・・・だからきっとよくやってる、うん。ちょっと引き摺りかけてますけど勘弁してください。自分でも疑問に思ってたところが・・・はい。
さて、本編です。ちょっと展開が急なのは勘弁してください。まだちょっと上手く書けない。
【Sunday,February 19 2096
Person:operator4 】
森の上を、輸送ヘリが此方へ向かい森の上を駆けて行く。
着陸地点より少し離れた地点では、戦闘が続いているらしく、断髪的に音が聞こえてくる。
「こちらが戦場にならなければいいのですが・・・」
そう懸念を示す隊員に対し、宥める様に返す。
「余計な手出しさえしなければ問題ないはずだ。それに、"四葉"も来てる」
しかし、その最後の言葉を聞いて、余計にその隊員は眉を顰める。
「自分はあまり"四葉"を好ましくは思えていません。今回は"味方"と言っていい立場ですが、信用できるとは思えません」
「別にいいんだよ。元から信用できないんだ。ただ、今必要なのは一体でも多く"目標"を確保することで、我々には言うほどの数はない。失うことも出来ん以上、堅実に行くしかない」
そう、言い聞かせた時、一層派手な音が聞こえる。
「"また"殺したか。あいつらにだって非寄生状態の奴らに対する有効手段は余り無いだろうに・・・」
そして、恐らくはそれは"彼ら"とて分かっているはずだ。
となると、またしても"シリウス"が殺したのか。
だが、どちらにしろこちらは早めに回収できるものは回収するまで。
ヘリが着陸地点につき、確保した"目標"三体と、隊員達の収容を始める。
「この後持ち帰って"一部"を培養する用意をしなきゃいけない。しかも結局その方法は"四葉"頼り・・・。本当にこの選択でよかったのだろうか」
現状他に選択肢は無かったとは言え、後悔が浮かんでくる。
しかし、その思考の合間に、樹木の向こう側から"見たくないもの"を見てしまった。
「嘘だろ・・・・。"抜け出した奴"が一つに・・・」
ただの元の"一欠片"でさえ厄介だったのだ。それが、その規模から見るにはおよそ七体分。
「総員、収容作業急げ!直ぐに離脱するぞ!」
そう全ての隊員に告げ、"ソレ"を睨む。
あの対象には、自分の力は効かない。
"魔法"が最も有効なのだが、こちらにはその術がない。
"彼"のように想子の塊をぶつけることも、もしかしたら出来るのかもしれないが、今まで一回もやった事が無いような代物を今この場面でやる勇気はさすがに無い。
このような事は確かにこの長い人生の中でも始めてだったが、自分のその無力さを痛感する。
次は、このようなことの無いように。そう願いはするが、その具体的な方法は見つかることも無く、ただ自らの無力さだけが身を包む。
「収容作業終わりました!いつでも離陸できます!」
「よし、現区域を離脱するぞ!」
報告に対してそう返し、最後にヘリに乗り込むと同時に、その大柄のヘリがゆっくりと地上から離れていく。
そして、ヘリが周りの樹木より数メートルほど高い位置まで高度を上げた時。
七つの"創造主の一部"が凍りつき、虚空に散るのを"視た"。
「なっ・・・!」
驚いたのは、その"パラサイトの集合体"が散ったことでも、それを"彼ら"が行ったことを視たことでもない。
否、確かに驚いた。"彼ら"にその術があるということは、"彼"と妹さんが行ったことと言う事を差し引いても驚くべきことだ。
しかし、それ以上に驚愕を受けたのは、
「今、"視えたのは"・・・」
それは、"彼の眼"を通した情報が、妹さんに"流れ込んだ"光景。
それは、"魔法"の一言では説明できない。
しかもそれは、普段"我々"が使う物に、限りなく似ていた。
「まさか、"コマンド"・・・?」
しかし、それを使ったような素振りは"視た"限りでは確認できなかった。
だが実際にはそれらしき効果が現れていたのだけは、確かに"視えた"。
そこから導き出される、唯一つの推測。
むしろ、疑って然るべきで、実際に疑いはしたものの、余りにもそれと言うには"小さすぎて、見つけることが出来なかった代物"。
「"妹さん"も、"バグ"なのか・・・?」
しかし、彼女そのものには世界を壊し得るだけの力は無い。
"視た"結果でも、ほとんど他の"人間"・・・"魔法師"と大差は無かった。
では、あれらは一体、何だというのか。
「・・・閣下?大丈夫ですか?」
「・・・・・あ、あぁ。大丈夫だ。問題ない」
傍の兵士に声を掛けられた事で袋小路に陥っていた思考から抜け出し、返事を返す。
「基地に帰投しよう。"目標"は別地点へ輸送し、準備を整える。諸君、ご苦労だった」
そう労いを返すと共に、携帯端末とは別に、携帯型の衛星電話に着信が入る。
こっちの方に着信が入ると言うことは、恐らくは"四葉"・・・四葉真夜からだろう。
その様に当てをつけ、通話に出ると、やはり予想は的中した。
『一段落したのかしら?お疲れ様、と言った方がいいのかも知れないわね』
「ご挨拶だな。だが、戯言に付き合う精神的余裕はこちらにはない。結果はどうだった?」
その問いに対し、彼女は良いとも悪いとも言えないような答えを返した。
『とりあえずは達也さん達が封印した"パラサイト"の内、一体は確保したと亜夜子ちゃんから連絡があったわ。こちらの方に運んでおくから、後で受け取りに来てくださいな。他は貴方も見たかもしれないけど、七体分は達也さん達の手で粉々に散ったわ。最後の一体は、どうも九島さんのところに持っていかれた様だけれど』
「やはり、"九島烈"か・・・。厄介だな。あれは"我々"の存在を知っていて、かつ敵対しているように見える」
『あら、"私達"を差し向けるつもり?』
「馬鹿言え。寝返るかも知れん相手にそんな重要なことさせられるか。面倒だが、此方で直接何とかする」
もし九島の後始末を"四葉"につけさせようとして、結局寝返られたとなったらたまった物ではない。今現在はまだ"四葉が確保した一体"は此方には無く、最悪四葉の手により"培養"されたものが九島へ渡るかもしれない。もしかしたら"九島"でも出来なくはないのかもしれないが、それでも余り好ましいこととは言えない。
まだ、早々に魔法師社会から手を引くことは出来ないらしい。
そう諦めながら、言葉を続ける。
「じゃあ、近いうちにそちらへ受け取りに向かう。ついでに、聞きたい事もあるしな」
『えぇ、分かっているわ。"私"が返答を先延ばしにした、貴方達の最大の疑問。何故、"創造主"との接触を持てたのか。一体、何があったのか。貴方が来たとき、ゆっくりと話すことにしましょう』
そう、それは最も聞かなければならない事だ。
それが、恐らくは今までの事態の全ての"元凶"とも、取れるのだから。
通話が切れ、そして此方を乗せたチヌークは闇夜の空へ消えていった。
次回、最終話(詐欺)
正確に言えば最終話→エピローグで一旦完結になります。
どうせ「第一部、完」みたいな感じになって、ネタを繋げることが出来れば第二章みたいな形で続けるんでしょうがね。一応はそう言う形で今までの流れが一旦完結すると考えてください。
何がいいたいかというと、エピローグこそ真の意味での最終話です。ログ形式ですが、伏線回収祭りになります。見ていただけると幸いです。