………………これは強敵ね〜〜」
髪をすいてあげたら微笑んでいましたけど………………あれはリラックスしてたからですよね、あれ?じゃあ無反応じゃなかったってこと?
「お風呂上がりに目の前に女の子がいて反応しないって……………………ツキトさんって女の子なの?」
「そんなこt………………あっ」
「え?なになに?」
「…………………………ツキトさんが男の子だっていう証拠がありません」
「「「「はあ!?」」」」
「小さい頃から一緒にいて、喋り方とか態度とかが男の子っぽかったのでずっと男の子だとおもってたんですけど、もしかしたら……………」
「ちょちょちょちょ!!ちょっと待って!!ナナリーちゃんはツキトさんが女の子かもしれないって言いたいの!?」
「………………可能性はあります」
「…………………確かに、背も低いし肩幅も狭い、男の子にはとても……………」
「もしツキトさんが女の子だったら、ナナリーちゃんは女の子とキスしたことに…………」
「い、言わないでくださいシャーリーさん!!」
「ご、ごめん…………」
「でも女の子っていう確証もないわ、私たちじゃ調べようもないし」
「ねえナナリーちゃん、お風呂上がりのツキトさんってどんな姿だったの?」
「えっと、上半身から下半身までバスタオルで覆ってて……………あっ」
「決まりね、ツキトさんは男の子ではなく女の子よ」
「で、でもバスタオルの巻き方くらいじゃ………………」
「脱衣所でお風呂から上がってきたツキトさんは全身を隠すようにバスタオルを巻いていた、とっさに隠すのなら下半身でいいはずよ」
「な、なにか特殊な事情があって…………」
「それならナナリーちゃんに話していてもいいはずよ、そういう話は聞いてない?」
「………………いいえ、何も聞いていません」
「そ、それじゃあ………………ツキトさんは、レズビアン、ってこと!?」
「そんな……………………いえ、それはそれで、ありです!!」
「受け入れちゃうんだ!?」
ツキトさんが女の子でも、私は愛せます。
「おい」
今の声……………ツキトさん!!
「ツキトs「さっきから変な妄言が廊下まで聞こえているんだが、もう少し自重せんか、それと私は男だ男」コツン
生徒会室に入ってきたツキトさんは私の頭をコツンと叩いて撫でながらそう言う。
あ、撫でられるのって気持ちいいです………………。
「ツキトさん!?さ、さっきのはえっと…………」
「気にしちゃいないさ、女に間違えられるのは初めてではないしな」ナデナデ
「そう、ですか……それでもごめんなさいツキトさん、疑ったりして」
「気にするな、そんなことくらいで私は怒ったりしない」
ツキトさんに謝る、ツキトさんは頭を撫でながらそう言う。
お兄様にもよく撫でられることはありますが、ツキトさんに撫でられるとドキドキします………………。
「あ、じゃあツキトさんはどういうことされたら怒るんですか?」
「ちょっ!?シャーリー!?」
「シャーリーさん!?」
シャーリーさんが自分から地雷を踏み抜きに行ってしまいました………………。
「そうだな………………当たり前だが、ナナリーが傷つけられたら怒るな、あとは……………妹関係だと怒らないでいられる自信がない……」
ツキトさんの妹さん……………たしかアーニャさんですね、私と同い年の人でしたね。
「妹さん…………それってアーニャ・アールストレイム卿のこと?」
「ああ、最近ナイトオブシックスになったようだし、アールストレイム家の株も上が…………兄として誇らしいよ」
先に家のことを考えるあたりツキトさんらしいですね、結婚する時は挨拶に行った方が良いのでしょうか?あ、でも駆け落ちっていうのも………………。
「本国で陛下の警護をしていると聞くが、実に名誉なことだ、これを機によい夫を見つけて欲しい」
撫でるのをやめて椅子に座ったツキトさんは優しい顔になる。
「…………妹には、幸せになって欲しいしな」
そう言ったツキトさんの顔はとても優しいものでした。
ズキリッ
あれ?なんで?胸が苦しい…………これが嫉妬?ツキトさんがアーニャさんのことを気にかけていることに嫉妬してしまったの?
