オリ主と第六駆逐艦隊   作:神域の

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本当なら2-2の続きの予定だったけど長くなったので分けました。
さあ、ブッキーのターン!!


2-3 オリ主と主人公と夜戦馬鹿 Wバカご乱心編

[吹雪視点]

 

 

「――――どうしよう・・・・・・暁に小言をゴトゴト言われるぅ」

 

 深夜の特訓が終わり、川内さんと響ちゃんと私の三人で部屋に戻っている時に響ちゃんは思い出したかのように呟いた。

 

「あー、どうしよう・・・・・・ねぇ、どうしたらいいと思う?・・・ハイッ!ブッキィィイ!!」

 

 ・・・えっ!?私!?というか、いつも思うけど響ちゃん唐突すぎるよ・・・・・・

 

「えと・・・暁ちゃんに事情を説明すればいいんじゃないかな?」

 

「ブッブー、違います。正解は適当な感じに言い訳こいて、何か言われる前にエスケープするでしたー」

 

「響ちゃん・・・私に聞いた意味あった・・・?」

 

「だってさ、つまんないんだもの。ブッキーの答え。もっとほら・・・ケツにブースター付けて空飛んで逃げるとかあるじゃん」

 

 無いよ・・・そんな答え・・・・・・。

 

「・・・そういえば私も神通に早く戻ってこいって言われてた・・・・・・うわー、これ絶対何か言われるなぁ」

 

 って、川内さんもですか!?

 内心、私はこの二人は似たもの同士だな、と思っているのを知らず、二人は「「いえーい、仲間だー」」と握手を交わしている・・・・・・。

 そんなやり取りをしていると響ちゃんと分かれる所が見えてきた。

 

「・・・じゃ、俺こっちだから。ブッキーは教室で、川内さんはまた会えたら会いましょー」

 

「うん!響ちゃん、今日は特訓に付き合ってくれてありがと!また後でね」

 

「響、私も耐えるから響も耐えるんだよ・・・」

 

「・・・うっす。・・・あっ!ブッキー、貸1、貸1だかんな!絶対返せよ!ローン返済もOKだから!」

 

 見えなくなるまで絶対だから!と言い続けた響ちゃんを見送ると、途端に静かになり寂しさがこみ上げてくる。

 今日また、教室に行けば会えるのになあ・・・・・・。

 寂しさを紛らわせようと川内さんに目を向けると、川内さんもさっきまでの笑顔は無く、なにか考え事をしている様だった。

 そして川内さんは思いつめたように口を開いた・・・・・・。

 

「ねぇ吹雪。吹雪はさ、響の事をどう思ってる?」

 

 それはさっきまでいた響ちゃんの事だった。

 もしかしたら川内さんも響ちゃんと分かれて私と同じ事を思ってるのかな・・・・・・そう思った。

 

「・・・いや、正確には響のパンツの事なんだけど」

 

 ・・・違った。パンツだ。パンツの事だった。

 そうだよっ!!川内さんは響ちゃんと似たもの同士だって思ったばっかりだよ!!

 けどさ!?なんで思いつめた顔でパンツの事考えてるんですか川内さん!?

 

「響ちゃんのパンツ・・・ですか・・・・・・」

 

 私自身、喋るときに顔が引きずったのが良く分かった。きっと今の私の顔は酷く歪んでいるだろう。

 

「もしかして吹雪は事の重大さを分かってないの!?吹雪も見たでしょ!?響のパンツ!!」

 

「確かに見ましたけどぉ――」

 

「じゃあ分かるでしょ!!悔しくないの吹雪はっ!!」

 

「うぐっ・・・」

 

 実は川内さんが言おうとしていたことは分かっていた。

 私も響ちゃんのパンツを見たとき思うことがあったのだ。

 そして・・・自信を失った。

 

「あの・・・失礼なんですが・・・川内さんも、ですか?」

 

「『も』って事は吹雪もなんだね・・・・・・」

 

 川内さんの言葉に私は何も言い返せない。

 川内さんもまた思うことがあるのだろう、それ以上は何も言わずただただ廊下を進む。

 ・・・そして少し歩いた所で私達の中に積もりに積もった、ある感情が爆発した!

