【Friday,October 21 2095
Person:operator4 】
「本当に俺の周りは血気盛んでいいことだ」
「それは本気で言ってるのか?」
「いいや。皮肉だって分かれよ」
"彼"に対して、疲れた口調で話す。
理由は、レオとエリカのことだ。
あの戦いの後、何を話したのかは知らないがこの所学校を休んでいる。その理由は、単純に"修行"だそうだ。
確かに、大亜連合が絡んでると見たらどう考えても荒事しか出てこない。そして、それを好むあの二人がそれに備えようとするのも理解できなくはない。
しかし、どうも違う気がする。
主に、高校生としての身分的に。
「俺が言えたことでもない気がするが・・・」
「自覚があるなら弁えたらどうだ?」
「それが出来るならとっくにやってる」
そうため息を漏らしながら、"彼"の妹さんを待っていた。
流石に生徒会長が引退したからだろう。"彼"や妹さんが生徒会室で食事をとる事はだんだんと無くなっていき、最近はほとんど食堂で取っているようだ。
そもそも友人と一緒に食べることは当たり前とも言ってもいいのかも知れないが。
こちらの愚痴から出てきた益体のない話が終わり、話題は論文コンペの事に移っていった。
尤も、内容は自分でぼやいていた割には物騒な内容だったが。
「そういえば、市原先輩と関本先輩が言い争ってたらしいな」
「あぁ。横から見ていただけだが、あれほど意見が食い違っていたら仕方がないだろうな」
「考えの相違って奴か。でも議論することは悪いことではないと思うがな?」
そう敢えて分かり切った質問をしてみると、"彼"は案の定ため息を吐きながら首を振った。
「それがこっちに飛び火しなければな。どうも関本先輩の様子が怪しい。次はおそらく直接的な行動に来るだろうな」
「それはご愁傷様な事だ。まぁ、お前なら楽に処理できるだろ」
そう聞き流すこちらに対し、"彼"は何か責めるような目を向けてきた。
「・・・なんだ?」
「"知っている"んだろう?」
流石にそれくらいは分かるかと、改めて彼の察しの良さに感心する。
確かに、関本が大亜連合工作部隊に洗脳らしきものを施され、手足になりかけているということは知っている。常時監視させているのだからそれくらいは当然だ。
しかし現状今すぐに彼を拘束したところで得られる情報は既に持っているものしかない。今現在進めているのは彼を拘束することではなく"彼が捕まった時に情報を自分達で独占するための処置"だ。もちろん、デスクワークが更に増える為にまず殺しはしないのだが。
しかし、それはあくまでもこちら側の話。"彼"にとってはあまり快いものではないだろう。
「別にいいだろう?"こっち"も現在調べてることがいろいろあってな。ただ、近々お前に何かしらの依頼、もしくは制約をかけるかもしれん。それは覚えておいてくれ」
「お前にそれを押し付ける義理があるのか?」
「"八月"の借りぐらいは返してほしいものだな」
「随分と荒々しい協力の仕方だったがな」
彼自身が近々猛威を振るうことは分かっている。しかし、あまり暴れ過ぎてしまった場合も困るのだ。
現在国防海軍は主力とも言える存在をグアムに向かわせ、USNAと共に上陸演習をしている。逆に言えば、それまでの間日本の海防はどうしても緩くなる。
そして、その時に日本が取る手段はおそらく"戦略級魔法"の使用。おそらくは
問題は、"彼"の魔法の攻撃範囲があまりにも大きすぎることだ。大亜連合の艦隊を瓦解させるレベルなら問題ないものの、大亜連合そのものにダメージを負わせるやり方を許容する訳にはいかない。そこまでやってしまった場合、魔法師に対するあり方そのものが大きく変わってしまう恐れがある。
それが起こるかもしれない時の為に、釘を刺さなければならないということだ。
今回は、それが破られた時の"制裁"の用意もしているのだが。
「・・・まぁ、留意はしておこう。だが、あまり期待はするなよ」
「まぁ、いいさ。先のことを気にしても仕方がない。今は目の前のことだけ気にしてれば、それで何とかなる」
そう言って、既に空になっていたコーヒーの缶を捨てた。
「さて、妹さん達もやってきたし、さっさと飯にしよう」
なんか最近投稿が妙に遅れてます。これは個人的な都合があるので勘弁していただきたい。そろそろ前までの投稿ペースに戻りたいなとは思っているんですけどね。
灼熱のハロウィンでは魔法の有用性がはっきりと証明され過ぎてしまいましたよね。オリ主が恐れているのはそれです。そして、そうなってしまった場合は"荒治療"をするつもりです。さて、どうなることやら。
次回、未定。もしかしたら舞台は土曜日に移るかも