ツキトside
さて、いよいよ土曜日がやってきた。
今日までにルルーシュが猫のアーサーにゼロの仮面を盗まれそれを追いかけ危ないところをスザクに助けられ生徒会に入るという原作通りのイベントがあった。
ん?私は何をしていたかって?そりゃもちろん学園をさぼって急造した1人乗りガウェインを慣らしていたんだよ、いやあ、演算がきつくて死ぬかと思った、というか一回死んだ。
鼻やら目やら口やら耳やら、いろんなとこから出血して血だまりができていたんだそうな、緊急搬送されたが、まあすぐ再生してしまうもので精密検査も異常無しですぐに退院だったよ。
まあ学園をさぼったことをナナリーに怒られたが………。
その日以降は極力登校することにした、ナナリーに怒られたくないし何より悲しそうな顔は見たくない。
ああそれと、どうやらゼロがルルーシュだとユーフェミアにバラしていたらしい、あの脱出の時ボートの中で明かしたんだそうだ、どうりで最近機嫌がいいと思った。
そろそろ待ち合わせの時間だ、前日までに婚約指輪も用意しておいたし、最高金額無限のクレカも持ったし、現金も持ったし、いざという時のリボルバー型コイルガンも持った、完璧だな。
「ツキトさーーん!」
ナナリーが駆けてくる、中学生らしく清楚で爽やかな格好だ、スカートが短いのが気になるが。
「おはようナナリーさm…………ナナリー」
おっと、今日は敬語禁止だったな。
「おはようございます!」
「ではいきましょ…………行こうか」
「はい!」
そう言って歩き出すとナナリーが腕を組んできた、見ると顔が少し赤い、無理してるな、可愛い奴め。
ああそうそう、今日の私は眼帯を外して青いカラーコンタクトを入れて髪をブロンドに染めて三つ編みにしてある、見た目の参考はアホ毛取っ払ったハス太だ。
これなら誰にも気づかれまい。
ナナリーと腕を組んでデートを開始した。
翌日。
あ?デートの描写?嫌だよ恥ずかしい、ただレストラン行ってご飯食べたりしただけだよ。
それに、誰が自分の恋人に婚約指輪を渡す口上を描写せにゃならんのだ。
あーはいはいわかったわかった、言えばいいんだろう言えば。
【ナナリー、いろいろな過程をすっ飛ばしてしまったけれど、私はナナリーが大好きで、愛している、結婚するまでの間、ナナリーの可愛さを独り占めにしたい、もちろん、結婚したあとも独り占めにするけどね、この指輪をつけていてほしい、受け取ってくれるかな?】
って感じだよ、あー恥ずかしい恥ずかしい(棒)
…………もう死にたい、純粋なナナリーにこんな嘘をベラベラと言っている間申し訳なくなって死にたくなった。
護身用のリボルバーコイルガンで自殺を考えるくらい死にたくなった。
計画全部終わったら死のうそうしよう。
よし、目標(自殺)も決まったことだし、総督府に行くか。
クラブハウスを出てバイクにキーを挿し込m
「あ、ツキトさん!」
「ナナリー様、おはようございます」
ナナリーがクラブハウスの窓から話しかけてきた、デート以来上機嫌だな。
「おはようございます、今から総督府ですか?」
「はい、今日も書類仕事です、少しは運動したいものです」
あれ?なんで私はナナリーに愚痴を…………っていうか愚痴なんて言ったことないのに………。
「帰ったらマッサージをしてあげますから、そう気落ちしないでください」
ナナリーは気づいてない?じゃあ大丈夫か。
「ありがとうございます、それでは行ってきます」
「行ってらっしゃい、あなた!」
その呼び方はまだ早いぞ!!!