「だが、妹を嫁に出すのは気が進まんな」
ズキズキッ
「あいつは可愛いからな、本国でもモテるんだろう、妹じゃなかったら私も惚れてたかどうかわから…………」
プッツン
「ツキトさんはそんなに妹さんが好きなんですか?」
ギュッ
「え?」
ツキトさんの腕を握る。
「ええそうでしょうね、だってツキトさんの妹さんですもの、可愛いに決まってますよね」
ギチギチ
その手に力を込める。
「お、おいナナリー、少し痛い…………」
「ツキトさんはお嫁さんの私より血の通った妹さんが好きなんですかそうですか!!!」
「いや血は通ってな………イテテテテテ!痛いぞナナリー!私は弱いんだからそんな強く締めるな!!」
「テレビで見たときは確かに可愛いなとは思いましたよ!ツキトさんが好きになるのも納得ですよ!!」
「おま、嫉妬してるのか!?」
「悪いんですか!?嫉妬させたツキトさんが悪いんです!!」
「い、いや、悪いとは思っていない、ただ…………」
「なんですか!?」
爪が食い込んでツキトさんの腕から血がでる。
「その…………嬉しいなって…………」
「ふぇっ?」
腕を握る力が抜ける。
「嫉妬されるほど好きになられるのは…………正直、嬉しい……」
ツキトさんは微笑みながらそう言った…………そのとき腕に違和感を感じて見てみるとツキトさんの血が腕を伝って………え?
「あ、ああ…………ご、ごめんなさい、ツキトさん」
「?……ああ、腕を締めたことか、大丈夫だ、あとは残るかもしれんが別に…………」
「ち、血が……」
「血?……………おお、すごい握力じゃないか」
ツキトさんが微笑んだまま腕についた血を見て笑う………………少し怖い。
「ば、絆創膏を………その前に消毒…………えっとガーゼは………」
「慌てるな、もう傷口は塞がってる」
「え?」
そう言われて慌ててツキトさんの腕を掴む、見ると血がついてるだけで傷口は塞がっていた。
「ど、どうして?」
「おっと、動くなよ、今血を拭くから」
そう言ってツキトさんはハンカチで私の血の付いた手を拭いていき、最後に自分の手を拭き取った。
「服についたら大変だからな、それに…………私の血にまみれたナナリーは見たくないしな」
そう言って微笑むツキトさん、あ、胸の奥がポカポカしてきます、お腹のあたりもキュンキュンしてきました。
ツキトさんの血にまみれる…………ありです!
