オリ主と第六駆逐艦隊   作:神域の

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0-8 目標を決めるには知識が必要だったり

 泣いた、久しぶりに泣いた、それも二回さらに人前で・・・けど一回目とは違って今は泣いてスッキリしている。

 いつの間にか赤城が俺にお茶を淹れてくれたらしく今度はちゃんとお礼を言って口に流し込む。美味しい、泣いて喉が渇いたからかゴクゴク飲める。飲んだあとにご馳走様を言うのも忘れない。社会人にとって礼儀は最低限のマナーなのです。・・・さっきまでそんな事も忘れていた俺が言えるセリフじゃないが・・・・・・

 

 そして先ほどの決意を胸に、最後まで諦めないと誓うために今、目の前に居る二人に聞かなければいけない事がある・・・・・・

 

 

 

 

「頑張って認めてもらうって決めたのは良かったんですが、何を頑張ればいいですかね?」

 

 うん、根本的に駄目な事を聞いてるのはわかってる。分かってはいるが艦娘歴一日の俺じゃあどうすれば認めてもらえるかさっぱりわからない・・・あれか、夜戦で鬼とか姫を沈めればいいのか?でもなぁ、出撃ないっていってたしなぁ・・・

 

「・・・はぁ・・・そこから?貴方は此処に何しに来たの?」

 

「えっ!?えと、えーっと・・・・・・ゴメンナサイ、ワカリマセン」

 

「あの、響さん?此処に来た時に提督に何か言われてませんか?遠征とか哨戒任務とか・・・」

 

 最初、最初ってあれだよな、提督室入って迎えがどうこうだよな・・・・・・詰んだっ!何も聞いてねえ!!あれってただの自己紹介じゃなかったの?・・・よく考えれば喋ってねえよ、自己紹介以前の問題だった・・・一番上の上司に無言貫くとか無礼なんてレベルじゃない、謀反だよ謀反・・・・・・

 

「ははははは、何も聞いてなかったです。ごめんなさい・・・」

 

 さっきからお二人の苦笑いや唸り声が止まらない・・・ホントにごめんなさい。すると赤城がポンと手を叩きこちらを向いた。

 

「そうだ!響さん演習とか勉強を頑張ればいいんですよ!そうすれば皆凄いって褒めてくれますよ!」

 

「ゴメンナサイ、私はまともに水上を移動することもできないのです・・・・・・」

 

 そう、演習に参加したからといって、まともに移動できた訳ではないのだ。誰もが滑るように水上を移動する中、一人だけ『普通』なら陸でするような全力疾走をしていた。滑るように移動すると足が開き水面とこんにちはするのだ、なので足が滑るより早く次の足を出す・・・って、俺ってば海の上走れそうじゃね?

 

「まさかと思うけど兵装はちゃんとあるのよね?」

 

「それなら大丈夫ですよ加賀さん!!午前中頑張って出せるようになりました!!」

 

「・・・響さんもしかして、兵装を起動させるのは今日が初めてですか?」

 

 これはもう出来るので自慢げに頷いてみせた。するとどうだろう、二人は顔を見合わせて何か小声で話始めた・・・何を話しているかほとんど聞こえない、ところどころ「まさか」「でも」と聞こえるくらいだ。

 

「・・・ねえ一つ聞いていいかしら、貴方は本当に艦娘なの?」

 

 予想してない事に核心突いてきやがった・・・・・・なんて言おうか迷う・・・真実を話すか誤魔化すか・・・・・・話してみようかな、もしかしたら受け入れてくれるかもしれない。

 ・・・よし!話そう!!俺は変わると決めたのだから・・・!!

 

「あか「加賀さん、いくらなんでもその冗談はないですよ。響さんもそう思いますよね?」

 

「・・・加賀さんも冗談を言うんですね、予想してなかったので面食らってしまいました」

 

「・・・そうよね、ここに普通の人がいるわけないもの。でも、私だって冗談くらい言うわ」

 

 駄目だ、これは言えない空気だ・・・俺は周りの空気に人一倍敏感で、これ一つで社会の荒波をのらりくらりと交わして生きてきたのだ。

 今この場で――――実は響の中身は一般の男なんです。なんて言ったら、こんなつまらない冗談くらいサラっと流せよ、と総スカンを食らうに決まっているのだ・・・・・・

 

「ああ、もうこんな時間ですね。響さんはまだ大丈夫なんですか?」

 

「流石に帰らないとマズイかもです、暁たちに心配かけたくないですし」

 

「そう。なら、もう帰ったほうがいいわね」

 

「加賀さんったら、またそんな言い方して・・・響さん、私達はいつでも貴方の味方ですから何かあったら頼りに来てくださいね?」

 

「・・・はい。お世話になりました、それとさっきはホントにすみませんでした。お茶、美味しかったです、ご馳走様でした。」

 

