魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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初めてなので長文作成能力がありません。悪しからずお願いします。


第一章
プロローグ~事の始まり~


【Monday,March 7 2095

  Person:Operator4 】

 

「...ここが"バグ"の発生位置か」

 

 一人の男が"ある高校"を見詰める。

 国立魔法大学付属第一高校。

 現在は入学審査が行われているであろうその建物の近くで、"黒スーツの男"は一人で状況を整理していた。

 

「これ以上のエリア検索は不可能、対象特定の為の精密検査をするためには最低でも対象を視界にいれ、かつ半径50m以内に入らなければならない・・・。潜入して特定するにはこの高校は"大きすぎる"」

 

 タバコに火をつけ、しばし思案する。

 

(・・・やはり調べ上げる為にもまずは学校関連の身分が必要だな。出来れば教師枠が一番いいが、"我々"の影響力ではどう足掻いても無理か。となると、)

 

 彼は手を視界の中心へ持って行き、横にスライドさせる。

 携帯のロック画面を解除するように行ったその動きは、しかし"常人"に対しては何の変化も見えないように見える。

 だが、"彼ら"に関して言えば、ソレは別であるし、また必要な行動でもあった。

 なぜなら、"彼ら"には"管理権"があるのだから。

 

『/command call "moderator" "all"』

 

 数秒と待たずに"彼ら"との間にパスがつながる。

 

〔moderator1:どうしました?"管理者"殿。〕

〔moderator2:何か御用でしょうか?現在"調整者"の中で自由行動可能なものは1,9,10の3名となってます〕

〔operator4:今回の"バグ"のエリア検索が終了、恐らく関係者は国立魔法大学付属第一高校に関連する人物だ。人数が多すぎる為、潜入の為の身分を作る必要がある。手を回せるか?〕

〔moderator9:時期が遅すぎます。"バグ"であるなら早期の発見、処理が必要ですが流石に教職員レベルの権限は無理です。10,そちらの方は?〕

〔moderator10:同じです・・・が、潜り込むだけなら方法がないわけではありません。〕

〔operator4:というと?〕

〔moderator10:"生徒"としてならぎりぎり身分は用意できるでしょう。もちろん、行動可能な範囲はかなり狭いでしょうが〕

〔moderator3:確かに。我々は"管理権"を持つ代わりに魔法師としての能力にまわせるスペックは平均以下だ。確かあそこの制度だと・・・〕

〔moderator10:えぇ、二科生になると思われます〕

〔moderator1:時間を掛けすぎると無意味です。自分は"広域消滅処理"を提案します。〕

〔operator4:影響が大きすぎる。まだ有害かどうかも分からない状況ではまだソレを行うだけの価値がない。10,"入学そのもの"は可能なんだな?〕

〔moderator10:能力それそのものは"二科生"を中心としてみれば平均レベルです。問題ないかと。〕

 

 "管理者"と呼ばれているその男は、再度思考を巡らす。どちらが、より最善かを。

 そして、出た結論は一つ

 

〔operator4:ふむ、ならば多少の不便は目を瞑るべきだろう。10,こちらの身分関係の書類を作成した後、入学工作を完了させろ。他の"調整者"は可能なレベルで足並みを揃えろ。〕

 

 10までの全ての"調整者"の了承の返事の後、パスが切れる。

 

「さて、"河原借哉"の名前を使うのは数十年振りか・・・"意外と短いな"」

 

 常人が聞けば疑う言葉。まず彼は"名前を使うのが数十年ぶり"と言った。その上、それを"意外と短い"と言った。

 普通ならばそのような状況に陥ることさえ有り得ないということもあるが、まず彼の見た目はどう見ても"二十歳のそれ"にしか見えない。

 

 そう、"普通ならば"。

 

 

 彼は、否、彼らは"普通でない"。

 彼らはずっと見てきたのだ。

 この世界の成り立ちを。この世界の歴史を。

 全ては"創造主の作り上げた世界を維持するため"。その為だけに、彼らはこの世界に存在している。

 他の、"一定の寿命しか持たない仮面"達とは違って。

 

「全く、"創造主"様はこれだけ完璧な世界を作り出して、バグは残すのだから始末が悪い。その後処理のために我々が生み出されたのだろうが・・・」

 

 男はただ火をつけただけでさほど吸いもしなかったタバコをしばし見詰めた後、携帯灰皿にしまい、その場を後にした。

 

 

 

 もし、この世界がただの"まやかし"だと知ったら、人々はどうなるのだろう。

 混乱するのか?疑問を覚えるのか?自由を求めて戦うのか?

 

 否。たとえまやかしだと知っても、人々は何時もどおりに生き続ける。

 たとえまやかしだとしても、彼らにとってはそれこそが自らが生きる世界なのだから。

 今日もまた人々は生き続ける。

 ほとんど自覚することもなく、"創造主"に心を、自我を見られながら。

 

 

 




思いっきり自己満足で書いているだけの代物です。
世界観としてはパソコンを例にすると分かりやすいです。世界に住む一般人はPCでいう一般ユーザーで、彼ら管理者や調整者はadministrator権限を持つユーザー。創造主は実際にPCを使っている人間ってところです。

主人公をはじめとする管理者(今のところは河原以外を出す予定はないけど)や調整者(名前未定)は"世界を操作する権利"管理権を持っています。どこぞの作品で言うと、魔法科の魔法を"魔術"とするなら、彼らが持つのは"魔法"に近いのでしょうか?

ですが、彼らに与えられた能力は最高峰ですがその管理権が大半を使用しているので魔法領域や想子量など、優秀な魔法師としての能力はありません。彼ら自身が今までの歴史上でありとあらゆる才能を身につけていった分、逆に魔法師としての才能を身につけるほどキャパがないです。

彼らの武器は"管理者権限"のみ。強いようで目立つから使いどころに困る、そんな能力(の予定)を武器に魔法科の世界を駆け巡る!

そんなSSに出来れば、いいなぁ

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