「ツキトさん………」
「ん?どうし…………おっと、キスはダメだ」コツン
「あぅ…………」
今は完全に意識が外にあったはずなのに……………。
「そういうことは、もっと人がいないところでするものだ、もっとも、私はそういう状況でもする気はないが」
そう言われて周りを見るとミレイさんやカレンさんがこっちを見てニヤニヤしていた。
シャーリーさんとニーナさんは顔を真っ赤にしていた。
「ふふふ………………いやー青春ねーモラトリアムねーカレンちゃん?」ニヤニヤ
「そうですねー会長」ニヤニヤ
「あ、あんな恥ずかしいセリフを堂々と…………ううぅ/////」
「……………//////」
「え、あ、ちょっと皆さん…………」
「ナナリーちゃんのエッチ!ハレンチ!」
「えぇ!?」
顔を真っ赤にしたシャーリーさんがそう叫ぶ、皆さんの前でいちゃついてはダメですね、特にシャーリーさんはお兄様が………………。
「お、そろそろ時間か………ナナリー、私は少し用事があるから先に帰る」
「は、はい、お気をつけて」
「そちらもな」
ツキトさんは生徒会室を出て行ってしまった、もう少し一緒に居たかったのに。
「ナナリーちゃん!!」
「シャ、シャーリーさん!?」
シャーリーさんにいきなり肩を掴まれて驚く。
「ルルをください!!」
「…………本人に言ってください」
なんで私に言うんですか……………。
「うぅ…………早くしないとルルが…………」
「頑張ってください」ニコッ
「…………はい」
ごめんなさいシャーリーさん、私はツキトさんもお兄様も大好きなのでそう簡単にはあげないのです♫
ツキトside
生徒会室でおしゃべりをしているときにルルーシュからメールが届いた、どうやら藤堂を救い出したいらしい。
ルルーシュの部屋に入るとルルーシュとC.C.がすでにいた。
「来たか、メールの内容は見たか?」
「はい、奇跡の藤堂を救出するのですね」
「ああ、そして騎士団の戦力に加える」
原作通りの流れだな。
「それでは、私はどのように?」
「騎士団が襲うときに出撃しないでくれればいい、お前のKMF【ガウェイン】をメンテ中にしておけばいい」
「はっ!」
私はロイドとともに司令塔で高みの見物か、楽でいいが、こうも出撃が少ないと本気でなまりそうだ。
「私はどうすればいい?」
「C.C.は今後騎士団内で重要な立ち位置の人物になってもらう、いわば側近だ」
「ほう?」
「お前は俺がゼロとして騎士団に行くときそばにいろ、騎士団で俺を呼ぶときはゼロと呼べ、話し方も呼び捨てでいい」
「私をそばに置く意味はなんだ?」
「ボディガードみたいなものと考えておいてくれ、それから非常時にはKMFにも乗ってもらうぞ」
「そうか、任せておけ」
C.C.をゼロ直属の人間としてそばに置く意味………………ボディガードはカレンで足りる、だとすると参謀か?お飾りの参謀を置くというのか?さすがにないか、だとすると、顔の知れた信頼できる人間を置きたいわけか。
ボディガードは半分建前だろう、もう半分は相談役といったところか。
「では今夜騎士団のところに向かう、ツキト、あれを出してくれ」
「はっ」
ルルーシュの部屋に仕掛けられたカラクリを動かし壁の中からC.C.のチャイナドレスっぽい衣装を取り出す。
「なんだそれは?」
「ツキト、説明を」
「はっ、C.C.、これはいたって普通の衣装だ、騎士団の紋章が刺繍されたただの服だ、防弾性も何も考えていない」
「そんなの見ればわかる」
「この服は遠くからでも目立つ、例にあげるなら騎士団内でのナイトオブラウンズ的な立ち位置だ」
「……………なるほど、ゼロと同じく派手な衣装を着ていればそれがゼロの信頼の証だと思わせるわけだな?」
「そうだ、俺の思っていたデザインより少し過激だが………………まあ、C.C.を騎士団に認めさせるにはこれくらい派手でなければな、着替えたら出発するぞ」
「わかりました、C.C.、着替えたら言ってくれ、咲世子はいるか?」
C.C.に衣装を手渡しつつ天井に向け咲世子を呼ぶ。
「お呼びでしょうか」
天井の板が1枚外れたと思ったら咲世子がでてきて着地と同時に直立不動の姿勢をとった。
「車の運転を頼む、それからC.C.の着替えを手伝ってやってくれ」
