ツキトside
さあて、考え付く限りのことをシミュレートした結果、これが最善だろうな。
条件はすべてクリアした!(キリッ
「ナナリー……」
まずはナナリーの顎を持ち上げて目を見る。
「あ………ツキトさん………」
あーうん、案の定すでに堕ちてるな。
次にナナリーの唇に屋さん接吻を…………することなく勢いよくキスして舌を入れる!
「んぅ!?」
フハハハハハ!!驚いた顔をしているな、私を愚弄するのが悪いのだ!『私は悪くない』
「ん………ふぁ………あむ…………」
どうしたどうしたぁ?さっきまでの鳴き真似はどうした?もう限界か?もう立っていられないか?脚が震えているぞ?可愛い奴め、小鹿のようにガクガクと震えおって…………。
いじめたくなるじゃないか!!!
両腕でナナリーの腰を引いて逆海老反りになるようにする、つっぱった脚はさらにプルプルと震え、顔はとろけきってしまった。
やがて私の服を掴んでいたてをダラリと重力に従って下げ、脚はついに抵抗を諦め膝をおった、しかし抱きしめている状態なためズリ落ちることはない。
ディープキスを続けながら横目でルルーシュ達を見る。
ルルーシュは赤面して顔を背け、スザクは気まずそうに下を向きながら料理を食べている、咲世子は……………わからんな、いつも通りだが…………うん、やっぱりわからん。
もうそろそろいいか?キスを止めて椅子に座らせてから腕を解く。
「はぁ………はぁ………はぁ………」
ナナリーは肩で息をしながら虚空を見つめる、だらしなくよだれが垂れているのでハンカチで拭う。
「満足ですか?ナナリー様」
「はぁ…………ふぁい………まんろく、れしゅ…………」
どうやら満足いただけたようだ。
まあ、私にかかればこの程度造作もないがな。
それにしても、とろけきったイヤラシイ顔しちゃってまあ、そそるじゃないか。
(ツキトはSでドS(親切)でドS(心折)です by作者)
「…………さ、咲世子、ツキトはその………」
「ご安心ください、ツキトさんのキスは終わっています」
「そ、そうか、それはよかっ…………な、ナナリーぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!????」
おい、そこでシスコン発動かよおい。
「え?ナナリー!?大丈夫かい!?!?」
お前はお前で気づくのが遅いぞスザク。
「ツキト!お前ナナリーになにを……………」
「【大人のキス】というのを試してみただけです」
「大人のキス?咲世子か!?」
「いえ、私はツキトさんに教えてはおりません」
「じゃあツキトの独学ってことかい?」
「スザク、お前冷静だな」
「いやさ、ツキトだったらそういうのできても不思議じゃないし」
「まあ確かにな」
おい思考停止すんな。
「それでツキト、ナナリーにあそこまで情熱的なキスをした責任は取ってくれるのか?」
「はい、ナナリー様の従者として、この命尽きるまで…………」
「夫になってはくれないのか?」
「…………ナナリー様が望むなら」
「ナナリー!ツキトが結婚してもいいって言ってる!」
「結婚しましょう!ツキトさん!!」
回復早!
