読みました。読んだんですよ。
なんていうか・・・言葉に出来ない。
感想については後書きにてこっそり書く予定。
【Sunday,April 23 2095
Person:operator4 】
廃工場の中を、人と弾丸が駆けていく。
まるで内戦のような音が流れるが、廃工場に"元々いた側"は一種の恐慌状態を起こしていた。
「くそっ!止まれ、止まれぇ!」
「早く当てろ!殺せ!ここを突破されるな!」
「"当ててる"んだ!"当ててる"筈なんだよ!」
AKをもはや乱射のごとく撃ち続けている、ブランシュのメンバー。
彼らの持つ銃口は、ただ俺一人にのみ向けられている。
確かに"当たってはいる"。防弾チョッキなどこの弾幕の前では何の役にも立たない。
しかし、元々"我々"に普通の攻撃など効かない。食らっても、"直ぐ再成するから"。
ライフルを構え、目に付いた敵から片付けていく。
一人につき三発。指切りで撃ちながら進んでいく。今だ歩いてるのと変わらない速度だが、誰も"妨害すること"さえ出来ていない。
「さて、あそこのドアの向こうにこいつらの"頭"がいるわけか」
「ここを通すな!通路をお釈迦にしても構わない!出し惜しみするな!」
あと少しでたどり着くというところで、一層攻撃が激しくなる。相手も流石に屋内でロケットランチャーの類を使うつもりはないようだが、グレネードの類が弾幕と共に幾つも飛んでくる。
それらがいくら至近距離で、ましてや足元で爆発したとしても、相手の認識速度を超えて体が修復される。
ただ、相手に取っては幸か不幸かは分からないが、その姿は爆煙に見えて分からなかったようだ。
「やったか?!」
「死体を確認する。付いて来い!」
そう言う彼らの元に、一つの物が投げ込まれる。
殺傷用の、破片手榴弾。
時間を調整し、二秒ほど間を置いて投げ込まれたそれは最後の扉を守る彼らが認識するよりも早く爆発し、そして無力化した。
「他愛ないな。どこかの漫画のようにスーツだけボロボロという風になればまだ面白みもあるのかもしれないが」
残念ながら自分で使っているのは規模こそ上だが、達也と同じ"再成"。
これが行使される時は、自らの装備品なども対象に含まれる為、"弾が当たったと分かるもの"はできない。
尤も、それのおかげで弾幕を受けながら進むという、相手に"恐怖心"を与える為のやり方ができるのだが。
司一がいる、ホール状のフロアへの扉に手をかけたところで、ドアそのものが吹き飛ぶ。
ブービートラップなどではない。内側からのロケットランチャーの迎撃だ。
広い場所だからこそ出来る行為だが、攻撃の規模は先ほどとは桁違いだった。
残っていた三十人の内の、二十五個の銃口から吐き出される7.62mmの弾丸と、残りの五人から放たれるRPGの弾頭は、入り口を跡形もなく吹き飛ばした。
全員が弾倉を撃ち切り、入り口のあたりが天井から崩壊していく。
しかし、それでもまだ"俺の足を止めるには足りない"。
完全に入り口が潰れた時、既にホールの中には入っていた。
「馬鹿な・・・あれほどの攻撃を受けて、何故生きている・・・。お前は、二科生のはずでは・・・」
信じられないものを見ているかの様な目で、司一が言った。
事実信じられないのだろう。これ程の攻撃を耐えられるとしたら、並の魔法師ではないだろう。
ただし、それは"魔法師"に限定される。
"魔法師"という枠には収まらない"我々"には、無意味な話。
「だから言っただろう?"祈る神などここにはいない"と」
そう言って、中心にいる彼に向けて、ライフルに装着しているグレネードランチャーの銃口を向ける。
グレネードランチャーから放たれた催涙ガス弾は、彼らを一時的に行動不能にする。
その隙に、弾倉をドラムマガジンの物に装填し直し、左から掃射していく。
先ほどより少々長めに指切りしつつ、一掃していく。
弾倉の最後の一発を撃ち終えた頃には、既に司一を含め四人ほどしか残っていなかった。
しかし、百発の掃射でまだ生き残りがいるとは。少々雑に撃ちすぎたか。
そんな反省を余所に、肩に弾を食らっていた司一は怯えながら後ずさり、
「だ、誰か・・・助けてくれぇ!」
そのまま残りの生き残りと共に逃げ出し、ホール内には誰もいなくなった。
「うーん・・・。追いたいんだが、もう"追いついちゃってる"なぁ」
"眼"には、入り口のところから入ってくる達也とその妹さん、そして司一が逃げ出した裏口には十文字克人と剣術部の桐原武明が侵入してきている。