「わかりました、ルルーシュ様とツキトさんは先に車へ」
そう言われてクラブハウスを出て車に乗り込む、そのときルルーシュが話しかけてきた。
「なあツキト」
「なんでしょうか?」
「…………咲世子って一体何者なんだ?」
「……………………私にもわかりません、ですがこれだけは言えます……………………彼女を本気で敵に回せば、ブリタニアは数日で無くなるかもしれません」
割とこの発言は本気だ、咲世子相手に3日持てばいい方だと思う。
実際、咲世子はどこにでも潜入できる、ブリタニアの最重要機密施設だろうがなんだろうが自分の庭のように歩き回る、咲世子が陛下を殺せと命じられれば確実に殺すだろうな、どこぞの蛇顔負けなくらい正確に、そして絶対見つからずにな。
「………………味方でよかったな」
ルルーシュもそれをわかっているようで安心した、咲世子は恐ろしいが今は味方であることを心の底から感謝しなければならない。
「まったくです」
コードギアスの世界で一番強いのは咲世子だ、スザクでもイレギュラーな私でもなく咲世子が一番強い。
2分くらいして咲世子とC.C.がでてきた。
「お待たせいたしました」
いや早すぎんだろ。
と、思いつつC.C.を見る、ふむ、似合ってるな。
「なあツキト、少し露出が多くないか?」
「お前の肌は白だ、その服は色が黒なんだから露出を多めにしてエロスを出すのが当然だろう」
「この変態め」
C.C.に睨まれる。
「そう睨むな、いざという時ようにタキシードモデルもある」
「…………………それは下半身が網タイツのやつじゃないだろうな?」
「よくわかったな、ついでにバニーカチューシャ付きだぞ」
「普通のはないのか普通のは!!」
いい加減C.C.が切れた、ふむ、前かがみになるとより一層エロスが増すな。
「はあ、仕方ないな…………咲世子、すまないが3番目の服に着せ替えてきてくれ」
「わかりましたが………ルルーシュ様」
ああ、ルルーシュの命令じゃないと動けんか。
「ツキトの指示通り動いてくれ、まだ時間はある」
「わかりました、すぐに」
そう言って咲世子はC.C.を引っ張ってクラブハウスの中に入っていった、引っ張られた時のC.C.から悲鳴が聞こえなかったことに寒気を感じつつナナリーとお揃いの婚約指輪を眺めてまった。
しばらくしてC.C.が黒い制服姿で現れた。
長袖長ズボンで全体的に黒で装飾の多い服装だ、参考としてはアニメの行政特区日本の発表式典にてC.C.の着ていた白い正装だ。
「なんだ、まともなのがあるじゃないか」
「それはメディア用のやつだったんだが、この際それでいい」
「最初から妥協しとけばこんな時間は取らなかったと思うんだが?」
C.C.が車に乗り込みながらそんな愚痴をこぼす。
「妥協は敵だ、常に最善を目指し全力で挑まねばならない」
ルルーシュがC.C.の愚痴にそう返す、全力ってお前…………ジェレミアかよ。
「それでは向かいます」
「ああ」
咲世子が車を発進させる、目指すはゲットー付近の騎士団拠点だ。
「ツキトさん?お兄様?咲世子さんもいない………………」
車に揺られること数十分、やっと拠点についた。
咲世子を車の見張りにつけルルーシュとC.C.と私の3人で拠点に向かう。
「C.C.とツキトは俺の合図で入ってこい」
「はっ」
「わかったよ」
ルルーシュが仮面を被りゼロとなって拠点に入っていった。
「ツキト」
「どうした?」
「なぜ女装なんだ?」
C.C.が私を指してそう言った。
C.C.の言う通り私は女装している、髪は銀、目は茶色のブリタニア人と日本人のハーフを意識してみた。
「似合っているだろ?」
「その通りだが、なんでツキトは私服なんだ?」
服装はそこそこ収入があれば買えるような服を選択した、ゼロやC.C.のような派手な衣装も考えたが、【内部工作員】の設定だからこれで良いという結論に至った。
「私の役は内部工作員だ、実態を掴みづらい私服のほうがいいと思ってな」
「なるほどな、だが男だとバレたらどうする?」
「バレないと思うよ、だって今の私はトウキョウ租界にいそうな普通の女の子なんだよ?(女声)」
「いきなり声が変わると気持ち悪いな…………」
「内部工作員なんだ、声ぐらい変えられないとな」
「お前本当に人間か?」