と心の中で突っ込みつつアクセルグリップを回し、総督府を目指す。
今日もデスクで書類仕事〜♫
とはいかなかった、やったぜ。
「ユーフェミア様の護衛、ですか?」
「はい、スザクも同行してくれますが、2人一緒のほうが心強いので」
「ユフィ、それ結構傷つくんだけど」
なにやらユーフェミアがシンジュクゲットーをもう一度視察したいとのこと、その護衛にスザクと私を選んだ、とのこと。
どうでもいいがユーフェミアの言葉でスザクが苦笑いだぞおい。
「すみませんスザク、でもスザクもツキトがいれば百人力でしょう?」
「確かにね、ツキトがいれば百人力、いや千人力だよ」
「いやスザク、そこは【僕1人で十分だよ】と言うところだろう」
「だって本当のことだし」
「ユーフェミア様の騎士になるんだ、自覚を持て、多少傲慢でないとこの業界は生き残れんぞ」
「え?でもツキトって傲慢には見えないかなどっちかっていうち謙虚っぽいかな」
「昔からものすごく謙虚でしたわ、今も書類仕事のかたわら、頑張って仕事をしているかたの給料をあげているようですし、そのくせ自分の給料は上げていませんものね」
言うなよ!知ってても言うなよ!!
「ええ!?ツキトはそんなことやってたのかい!?」
「…………無駄な予算を効率よく回しただけにすぎません」
「謙虚なことは良いことですよ」
「…………………」
「ツキトはすごいなあ………」
「…………私から見たらお前のほうがすごいがな」
「え?今なんて?」
「なんでもない…………ユーフェミア様、いつ出発でしょうか?」
「今からです」
「唐突ですね…………少しお待ちください」
部屋から出てケータイを取り出しルルーシュに繋げる。
『どうした?』
「ユーフェミア様がシンジュクゲットーに視察に行きます、シンジュクゲットー周辺の黒の騎士団に手を出さないように指示を出しておいてください」
『わかった』
「頼みます、スザクの前でユーフェミア様に手を出せば最悪殺されますから」
手を出したほうが、最悪吊るされるぞ。
『スザクも来るのか?』
「はい、厳しく言っておいてください、襲われればユーフェミア様の心象も悪くなります」
『わかった、キツく言っておく』
「お願いします」
ケータイをきって今度はロイドに繋げる。
『はいはーい、なんの御用でしょうかぁ?』
「ユーフェミア様の視察の護衛をする、ガウェインとランスロットの準備をしておけ」
『視察なのにKMF使うのぉ?』
「シンジュクゲットーの視察だからな、なにかあった時の保険だ」
『へぇ、それじゃあ用意しとくよぉ』
「頼んだぞ」
ケータイをきる、これでもしもが起きても対処はできる。
「お待たせいたしました」
「いいえ、ではいきましょうか」
なにも起きなければいいがな………。
「…………何度見てもひどい光景ですね」
「ですが、これがブリタニアの業なのです、受け止めなければなりません」
「そしてそこから前に進むなきゃいけないんだ」
ユーフェミアと私とスザクは瓦礫だらけのシンジュクゲットーを歩きながらそう呟いた。
「そうですね…………ここは確か住宅地区になる予定でしたよね?」
「はい、アパートを建てて格安で提供する予定です、現状まともな住居はありませんから」
戦争時の被害に加え2回に及ぶ掃討戦でボロボロなんてもんじゃない、今となっては巨大な廃墟だ。
次の地区に移動して…………。
「ここはどうするつもりなんだい?」
「ここは将来日本人たちが自由に商売を営むことができるよう、商業地区にしようと考えている、日本の武将、【ノブナガ オダ】の楽市楽座を参考に、出店料は取らないことにしようと思う」
「無料で商売ができるんだね」
「そうだ、将来はここでスシを食いたいなあ」
生魚を食べる文化がないブリタニアではスシの文化はすぐに廃れた、職人と呼ばれた漢たちは、もういない。
「寿司かぁ、マグロが食べたいなあ」