「…………わかりました」
「………やりました………6年の片想いが、やっと両想いに……………嬉しい………」
本当に嬉しそうだな…………これはルルーシュの言った通り責任とって結婚するしかないか。
なあに、別に童貞を捨てるわけじゃない、このさい上の口の童貞(処女)は奪われたが、そんなもの些細なことよ、私は小さいことは気にしないんだ。
だが困った、これではルルーシュの従者ではなく義弟になってしまう、弟ポジはロロだというのに、これではいかんなあ。
仕方ないか、ロロがルルーシュを殺そうとしても私がいれば問題はないし、支障はないだろう、ルルーシュにとって多少イージーモードになってしまうかもしれないが。
…………裏切ったら、ナナリーはどう思うだろうか、きっと軽蔑するだろう、惚れた男がまさかテロリストより邪悪な人間なのだからな、『死んでしまいなさい!』とか言われるんだろうな…………ナナリーに死ねとか言われたら生きていける自信がないんだが。
まあ死ぬこともないんだが。
しかし、こうも地固まってくると裏切るのが辛くなる、おっと、私にもまだ人間らしさがあったのか、人外なのに人間らしさがある、か…………。
まるで人間のモノマネをするナニカだな。
私とナナリーの結婚を決まったところでスザクの歓迎会は私とナナリーの婚前パーティーと化した、片付けが終わった後、咲世子にオシオキをしておいた。
ああ、安心してくれ、R-18なオシオキはしていない、運営には消されたくないんでな。
それで今日も騒がしい1日が終わる、めでたしめでたし…………。
とは行かなかった。
午後11時を回る頃。
「C.C.、いったい何が起こった?」
C.C.に呼び出されて部屋に行くと、何やら深刻そうな顔をしていた。
「これを見てくれ」
「これは………!?」
渡された資料には大型のKMFのスペックデータが載っていた。
「これをどこで…………」
「セキュリティの甘い場所から侵入した、やけにあっさりで拍子抜けしたが、こんなもの見せられたら嫌でも気が引き締まったさ」
「そうだろうな………第六世代KMF【ガウェイン】」
「そいつが今日の昼頃に実験のためにここに持ち込まれた、次のページに実験内容が書いてある」
C.C.の言うがままにページをめくる、内容を読んでいくごとに吐き気がしてきた。
「なんなんだ…………これは……………」
「実験名【試作型ハドロン砲の発射実験】、実験内容【試作型ハドロン砲の発射による威力の測定』、試験場【サイタマゲットー】」
ダンッ!
ビシッ!
テーブルを叩く、小さいヒビが入った。
「屑どもが……………サイタマゲットーの人間を実験台にする気か!!」
なんてゲスな奴らだ…………私以上に人間ではないじゃないか!!
「しかも、ご丁寧にも狙った方向に人が密集している、さしずめ【大掃除】といったところか、まったく反吐がでる」
C.C.は露骨に嫌な顔をしながらそう吐き捨てる、今すぐにでも責任者を殺してやりたいが、こんな外道ができるのは…………。
「おのれ、シュナイゼル!」
「こんな奴が宰相とはな、ブリタニアも末だな」
「本当なら今すぐにでも殺してやりたい、しかし私は殺すことができない」
「この外道を殺す役目はルルーシュにあるからな」
「阻止せねばなるまい」
「どうやって?ガウェインを破壊するか?」
「こいつは2人いないと動かせない、だが私なら1人でも十分に動かせる」
「どうする気だ?」
「決まっているだろう?」
ニヤリと、ではなくニヤァァと屑極まりない笑みを浮かべて言う。
「ガウェインは、私がもらう」
息が合うかわからない人間を2人乗せるより、私が1人で全部やったほうが効率がいい、シュナイゼルの前でそれを証明すれば私にガウェインをくれるはずだ。
「むちゃくちゃだな」
「ふっ………外道に外道を、屑には屑を………それが人間だよ」
「お前はもう人間ではないぞ?」
「だからこそ、私が人外だからこそ…………」
屑極まりない笑みを一層深くする。
「戸惑わなくていいんだよ、C.C.」
「ふふっ、お前のほうが屑じゃないのか?」
C.C.が笑いながらそう聞く。
「さあ?人外には人間の基準は当てはまらない、常に常識を覆すからこそ人外なのだから」
だから、思いっきりやってやるさ。
「それで、私は何をすればいい?」
「何もせんでいい、どうせガウェインを獲得するまで暇になる、好きにするがいいさ」
「じゃあ、久しぶりの休暇を満喫するとしよう」