ここは、後詰めをするよりは上手く逃げ出した方がいいだろう。
それにしても、やはり時間を掛けすぎたか。しかしそれでも予想したよりは早く片付けてくれていたようだ。別に歓迎できることではないが。
通信端末を開き、待機している調整者No.1を呼び出す。
『聞こえるか、"フライデイ"』
『えぇ、聞こえます。廃工場に四名が侵入、残り二名が入り口を固めてます。どうします?』
『そいつらは放置だ。それより、指定していた目標を仕留め損ねた。廃工場から出たところを、最適のタイミングで片付けておいてくれ』
『了解しました。しかし、どうやって脱出するんです?』
『こっちで使い損ねた奴をフルに使って逃げ出すさ』
『分かりました。一応先ほどの駐車場に迎えを寄越しておきます。御武運を』
その言葉を最後に、通信が切れた。
これで、一応は仕留めてくれるだろう。
「さて、ではあいつらにばったり会う前に逃げ出すか」
そうぼやきつつ適当な窓を開け、外に出る。
出来るだけ音は立てなかったはずだが、流石に先ほどまでの銃声が消えうせてるのだ。達也たちはともかく裏口組に関しては急いでいるはず。早めに逃げ出すに限る。
隠していたバイクのところにまで隠れながら近寄り、入り口のところを覗き見る。
入り口を抑えているエリカとレオはまだ、こちらには気づいていない。お互い何かしら話している。
恐らくは素性を明かさない限り、ただでは通してくれない。
ならば、少々手荒に行くのみ。
先ほどブランシュ相手にも使った催涙ガスを、彼らに向けて打ち込む。
素早く装填し、計三発の催涙ガスは彼らの視界を潰すには十分のものだ。
彼らがもがいてるうちに素早く隠していたバイクに乗り、エンジンを起動させる。
しかし彼らも伊達に"彼"とつるんでいない。素早く立ち直りこちらに向かってくる。
エンジンを発進させると共に、彼らにもう一つ"プレゼント"を投げつける。
使いそびれた、閃光手榴弾。
彼らの目前で炸裂したそれは、たとえ事前に目を瞑ったとしても確実に数秒は視界を奪い、炸裂音は例え耳を塞いでも一時的には相手を行動不能にさせる。
その隙に、アクセルを全開にして彼らの横を通り抜ける。
「あっ、待て!」
一番再起動が早かったのはエリカだった。素早く自己加速術式を展開し追いすがろうとする。
しかし追いかけさせるつもりもない。走りながら下に催涙ガス手榴弾を転がす。
すぐにガスが撒き散らされ、エリカの足を止める。
「くぅ、嫌なことばかり・・・!」
しかしエリカがガスの撒かれた場所を迂回しつつ追いすがろうとした時には、既にバイクは魔法込みでも徒歩では追いつけないところまで逃げおおせている。
これで、難関は抜けた。
後の始末は、待たせている
ってことで敵対しませんでした。
最後のエリカ達に関してはちょっと描写難しかったんで補足しておくと、まず最初に催涙ガス弾を素早くリロードしつつ三発撃って、煙とガスで目を一時的にでも潰した後にバイクを取り出してエンジンかけて、そのまま発進すると。そんで顔を認識できる距離になる前に閃光手榴弾を投げて目を再度潰し、その間に横を抜けると。
で、レオは馬鹿正直に引っかかってるのに対してエリカは対策をきちんとしていたらしく、追いかけてくると。
んで、走りながら下に催涙ガス手榴弾をまた転がし、今度はエリカの手前で爆発させると。
そんで入れなくしてその間に距離稼いでそのまま逃げた感じです。完全な奇襲だったので二人ともいい感じに対応できてないと考えてくだされ。
【追記】投稿してから気づいたがタイトル付け忘れた。修正した。あとブランシュのところがエガリテになってました。そこも修正しました。本当に雑な仕事ですみません。
次回、達也回。ちょっとシリアスっていうかミステリーな感じで行きたい。日付変わってからの投稿になるかも。
あと、16巻の感想をちょっと吐き出したいので、10行くらい間空けてから言います。まだ読んでねぇですって方は気をつけてください。
16巻はどう突っ込めばいいの?って感じですね。なんか四葉の恥部を見た気分で仕方がない。
今までシリアスな意味でぶっ飛んでる思考してるなとは思っていましたが、完全にギャグ方面にもぶっ飛んでる気がしてならなかった。
・・・んで、一条はなんなの?見栄なの?好きな子が取られて悔しいの?今までのシリアスさえも吹っ飛んだ微妙な空気が更に台無しなんですが。
・・・本当にたぶん読んでて話に付いていけなかった。別に悪い意味じゃないんだけどね?いや、真面目に。大真面目に。