「私はサーモンだな、脂ののったサーモンを一口でパクッと」
「あー、食べたくなってきたなあ」
「今度咲世子に作ってもらうか、作る時になったら呼ぶよ」
「いいの!?ありがとうツキト!」
「お礼は咲世子に言ってくれ、私は何もできないんだ」
「(お二人ともとても楽しそう…………それにしてもサヨコとは誰でしょうか?日本人の女性の名前のようですが…………)」
来週あたり咲世子に作ってもらおう、ルルーシュとナナリーも久しぶりの日本料理と聞けば喜んでくれるだろう。
また次の地区に移動して……………。
「こっちは瓦礫が撤去済みのようですが、何を作るのですか?」
「病院などの医療機関を設けます、医師免許を持つ日本人などを集めて運営していこうかと思っています」
「伝染病の対策のために早めに撤去したんだっけ?」
「ああ、現場に行って3日でやれと言ってやったさ、でなけりゃクビだとな」
「容赦ないね…………でもこの様子なら仮施設なら建てられそうだ」
「そうだな、よし、仮住居と医療機関をいくつか運ばせよう、そうすれば小さいながらも診療施設として動かしていけるはずだ」
「総督府の医療課の日本人のかたに来ていただいてしばらく運営をしてもらいましょう」
「勉強も教えさせれば…………」
「救急車も用意して……………」
「車よりKMFのほうが………」
こうして、この医療地区に診療施設を建設し、総督府から10人が引き抜かれ、緊急搬送用の救急グラスゴーが配備されることとなった。
「結局本格的なものになってしまいましたね」
「でも建物は頑丈なほうがいいよ、日本は地震が多いからね」
「確かに、ブリタニアではほとんどないからな」
ブリタニア本国で過ごした10年間、地面が揺れないことにはなれなかったなあ……………まあ揺れないだけ被害がないということはいいことだが。
またまた地区を移動して………。
「こっちは確か…………工業地区だったっけ」
「覚えていたか、その通りだ、ここは日本人に職を提供する場とする予定だ、ブリタニア本国で作るよりエリアで作ったほうが安く仕上がるという利点を利用してやろうということだ」
「外国で作ったほうが人件費が安いってやつだね、社会で勉強したっけ」
「まあな、それとここで作った商品にはエリア11を日本化する第一歩として、【made in japan】と彫ることにしよう」
「メイドインジャパンかあ、今はどこもメイドインブリタニアだし、エリアで作ったものはメイドインイレブンとかになっちゃうもんね」
シャンプーの詰め替えパックの表示を見た主婦がメイドインイレブンからメイドインジャパンになっていて、【おや?】と思うくらいの反応だろうが、今はそれでいい、小さく己を主張する、古き良き謙虚な日本人の心だ。
「これで全部でしょうか?」
「いえ、最後に中央の娯楽地区を回ります」
「娯楽地区?そんなのありましたっけ?」
「ありますよ………ここには野球やサッカーなどのスポーツ施設、遊園地、プール、ゲームセンター、ゴノレフ場などの娯楽施設を建設する予定です」
「「(今ゴルフ場の発音がおかしかったような………)」」
「ここの瓦礫の撤去はあとでもいいでしょう、まずは住宅地区を整備しましょうか」
「そうですね、10階建くらいの高くて人がたくさん入れるほうが良いのでしょうか?」
「高いと登るのに大変だし、日陰ができちゃうから4〜6階建くらいがいいと思うよ」
「ならそれにしましょう!」
「価格はエリア11で一番安く、ネットも完備してテレビもつけましょう、ベッドとテーブルとタンス、他にもいろいろな家財道具をつけて…………これくらいなら赤字が出ませんね」
「うわっ!安すぎない?」
「住んでみないことにはどうとも言えないが、妥当じゃないのか?ここら辺は何もないに等しいし」
「私のお小遣いで1000年以上は暮らせますね」
お前のそれはお小遣いと言えるのか?