 ペコリとお辞儀をして顔をあげる。すると加賀さんと目が合いお互いにじっと見続ける。少しすると加賀さんは薄く笑って「それじゃあね・・・」と一言いうと中に戻ってしまう。このままだと埒があかないから名残惜しいけど俺も戻ろう、暁達の所へ・・・

 

「それじゃあ・・・失礼します。今日はありがとうございました」

 

 そう言って後ろを向き歩き出す。すると後ろから「また一緒にお茶しましょうね!いつでも待ってますから!」と聞こえてきた。・・・足が止まりかけ涙が滲む、なので「はい!」と大きく返事をして早足で歩く。

 

 

 

 

 ・・・・・・しばらく歩いて冷静になった。別に明日会おうと思えば会えるんじゃね?と。

 

「やぁぁあああ!恥ずい!これは恥ずい!やっちまった!明日ばったり会ったらどんな顔すればいいの!?教えてエロい人!!」

 

 場の空気に流されるのは時に良くない、そう思った瞬間だった・・・・・・

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――――響がいなくなった直後の頃――――

 

「そういえば赤城さん、別れ際にしばらく会えないと思えるようなやり取りをしてましたけど、べつに明日会おうと思えばいつでもあえるんじゃないですか?」

 

「・・・あっ。・・・ああ!どうしよう加賀さん!明日響さんと会ったらなんて言えばいいでしょうか!!」

 

「落ち着いて、赤城さん!大丈夫、多分大丈夫ですから!会ったとしてもケロッとしてれば問題ないですよ!!」

 

「恥ずかしい!加賀さん今はこっち見ないで!一人にして、お願いだから!!」

 

 

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 あれから数分歩きやっと部屋の前に着いた。・・・扉を開けるのが少し恥ずかしい、皆にどうしても言いたいことが出来たんだ・・・・・・そうやって扉の前でまごまごしてると部屋の中から声が聞こえてきた・・・・・・

 

「響ったら遅いわね、なにしてるのかしら?」

 

「もしかしたら響は迷子になってるかもしれないわ!」

 

「はわわっ!それは大変なのです!早く探しに行かないと!!」

 

 迷子って・・・それは無いよ、中身いくつだと思ってんだ20過ぎてんだぞ、・・・まあ人生が迷子どころか性別も迷子になりましたけどね・・・・・・さっきまで色々考えてたのがバカらしくなったので普通に入ることにする。

 

 (バガァン!!)「あれ?ドアが開かないのです!?早く響ちゃんを探しに行かないといけないのに!!」

 

「ああっ!電、そんな開け方したからドアが壊れちゃったんじゃない?」

 

「・・・待って電、雷。私の気のせいじゃなければ少し開いたドアの先に白いの見えない?」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!!」

 

 顔が!顔がぁっ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!(ジタンバタン)

 

「あっ、開いたって響ちゃん!?そんなところで顔を抑えて転がって何してるのです!?」

 

「~~~~~!~~~~~!!」(ドアを指差し)

 

「?ドアがどうしたのです?」

 

「もしかしてだけど電が思い切り開けたとき顔をぶつけたんじゃない?」

 

 そう、それ!雷正解!!(指をピッ)

 

「今のは私も分かったわ!それであってるって意味でしょ?」

 

 あってる、あってるけどまず先に助けて!!鼻血がドクドク出て息ができない!!

 

「はわわわ!響ちゃんごめんなさいなのです!!」(ゆっさゆっさ)

 

 やめて!揺らさないで! おえっ・・・気持ち悪くなってきた・・・

 

「・・・う、う■○□●、✖□△■○▽●、✖□△■○▽●、✖□△」

 

「キャアアアア!!響が吐いたぁぁああ!誰か!だれかぁ!!」

 

(ガチャ)「そこの皆さん、少しうるさいですよ。大声を出すと皆に迷惑がかかりますよ?」

 

「神通さん!!ちょうど良かったわ!!響が大変なの!助けて!!!」

 

「へっ?響って昨日来た娘の・・・って、凄い事になってるじゃない!誰か!!誰か来て!!」

 

 うぅ、やっと息ができるようになった・・・死ぬかと思ったぞ、まだ鼻血が止まらないから何とも言えないけど・・・・・・

 

「・・・にゅうきょ・・・入渠ドック・・・・・・」

 

「っ!そうでした、皆さん!この子を早く入渠ドックに連れて行きましょう!」

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 ようやっと連れてこられた入渠ドックに服を着たまま投げ入れられる。出た時間は5時間ちょっと・・・今が7時くらいだから、わぁい!あがれるのしんやだ~!