 

「・・・なんで、なんであの響があんなパンツ履いてるのよっ!!おかしいでしょ!?」

 

「そうですよね!?なんであの響ちゃんが薄ピンクであの・・・その・・・セクシーな下着をっ・・・・・・」

 

「私なんて・・・私なんてあんな大人っぽい下着、一枚も持ってないわよ!!」

 

「おかしいですよね!?だって響ちゃんですよ!?あの全然女の子っぽくない響ちゃんがですよ!?」

 

「しかも聞いたでしょ吹雪!響はあの下着をわざわざ外出許可を貰ってまで買いに行ったって」

 

「私の下着なんて鎮守府の購買ですよ!なのにどうして響ちゃんは・・・・・・」

 

「・・・実はさ、前に神通が「姉さん?姉さんもそろそろ可愛い下着の一枚や二枚持っててもいいんじゃないですか?」って言っててさ・・・・・・なんで私は神通の言ったことを聞き流しちゃったんだろうって」

 

「・・・私達って響ちゃんより女の子っぽくないんですかね・・・・・・?」

 

「・・・やめよう吹雪。これ以上私達の傷口に塩を塗るのはやめよう・・・・・・」

 

「・・・そうですね」

 

 響ちゃんの話題の後は私達の周りに重い空気が漂い、口を開く事ができなかった。

 決定的敗北。そんな言葉が頭に浮かぶ。

 ・・・負けた。響ちゃんに負けた。それもあの響ちゃんに無縁そうな『おしゃれ』という部門で!!

 特訓終わり間際に、ち○ぽち○ぽ言って腹抱えて爆笑してたあの響ちゃんにっ!!女の子らしさでっ!!負けたっ!!

 

「ふ、ふふ、ふふふふふふ」

 

「ふ、吹雪?」

 

「川内さん」

 

「な・・・何?」

 

「今度、一緒に下着を買いに行きませんか・・・・・・?」

 

「あ、あぁ・・・いいよ・・・」

 

 決めた・・・私は決めた・・・・・・。私は、響ちゃんより可愛くてセクシーな下着を買う!!

 ・・・買うとしたらどんなのがいいかなあ。やっぱり黒?・・・でも黒はちょっと恥ずかしいような・・・・・・。

 

「――ぶき!!吹雪!!」

 

「はっ!!何ですか川内さん」

 

「いや、吹雪部屋通り過ぎてる」

 

「・・・・・・ホントだ」

 

「それじゃあ私はこっちだから。しっかり休んで夜に備えておくんだよ!!」

 

 川内さんはそう言って部屋に戻ってしまった。

 ああ、今日の夜も特訓か・・・・・・。

 とは言え、川内さんは私の為を思って言ってくれてるんだから期待に応えなきゃ駄目だよね!!

 よーし!絶対に強くなって、いつかきっと赤城先輩の護衛艦になってやる!!

 

「ぇぃぇぃ、ぉー」

 

 まだ朝早いので小声で掛け声を揚げる。

 護衛艦になるにあたって初めに目指すは『打倒!響ちゃん』だ!

 正直、響ちゃんは普段の演習内容からしてとても練度が高く、前に睦月ちゃん達が最強の駆逐艦だと言ってたのが良く分かる。

 でも同じ駆逐艦なんだもん、きっと私だって特訓すれば強くなれるよ!

 その為には今日の夜にまたある深夜の特訓に備えて、少しでも眠って体調を整えなきゃ。

 

 そう思い、自分の部屋の扉を開けると、開けた先に神通さんが居た。

 ・・・・・・あれ?ここって神通さんの部屋じゃないよね?

 自分の部屋に入ったつもりが違う部屋だったのかと混乱していると神通さんはこちらに目を向けてきた。

 

「あら、吹雪ちゃん。こんな朝早くに何処行ってたの?」

 

「おはようございます、神通さん。あの、さっきまで川内さん達と特訓してまして。神通さんはどうして此処に?」

 

「実は私も吹雪ちゃんに特訓してみないかって誘いに来たのだけど――」

 

「・・・ごめんなさい神通さん」

 

「いいの。吹雪ちゃんは悪くないんだから。ところで吹雪ちゃんは今から寝るところなの?」

 

「はい。今日も川内さんが特訓をしてくれるらしくて」

 

「それで姉さんは起きた時に居なかったのね。・・・吹雪ちゃん?あまり無理をしちゃ駄目ですよ。姉さんにも夜遅くまでやらないように言っておきますから。・・・後、まだ時間があるからシャワーでも浴びて汗を流して来たらどう?吹雪ちゃんあちこちに砂が付いてるから」

 

 神通さんに言われ自分の体を見ると服のいたるところに砂が付いていた。

 そういえばたくさん転んだもんなぁ。

 このまま寝ちゃったらベットが汚れちゃうよね・・・・・・。

 

「あ、あの!神通さん、特訓のお誘いを受けられなくってごめんなさい。後、神通さんの言った通り砂が付いてるので少し流してきますね」

 

「いってらっしゃい吹雪ちゃん。また今度一緒に特訓しましょうね?」

 

「はいっ!!」

 

 

 

 

 

 という訳で浴場にやってきたんだけど、こんな時間じゃ誰もいないよね・・・?

 となるとお風呂は私一人ってことか・・・・・・貸切かぁ、ちょっと楽しみかも!