「さらにこの値段に入居1ヶ月分免除をつけて人を呼び込みましょう」
「うっひゃあ…………この条件だと僕のマンションより断然いいよ」
お前マンション住んでんのか、確かかなり安いとこだったよな、ゲットーに近くて入居人がいないんだったか。
「これで進めてみましょう、次はどこですか?」
「これで全部終わりです、ユーフェミア様もお疲れでしょう、帰って休みましょう」
だいぶ歩いたな、よく覚えてないが4、5kmは歩いたぞ、コードの回復力がなければ今頃足がつってたな。
「そうですね、脚が痛いです………」
ロングスカートからチラリと見える脚が赤く腫れているように見える、無理言ってでも車を使うべきだったか。
「車を呼びましょうか」
「すみません、お願いします」
しおらしいユーフェミアの様子が可愛くてドキッと…………しなかった、というと嘘になる。
一応結婚相手がいる手前、他の女にうつつを抜かすのもどうかと思うが…………こんな美女に見惚れるなっていうのは無理な相談だ。
すまんなナナリー、私は女好きなんだ、前世からずっとな。
だがさすがに皇族2人はいかんだろうな、私も死にたくない、いや死なないんだが。
迎えの車で総督府に戻ってきた、疲れた…………コードじゃ疲れは無効化できないのか、死なないから過労死しないのか、それはどうかと思うが。
とりあえず、見直すべき点は見つかったな、修正しなければな。
ナリタ攻略後に発表予定だからあまり時間がない、ユーフェミアには今日は休んで明日から式の予行練習を開始してもらおう。
式典で驚く日本人の顔が楽しみだ。
ってか結局KMF使わなかったな、まあ使わないのが一番だが。
さあやってまいりましたナリタ攻略戦【日本解放戦線本拠地攻略戦】、先陣を切るのはコーネリアとギルフォード以下親衛隊諸君、その少し後ろにジェレミアを隊長とする純血派メンバー、その後ろに通常の部隊が二つと左翼に一つだ。
私とスザクは特派にて待機、コーネリアの別命、または私自身の独断で行動ができる、要するに遊撃部隊だ。
私の独断で行動ができるというので。
「でーもさぁ、さすがに本陣近くで待機はないんじゃない?」
本陣近くで待機とした。
「仕方ないだろう、ガウェインは遠距離砲撃型、ランスロットは近距離型だ、ランスロット単騎ではエナジーが持たなくて戦場のど真ん中で枯渇する、ガウェイン単騎では遠距離砲撃しかできないから誤射の可能性がある、無駄なエナジーの消費は嫌いだ」
というのが理由だが、他の理由を挙げるならジェレミアを紅蓮とヤリ合わせて肉体改造させてチュウギーさせるのが今回の目的。
あの身体能力ならルルーシュのやくに立つはず。
ヴィレッタは扇が死んでいるしオレンジ騒動のせいで階級が下がってるということもないから泳がせても大丈夫だろう。
あとは…………。
「ロイド、ガウェインは何分飛べる?」
「今までのデータ総動員で改造したんだけど、それでも30分弱なんだよねぇ」
「30分か…………飛ばずにハドロン砲を撃ったほうがいいか?」
「どっちかっていうと飛んでもらったほうがデータが集まるんだけどぉ、ハドロン砲のほうが今は重要だしねぇ」
「今作戦はハドロン砲の威力測定も兼ねているしな、適当に集団に一発撃ってみるか」
「りょーかーい、収束率はぁ?」
「現行最大収束率&出力でオーバーヒートするまで撃つぞ、スザク、予備のエナジーフィラーの用意をしておいてくれ」
「はい!」
スザクがランスロットに乗り込んでエナジーフィラーが積まれたパーツの山に向かった。
私もガウェインに乗り込んでキーボードに座標を打ち込みながら各種エネルギーをハドロン砲一局限定にする。
ポーズは固定、転けないようにランドスピナー展開、ハドロン砲発射準備よし。
「ロイド、測定準備はできたか?」
『バッチリだよぉ、撃っちゃってー』
「よし、ハドロン砲、発射!」
カチッ
両肩の悪魔の口からハドロン砲が放たれた、最大収束率でも随分拡散してしまいかすった木や花が一瞬で消し炭になる、着弾点はもっと恐ろしく、日本解放戦線の砲台があったようだが、今はもう土しか見えない。
撃ち終わって数秒後にエナジーフィラー切れのアラームに気づいた。
「これが最大出力の威力……………なんて力だ」
