魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

13 / 123
オリ主が久々に黒スーツを着ます。
そして話が始まってから始めてまともに煙草を吸います。

もちろんオリ主は今は高校生なだけで年齢とか訳わからん桁になってますから違法じゃありませんよ?


第十話~密談~

【Monday,April 4 2095

  Person:operator4  】

 

 

 

 

『 第一次調査報告

 

 名前:司波達也

 父親:司波龍郎

 母親:司波小百合*ただし正確性に欠ける。別途資料参考

 兄弟姉妹:司波深雪(妹)

 

 中学時代は優等生として過ごす。現在魔法科高校の高校生だが、FLTのモニターを勤めている。

 

 推測:パーソナルデータに関しては疑う余地こそないものの、出生関連に偽造された形跡あり。追加調査が必要と思われる。』

 

 

 

「表向きは稼げるアルバイトをやっている高校生、か。だがかなり高度に隠されてるな。これ程の隠蔽スキルを持つところはまさに政治部分にかなり食い込んでる所だろうな・・・。」

 

 入学前は常日頃から着ていた黒スーツを身につけ、煙草を吸いながら"彼"を待つ。

 何故サラリーマンのような格好をするのかと冷戦時に言われた事があるが、むしろ目立つ格好をする方がいろいろ支障が出て来る。ただの"人間"で俺たちのことを知っている者達はいつも俺たちが椅子の上に座って指示を出すだけの人間だと思っているようだが、そんなことが出来るのは人間社会を調整する時だけだ。

 

 それに、案外着てて落ち着く。気が引き締まった感覚は案外重要なものだ。

 

 

「何でもまずは初めが肝心。初動でミスをするとずるずると事態が長引いていく・・・。

 

                        そうは思わないか?達也」

 

「無駄話をしたいわけじゃない。早めに用件を済ませたい」

 

 

 待ち人は、やってきた。

 流石に制服で来ることは無かったようだ。春用の私服を着ていた。

 

「そう急かさなくても話は長くなるかも分からん。ちょっとした小話ぐらいは構わんだろう?」

 

「話のスケールが大きくなかったらまだいいがな。それと、未成年は喫煙禁止だぞ」

 

「許せよ。こう見えて高校に入る前は"仕事前には何時も吸ってた"」

 

 空気が張り詰める。

 今俺が言ったことは"高校に入る前は裏の仕事に就いていた"というような物だ。

 そして、それが理解できるということは恐らく彼も"裏側の人間"なのだろう。

 ただ、今の状態で敵対する気はないが。元々対抗できる手段がないのだ。

 

「そう怖い顔するな。呼んだのは俺だが、聞きたい事はいくつかあるんだろう?答えられるかどうかは分からんが、とりあえず言ってみろ」

 

 そう質問を促すと、彼は一番疑問に思っていたであろうことを聞いてきた。

 

「・・・空き缶を"消した"あの力、あれは一体なんだ?」

 

 それに対してはまさしく乾いた笑みを浮かべることになるのだが。

 

「それこそ答えられない質問ってやつだ。ただ、口外してくれるな?すでにある程度の場所には漏れてるだろうが、心配するな。"揉み消せる"」

 

「どうだかな。条件次第、だろうな」

 

「心配するな。お前の家族に手を出すつもりはないよ。"今のところはな"」

 

 もちろん本当の事ではあるのだが、そもそも手を出すほど"彼"の家族に異常はない。外交バランスを崩壊させかねない場合はその限りではないが、まずそもそもの目的は"彼"自身だ。

 

「・・・じゃあ、何が目的なんだ?」

 

「"あまり派手なことをするな"。たとえ世間にばれないようなことでも、だ」

 

 本来ならこんなことをいう前に消しているのだが、生憎彼は"コマンドで消せなかった"。そうなると物理的に殺すのが選択肢に入るが、まさか"24時間間隔をほぼ開けずに殺し続ける"なんてことができるはずもない。太陽を地表に持ってこない限りできる話ではない。しかもそんなことを実際にやったとしても"太陽を分解されかねない"。まったくもって迷惑な話だ。

 

「・・・それだけ、なのか?」

 

 もっとも彼にとっては意外な要求だったらしく、表情こそあまり変えないものの拍子抜けといった様子だったが。

 

「それだけだよ。もしお前が"派手なこと"をした場合取り返しがつかないことに成りかねない。そうなったら誰も後始末なんぞ出来ないんだ。"力に責任を持て"」

 

「言われなくても分かってる。それだけが目的で呼び出したのか?」

 

「まぁ、半分はこれさ。ただ、もう半分。聞きたいことがこっちにもあってな」

 

 大きく息を吐き出す。これを聞いて事態が悪化しなければいいのだが。

 

「お前、どこまで自分の"力"を把握している?」

 

「・・・どういう意味だ?」

 

「そのまんまだよ。一番怖いのがお前が自分の力を"完全に把握してない"ことだ。別にお前に助力するつもりもないから"視た結果"は言うつもりはないんだがな。こっちでわかるのはお前が"眼"の力に関しては理解してるってことだけだ。他には何を把握してる?」

 

「言うと思うか?味方かもわからん奴に」

 

「既にお前が知っている以上に把握してるんだ。隠したって無意味だぞ?・・・もし信用できないっていうなら、ヒントをくれてやる。"分解"はできるんだろう?」

 

「・・・やはり"視えていたか"。」

 

 ほぼ情報のタダあげのようなものだが、彼の反応からするとどうやら"分解"は理解しているようだ。

 どこまで理解しているかは、まだわからないが。

 

「・・・俺は"分解"と"再成"を魔法演算領域に常駐している。"分解"の効果は知っているだろう。"再成"は名前の通りだから省くぞ。ただ、回復するためのエイドス遡及上限は二十四時間。再成が無限なのは"ダメージの規模"だけだ。"分解"も"再成"も干渉力はかなり上だ」

 

「・・・なるほどな」

 

 やはり、すべては理解していないか。

 具体的な値はいいのだが、能力の一つを"誤認している"。

 ・・・まだ決定的な改変が起こるものでもないだけ、救いか。

 

「とりあえずはわかった。わざわざ呼び出して済まないな」

 

「話は終わりか?案外あっさりとしているもんだな」

 

「そりゃあそうさ。お互い"全ては語れない"」

 

 背を向け、吸い殻を携帯灰皿に入れる。

 今回は、どちらかと言ったら吸った方だった。

 

「俺が言ったことをよく覚えておけ。"派手なことはするな"。それを破ったとき、果たしてお前の家族が無事かどうかは、俺にはわからん。まぁ、別に魔法師の内輪だけで済む範囲ならいくらでも構わんがな」

 

 そう言って、公園を去っていく。

 

 

 "彼"は、きちんと含む意味を理解しただろうか?

 まだ、仕事は終わらない。

 

 




やーっと最初の密談が済みましたね!自分はもはや満足です。
オリ主は本当に伏線をばら撒きながら釘を刺すことしかできないからどうしても遠回りになってしまいますねはい。まぁまさか達也にすべてを話すことなんぞまぁ最低でも8巻の範囲まではありえませんな。

次回、主観なぞない。たぶん日付が変わったら投稿する。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。