「いや、お前と同じ人外だ」
まあ一番の理由は私が女だと思わせることだけどな。
ゼロの周りに美女(美少女?)がいることでゼロの質を上げることが目的だ、ゼロの思想に惹かれレジスタンスとなったブリタニア人………………響きが良いし、最悪ゼロが目的のためならブリタニア人でも味方につける人間だと思われればそれでいい。
今の騎士団には質も量も圧倒的に足りない、日本人の中から人員を集めていたって限界がある、だから目的のためならブリタニア人を受け入れる、そうすることによって騎士団がただの破壊主義的なテロリストではないと民衆に思い込んでもらう、それがルルーシュの最終的な(プロパガンダ)計画だ。
ピピピピッ
合図がきたか。
「お、きたか」
「じゃあ、行こっか(女声)」
「そうだな」
拠点の中に入る。
入ってすぐ長い通路があってしばらく進むと電球の光が見えてきた。
目を凝らすとゼロが騎士団員も前で立っているようだ。
「(どっちが先に出る?)」
「(ちょっと遊んでくるから先に行っててくれ)」
「(そうか)」
短いやり取りを終え、C.C.が先に姿を現した。
「紹介しよう!彼女が私の協力者の1人だ、彼女には騎士団発足のずっと前から様々な作戦を考案してきた」
C.C.の登場にざわめきがはしる。
「C.C.だ、昔ゼロに誘われて以来いろいろやってる」
「ぜ、ゼロ、もしかしてその娘は…………」
「諸君らの知っての通り、彼女はブリタニア人だ」
ざわめきが一層大きくなる、ゼロがいきなりブリタニア人を連れてくればそうなるのも当然か。
カレンside
一瞬理解が追いつかなかった。
ゼロが紹介したい人がいると言って拠点に集まって、どんな人が来るのだろうと思って待っていた。
「紹介しよう!彼女が私の協力者の1人だ、彼女には騎士団発足のずっと前から様々な作戦を考案してきた」
緑髪の女が入ってきたところでゼロが紹介をし始めた、騎士団が出来る前、私たちに接触する前から一緒に活動していたと聞かされた。
でも、女の姿は、まるで………………。
「ぜ、ゼロ、もしかしてその娘は…………」
仲間の1人がゼロに聞いた。
「諸君らの知っての通り、彼女はブリタニア人だ」
ゼロが予想通りの、でも決して望んではいなかった言葉を口にする。
私も半分はブリタニア人だ、ゼロがそんな私を騎士団の一員として見てくれているのは嬉しかった。
でもその理由があの女にあるのだと思うと無性にムカついた、私がゼロの1番なんだ、ゼロを守るのは私なんだ!!
「では、もう1人の協力者を紹介しよう…………………ん?」
ゼロがもう1人を呼んだが…………………入ってこない?
「C.C.、あいつは?」
「あいつか?ちょっと遊んでくるって言ってたぞ」
な!?ゼロにタメ口!?くぅーーっ!う、うらやま……………………羨ましい!!!
あんなそばであんな近くでゼロと話すなんてえええええ!!!
「はぁ、相変わらずの自由奔放ぶりだな」
ゼロがため息を吐いたところは新鮮だったけど、思い切って聞いてみることにした。
「あの、ゼロ」
「どうしたんだカレン?」
「もう1人の協力者というのは?」
きゃっ、聞いちゃった。
「もう1人の協力者は非常に優秀な内部工作員だ、ナリタでの輻射波動機構を用いた土石流、あれをブリタニアの本隊に直撃するように仕向けたのはあいつだ」
「ええ!?そんなことができるんですか!?」
ありえない!ブリタニアの本隊といえばコーネリアが総隊長のはず、つまりコーネリアに進言して聞き入れられたってこと、そんなことできるはず………………。
「おい小娘、お前今できるはずがないって思っただろう?」
考えているとゼロの協力者、C.C.(?)に話しかけられた。
「そ、そうだけど………っていうか私の名前はカレンよ」
「そうか、で、カレン、お前今できるはずがないって思っただろう?」
「そりゃそうよ、コーネリアに進言するならまだしも、聞き入れられるなんてことまずないわよ」
「おいおい忘れたのか?ゼロは不可能を可能にする男だぞ?その1番近くにいたあいつが、コーネリア率いるブリタニア軍主力部隊に土石流をピンポイントでぶち当てるなんてこと、造作もないことなんだよ」
1番近くにいた、って…………C.C.は1番じゃない?今もゼロが待っている方が1番?