『測定完了だよぉ、すごいねこれぇ、小さい湖くらいなら蒸発させられるよぉ』
「それは頼もしい威力だな…………援護射撃には使えそうにないが」
『先制攻撃で使うくらいはできると思うし、大丈夫じゃないかなぁ』
「ランスロットのほうが使い勝手が良さそうだな、ヴァリスもあることだし」
『そう言ってもらえるとランスロットを作った甲斐があったよぉ』
『ちょっとロイドさん!私も手伝ったんですからね!』
なんだかんだいいコンビだよな、ロイドとセシル。
スザクのコンビがルルーシュであるようにな。
じゃあ私のコンビは?いや、私のコンビをこなせる人間なんていない。
いるのはたった1人の【パートナー】だけだ。
ナナリーside
ナナリーです、お昼を回って次は6時間目の授業です。
ツキトさんは今ナリタという山の近くに行っています。
日本解放戦線というレジスタンスの拠点を攻撃すると言っていましたが…………無事でしょうか、心配です。
ツキトさんは強いのできっと無傷で帰って来ちゃうんでしょうけど、それでも怖いものは怖いです。
どうにか無事だといいんですけど…………。
「ランペルージ?ランペルージ!!」
「ひゃい!?」
「考え事は授業のあと!そら、この問題の答えは?」
授業中にボーッとしてたみたいです、あれ?開始の挨拶をした記憶がないです…………。
「…………えっと、24です」
「正解、ボーッとしないように」
「はい、すみません」
「うん、じゃあこっちの問題は、68ページの公式をここの公式に繋げると解けるんだけど、わかる人は…………」
ううぅ…………ダメです、ツキトさんのことが心配で授業の内容が全然頭に入りません。
これじゃ成績が下がって兄様と勉強会をしなければなりません、勉強会自体は嫌いではないのですが兄様のお手を煩わせてしまうのが嫌なので成績は落とさないようにしたいのです。
もっと嫌なのは成績が下がってツキトさんに嫌われちゃうことです…………ツキトさんは頭の悪い女の子は好きになれないって言ってましたし、このまま成績が下がってしまったら…………。
『ナナリー様、私はルルーシュ様とナナリー様に仕えられることを誇りに思っています、ですが仕える主人の頭が悪いようでは、私も仕えるべき主人を変える他ありません…………』
もしくは…………。
『ナナリー、私はナナリーのことが大好きだよ、でもねナナリー、私は頭が良い女の子と結婚したいんだ、頭の悪いナナリーとは、結婚できない、指輪を返してとは言わないけど、もう一切私に触れないでくれるかな?』
それとも…………。
『貴様のような頭の悪い女などに興味はない、誰が貴様となど結婚するものか、そうだなぁ、せめて学年首位程度はとってもらわねばなるまい、ま、貴様には無理だろうがな』
っとか言われちゃうよぉ…………。
「…………グスッ」
嫌われるのは嫌だよぉ………。
「「「「「「(なに!?我らが天使が涙を!?一体どこのどいつだ我らが天使ちゃんを泣かせたのは!!)」」」」」」
(説明しよう!このアッシュフォード学園にはナナリーのファンクラブが創設されているのだ!ファンクラブ会員は学園の1/3を占める巨大勢力なのだ!彼らは自らが心から敬愛するナナリーランペルージを愛で、見守るという行為の他、危害を加えた者への制裁という行動全てを義務とし、今まさにナナリーを泣かせた不埒者を見つけ、会員ナンバー0001であり、総司令であるルルーシュランペルージに連絡を取ろうとヤッケになっているのだ!仮にナナリーを泣かせた不埒者をルルーシュに伝えた場合、その頭の回転力を持ってその不埒者に対するもっとも有効な制裁を加えるために、学園内のファンクラブ会員総動員で作戦を展開する、もっとも最近起こった事件は、国語教師が今のナナリーのようにボーッとしていたところを教科書でひっ叩いたのが原因で、その教師はなんと家に飾ってあった大好きなアイドルのグッズ全てを破壊されていたのだ!警察に捜査を依頼したそうだが、未だ犯人は見つかっていない…………恐るべしナナリーファンクラブ! by作者)
「…………であって、っておいお前たち!どこに行くんだ!おい!!」
あれ?先生が叫んでる?って教室から男の子がいなくなってます、なにがあったんでしょうか?
