魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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オリ主の最初のつるみ相手は、なんと・・・。
んでもって余り派手でも静かでもありません。普通に高校生やってて面白みがない・・・


第三話~講堂にて~

【Sunday,April 3 2095

  Person:operator4  】

 

 

 

 

 

 誰にだって始めての経験というのはある。世界がまさに生まれた時から存在している"管理者"である俺だってそうだ。

 多少混乱し、知識や今までの経験を元に最善の行動をし、その始めての経験を忘れないように記憶していく。

 

 ただ、久しぶりすぎて戸惑っただけだ。

 

 

 "調整者"とほぼ同じレベルの権限と能力を持つ"バグ"。

 いや、ほぼ同じどころか本当に同じなのかもしれない。何せ彼の能力をすべて見たというわけではないのだから。

 

 

 もうすでに開場の時間となっていることもあって、あの後逃げるように講堂へ向かった。柄にもない事だ。あれでは自分が焦っていることは丸見えだ。

 だが、別に悪いことでもないだろう。こうやって頭を冷やせただけよしとするべきだ。

 

 出来るだけ直ぐに仲間と連絡を取りたいが、あいにくともうすでに講堂付近、また講堂の内部は人が多すぎる。

 何しろこの講堂には遅かれ早かれ"彼"もやってくるのだ。迂闊にコマンドを使用する訳にもいかない。

 

「細かいことは明日からか・・・」

 

 今すぐに動きたいのに何も出来ないと言うのはむず痒いものだが、無理に動いて骨を折るよりはだいぶマシだ。

 気持ちを切り替え、席を探してるとある特徴に気づく。

 

(前列は一科生、後列は二科生により席が分かれているのか・・・)

 

 いっそ綺麗なことに一科と二科が分かれている。

 これも"魔法師の慣習"なのか?それともただのくだらない"差別"なのか?

 どちらにしろ、流れに逆らうつもりはないが。

 結局、座った場所は最後列の一番端だった。

 特に理由はない。強いて言うなら目立たない場所だから、ってだけ。

 

 五分ほど時間が経ち、結構なこと席が埋まっていく中声が掛けられた。

 

「すまねぇ、隣開いてるか?」

 

「あぁ、別に構わない」

 

 席を探していたのだろう。声をかけたのは、少々ゲルマン風な顔立ちをしている男だった。

 

「席がこうも埋まってると探すのも一苦労だぜ・・・。俺は西城レオンハルトだ。もし何かしら縁があればよろしくな」

 

「河原借哉だ。こちらこそ、その時はよろしく」

 

 何気ない感じで自己紹介を済ませた後、相手を詳しく見ていくと妙な違和感がした。

 

(人のはずだが・・・普通の人より"動物に近い"?遺伝子調整体・・・だったかな)

 

 残念なことにほぼ全知全能といえる"管理者"でも魔法師関連の情報は素人以下の為、何かあるとは分かっても何なのかは分からない。

 ここら辺の情報も詳しい者がいたらいろいろ教えて欲しいものだ。

 

 そんなことを考えると西城から質問が飛んできた。

 

「それで、河原の志望コースって何よ?」

 

「態々苗字で呼ばなくたっていいさ。借哉で構わない」

 

「そうか?それじゃあ俺のこともレオでいい」

 

「まぁ、実は特に何になりたいっていうのはないんだ。成り行きでこの高校に入ることになったってところでな。余り魔法には自信がないもんだから、何事もなく卒業できるようにってだけかな」

 

 別に嘘は言っていない。"バグ"の処理のために"成り行き"でこの高校に入ったのだ。事が終われば"何事もなくこの学校を去れる"事が目標ともいえる。

 

「まぁ、気持ちは分からなくもないけどよ。どうせだったら何かしら目標持った方がいいと思うぜ?とはいっても俺も体を動かす系ってところしか決まってないんだがな」

 

「レオならどっちかっていうと山岳警備隊あたりがお似合いじゃないか?」

 

「まぁ間違いじゃないな。他にあるとしたら機動隊とか、そこらへんか」

 

「どちらにいくにしても、きっと上手くいくだろうさ。俺も、そうであるといいんだが・・・」

 

 

 うっすらとだが、後ろ三分の一、中央あたりに"彼"が見える。

 "彼"という問題も、上手く処理できればいいのだが。

 しかし、今までもそうだったが"例外"に対しては大抵時間が掛かることが多い。

 ましてや今回は、度合いがきつすぎる為にきちんと解決できるかどうかさえ微妙な所。

 今はただ、祈るしかない。事が上手く運ぶことを。

 ただ、まぁ

 

「何かあるかどうかは知らないけどよ、何とかなるさ。入学式の時からそう煮詰まってても始まらないしな。」

 

 そういって励ましてくれるレオの言葉に、少しだけ気が楽になる気がした。

 

 




ってことで他の女性陣より先にでてきたのはレオくんでした。
この人を最初につるませた理由は単純。レオの明るい性格で無理矢理主人公と接点を持たせる為・・・っ!
まぁ結構きつい気もするんですがね。

主にこのSSは達也視点と借哉視点がメインになるかなーと書きながら思ったり。
どちらも警戒しながらそれでも近づかずにはいられんような立場ですが、この先どうなっていくのか。それは・・・・



俺も知らん。

次回、達也回。だって入学式中の描写が楽なのが達也ポジなんだもの。

あ、後もし親切な方がいた場合は誤字脱字その他があった場合は教えてくださると助かります。
書いてる途中にIEが固まったりとかがあるんでそこらへんが不安なので・・・

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