オリ主と第六駆逐艦隊   作:神域の

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0-9 愛すべき馬鹿達

 (パチッ)・・・目が覚めた、朝だ、皆おはよう!・・・何?昼かもしれないし夜かもしれない?知るかっ!俺が目を覚ましたから朝に決まってるだろ!!

 

 ゆっくりとベットから起き上がり窓を少し開ける。すると外の冷たい風が部屋の中に入ってくる。外の新鮮な空気を数回吸い込み窓をすぐ閉める、だって寒いもん。外は誰もいないらしく非常に静かだ・・・

 今日から俺は変わる。そんな気持ちが寝る前から胸の中で暴れて少ししか寝れなかった。・・・・・・ところで、貴方は覚えていますか?俺は覚えている、貴方が忘れても俺だけは覚えている。そして視線をベットに向ける・・・

 

 ちなみにこの部屋には2段ベットが二つあり俺と雷が下、暁と電が上だ。実は上下を決めるときひと騒動あって、どうしても上がいいと言う三人がジャンケンバトルを繰り広げた。もう分かるだろうが負けたのは雷。これが問題で雷は俺が来る前も下で寝てたらしく嫌だと半泣き。そんな雷を慰めるために俺は必死に下の良さを熱弁した。

 

 ・・・おっと、話がそれてしまった。俺はやらなければならない事があるんだ・・・・・・!!

 

「(すうっ)さっあっおっきってっ♪みんなアユレーディー♪」(ゆさゆさゆさゆさ)

 

「はにゃぁあああ!なんですっ!一体なんなのです!?」

 

「(ニッコリ)おはよう、電。いい朝だね」

 

「・・・朝?・・・・・・ほえっ!響ちゃん、まだ夜中の2時なのです!!」

 

 知ってる。さっき時計見たもの。それより電、大きな声出すと皆起きちゃうよ?普通の人は寝てる時間だから静かにしないと。

 

「耳元で大きな声出した響ちゃんに言われたくないのです!!」

 

「・・・電、うるさいわよ・・・静かにしてよね・・・・・・」

 

「うぅ・・・なんで響ちゃんは電を起こしたのですか・・・?」

 

 ささやかなお返しです。でもそれを言うと嫌われてしまうかもしれないのでニッコリと笑って誤魔化す。

 

「ううう、響ちゃん、電はもう寝ますね・・・?」

 

 布団をかぶってしまった・・・それにしても寝れない、こうなったら深夜の鎮守府を探索しますかねっ!!

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 静かな夜の鎮守府・・・かすかに聞こえる波の音・・・普段なら賑わっているであろう場所もこんな時間じゃあ誰も居ない・・・そして誰も居ない場所をただ一人、肩で風を切り歩く俺・・・・・・まるで、この世界が自分の物になった気分だ・・・。

 

「いやっほぅ!!テンション上がってキタ━(゚∀゚)━!ヤバイ、むしろバイヤー!フハハハハ!!もはやこの私を止めることはできんっ!!」

 

 夜遅くまで起きてると変なテンションになるよね!こう、街灯の下で動くと残像が見えるんだよ!凄い早くなった気分!!

 

「ほぉ、アタタタタタタタァ!北斗百烈拳!!・・・お前はもう、死んでいる・・・」

 

 もう凄い、残像が凄い!次は南斗水鳥拳を習得しよう!(何も習得してません)

 

「ヒョゥ・・・シャオ!シャオ!!ああ、俺強い!「夜ってサイコー!!」」

 

 ・・・ん?なんか俺とセリフが被ったような・・・?俺はまだ通っていない道の先を静かに見つめる・・・・・・

 

 (・・・・・・タタタタタッ)誰か居るっ!?この先に誰かがいて、その誰かはこちらに向かってきているっ!!スタンド使いは惹かれあう・・・そういうことか・・・・・・(スタンド使いじゃないです)

 

 何が起きても対応できるように腰をおとし静かに構える・・・これでも喧嘩は強かった方だ、一対一じゃ負けなしな位には・・・・・・見えた!!オレンジの服を着た少女の姿が、予想はできたことだが彼女は川内。何よりも夜が好きという夜戦バカ。この時間に出歩けば出会うのは必然だったか・・・・・・

 

「あっ!この時間に出歩いてる人がいるなんて珍しいじゃん。貴方何してるの?」

 

「・・・フッ。愚問だな、私は支配者なのだよ・・・いま、この場は、私のためだけに有るッ!!」

 

「あ~、なるほど。そうゆう事か・・・けど残念だったね、私がいた事が貴方の最大の不運。今、この場で絶対的なのは貴方じゃなくて私。嘘だと思うなら試してみる?」

 

 一触即発・・・冷たい風が二人のあいだを通り抜ける・・・・・・

 