「はあ、またか、厄介なファンクラブだな……………まあいい、じゃあ次の問題を…………」
先生は呆れた様子ですね、それに、【ファンクラブ】ですか、一体何のファンクラブなんでしょう?今人気のアイドルとかよくわかりません。
キーンコーンカーンコーン………
あ、6時間目は終わりですね。
「あー、次の問題は次の授業で答えてもらうから、ちゃんと解いてくるように」
「起立、礼」
先生が教室から出て行く、そういえばツキトさんはもう少しで帰ってくるんでしたよね、今日は掃除もないので急いで帰r…………。
『ねぇちょっと、あれってツキト先輩だよね?』
不意に教室の外から聞こえた声に顔を動かすと視線に私服姿で後者の外側を歩くツキトさんが飛び込んでくる。
『うわーかっこいいなー、ナナリーちゃん羨ましいなあ』
『そういえば、ナナリーちゃんが金髪三つ編みの男の子とデートしてたけど、あれってもしかしてツキト先輩の変装?』
『ほーら私の言った通りじゃん、ナナリーちゃんが浮気なんてするわけないでしょ』
『だよねー、口を開けばツキトさんツキトさんって言ってるナナリーちゃんが浮気なんてするわけないよねー』
みんなで何か言ってるけど私は聞いてなかった、夢中で立ち上がって教室の扉を開けて内ばきのまま外にでてツキトさんに抱きつく。
「ツキトさん!!」
「おっと…………ナナリーか、どうかしたのか?」
ツキトさんは優しく受け止めて抱きしめ返してくれる、暖かい…………。
「怪我はないですか………」
「怪我?KMFに乗ってたんだから怪我なんてしないぞ」
「そう、ですか…………よかったぁ……」
息を吐いて安堵しながら腕に込める力を強める、ツキトさんの顔がすごく近いです、私の顔絶対真っ赤です。
「どうしたんだナナリー?なんか変じゃないか?」
「変にもなりますよ!心配したんですから!!」
朝早く出て行ったツキトさんの行き先を兄様に聞いたら、大規模作戦の遊撃部隊隊長を務めるって聞いて、ショックで気を失いかけたんですからね!
「そ、そうか……それは嬉しいな」
ツキトさんは少し困ったような、それでいて嬉しいような顔でそう言った。
ツキトさんの顔が少し赤くなっているように見える。
「ツキトさん、照れてませんか?」
「こんなところで抱きつかれれば誰でも照れる」
ツキトさんに言われてハッとする、周りを見ると窓からいろんな人たちが見ているのがわかった。
そう確信した瞬間真っ赤になった顔が火を噴く。
恥ずかしさのあまりツキトさんの胸に顔をうずめる…………あれ?柔らかい?
