魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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久しぶりのlog式。文字数かなりギリギリだけどご勘弁を。
なお同時投稿なので次話もあります。


第二章四.五話~言質~

【log:Friday ,July 6 2096

point:35N138E   】

 

 

 

 

 

「・・・やっと彼らも重い腰を上げた、という所かしらね?」

 

「直接の諜報工作で"私達"(四葉)を使うのはこれが初めてですか」

 

「えぇ、彼らはまだ私達を信用してはいない。けど、魔法師関係の事に手を出すには"彼ら"の力は足りない。そうなると、"私達"(四葉)を使わざるを得ない」

 

「これも、奥様の思い通りという事でしょうか」

 

「えぇ。彼らは周公瑾を目標とした監視を命じた。これで、私達は気兼ねなく七草や九島の事を探る事ができる」

 

「不都合が起これば"彼ら"自身がカバーにも入る。そして、得た情報は此方でも有用に使える、と」

 

「えぇ。"彼ら"は些末な事では動かないけど、動く時にはその手足にさえ十全に機能する様カバーする。単独でやるよりはリスクが桁違いに低くなるわ。そして"彼ら"の基本スタンスが中立である以上、今回得た情報をカードに七草や九島を揺さぶる事も可能になる。九島も七草も周公瑾絡みの事は絶対に他に知られてはいけない程の物。それを使えば、私が全てを終わらせる頃に立っているのは、四葉のみになる」

 

「・・・奥様が考えていらっしゃるのは、達也殿の事でしょうか」

 

「よく分かったわね。達也さんを完全に抱え込めたら、"彼ら"も私達を重用せざるを得ない。そうすれば、"四葉"にはもう誰も叶わなくなる。問題は、達也さんを抱え込む前に他の十師族の方々が横槍を入れてくる可能性がある事ね。それに、分家の方々も達也さんに対して良い感情を抱いてはいない」

 

「分家の皆様の事も考えるとそれは致し方のない事でしょう。出来るならば軟禁させておきたいと思うのは至極当然の流れかと」

 

「そうね。だからこそ、達也さんには頑張って貰わないと。P兵器や周公瑾の件で活躍すればするほど、周りからの横槍は少なくなる。そして、全てが解決したら全てが手遅れになっている」

 

「成る程。では周公瑾について調べる様、黒羽の方には」

 

「えぇ。尤も、私達の裏にいる"彼ら"の存在を悟らせないようにね。もし分家の方々が"彼ら"の存在を知れば、どう動くかは全く予想がつかなくなる。協力的になるなら良いけど、是が非でも達也さんを表舞台に出さない様動く事さえ有り得るわ」

 

「畏まりました。では、失礼致します」

 

 

 

「・・・更に気掛かりあるとすれば、"彼ら"の事。私のやる事に、気づいている可能性は少なくない。だけど彼等に、それに対する行動は見受けられない」

 

「・・・"烏"は、何処まで見えているのかしら」

 

 




という事で真夜側の意図を描写しました。
お兄様息子宣言までに七草、九島の発言力を削ぐ為のカードを欲していて、オリ主の周公瑾に関する命令によって後ろ盾を得た為嬉々として行動すると言った所です。オリ主が上にいる分、見通しも遠い物になっている為、今回は七草と九島を同時に相手をして尚優勢と言えるわけです。

次回、連続投稿でのオリ主回。お騒がせします。

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