魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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関係ない話ですが、ゲートのアニメ始まりましたね。
自分はラノベサイズの奴を二年ほど前から読み始めたのですが、今でも好きです。
自分が始めて触れたラノベでもあります。アニメ化と聞いて、本当に感無量でした。

そして、アニメの出来がやばい。いや、感動した。
キャリバーが敵陣をなぎ倒し、20mmガトリング砲が翼竜を落とし、89式が火を吹く所をアニメで見られるとは。本当に、感動です。


今度短編でちょっとゲートのSSを書いてみようかな、とか思ったり。

さて、本編です。今回始めてオリ主以外の管理者が主観。


第七十三話~次元~

【Friday,November 25 2095

  Person:operator1  】

 

 

 

 

 

「・・・・さて、どうなるものか」

 

『第一から第三区画、準備完了。第八区画にて五分の遅延が発生。予定時間は一四:〇〇を予定』

 

 

 今週初め、日本と大亜連合との講和が成立した。

 圧倒的に日本が優勢であったのにも関わらずその戦況にしては大亜連合が譲歩せずに済んだのは、仲介にたったUSNA自身が日本の影響力が更に大きくなることを恐れ、日本側に譲歩"させた"結果だ。

 

 

 そう、態々、USNAが日本に譲歩を強要させたのだ。

 それほどまでに、"質量からエネルギーへの分解魔法"が強力、かつ強烈だったのだ。

 

 あの大亜連合艦隊の付近には、日本に所属する艦艇・もしくは航空機は存在しなかった。

 つまり、あの魔法は日本本土、もしくはどこかしらの施設内部から衛星画像を用いて行使されたのだ。

 

 前者ならまだいい。しかし、後者ならば厄介極まりない。

 "いつでも、どこからでも、どんな目標でも(Any time, Any place, Any target)"を可能とする、現状戦略兵器として最も完成された代物。

 しかもいかなる有害物質をも放出せず、かつ核爆弾など目ではない規模の破壊力を誇る。

 

 これ一つが、外交カードになり得る。これをちらつかせるだけで、一体どれほどの利益が出てくるのか。

 

 

 そう、アメリカ政府は恐怖したのだ。そして、押さえ込むと共に"同等の手段を得るためのありとあらゆる手段の実行"を許可した。

 

 

 その一つが、余剰次元論に基づくマイクロ・ブラックホールの生成実験だった。

 

 

 これそのものには日本が行使した"質量エネルギー分解魔法"・・・俗に言う"マテリアル・バースト"の観測結果と合致するものは無い。そして、今まで行った実験結果と合致する物もなかった。

 当然だ。対消滅反応などというちゃちな代物ではない。ただ、魔法の一発で質量を"直接"エネルギーへと変えているのだ。そこには反物質などという非効率な物体さえ魔法で生み出してなどいない。

 

 

 しかし、"まだ余剰次元理論に基づくマイクロ・ブラックホールの生成に関しては観測がまだ充分ではない。もしかしたら、類似したデータも得られる可能性がある"。その儚い希望に縋った実験だった。

 

 

(しかし、結果は変わらんがな)

 

 心の中で酷評を下し、コマンドでパスを開く。

 

〔operator1:二人とも、観測の用意は出来ているか〕

〔moderator11:全て良好です。緊急時の手段も用意しています。何かしらのエネルギーの暴走が見られた場合は、上手く分散できるよう用意は済ませています〕

〔moderator13:しかし、余剰次元からエネルギーを取り出すとなると、余計な物をこの世界へ入れかねないか疑問が出てきますな。何せ世界に"穴"を開ける訳ですから〕

〔operator1:だから手が開いているお前達二人に付き合ってもらってるんだ。余計な"虫"が入ってみろ。創造主様の為のこの世界に不具合が起きるかも知れん。それも、取り返しが付かないレベルでだ〕

 

 態々無理をしてここに視察に来た理由は、ソレを懸念しての物だった。

 この世界で言う"物の怪"の類が高次元のところからこちらに入り込んでしまった場合、何かしらの不具合が発生しかねない。

 近い事象はいくらか起こった事はこの長い歴史の中ではある。しかし、"意図的に次元に穴を開ける"などと言う事は今まででも始めてだ。

 

 もし、何か起こったら、直ぐに被害を最小限に出来るように。

 その為に、ここに足を運んでいた。

 

 

『第四から第七区画、準備完了。作業の進行度は八十パーセント』

 

「・・・」

 

 見たところ、実験そのものには特に目立った危険は見えない。

 しかし、妙な胸騒ぎがする。

 

 今すぐに、この実験を中止させたい衝動に駆られる。

 

 いったい、何故なのか。自分らしくもない。

 

(No4の奴も言っていたな・・・。久しぶりなことや、始めてのことが多すぎて対応が鈍ると)

 