 

「・・・暇だ。誰もいねえ、することがねえ・・・・・・ゲロったから腹も減った」

 

 暁達は俺が放った直下型爆雷を片す為に行ってしまった・・・汚い事させて本当に申し訳ないと思っている。

 

「ひーまーだー・・・虚しい、今から5時間とか何すればいいの?むしろナニをすればいいの?」

 

 しないけどね、今日ので懲りましたよ・・・すると脱衣所の方からガサゴソと音がしてきた。

 

「やべぇ・・・このシチュエーション、ラブコメの主人公になったみたいだ・・・・・・」

 

 よくあるよね、主人公が風呂入ってると実は女湯だったとか!

 

(ガラガラ)「わぁ!貸切ねぇ、うふふっ!」

 

 なんで貸切と思われてるかって?服着たまま、どぼーんなんだよ。ちなみに今も服を着てます。しかしでけえ・・・ 何がって?タンクだよタンク・・・誰に言ってるんだろ、血ぃ流しすぎたか?

 

「ふふふ~ん♪ふふふ~ん♪ふ~ふふ~ふふ~ふふ~ん♪」

 

 ご機嫌に体を洗い始めました。そういえば疑問があるんだが、なんでアニメなんかのキャラは頭じゃなくて体から洗うのが多いんでしょう?不思議。

 

 ・・・うっわ、すげえ。片腕で持ち上げながら洗ってるよ・・・何がって?タンクだよタンク、言わせんな恥ずかしい。えっ?反応が薄いって?そりゃそうさ、幼女と違って圧倒的に背徳感が足りない。もちろん、おっぱい大好きですが何か?

 

(ガラガラ)「愛宕待った?」

 

「あーっ高雄ちゃんおそ~い!」

 

 はい、一名様追加です。あっちもデカけりゃ、こっちもデカイ。あそこの一角だけおっぱい天国になってますね。おっ、洗いっこですよ奥さん・・・・・・おいおい、そんなのここじゃなくてR18でやれよ。

 ・・・何してるかって?背中洗い終わったから今度は前を洗いっこしてるんだけど、お互いのタンクがデカすぎてぶつかるんだよ。するとさタンクが右に左に、上に下にで大暴れなんだよ!この光景はロリコンの俺でもハラショーと言わざるおえない!そして全てのおっぱいにスパシーバ・・・・・・

 

「・・・んっ!ちょっと愛宕、変なとこ触るのやめてってば!」

 

「あーっ!高雄ちゃんエッチな声出してる~。いやらし~」

 

 なん・・・だと・・・!?まだ上があるのか!?これ以上は不味いんじゃないか?・・・いやむしろR15の限界を見るのも定かではないのか!?そして俺はなんでR15とか考えてるんだ!?

 

「いやっ!・・・もうっ!愛宕・・・やったわね!?今度は私の番よ!大人しくしなさ~~い!!」

 

「きゃ~~!!エッチな高雄ちゃんが襲ってくる~!」

 

 しかしだ、よくもまぁ誰が来るか分からないとこで、あんな事するよなぁ。・・・俺もこんな風に如月に見られてたのか・・・アカン、首釣りたくなってきた・・・・・・

 

「あんっ!高雄ちゃんの手つきが・・・ふぁ!・・・やらしい!」

 

「うふふっ!どう?参った?謝れば許して・・・あ・・・・・・」

 

 おっ、目があった。とりあえず会釈するか。 軽く頭を下げると向こうも軽く頭を下げてくれた、やっぱり挨拶って大事だよね。

 

「?・・・高雄ちゃんどうしたの?今度は私の番かしら!!」

 

「待って、愛宕・・・あそこに誰かいるわ・・・・・・」

 

「嘘・・・本当だ・・・・・・ね ねぇ、貴方はいつからそこに居たの・・・?」

 

「えーと、貸切の件からは余裕でいましたね」

 

「最初からじゃない!!なんで?入るときには脱いだ服はなかったわよ!!」

 

「ああ、それならホラ・・・おr・・・私さっき怪我しちゃいまして、服ごとどぼーんです」

 

 二人に着ている服を見せる。今、気づいたけど着替えってどうなってんだ?濡れたまま帰るのは嫌だなあ。すると高雄が近づいで話し始めた・・・

 

「ねぇ?今見たことは喋らないでほしいのですけどお願いできますか?」

 

 いや、言う気ないからいいけど・・・っ!! いいこと思いついたぞ!これなら俺もハッピー!二人もハッピーでアタイったら最強ねっ!!

 

「条件が二つあります・・・ひとつは私の入渠が終わるまで、話し相手になってください。それと服がこんなですから着替えを用意してくれますか?条件を飲んでくれたら何があっても喋らないと約束します」

 

 二人はひとつ返事で了解してくれた。いやー良かった良かった、一人じゃ退屈過ぎて死んじゃうよ。話してると最初は警戒されてたみたいだったけど仲良くなれて良かったぜ!




損害追加報告書

 響 顔面大破に近い中破

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