「そうしてくれ、それに、何かあった時はお前もガウェインに乗ってもらうからな」
「私がか?」
「私は演算処理と操縦を同時にできるが、長時間は無理だからな、その時は補助を頼むぞ」
「まあ補助くらいならいいだろう」
「私はそろそろ寝る、お前も早く寝ておけよ」
「おあいにくさま、私はこれから休暇なんでな、夜更かししてネトゲでもさせてもらうよ」
「好きにしろ、課金はするなよ?」
「わかってるさ」
そう言ってネトゲを立ち上げるC.C.、本当にわかってるのか?まあいいか。
明日総督府に言ってガウェインの話を聞いてみるか、コーネリアあたりなら知ってるだろう。
さて、もう寝よう、眠くて眠くて倒れそうだ。
おはよう、時刻は8時だ。
ちょっと早起きして私服(眼帯装備)でバイクに乗り総督府まで来て顔パスで入ってラウンズの正装に着替えて【2年でブリタニア人になろう!】政策の見直しと今後の予定をデスクで見直している。
ちなみにこのデスク、不定期でしか来ないという私のためにユーフェミアが送ってくれたものだ。
不真面目な私にはいらないと言ったんだが、ここに入る以上デスクくらいあったほうが良いと言われて無理やり押し付けられた。
今では結構気に入っている。
「無駄な資金があるな、カットだ…………こっちは少ないな、10%増やして様子見だ…………広報部の人数が少ないな、その上休暇も少ない、過労死するぞこれ……とりあえず人事募集かけて休暇を与えておこう、3連休でいいだろう………………(プルルルル)はい、もしもし、むっ、演習用のペイント弾が足りない?倉庫にはもうないのか?…………わかった、発注しておく、演習までには間に合わせる、ああ、では(ガチャ)……………ふぅ」
仕事がなければもっと気に入っているんだがな。
っていうか無駄な予算多すぎだろう、効率よく金を回せば15%の利益が見込めるぞおい、いきなり仕事が放り込まれたと思ったらなんなんだこの管理態勢は!
セキュリティの甘さは助かるからいいとしても弾薬庫の模擬弾やペイント弾の残量の記載も甘すぎる、だから弾切れが起こるんだ。
前任はよほどの無能だったようだな、だがこれからは有能な私が取り仕切る、とりあえず無駄金は全部削除、嫌がらせにカットした金の8割を特派に回してやる。
フハハハハハ!!管理が甘い貴様らが悪いのだ!!
コンコン
「誰だ?」
『私です、ユーフェミアです』
ユーフェミアか。
「今開けます」
椅子から立ち上がり扉を開ける。
「仕事の進み具合はどうでしょうか?」
ユーフェミアが中に入ってくる、護衛は無しか、どうやら仕事の進み具合を見に来たようだな。
「無駄なお金がたくさんあったので別の部署に回しました、それから広報部の人員が少ないので募集を呼びかけました」
「そうですか、ツキトが真面目に仕事をしてくれているのは安心します」
「安心、ですか?」
「はい、ツキトに頼めば絶対にうまくいく、今までもそうだったので、ついツキトに頼んでしまいました」
申し訳なさそうな顔でそう言うユーフェミア、本当、可愛いな、可愛さでいけばナナリーといい勝負だな。
一応ユーフェミアにもガウェインのことを聞いてみるか。
「ユーフェミア様、最近新型のKMFをエリア11に運んだと聞いたのですが、何か知りませんか?」
「新型のKMF、ですか……………すみません、記憶にないです」
ユーフェミアは知らんか。
「そうでしたか…………」
「ツキトはそれを知ってどうする気ですか?」
「よろしければ、私の専用KMFにしたかったのです」
「ツキトの専用KMFにですか?」
「はい、本国にて陛下を護衛する普通のラウンズと違い、私は専用KMFも親衛隊もありません、なのでせめて専用のKMFが欲しいな、と思いまして」
嘘を量産する自分の口が嫌いになりそうだ。
「そうなのですか、では姉様に問い合わせてみますね」
「……………お願いします」
少し思案してユーフェミアに任せることにした、コーネリアはユーフェミアの言うことを聞いてくれる、そこに私への好意を合わせれば…………多分いける。
「では姉様に問い合わせてきますね」
そう言って足早に去っていった。
まあコーネリアのことだ、弟的ポジションの私が初めてわがままを言うのだ、客観的に見れば可愛いものなのだろう、内容はKMFの話なんだがな。
しばらくして…………。
「ツキト!ツキト!許可がおりましたよ!」
ガウェインを獲得した。
…………………は?