 最初に動いたのは俺。間合いを一瞬で詰めて右こぶしで脇腹を狙う。川内は俺のスピードに驚愕しながらも脇腹を狙った攻撃を避ける。だがこれは予測済み。俺の本命は左だ・・・川内が避けた時に出来た隙を逃さぬべく素早く左を振り抜く・・・

 しかし川内も予想をしていたのか俺の迫る左を右手で流す。今度は俺に出来た隙を川内は逃さず、彼女の膝蹴りが俺の腹に吸い込まれる。

 

「ごふっ!!・・・できるな。私に一撃いれたのは貴様が初めてだよ・・・・・・」

 

「そりゃどうも。貴方もそれなりに出来るみたいだけど、それじゃあ私にはかなわないよ?」

 

「誰が本気を出したと言った・・・まあいい、その生意気に敬意を払い、私も真面目にするとしよう・・・」

 

「え~なに。本気を出せば私に勝てると「遅い!」 っ!!」

 

 今度はさっきより早く間合いを詰める。それでも川内は反応して俺に拳を放つ・・・がそれは悪手だよ、言っただろ?真面目にやると!俺は川内の拳が放たれると同時に後ろに回り込む!!

 

「へっ?マジ?消えた!?「後ろだ、間抜け!」え?嘘!!」

 

 川内の腹に俺の拳が入る・・・それでも川内は体制を崩さず後ろに飛び距離をとる・・・・・・

 

「・・・ちょっと本気で驚いたよ。今のはどうやって後ろに回ったの?」

 

「ミスディレクション、手品にも使われている初歩の初歩さ。・・・前にね、かじったんだよ、才能がなくてやめたけどね・・・・・・だが差が出てきたな。もう飽きた、次で終わりにしよう・・・・・・」

 

「凄い、確かに貴方は支配者にふさわしい・・・・・・でもね?本気を出していないのは私も同じ。言ったでしょ、貴方の不運は私がいたことだって。貴方は私に敗れて支配者をやめる事になるのよっ!!」

 

 本気を出してないっていうのは嘘じゃないらしい・・・その証拠に川内の顔にさっきからあった笑みが消えた。

 

「面白い!俺の必殺の一撃を受けてみろっ!!」

 

 今までの中で最速、そこに渾身の一撃を込める!単純だが一番効果的で破壊力のある攻撃。その速さは残像がでるほど・・・俺の攻撃は川内も反応ができないほどで一撃が決まる。

 ・・・勝った!そう思ったが違和感を感じる・・・・・・。その正体はすぐにわかった・・・一撃を放った右腕が掴まれているのだ。

 

「・・・貴方は早い。まともに戦ったら攻撃を当てられないくらい・・・・・・だから、こうするしかなかった。貴方の攻撃をわざと受けて私の一撃を絶対に当てるために!!」

 

 川内が叫ぶのを俺はただ見てるしかなかった・・・そして拳が顔に当たる。俺は後ろに飛び地面を転がった。

 

「どうよ!これが夜戦の申し子、川内様の実力よっ!!」

 

 高々にそう言う川内を見て俺は思ったことがある・・・・・・

 

 

 

   『超面白かった!!』

 

 俺はむくりと起き上がって『川内さん』に近づく。そしてガッチリと握手。

 

「いやー、まさか乗ってくれるとは思いませんでした!!」

 

「いやいや、私もここまでやるとは思ってなかったよ!!」

 

 二人してアハハハハと笑う。そうなんだ、ゴッコ遊び。もしかしたら乗ってくれるかな?って思ってたら余りにも乗りが良すぎて白熱してしまった。ちなみにだが、攻撃はもちろんゆっくり。当たっても全然痛くないです。

 

「ねえ、貴方なんて名前なの?もしかして噂になってる特型駆逐艦?」

 

「ハラショー!!響っていいます、よろしくお願いします」

 

「響ね。うん!貴方とはすごく気が合うなぁ!!ねえねえ、響はどこの部隊に配属になったの?もし決まってなかったら長門秘書艦にお願いしてみよっかなー!」

 

 背中をバシンバシン叩かれる。痛いっす、痛いっす川内さん。しかし、ここまで本気で馬鹿やったのは久しぶりでスゲー楽しかったな!

 ・・・ん、ふわぁ・・・・・・急に眠気が来た。上を見るとあれだけ暗かった空が明るくなり始めている。

 

「ん~・・・朝か。それじゃあ響、私も眠いからそろそろ戻るよ。また一緒に遊ぼうね!今度は妹達も連れてくるよ!」

 

 バイバーイ!!と言って川内さんは嵐のように駆けていった・・・俺は思わずにはいられない。妹さん方、ご愁傷様です。・・・あっそうだ!!俺も今度電を連れてこよう、そうしよう!!

 流石に少しくらい寝ないと今日に響きそうなので俺も早く戻るとするか。今日から俺はレボリューションするのだ!!

