魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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十六巻発売されましたね。皆さん買いましたか?私は買えました。予約したところで。

今日はちょい短めかも。
そんでもって、やっとまともな戦闘が始まる。魔法科の時代からしたら旧時代的なのだろうが。


第二十四話~開幕~

【Saturday,April 23 2095

  Person:operator4  】

 

 

 

 

「・・・討論会がそろそろ始まった頃か」

 

 

 学校内での事態の進歩を知るのにそう手間はない。

 例え、場所が離れていたとしても。

 

 現在いる場所は、ブランシュ日本支部のある、廃工場からバイクで十分先のところにある、駐車場。

 そこから100mほど先の建物の屋上には、狙撃手として来てくれた調整者No1が廃工場を監視している。

 

 

『で、どうだ"フライデイ"。"蜂の巣"から何か出てきたか?』

 

 

 何時もはコマンドを使ったパスを連絡手段として使う。その方が諜報される心配が確実にないからだ。

 しかし、今回の場合むしろそこそこの"形跡"を残しておいた方が楽になる。

 だからこそ、名詞を伏せつつ携帯端末で連絡を取っていた。

 

『今トラックが出ましたね。恐らく十五分で学校には到着するでしょう。運転手でも撃ちますか?』

 

『いや、それは泳がせておけ。あいつらが学校を襲ったという"事実"が必要なんだ』

 

『では何のために私は呼ばれたんです?"ハイクアッド"殿?』

 

『まぁ、逃げ出す奴の始末だな。後は前に教えた指定目標がそっちに言った場合はソレを最優先で始末ってぐらいだ。さて、そろそろ"行くかね"』

 

『準備はあっちでするんです?』

 

『当たり前だろ?一般人の目は誤魔化せないからなぁ』

 

『まぁそうでしょうね。何かしら変化があったら報告します』

 

『了解。じゃ、先に地点に移動する』

 

 その言葉を最後に一旦通信を切り、バイクで移動を始める。

 

 

 

 十分後、目的の地点に到達する。

 廃工場の正門には見張りはいなかった。それとも、元から"罠"として用意してあるつもりなのか。

 工場内にバイクを乗り入れた後、適当な場所に隠し、積んであったバックを開く。

 

 

「これだけの"重装備"、使うのは何時振りだろうな」

 

 

 中に入っているのは、何時ものスーツの内側に身につけるための高性能な"防弾チョッキ"に、多人数相手に"手間取らずに"済むだけの武装。

 まだ21世紀初頭の頃に米軍に配備されていた、今では軍内部では精々近代化改修をしてやりくりしているレベルの、屋内向けに銃身を短くした、カービンライフル。

 下部のマウントレールにはグレネードランチャー。使う弾頭は通常弾頭に、催涙ガスを使用する類のもの。

 ライフルのマガジンは通常マガジンが五つに、100連装ドラムマガジンが三つ。

 サイドアームに、9mmのハンドガン。

 

 更にグレネードは殺傷能力のあるものの他に、一時的でも広範囲を無力化できる閃光手榴弾や催涙ガス手榴弾も揃えてある。

 

 これだけの火薬と武器を使った場合、"我々自身"が来たというより、"我々の手足が来た"と思われるだろう。そう錯覚してくれるとありがたいのだ。

 そして、何よりも"あまり手間取るつもりもない"。さほど時間をかけずに終わるだろう。

 

 

 バイクの携帯端末から、連絡が入る。

 

 

『学校内では既に戦闘が始まっています。やはり人目につくぐらいに派手ですね』

 

『やはり警告は無視か。ならば、往くとしよう。"フライデイ"、この工場から"一人もメンバーを逃すなよ"?』

 

『了解しました。御武運を、"ハイクアッド"殿』

 

 その言葉を最後に、通信が切れる。

 

 

 後は、死刑宣告のみ。

 

 既に司一の電話番号は手に入れている。彼に情報端末から電話を掛ける。

 5コールの後、彼が電話に出た。

 

 

『・・・誰だ?』

 

『先日お前の義弟に"警告"を伝えてやった者だ』

 

『奇妙なことを言っていた風紀委員は君だったのか。で、一体何をしてくれるというのかね?』

 

 まるで侮ったような様子で問いかける彼に対して、笑って答える。

 

『もちろん、俺の言うことを無視してくれたんだ。派手にやってる分、報いは受けてもらう』

 

『滑稽じゃないか!たかが二科生、それも"キャスト・ジャミングの彼"よりも魔法能力に特筆性がない君がそのようなことを言うとは!』

 

 そう笑う彼に対する返事の為に、"最後の荷物"を取り出す。

 

 

 彼らが、学校に打ち込んだのと同じタイプの、RPG-7。

 それを、鍵が掛かっているであろう入り口に遠慮なく打ち込んだ。

 爆音と共に、ドアが吹き飛んでいく。

 

 司一にとってもまさか彼が重火器を持って襲撃に来るとは予想外だったのだろう。通話口からは声こそ聞こえないものの、唖然とした様子が聞いて取れる。

 

 そこに、最後のセリフを残す。

 

 

『相手のことをよく分からずに動きすぎたな。精々、楽に死ねるように祈っておけ。祈るべき神など、ここにはいないがな』

 

『・・・っ!お前ら!何をしている!早く迎撃に行け!"彼"がこちらにおびき寄せられる前までに始末するんだ!』

 

 もはや通話しているという事実すら忘れているのだろう。慌しく人の動く音が聞こえる。

 

 苦笑しながら、通話を切る。これで、宣告は済んだ。

 

 

 さて、"我々に歯向かうとどうなるか"を魔法師に教える時間だ。

 




さて、ブランシュvsオリ主+αとの戦闘が始まりました。
思いっきり魔法科には似合わないぐらい火薬マシマシですが、理由がないわけではありません。
単純に彼の魔法師としての実力は二科生レベルで、それなら銃などの火器を使った方が早く、強力な魔法師を持っていないエガリテの日本支部に対してはハイパワーライフルよりは旧世代に造られたカービンライフルぐらいの方が応用が利くってだけです。


まぁ、結局のところオリ主は普通の攻撃とかほとんど効かないのでナメプでも別に勝てるわけです。そこらの奴相手だったら。

なお、コールサインに関してはフライデイ→Friday→"F" ハイクアッドはHighquad→"H"igh"Q"uadってな感じにしてます。これで察してくれたらありがたい。

次回、銃撃戦。化け物による蹂躙が、始まる。はず。

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