「え?もうですか?」
「はい!ツキトが新型のKMFが欲しいと言っていたと姉様に伝えたら【ガウェイン】?でしたっけ、それを回してくれるそうです!」
ケンリョクコワイ………。
これは喜ぶべきなんだろうか?あまりにもスムーズ過ぎて逆に怖くなってきた、明日あたり死ぬんじゃないか私?
「昨日本国から搬入されたばかりなんですって!今はガレージにあるそうです、行ってみましょう!!」
と行ってユーフェミアは私の腕を掴み…………。
「さあ!」
駆け出した……………え"っ!?
「ちょ!?ユーフェミア様速すg「さあ行きましょう!そして一緒に乗りましょう!」
あ……………時が見える…………。
やっと止まったと思ったらまさかのガレージ前、ユーフェミアは私より強い可能性があるのか?
「ツキト!見てください!」
言われるままにガレージの中に鎮座するKMFを見る。
通常のKMFと違いフロートユニットが背中に装備されており、肩の部分にハドロン砲が見える、感想としてはとにかく巨大、あまりにも巨大。
「これがガウェイン…………」
原作では神根島の調査の時にシュナイゼルが持ち込んだものをルルーシュが強奪したものだったな、空飛べるし遠距離砲撃できるし硬いしでまさにオーバースペックすぎる性能、それゆえの複座型というロマン溢れる設定に作者も思わずフィギュアを買いそうになるほど。
「複座型で2人乗りという珍しい機体のようですね、ツキトは誰を乗せるつもりですか?」
「今は思いつきませんね、とりあえずどのようなものなのか乗ってみないことにはわかりません」
「で、では………仮のパートナーとして私を乗せてみるのはどうでしょうか?」
「ユーフェミア様を、ですか?」
ユーフェミアってKMFの操縦できたっけ?
「はい、KMFの操縦はまだ未熟ですが、少しでもツキトの役に立ちたいんです!」
役に立ちたいなら乗らない方がいいと思うんだが…………まあテストには丁度いいか。
「わかりました、ではユーフェミア様は操縦を、私は演算処理を行います」
「はい!頑張りましょう!」
先に私が乗り込んで下の席に座ってキーボードを展開する、起動コードを入力していく……………ふむ、まあこんなものか。
「それでは、失礼しますね………」
「足元に気をつけ…………ほぁっ!?」
え、ちょっ!?なんでドレスのまま乗り込んでくるの!?
「ユーフェミア様!服!服を着替えてきてください!!」
「服?………ひゃっ!?み、見ましたか?」
ユーフェミアは驚いてドレスを押さえる、すまんユーフェミア…………ピンク色の下着はしっかり見てしまっているんだ。
「は、早く着替えてきてください!」
なに?反応が童貞っぽい?そりゃこっちに来てからまた童貞になったからな。
ユーフェミアがパイロットスーツに着替えてきた、まあ着替えてきたのはいいんだが…………ほら、ロボットアニメによくあるラバースーツとスク水を足して2で割ったようなパイロットスーツがあるだろう?今ユーフェミアが着てるのはそれだ。
改めて見ると胸でかいな、原作では死んでしまうんだよな、貴重なおっ◯い要員を殺すのはどうかと思うがな。
まあユーフェミアが死なない代わりに、扇と玉城は死んだがな!!!フハハハハハ!!!始末する手間が省けたぜ。
知らぬうちにロケットランチャーで吹っ飛ばしていたようだ、だから、『私は悪くない』
さて、ユーフェミアが上の席に座ったわけだが…………。
「ユーフェミア様、操縦はできますか?」
「大丈夫です、わかります」
ユーフェミアの顔は真剣そのものだった。
