魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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あいも変わらずログは最短。


第二章六.五話~不知~

【log:Friday ,July 6 2096

point:34N135E   】

 

 

 

 

 

「・・・もう夜も遅いし、早速要件に入らせて貰うよ」

 

「慌ただしくてすみません。車を待たせているものですから」

 

「お気になさらないでください。お帰りの間際にお時間を割いて頂いたのは、重要なお話が有るからなのでしょう?叔父様」

 

「そうなんだよ。今日は泊まる予定にしていなかったからね。

 

 

要件というのは、今年に九校戦で行われようとしている実験の事なんだ」

 

「スティープルチェース・クロスカントリーを実験として計画されているP兵器の性能試験の事ですね」

 

「P兵器の事を知っていたのかい?」

 

「コードネームと、触りだけですけどどの様な兵器かという事も。パラサイトを利用とした兵器なのは分かっているのですけど・・・」

 

「・・・詳しいね。正式名称は"パラサイドール"だよ」

 

「・・・パラサイドールの実験に関する調査報告です。どうぞお使いください、深雪お姉さま」

 

「ありがとう、亜夜子ちゃん」

 

「・・・どこでパラサイドールの事を知ったんだい?てっきり、ここに来たのはそれを調べる為だと思っていたんだけど」

 

「少々複雑な事情でして。ここへは、先の車両爆発事故と今回の件が関連するかどうかを調べる為に来ました」

 

「そうか。いや、なら良いんだ。それに、完全に無駄骨と言う事も無いみたいだ」

 

「兵器の詳細な情報は持っていなかったので。ありがとうございます」

 

「大丈夫だよ。

 

・・・呼び出して済まなかったね。失礼ながら余り時間が無いので私たちはこれで失礼するよ」

 

「達也さんによろしくお伝え下さい」

 

「えぇ。では、また今度」

 

 

 

 

「亜夜子、真夜様から何か聞いていたかい?」

 

「いえ・・・」

 

 

 

「・・・此方が提供するまでも無く、パラサイドールに関して触りだけでも知っていた。彼の情報網から考えて、国防軍からか?どの道、深雪ちゃんでも知っていたと言う事は、真夜様にも情報は渡っている筈だ」

 

 

「・・・ご当主様が、意図的に情報を伏せたと?」

 

 

「可能性は十二分に有る。しかし何故・・・。もし、真夜様が何某かを起こそうとしていて、それを隠す為に敢えて"分かっていた事を調べさせた"のだとすれば・・・」

 

「・・・」

 

「・・・亜夜子、帰った後、少し他の分家の方々と話してくる。文弥にも、そう伝えておいてくれ」

 

「はい。・・・もしかして、達也さんの事ですか?」

 

「大丈夫。亜夜子達には、何一つ背負わせはしない」

 

 

 

「あの"業"を背負うのは、大人だけで十分だ。その為なら、たとえ四葉本家に逆らう事になったとしても」

 

 




四葉分家がざわつき始めます。今作では分家の方々もストーリーの根幹に関わって来ます。

さて、次回。今までシリアスだったし偶にはボケを入れる予定。

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