………………どんな奴なのかしら、ゼロの1番信頼できる人、気になる。
「ああそうそう、お前らこんな噂を聞いたことないか?」
「どんな噂なんだ?」
「【エリア11の副総督がイレブンの優遇政策を考えている】なんていう噂だ」
「それがどうかしたの?」
「その優遇政策を作るよう仕向けたのもあいつなんだよ」
「「「「「!?」」」」」
な、なんてやつなの、ゼロの右腕は政治にも関わっている人間ということなのかしら、それなら内部工作もしやすいけど…………いったいこの人たちは何者なの?
「む、きたか、遅いぞ」
ゼロがいきなり私たちの後ろのほうを見ていった。
「ごめんなさいね、お買い物してて……」
後ろから声がして驚いて振り向くと困ったような笑みを浮かべる銀髪の少女がいた、少女は買い物に行っていたらしく右手にはビニール袋が下げられている。
「お前を紹介しようと思っていたんだから急にいなくなるな」
「本当にごめんなさいね、ちょっとお菓子買いに行ってきたの、はい、安物だけど」
ビニール袋から大きめの箱を取り出して渡してきた。
「あ、ありがとう?」
「はい、これからよろしくお願いしますね」ニコッ
少女が微笑んだ瞬間にズキューンという音が聞こえた気がした。
「改めて紹介しよう、彼女が私が最も信頼を置く人物だ、内部工作員として古くより私の手助けをしてくれたパートナーだ」
「ぱ、パートナー…………」
「もぐもぐ…………ふぇ?」
こんな…………こんな、椅子に腰掛けてメロンパンを頬張る少女がゼロの右腕………………。
「で、でもゼロ、本当にこんな子供がゼロの右腕なのか?」
「確かに君たちの疑問はもっともだ、ということで、そろそろ返してあげたらどうだ?」
「「「「「え?」」」」」
【返してあげたらどうだ?】ってどういう意味?
「はーい」
返事をしたのはさっきの少女、あの子何か盗んで…………。
「はい、カレンさん」
そう言って少女は私に紅蓮の起動キーを手渡して…………起動キー!?
「なんであんたが!?」
少女の手から起動キーをひったくるように奪う、改めて見てみると確かに紅蓮の起動キーだ。
「い、いつの間に…………」
「カレンさん脇が甘いよ〜、そんなんじゃすぐ死んじゃうよ?」ニコッ
にこやかに微笑む少女、言ってる言葉と表情の違いに寒気を感じた。
視線を下げると少女の手にコイルガンの銃身部分が握られているのが目に入った。
「相変わらず手グセが悪いな」
「えへへ〜ごめんなさ〜い」
悪びれた様子のない顔をゼロに向けたままコイルガンが返却される。
勝てない、勝てる気がしない。
「これで彼女たちの能力はわかってくれたと思う、では会議を始めよう、全員席についてくれ」
ゼロの指示に従って座る。
「C.C.、書類を配ってくれ」
「めんどくさい」
「じゃあ私がやる〜」
なんというか…………落ち着いてみると親子に見えないことも………………いや、ないない、やっぱり見えないわよ。
艦これ春イベントE-1攻略して放置してたらイベント終わってた件。