「わかりました、では演習場の中心に移動し、試作兵器【ハドロン砲】を使います」
「はい」
「では、行きますよ」
レバーを操作し急発進。
「キャッ!」
ユーフェミアの驚く声が聞こえる、もう少し速度が出そうだ。
さらに加速して最高速で演習場に向かった。
演習場のど真ん中についた、じゃあまずはハドロン砲を使ってみるか。
「ユーフェミア様、ハドロン砲を使います」
「はい!」
「照準、仮想敵KMF、距離500m、収束率40%(低……)」
「照準できました!」
「ハドロン砲発射!」
「ハドロン砲、発射します!」
カチッ
ユーフェミアがスイッチを押す、ハドロン砲が肩の砲口から放たれ、仮想敵KMFを粉砕する。
すごい威力だな、これを人に向けて使うのが楽しみだ。
「や、やりましたよツキト!」
「ええ、やりましたね」
ユーフェミアが子供のように喜ぶ、見た目は美女だがまだ20歳を超えていないのだ、だから少々子供っぽく写ってしまう、年相応なのにな。
「ツキト!もっと色々やってみましょうよ!」
「そうですね、ではスラッシュハーケンでも使ってみましょうか」
そのあとテストという題目で無茶な機動を行い、ランドスピナーを壊してしまった、幸いロイドにすぐ直してもらえたが、機動力の無さを残念に思った。
あの巨体だし、しょうがないか…………。
もちろん始末書は書いたぞ、ユーフェミアのぶんも私が書いたから2枚書く羽目になった、ちくせう。
とりあえずロイドに1人でも操縦できるように改造を頼んだ、今日はもう仕事もないし、帰るか。
「あ、ツキト!」
ん?コーネリアか。
「コーネリア様、なんの御用でしょうか?」
「ああいや、新型のKMFの調子はどうかと思ってな」
「機動性の低さが目立ちますが、特に問題はありません、良い機体だと思いますよ」
2人乗りでなければもっといいんだが。
「そうか!兄上を説得した甲斐があったよ」
シュナイゼルを説得したのか!?とんだ豪傑だなおい。
「では私はそろそろ帰りますので」
「ん?わかった、気をつけて帰れよ」
「はい」
さて、帰ってスザクの勉強の様子でも見てやるか。
「ただいま戻りました」
クラブハウスに帰宅。
「おかえりなさいツキトさん」
ナナリーのお出迎え…………あれ?なんか嬉しい…………。
「スザクとルルーシュ様はどこに………」
「スザクさんと兄様は兄様のお部屋でお勉強中です」
「そうでしたか、ありがとうございます」
ルルーシュがスザクに勉強を教えているんだろうな、昔のように。
あの頃のスザクは30点やら40点やらを取るほど頭が悪かったからな、小学生なら60点くらいは普通に取れるはずなんだがなあ。
ルルーシュは頭が良かったからよく教えてもらってたんだっけか、それでもやっと50点超えるくらいなんだよなあ…………。
めでたく(?)高校生になったスザクの学力はどこまで成長したか…………。
扉の前に立ち聞き耳をたてる。
『スザク、そこはここの公式をこう変化させて計算するんだ』
『あ、ルルーシュ!できたよ!』
『わかった、わかったからそんなノートを押し付けるな』
昔とほとんど同じやり取りだった…………。
盗み聞きはここまでにしておくか。
とりあえずC.C.にガウェインの報告だな。
「おーいC.C.」
扉を開けながらC.C.を呼ぶ。
C.C.は横になっていた、見ると寝ているようだ。
「寝ているのか?」
C.C.のほっぺたをツンツンしてみる、おお、ハリがあるいい肌だな、私もこれくらい欲s……………ええい女々しいことを考えるな私!