 今年は、妙に異常事態が多い。正に、魔法師がこの世に出てきたときのようだ、と。

 

 そう、これはまるで、世界そのものが混乱を望んでいるかのよう、と。

 

(創造主様が気まぐれでも起こしたのか?しかしそれにしては何も聞いていない。あのお方がこちらに話してくれるかどうかも微妙なのだからな・・・)

 

 

 しかし、そんなこちら側の心配を余所に、実験の準備はいよいよ完了した。

 

『全ての区画の準備、完了。実験開始まで、後五分。各員は最終チェックに入ってください』

 

「実験開始まであと少しです。それまで、しばしお待ちを」

 

「危険性はないと言う事であっているのだね?」

 

「はい。念のために"スターズ"から幾人かこちらに回してもいます。問題はないでしょう」

 

「所詮は卓上の空論だ。ともかく、何かしら"良い"結果を得られればよいのだが」

 

 現在、決して個室でスクリーン越しに見ているわけではない。直接、"アメリカ首脳部の一部"と一緒に視察しているのだ。

 当然だ。現在は身分を一時的に偽装している上、今同席している首脳部は"我々の存在"さえ知らない俗物だ。急なことだった為、そこまでしか都合をつけられなかったのだ。

 この不都合には、ある程度目を瞑るしかない。

 

 

『実験開始時刻になりました。実験を開始します』

 

 その音と共に、機械から発せられる音が一層大きくなる。

 

 

『陽子イオンの加速、開始』

 

 

『陽子シンクトロンブースター、通過』

 

 

『SPSに累積、開始』

 

 

『陽子ビーム、準備完了』

 

 

『陽子ビーム、LHCに注入。最終加速、開始』

 

 

 そして、嫌な予感は、次のアナウンスと共に、現実となった。

 

 

 

『陽子同士の衝突、観測』

 

 

 

「っ・・・・」

 

 周りが結果に期待を膨らませる中では場違いなほど、顔が真っ青になっていく。

 

 まさか、でも、いや、ありえない。

 

 "虫"なんて物ではない。それには、あまりにも。

 

 そして、何よりも、十二個に分裂し、近場の人間に寄生していった"アレ"の正体は。

 

 

 

 そしてそこで、新たなコマンドによる、呼び出しが掛かった。

 

 




ってことでアメリカ担当、管理者No.1です。彼自身の設定はあまり付けてない。主観も多分これ以外はさほど無いとは思うし。

なおコマンドでの調整者と管理者でのやり取りですが、もちろん管理者がメインとした通信になる訳ですからそれぞれ一応は独立しています。というか、調整者そのものが管理者の下についているので見かけはオリ主の調整者とその他の調整者の名前が被ったりとかします。今回は混乱しないようにナンバリングを被らないものにしましたが、普通にNo1にもmoderator1(調整者No1)とかはいます。ただし、相互通信する時には管理者No1側の調整者No1は1.moderator1と表記され、オリ主側の調整者No1は4.moderator1と表記されます。その必要のない時には識別用の管理者番号は表示されないだけです。


さて、今回の描写。実はめっちゃ苦労しました。
というのも、ダラスでのマイクロ・ブラックホール生成実験中の描写をやった訳ですが、まず時期が不明というのが第一に。一体11月の何時頃に行われたのかさえ不明。しかも、講和とどちらが先かも不明。結局一番自然な流れを考え、時期を設定しました。

それだけではなく、今度は実験中という雰囲気を出す為に文系の私が理系の小難しい文章を読み込み、ガワだけなんとなくそれっぽくするためにもwikipediaを読み込みました。LHCの記事を中心に読み込みながらまずマイクロブラックホールって何ぞって所から始まり、何がいいたいかをそこそこ飲み込み、その上でどんな手順が必要でそもそもどこに余剰次元論が絡むのかも触った上で普通に陽子を衝突させるのと何が違うのとか考えながら見て・・・と。はっきり言って頭がパンクしました。多分色々突っ込みどころ満載な描写なんでしょうが、後でちょっと文系の自分に分かりやすく教えてください。ホーキング輻射の観測と対消滅の観測の為のブラックホール生成の手順って変わりあるものなんですか。まず陽子ビームって何。陽子イオン源って何。

何とか理解できたのはこの世界では妙に重力の影響が小さく、もしかしたら別の次元から出てきているのじゃないのかという余剰次元理論のさわりのところだけです。それも理解じゃなくて「そういうものなのかー」って程度でしょうが。


次回、未定。何処から最初にやろうかな。


【追記】振り仮名が上手く機能していなかったので修正
【追々記】スマホ・タブレット表示にて振り仮名の表示がおかしいことが分かった為再度修正しました。何度も申し訳ないです。

【重大な追記】八十一話にて告知した通り、パラサイトの数を変更しました。投稿後時間が経ったものを変更することになってしまい、申し訳ありません。

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