魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

50 / 123
休日の癖に投稿遅れる始末。申し訳ない。


第四十四.五話~昔話~

【log:Thursday,August 11 2095

point:35N138E   】

 

 

 

 

 

「どうぞお入りください、閣下」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

「席を外せ」

 

「ハッ」

 

 

「本日はどのようなご用件でしょうか。藤林でしたら使いに出してこちらにはおりませんが」

 

「孫にあうのに態々上官を通す必要は感じんな・・・。なに、君が珍しく土浦から出てきていると利いたので、顔を見に来たのだ」

 

「光栄です」

 

「十師族嫌いは相変わらずのようだな」

 

「以前にもそれは誤解だと申し上げましたが」

 

「誤魔化す必要性はないと以前にも言ったはずだが?元々兵器として開発された我々と違って、君達古式の魔法師は古の知恵を受け継いだだけのニンゲンだ。我々の在り方に嫌悪感を抱くのも無理は無い」

 

「・・・自らを兵器と成す、と言う意味では古式の術者も同じです。我々とあなた方に、大した違いはない。自分が嫌悪感を抱くとすれば、自らを人間ではない、とする認識を子供や若者に強要する遣り口です」

 

「ふむ・・・。だから、"彼"を引き取ったのかね?」

 

「・・・彼、とは?」

 

「司波達也君だよ。彼が三年前、君が四葉から引き抜いた、深夜の息子だろう?」

 

「・・・・・・」

 

「私が知っていても不思議ではないだろう?私は三年前の当時、氏族会議議長の席にあり、今なお国防軍顧問の地位にあり、一時期とはいえ深夜と真夜を教え子に持ち、更には"あのプロジェクト"にも関わっていたのだから」

 

「・・・"あのプロジェクト"?」

 

「そうか。君は知らなかったのか。てっきり四葉から聞いているものかと思っていたよ」

 

「どういうことでしょうか」

 

「私も肝心なところは言えない。知らぬ者に言うには相応のリスクが伴うからな。しかし、強いて言うなら"対抗手段"を得る為の物だったということだよ」

 

「・・・"対抗手段"とは一体何に対する?」

 

「"彼"は、"八咫烏"に目を付けられているようだね」

 

「分かるように、説明してもらえませんか」

 

「君がもし、"彼"を守りたいと思うのなら"八咫烏"がいるということは覚えておいた方がいいよ。あくまで"八咫烏"は伏せ名でしかないのだがね。

 

"白烏"シリーズ。"八咫烏"に唯一対抗しうる魔法師を作り、それを量産、管理し、それを政府に供給することで"魔法師"の地位を最低限維持するという目的の元作られた、"最強"の魔法師。それが、"彼"だよ」

 

「まず、"八咫烏"とは?」

 

「知らぬものには言わない。それは、不文律だ。一体何であるのかさえ言うことはできない。知らぬものに言えるのは伏せ名だけだ」

 

「・・・分かりました。自力で調べることにしましょう。それで、ただ自慢だけをしにここまで?」

 

「そんな訳がなかろう。ここに来たのは、"彼"の在り方についてだ」

 

「"在り方"と?」

 

 

「私はな、"白烏"シリーズは成功例がただの一つもないと聞かされていたのだ」

 

「・・・は?」

 

「"白烏"シリーズは"八咫烏"に対抗し得る力を得ることができなかったと聞かされていたのだ。しかし、それではおかしいのだよ。なぜ、力を持たなかった"白烏"シリーズの第一号に、"八咫烏"が目を付け、"今も影が見える"のだ?」

 

「・・・"対抗し得る能力"があったと?」

 

「いや、"対抗"どころではない。もしかしたら、"八咫烏"を余裕で殺し得るだけの力を持っているのかもしれない。そして、何故四葉はそれを隠した?」

 

「不自然ではないと思いましたが」

 

「不自然なのだよ。もしそうであれば余計に、"彼"を人目に触れる置く場所におくことさえありえない。高校生などさせられる能力じゃないのだよ。しかし、四葉はどうも"彼"を"目立たせよう"としている。隠し札を態々何故晒そうとする?」

 

「・・・」

 

「四葉が何を企んでいるのかは分からん。しかし、これだけは言える。四葉の好きにさせてはいけない。最低でも"彼"を四葉の思い通りに動かしてはいけない」

 

「・・・彼を監禁しろと?」

 

「それでは不十分だ。四葉が何を企んでいるのか、調査する必要がある。しかし、その間"八咫烏"に好きにさせてはいけない。必要なのは、彼が"八咫烏"を妨害することだ。その間に、"本来の白烏"を発動させてやれば、我々の、"魔法師"の目的が達成できる」

 

「それを、達也にやらせろということですか」

 

「それが、彼のためにもなる」

 

「・・・分かりました。努力しましょう」

 

「ぜひ頼む。私は、四葉の企みを探らねばならない。彼を見て、一つ、決定的なことに気が付いた。それが、最も重要なことでもある」

 

 

 

 

「一体、どうやって四葉は"彼"を作った?」

 




ってことで伏線回でした。
流石に会話だけでは伝えたいことは半分しか伝えられないので補足をば。

話に出てきた"白烏"シリーズ。これを作る環境を整えたのが老師です。あくまで環境を整えただけなので肝心の計画についてはほとんど知らないっていう。四葉の言うことを丸呑みしてたらなんか変だと思い始めたのが今回です。

で、結構前にも述べてましたが、オリ主と達也が対決した場合どうなるか。
まず間違いなくオリ主は達也に勝てません。殺す手段さえ持っていません。どう考えてもムリゲ。
一方達也は一応"殺す"手段はあります。"分解"です。ただし、オリ主を殺せるレベルまでの分解を行使するとまず間違いなく銀河系が吹っ飛びます。ですので実質的に達也もオリ主を殺せません。
これらを噛み砕いていくと伏線が面白くなるかと。

といっても言葉足らずな面が多々ありますしテンションがおかしな状態で書き上げたので何かしら疑問があったら聞いてくだされば。答えられる範囲なら答えます。

次回、ダンスパーティーのあれ、達也回です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。