しかし…………。
「スゥー…………」
「…………こうしてみると…………綺麗だな………」
ぷにぷに
「……ん………………ツキト?」
「やっと起きたか(もう少し触っていたかった)」
「おはよう……………なにもしてないよな?」
「さあな…………そんなことより朗報だ、ガウェインの件だが、なんとか私のものになった」
「早いな、どんな手品を使ったんだ?」
「ユーフェミア」
「ああ、理解したよ」
「理解が早くて助かる、それでこれからの予定だが、私がガウェインを受領した関係で実験は延期、ナリタの日本解放戦線本拠地の砲撃で測定することになった」
「サイタマゲットーのほうは?」
「留守番だよ、特派で出るのはスザクだけだ」
「なら当日は暇になるのか?」
「ああ、だからナナリーとデートでもしようと思っている」
「ほう、あいつとデートか、いいんじゃないか、きっと喜ぶ」
「そこでだ、同じ女の子のC.C.に女の子とはどういうものを好むのか教えてもらいたい、記念に贈るものとかな」
「ふむ、ナナリーとは結婚が決まっているわけだし、婚約指輪とかどうだ?」
「なるほど………他には?」
「そうだな………」
この後C.C.とこの話題で大いに盛り上がった、C.C.の乙女らしいところが見れて満足だった。
さて、C.C.の話を元に自室でデートプランを練る前に、ルルーシュに伝えるべきことがあるな。
ちょうどスザクも帰っている、ベストなタイミングだな。
ルルーシュの部屋にノックをして入り、椅子に座るルルーシュに話しかける。
「ルルーシュ様、耳寄りな情報がございます」
「なんだ?」
「ブリタニア軍の日本解放戦線本拠地の攻撃日時は変動せず、そのまま決行するそうです」
「そうか、計画はそのまま進めても…………」
「もう一つございます、こちらのほうが重要かと」
「なに?どんな情報なんだ?」
「当日、ナリタに地質調査隊が到着するのですが…………その中に、シャーリーフェネットの実父が含まれています」
「なんだと!?」
ルルーシュが驚きのあまり椅子から立ち上がる。
「このまま輻射波動機構による土石流作戦を行えば、フェネット氏も死んでしまうでしょう」
「だが、作戦はこれがベストなんだ……………そうだ!当日の調査隊の行く施設は!?」
「すでに調べてあります、こちらを」
紙媒体の地図をテーブルに広げた瞬間地図を食い入るように睨むルルーシュ。
「……………土石流の範囲内………くそ!」
ダン!
ルルーシュはテーブルを叩きつける。
「どうすれば…………俺は………俺はいったいどうすれば………」
「……………解決策は用意しております」
「なに!?」
ルルーシュが顔を上げる。
「本当か!?」
「はい、計算した結果がこちらの地図になります」
2枚目の地図を広げる、今度の地図は縦横にマスがあるタイプだ。
「これは…………」
「赤いマスに輻射波動機構を設置すればフェネット氏の行く施設は土石流の範囲外になります」
「よくやったぞツキト!これでシャーリーが悲しまなくて済む!!フハハハハハハ!!」
ルルーシュは嬉しさのあまりか高笑いをした。
シャーリーの父が死んでシャーリー鬱、からのゼロ=ルルーシュだとバレ、マオ乱入の面倒くさくて誰も得しない展開は無かったことにする。
そのためにまずはシャーリーの父が死んでいないことが大前提、それでもマオがシャーリーにゼロ=ルルーシュだと教えるだろうが、マオを始末したあと咲世子あたりにゼロになってもらってテレビにでも映ってもらうか、そしてそれをルルーシュとシャーリーが一緒に見れば疑いも晴れる。
それでもダメなら私がルルーシュがゼロでないと言って【ラウンズの言葉が信じられないのか?】とでも言えば嫌でも納得するだろう。
それでもなおダメだというなら……………ルルーシュに大人のキスのやり方を伝授しとくか。
何もかもがどうでも良くなってしまうような大人のキスをな。
まあ、マオがシャーリーに接触する前に始末してしまえばいいだけの話だが……………それができたら苦労しないんだよ。
コードを持つ私の心が読まれないのは幸いだ、私の目的も悟られないし、殺そうと考えても読まれない、ハイブリッドって素晴らしいな。
「ではルルーシュ様、そろそろ失礼させていただきます」
「ああ、ありがとうツキト、おかげでシャーリーを悲しませずに済んだ」
「礼は不要です」
「………世話をかけるな」
「ナナリー様と親しくさせていただいているのです、お構いなく」
「そうか、これからもよろしく頼む」
「イエス、ユアハイネス」
軽く会釈してから部屋を出る。
…………………相変わらず甘い………って、このやり取りは何回もやったか。
それでもあえて言わせてもらうなら。
ルルーシュ、その甘さ、嫌いじゃないぜ。
ナナリーにデートの相談に来た私は、なんと私のシャツで【ロナウ自慰ニョ】をするナナリーの姿を目撃してしまった!その姿に唖然としてしまった私は、背後から近づく咲世子の姿に気づかなかった!毒薬を飲まされ、目が覚めたら…………ナナリーのベッドに縛り付けられていた!