__________________________________________

 

「響、電、フラフラしてるけど大丈夫?もしよかったら肩、貸すわよ!」

 

「・・・ハラショー」「・・・なのです」

 

「いや、三人とも会話になってないから・・・・・・」

 

 眠い。お子様ボディに徹夜は辛かったようだ・・・しかし、なんで電もフラフラしているのだろう?

 

「・・・響ちゃんのせいで目が覚めて寝れなかったのです・・・・・・」

 

「・・・ハラショー」

 

「ねぇ、さっきから響がハラショーしか言ってないんだけど、なんで二人は言葉がわかるの?」

 

「(ぼそぼそ)・・・なのです」

 

「ええ、任せて!!私がいるじゃない!!」

 

 いえ、わかってないですよ暁さん。雷さんのオカンスキルが発動してるだけです。・・・そんなやり取りをしていると食堂に着いた。ちなみに今日は時間に余裕があります。

 

「・・・朝カレーってスパイスが体を目覚めさしてくれるらしいよ」 Pi!

 

「・・・なのです」 Pi!

 

 俺と電はカレーの食券を手に取り、奥に進む。後ろでは暁が「響が喋った!」と驚いていた。解せぬ・・・。

 

 

 

 

「そうだ!皆は飲み物は何にしたの?私はオレンジジュースにしたわっ!」

 

「・・・牛乳、なのです」

 

「(あっ、忘れてた・・・)私はレディらしく、紅茶にしようかしら」

 

「コーヒー、ブラック」

 

「「「・・・え!?」」」 「ん?何か変なこと言った?」

 

「響はコーヒー飲めるの・・・?」

 

「うむ。黒は好きじゃないがね、今日はしょうがない」

 

 ブラックコーヒーって苦くて好きじゃないんだよね、その代わり眠気が吹っ飛ぶんだよ。砂糖とミルクを入れたコーヒーなら大好きです。

 

「・・・私も、ブラックコーヒーにするわ!」

 

「やめとき、暁ちゃん・・・あれは子供の飲み物じゃないよ。せめて砂糖とミルク、持っておいで・・・」(おばあちゃん風)

 

「カチーン!私は響のお姉さんなのよ!何も入れなくてもコーヒーくらい飲めるわ!」

 

 あー、逆効果だったか。まっ、飲めない暁を見るのも楽しそうだなっ!

 ずず・・・・・・・・・・・・

 

「・・・響、どうしたの?なんか様子が変だけど・・・」

 

 ・・・・・・やばい。予想の数倍苦い!これはブラックで飲める濃度じゃねえ!!頑張れ俺!ここは皆が食事をする所だぞ、吐き出しちゃいけない・・・飲み込め、飲み込むんだっ!!・・・・・・ごくんっ。

 

「・・・おえっ。雷、これ無理だわ。砂糖とミルク取ってくるよ・・・・・・」

 

 席を立とうとした時、空席に座る一人の人物・・・彼女の名は暁・・・・・・そう!ブラックコーヒーを持って帰ってきた、あの暁だった・・・・・・じゃねえ、やめるんだ!それはミルクを入れてもキツイ!!

 

「なによ、もうっ!暁は子供じゃないんだから!!」

 

「違う!ガチな奴だから!フリじゃないから!!俺も飲めないから!!」

 

 そう言うと「響も子供ねー」と言ってコーヒーを呷る暁・・・そんなにガッツリいったらアカン。それはコーヒー好きな人もやらない・・・そして、暁の動きが止まる。これは席を離れたほうがいい、そう雷、電にジェスチャーすると二人は『こくん』と頷き、席から二人立ち上がりその場を離れる・・・

 

「・・・間に合った、嵐の前のってやつだな。あれは・・・俺も出しそうになった、正直、あの量は希望が見えない・・・・・・」

 

「ごめんね、暁・・・私、何もできなかった・・・だから、せめてここから応援するね・・・」

 

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・あれ?電は?」」

 

 さっき居た場所を見ると暁がプルプルしてた・・・あれはもう爆発する、一目みて分かってしまった。そして、その前で『こくんこくん』してる電・・・・・・アイツ、船漕いでやがるっ!!

 駄目だ!助からねえっ!!そう思った瞬間――――

 

「ブーーッ!!ゴホッおえっ・・・響のバカァ、なんでこんなの飲ませるのよぉ・・・」

 

(ポタポタ・・・)「・・・・・・はにゃあ!苦っ!何、苦っ!!凄い苦いのです!・・・苦っ!!」

 

 そこにあったのは・・・嗚咽を漏らす暁と、ひたすら苦っと連呼する黒い液まみれの電だった・・・・・・

 ・・・良かったね電。眠気が飛んで・・・それに暁が吹き出したコーヒーなんてロリコンから見たらご褒美じゃないか・・・まあ、電はロリコンな訳ないのでご褒美でもなんでもないが・・・・・・




損害報告書

電 服大破

頼んだ朝食達 轟沈

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