魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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新たな管理者が登場。

んで、アマチュア具合が露見しそうな設定を書き出した自分に対して自信を無くす。後で一から復習した方がいいのかな。


第四十七話~縄張~

【Sunday,September 4 2095

  Person:operator4   】

 

 

 

 

〔operator4:態々すまんな。本来はそっちの状況を聞くこと無しに事態を把握したかったんだが・・・〕

〔operator1:さほど気にすることでもあるまい?協力と協調は重要なことだ。きちんと日曜日に聞きに来てくれたことだし、ある程度の質問には答えるさ〕

 

 

 USNA側の状況を聞く為に、USNA側を管轄している管理者No1に連絡が取れたのは日曜日の事だった。

 

 

 管理者No1は元々はアフリカを管轄していた者だ。なぜそれが今はアメリカにいるのか。理由は簡潔で、移動する必要が出てきたからだ。

 

 

 中世あたりに入ってくるとアフリカの重要度というのは管理の必要性がなくなるほど相対的に勢いが減っており、アフリカでの管理が単純に"見ているだけ"になりつつあった。しかし、アメリカ大陸の発見により大規模な植民が開始された事を好機として見て、アフリカからアメリカに管理を移したのだ。

 

 現在の管理者はUSNAにNo1,ヨーロッパにNo2、No3は大亜連合を管理し、No4である俺が日本を管理している。その他だとNo5がインド・ペルシア連合、No.6が東南アジア同盟、No7が新ソ連を管理している。

 

 

〔operator1:確かに"赤旗計画"はこっちの報告にも挙がっていた。しかし、そっちではそこまで切実な問題になっているのか?〕

〔operator4:鬱陶しいとは思っているが、そこまででは本来はなかった。どうもNo3の言う事には予測できない事象が混じる可能性があるとか〕

 

 そう言いながら顛末を彼に話すと、No1はUSNA側の"赤旗計画"に関する状況を話し始めた。

 

〔operator1:状況はある程度把握したから、とりあえずはこちら側の状況を教えよう。まず、USNAといっても一枚岩ではない事は分かるな?〕

〔operator4:んなのは知ってる。だが、言いたいことは分かった。"赤旗計画"はUSNA首脳部の意図と言うわけでもないんだな?〕

〔operator1:概ね合ってる。元々"赤旗計画"の交渉に立ち会ったのは"ラングレー"(CIA)だ。そして、それに協力することを強く勧めたのもな〕

〔operator4:つまり"ラングレー"(CIA)を中心とした工作で、首脳部はさほど関わっていないということか〕

 

 その質問に対し、No1は条件付きでは有るが否定を返した。

 

〔operator1:いや、ある程度関わってはいる。というのも"ラングレー"(CIA)の方針に異を唱えた勢力がいたからな。その最終決定に首脳部が出てる〕

〔operator4:つまり?〕

〔operator1:"メリーランド"(NSA)だよ。大亜連合がUSNAの思い通りに動くわけがないといって、協力にはかなり強く反対していた〕

 

 ここまで話を聞いた時、一つの疑問が浮かんだ。

 

〔operator4:今は"メリーランド"(NSA)は大人しいのか?〕

 

 これに対する答えも、また否定だった。

 

〔operator1:そんなわけがないだろう。"メリーランド"(NSA)は今も反対してて、"赤旗計画"がそもそも成功しないように工作を日本に仕掛けてる。お互い仲が悪いことだな〕

〔operator4:なるほどな。で、肝心の成果は?〕

〔operator1:良いとは言えないようだな。元々NSAは電子情報諜報活動(シギント)をメインとした機関で、直接諜報活動(ヒューミント)は得意じゃない。今回の場合は通信での重要なやり取りは"赤旗計画"関連では行っていないからな。結構つたないものだよ〕

 

 この話が指し示すに、USNAは二つの勢力で意見が割れていて、どちらかというと"こちら側"に協力させやすそうな勢力はNSAの方だろう。

 そう考え、いくつかの具体的な質問をすることにした。

 

〔operator4:"メリーランド"(NSA)に渡りをつけることは可能か?〕

〔operator1:可能だな。しかし手を借りるにしても足を引っ張るだけになると思うぞ?〕

〔operator4:何も知らないと言う意味ではこちらも一緒だ。ただ、手の回る範囲を少しでも広くしておきたい。こっちの方に使いを送れるように調整してくれるか?〕

〔operator1:あぁ、分かった。他には何かあるか?〕

〔operator4:現在"メリーランド"(NSA)はどこまで本気だ?〕

〔operator1:かなりの割合で。自分達の専門分野ではないから手間取っているがな。対象地域が南米だか東南アジアだかならまだしも、日本だった場合には影響がUSNAにモロに出るからな〕

〔operator4:なるほどな。そうなると形だけって訳にはならずに済むか〕

〔operator1:元々そのようなことはありえないけどな。"俺ら"のことを知っている奴等だからこそ余計に死に物狂いに働く〕

〔operator4:それが意思に反するかどうかでパフォーマンスが変わって来るんだよ。分かってるだろう?〕

〔operator1:まぁな。で、これから先はどうするつもりだ?〕

 

 この質問は、単なる疑問と言うわけではない。

 この先、USNAを直接動かす必要があるかどうか。その、確認。

 それに対しては、否定で返すことにした。

 

〔operator4:いや。まだ放任で構わないだろう。何かしら拙い事態になったら協力してもらうがな〕

〔operator1:分かったよ。その時には言ってくれ。ではまたな、友よ〕

 

 その言葉を最後に、パスが切れる。

 

 

 笑うしかないが、今は探ることから。猫の手を借りてでも、早めに情報を見つけなければならない。

 

 

 毎度後手になることにもどかしさを覚えながら、煙草に火をつけた。

 

 




ってことで管理者No.1が登場です。
作中にも書いたとおり元々はアフリカを管理してました。エジプトとかあったしね。
ですが時代が経つに連れて重要性が薄くなり、実質ヨーロッパがアフリカに勢力を伸ばす際の配分決定に携わってたぐらいなもんです。
ですからアメリカ大陸発見とソレに伴う植民はちょうどよかったと言えます。それに伴いNo1は本当に初期の頃にそちらに移り直接根を張っていきました。その点ではアメリカが形成される段階で既に根が回っていたので一番管理が行き届いている場所でもあります。

なお、No.5などの管理者が追加された時期について。
No.5はNo.4が日本へ、No.3が中国あたりへ管理を移動させると同時に元のNo.3がいた中央~西アジアあたりを変わりに配属されました。No.6はモンゴル帝国の形成期ぐらいの頃かな?ここら辺は適当。No.7はモスクワ大公国が成立したあたりです。こう考えると今覇権を握っている大国家ってどちらもむしろそこそこ新しいからこそなのかもしれませんね。

次回、オリ主勢のみでの独自調査。まだNSAとは連携できない。

【追記】一応ラングレーのところも振り仮名?をつけました。その方がいいかなと思って。

【追々記】後書きにて誤字を修正。モスクワ帝国→モンゴル帝国です。失礼しました

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