おい、待てい(江戸っ子)
「なぜこんなことに…………」
跡が残らないようにという配慮からか、縛り付けるのに使っている手錠にはクッションなどに使われるモコモコの素材が使われている、それをカチャカチャと動かしてみるがビクともしない、まあ手錠ってそういうものだしな。
「申し訳ありませんツキトさん」
「申し訳ないと思うなら外してくれ」
咲世子が読めない表情で謝るのをジト目で睨みながらそう返す。
「できればそうしたいところなのですが、ナナリー様がどうしても、と」
「ナナリー様が?」
ナナリーが私を拘束してまで何か命令したいことがあるのか?
「理由はナナリー様に聞いてください」
「………ツキトさん」
咲世子の後ろからナナリーが現れた、自分のせいだというのに申し訳なさそうな顔をしている。
「ナナリー様、これは新しいゲームでしょうか?それともナナリー様の趣味ですか?どちらにせよ不愉快極まりないです」
「っ……」
不快感を露骨に顔に出しながらナナリーにそうぶつける、ナナリーは一瞬泣きそうな顔になるがすぐに引き締める。
そして。
「…………ツキトさんの本当の気持ちを聞きたくてやったんです」
と答えた。
ま、無理やり結婚決めたようなものだしな、気持ちを確かめたくなるのもわかる、だが。
「拘束する必要はあったんですか?」
「…………ごめんなさい」
「謝罪はいりません、拘束する必要はあったんですか?」
「……ありませんでした」
「(ツキトさん、ナナリー様も悪気があったわけではなく……)」
「(私が怒っているのはそこではない、悪気もなく問答無用で拘束することについて怒っているんだ)」
「(作用でしたか)」
ナナリーを睨みながら咲世子のアイコンタクトに答える。
別に拘束されたこと自体はそこまで怒ってない、強いて言えばこの体勢が結構辛いことにイラっときているくらいだ。
「………咲世子さん、拘束を解いてあげてください」
「はい」
咲世子が手錠の鍵を開ける、ふう、あーキツかった。
「ツキトさん、ごめんなさい!いきなり拘束なんてしてしまって、本当にごめんなさい!!」
ナナリーは深く頭を下げ謝罪した。
「…………ナナリー様」
「は、はい……」
「ナナリー様は私の気持ちを確かめたて私を拘束したのですね?」
「はい、そうです……ごめんなさい……」
唇を噛み締め涙を浮かべるナナリー、はあ、そんな顔はしないで欲しいんだが。
「では………」
ナナリーの後頭部を掴んで引き寄せキスをする、ナナリーは驚いた様子だったが抵抗はしなかった、しばらくしてキスを止める。
「これでもまだ、私の気持ちは伝わりませんか?」
「じゅ、十分、です//////」
顔を真っ赤にして伏せてしまうナナリー、これで一件落着だな。
「ナナリー様、来週デートしませんか?」
「え!?で、デートですか!?」
ナナリーが赤面したまま伏せていた顔をあげて驚く。
「はい、結婚を前提に付き合っているわけですから、デートくらいしてもよろしいかと思いまして」
「デート…………いいです!すごく良いです!」
喜んでくれたようだ。
「では来週の土曜日に、楽しみにしていてください」
「はい!今から待ち遠しいです!」
「そう言われるとプレッシャーがかかりますね」
ナナリーに合わせながら他愛のない話をして今日は終わった。
来週の土曜日が楽しみだよ、主にサイタマゲットーのほうがな、クククク………。