魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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達也回。といっても入学式の描写がなさ過ぎて回想メインになってしまうジレンマ


第四話~入学式~

【Sunday,April 3 2095

  Person:@;g>.=er[ "Tatsuya,S" 】

 

 

 

 

 入学式が始まる前までは騒がしかった講堂も、一旦始まれば静かになる。

 達也も先ほど知り合った千葉エリカ、柴田美月を含めた数名との会話の後は式が始まると静かに話を聞いていた。

 

 考えるのは、先ほどの"彼"のこと。

 

 規格外な力を持ち、自分と同じ、否、それ以上の"眼"でさえ持っている可能性のある、自分と同じ"二科生"。

 そして、その彼の"力"が、自分には効果がなかったことへの疑問。

 

 もし、対人には効かないのだろうと思えたらどれほどよかったことか。

 彼自身が"消去できなかったことに驚いていた"ということは、最低でも対人に使えない技ではないということ。

 

 

 限りなく、未知数だ。

 自分に効かないというのは、こちらにとって大きなアドバンテージではある。

 だが、深雪に対しては?

 もし深雪に対して力が及ぶ可能性が出て来た場合は、まさに守りきれる自信がない。

 幸いというべきなのは、"彼"が"明確な敵ではない"可能性が高いということ。

 

 恐らくは、力を見られたから消そうとした。

 少なくともこちらに対しての対応はそのような節がある。

 もし、彼の目的が"深雪を害するものでない場合"、早めの接触が必要だ。

 

 相手が"消せる"相手ならば今すぐにでも消しているのだが、あいにく彼を本当に"消せる"自信がない。

 よしんば消すことができるとしても、消す前に深雪に危害が及べば本末転倒。

 となると、最低でも"こちらから害は加えない"事だけでも伝えなければいけない。

 そこから"互いに基本的には不干渉"を持ち込めば、それで一応の問題はなんとかなる。

 

 肝心の"彼"は、式が始まる前までは男子生徒と話していた。

 仲間、というよりは自分と同じようにただ単純に"知り合った"というだけなのだろう。

 では、彼は協力者がいないのか?

 これも、不明。

 彼の"力"はもはや単独でも通用するレベルの力だ。場合によっては、戦略級さえ凌駕する。

 しかし、だからこそ何故彼がこの高校に入学してきたかが疑問になる。また、どうやって入学してきたかも。

 彼自身の個人的な理由なのか、それとも背後にいる者からの依頼なのか。

 後者の場合、最低でも一人は協力者がいるはず。

 一応だが自分にも軍としての情報網と、"四葉家に仕える人間"としての情報網がある。

 情報が得られるかどうか、試してみる価値はある。

 

 

 生徒会長のスピーチが終わった後は、新入生総代の答辞。

 深雪の、この高校での最初の晴れ舞台。

 

 

 その姿を見守りながら、達也は心の中で決めた。

 あの脅威を、少しでも深雪から"遠ざける"。

 

 

 そのためにも、まずは接触するべきだろう。果たして何時がいいものか・・・。




てなかんじで達也の回想でした。

一応お互いの認識としては
借哉:バグ(達也)の処理が目的だが、コマンドで消せない以上殺害以外の方法しかないが、精密検査でいろいろ知りすぎて果たして消せるのか微妙。どうすればいいか悩んでる。

達也:彼(借哉)の力を見てしまったことにより目を付けられてしまい、またその力の無効化を狙いたいけど深雪に危害が及ぶ可能性を考えると迂闊に手を出せない。敵ではないことを示しつつお互い、そして身内に対する非干渉を求めたいけどそのための方法が思いつかない。

借哉は第二話でのスキャンで達也の一応のスペックは知っていると考えて問題ないです。
だから結局二人ともこう着状態に陥るんです。お互いにどうするべきかと。
まぁ、嫌でも厄種同士はくっつくもんです。

次回は未定。もしかしたら日にちが1日進むかもしれないし、達也回が続くかもしれない。

【追記】もし親切な方がいたら誤字脱字文章のミスなどは指摘してくださるとありがたいです。いくら自己満足のSSでも変なものは書きたくないので、もしよければお願いします。

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