「今更気付いたのか、この天然エロ娘」
「え、エロ!?………エロくなんかないです!」
ツキトさんの罵倒に胸を埋めたまま反論する。
「じゃあ今すぐ顔を離してみろ」
「うぅ…………」
「できないのか」
できるわけないですよ………恥ずかしくて死にそうなのに…………。
ナデナデ………
え?
「ハハハハハ、かわいいなあお前は」ナデナデ
私、ツキトさんにナデナデされてる、あ、すごく嬉しい、幸せ…………。
「おっと、続きは帰ってからだな、さっさと支度して靴も履き替えて来い、待っているから」
そう言って撫でる手を止める、もう少しほしかった………。
でも帰ったら続きをしてくれるんですよね、早く支度しないと!
「だが、まずは生徒会室に行かないとな」
…………そうでした、私も生徒会の役員なんでした………。
「ほら、そう落ち込むな、私も着いて行ってやるから」
「本当ですか!行きましょう!今すぐ!」
「お、おい待て、校内は土足厳禁だ、お前も靴からスリッパに履き替えろ」
言われて内履きを見ると見事に土だらけ、これは咲世子さんに怒られるかな…………。
「はい、スリッパに履き替えてきます」
そう言ってスリッパに履き替えるため正面玄関に向かう、ツキトさんと手をつないで。
ツキトside
しばらく見ない内に随分とたくましくなったな、こんなたくさんの人間に見られているのに平然と手を繋げるなんてな。
私でもきついぞこれは。
できないこともないが。
スリッパに履き替える時も手を繋ぐのはどうかと思ったが…………まあナナリーだし、純粋なんだろう。
ナナリーと…………そうだな、一緒のベッドに入って横になるだけでもハードルが高いだろうし、添い寝なんてやった日には翌日正体不明の高熱が出てるかもしれないな。
手を繋いで校内を歩き回って生徒会室の前に来たわけだが、今更だが私服でも良いのだろうか?ナナリーは何も言わないし、大丈夫か。
ナナリーが扉をノックして開ける、手を繋いだまま、いや手を離せよ。
「あ、ナナちゃん、ちょうどよか…………アールストレイム卿」
ミレイが私を見て顔を硬直させた、おいなんだその反応、私がなにかしたのか…………いや少し前にコイルガン突きつけたか。
「ん?ツキトじゃないか、ナナリーと一緒だったのか」
ルルーシュは普通に通す気か、というか私より帰ってくんの早いな。
「さっきそこで会ってな、ついてきてくれと言われたんでついてきたんだよ」
まさか内履きで外に飛び出してくるとは思わなんだ。
「お、おいルルーシュ、お前よくラウンズにタメ口で話せるな…………」
そう言ったのは…………なんだっけ?カルビ・アーモンドだっけ?
「タメ口で話してくれって言われたからな」
「そうだ、ルルーシュとスザクとナナリーにはタメ口で話すように言っている…………ナナリーはときどき敬語だったり標準語だったりするがな」
「ま、まだ喋り方が安定しないんです……」
ナナリーが困った顔でそう言う、ユーフェミアもそうだがなぜこの2人は困った顔がこんなにも可愛いんだろうか?その考察を書いた本があれば是非とも読みたいくらいだ。
(でもナナリーはやっぱり笑顔が一番可愛いよね!! by作者)
「あ…………こんにちは」
「ん?ああ、こんにちは、シュタットフェルト」
扉を開けて入ってきた病弱設定のカレンに挨拶を返す、【シュタットフェルト】と言った時一瞬不機嫌な顔になった、やはりブリタニア名は嫌いか…………。
「こ、こんにちはアールストレイムさん」
次に入ってきたシャーリーは会釈をしながら挨拶をしてきた。
「ああ、こんにちはフェネット、親父さんは無事だったか?」
「え?それはどういうことですか?」
「親父さんから聞いていないのか?土石流に巻き込まれそうになったんだよ」
「ええ!?土石流にですか!?ど、どうして……」
「フェネット氏は結構有名でな、作戦地域近くで地質調査中だというのを聞いてな、スザクと2人でなんとかせき止めたんだが、無事かどうか確認が取れなくてな」
「そうだったんですか………父なら大丈夫です、父を助けていただきありがとうございます」
ケータイで取り出してメールを送って父親の生死を確認してポケットにしまってからそう言った。
「気にするな、私は自分の仕事をしたまでだ」
言えない、ハドロン砲で地形を変えてしまったせいでフェネット父が死にそうになったなんて言えない。
幸いランスロットとガウェインの攻撃でなんとか食い止めることができたが、もうあんなことやりたくない。
「ツキトさんすごいです!シャーリーさんのお父さんを助けるなんて!」
ナナリーが手を繋いだままはしゃいだ、そろそろ離してほしいんだが……。
「正確には私とスザクだ、それに助けたのは調査隊だよ、スザクがいてくれて助かったよ、いなかったと思うと今でもゾッとする」
「怖くなかったんですか?」
リヴァルがそう聞いてきた。
「時速200〜300km以上の速さで水壁が迫ってくるんだぞ?怖くないわけがない、私も人間だからな、怖いものは怖いさ、スザクがいなかったら今頃ばらばらになってただろうなあ……………」
ガウェインが、私は再生するから大丈夫。
「それでアールストレイム卿、そのスザク君は…………」
「あーー……………機密事項だからあまり言えんが、ちょっとしくって落ち込んでる」
「しくった?」
「ああ、かなり落ち込んでてなあ、今日は来れないと言っていた」
そりゃゼロ取り逃がしたっつったら落ち込むだろうよ、で明日にはケロッとしているんだろう。
最後にダイジェスト風味に回想と行こうか。
回想…………
『ちょっとロイドさん!私も手伝ったんですからね!』
2人の様子を微笑ましく見ていた時…………。
『ツキト!土砂崩れが!!』
スザクの声にナリタに目を向けるとハドロン砲の衝撃で土砂崩れが起きてしまっていた。
「本当に援護射撃には向かないな、ロイド、本隊が土砂崩れに巻き込まれそうだ………」
そういえば土石流の地帯はコーネリア率いる本隊の位置と少し離れているな、誘導するか。
「今の地点から左向きに進路を変えるようコーネリア様に打診してくれ」
『はいはーい、通信入れるよぉ』
これで本隊は土石流が直撃するはず、土砂崩れによって計算が狂ってさえいなければいいが…………。
ズゴゴゴゴゴゴ…………
始まったか。
『な、なんなんだこの揺れは………』
「地震…………とは違うか、ロイド、なにかわかるか?」
『…………山頂付近で輻射波動機構に似た反応を検出、これは………』
「おい待て、輻射波動機構と言ったか?確かここら辺は地下水が豊富だと聞くが、まさか日本解放戦線のやつら、土石流でも起こそうってか?」
『…………そのまさかみたいだね』
『な!?本当ですかロイドさん!!』
『うん、今山の地下水の温度が急上昇してる、水蒸気爆発で土石流を起こす気だよ』
「ちっ!流れてくる位置を計算して本隊に送信しろ!!」
『今やってる!セシル君そっちお願い!2人は拠点に土石流がこないように砲撃お願い!!』
「了解!」
『了解!』
回想終わり…………
もう2度とやらんぞ、誰が自爆覚悟でハドロン砲撃ち続けばならんのだ。
終わった後ユーフェミアに心配されたのは嬉しかったが…………もうあんなに命を貼りたくない、いや死なないけど気持ちの問題だよ。
そのあとは最終下校のベルが鳴るまでみんなで喋っていたよ、ナナリーは終始手を繋いだままだったよ、誰もそれについて突っ込んでくれなかった、誰か1人くらい突っ込めよ!!