 私は戸をゆっくりと開け「・・・おじゃましまーす」と言って、さあ中に入ろうと足を動かそうとした時だ。

 

「ハラショォォォォ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」ガラガラ、ピシャン

 

 ・・・・・・今、何かが私の前を滑る様に横切った・・・・・・。

 あれってひび・・・違うね!そうだよ、きっと私が寝ぼけて見た幻覚だ。そうに違いない。

 ・・・さーて、早く汗を流して少しでも寝ないとなー。このままだとまた変な幻覚が見えちゃうよ。

 私は、一回深呼吸して戸にある取っ手に手を掛ける・・・・・・。

 どうか、どうかこれ以上私に変な幻覚を見せないでくださいっ!!

 そしてもう一度、戸をそっと開ける。

 

「やっほぅぅぅぅ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・」ガラガラ、ピシャン

 

 ・・・・・・今度は・・・・・・川内さんだった・・・・・・。

 川内さんの幻覚が私の前を滑って横切った・・・・・・。

 駄目だ。私疲れてるんだ。お風呂入ってる場合じゃない、早く寝ないと死んでしまうかもしれない。

 そんな事を思っていた時、私の目の前にある戸が勝手に開く。

 

「・・・ったく、誰かが戸を開け閉めしてると思って見てみればブッキーじゃねえか。何してんの?」

 

「やっぱり幻覚じゃなかったんだね・・・・・・響ちゃんは何をしてたの・・・・・・?」

 

「ん、実はな、朝早いと誰も風呂入らんだろ?だから川内さんと一緒に風呂場の床に石鹸塗りたくってどっちが早く滑れるかチェイスしてた。・・・ブッキーもやる?」

 

 そう聞いてくる響ちゃんの後ろでは川内さんが「おっ、吹雪も汗流しに来たの?」と、近寄ってきた。

 

「ははは・・・私はいいや・・・・・・。早くあがって勉強の準備をしないといけないし」

 

「ちっ、ガリ勉が。しかしなぁ、勉強なぁ、嫌だなぁ。んー川内さん、俺って勉強向いてないっすよね?」

 

「響は全くもって勉強に向いてないよっ!!」

 

「ですよねー」

 

「「HAHAHAHAHA!!」」

 

 ・・・・・・駄目だ、二人のペースに飲まれるとどんどん時間を消費してしまう。

 こうなったら早いとこ汗を流してとっとと上がってしまおう。

 

「・・・っあ!待て吹雪!!今は床が「ぎゃんっ!!」滑る・・・か・・・ら・・・」

 

 痛いっ!!それに床がヌルヌルして滑るっ!!立てないっ!!

 

「・・・遅かったか、待ってろブッキー、今お湯で流すから」

 

「うぅ・・・お尻が痛い・・・立てない・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・何?響ちゃん」

 

「いや、床の上で四つん這いになってツルツル滑ってるの見てると・・・・・・新種の生物を発見した人ってこんな気持ちなのかなって」

 

「あははははっ!!」

 

「笑わないでくださいっ!こうなったのも二人のせいなんですよ!!」

 

「はは、悪い悪い。そう怒るなブッキー」

 

 響ちゃんはそう言うと私に手を差し出してくれた。

 手をとって立ち上がると響ちゃんはいきなり私の頭をワシャワシャと撫でてきた。

 

「お詫びに頭洗ってやるから機嫌直せ・・・なっ!」

 

 ・・・・・・響ちゃんはいつもそうだ。

 響ちゃんは何時だって楽しそうに笑ってる。

 今もそう。私は怒っているのに響ちゃんはそうなって欲しかった様に笑ってる。

 

「もう・・・次に変な事言ったら怒るからね」

 

「了解了解。それじゃパパッと流して上がるとしよー。ブッキー行くぞー」

 

「待って響!響が吹雪の頭を洗うとしたら、私の頭は誰が洗うの・・・・・・!?」

 

「・・・・・・自分で洗えよ」

 

「言ったなぁ響ぃ!覚悟しろ!」

 

 そして追いかけっこが始まった。響ちゃんは笑いながら川内さんと追いかっけこをしている。

 しているんだけど・・・・・・。

 

「私を盾にするのはやめてよ・・・・・・」

 

「ふふ・・・。この盾はいい盾だぜ。これで響の防御が格段に上がった!!川内よ、突破できるかな?この鉄壁をっ!!(意味深)」

 

 いま、響ちゃんが言った言葉がなんか突っかかった。

 

「くっ・・・なんて鉄壁(意味深)・・・・・・。けど、私の正義の鉄拳はそんな鉄壁(意味深)を軽く打ち砕く!!」

 

 ・・・川内さん、鉄壁って言う時、なんで私の胸を見るんですか?

 もしかして響ちゃんも川内さんも鉄壁ってそういう意味で言ってるんですか?

 二人共あるからね?ちょっとだけど、ちゃんとあるから!鉄壁じゃないから!

 

「無駄無駄・・・・・・この鉄壁はガチガチ(意味深)、とても川内さんの手では打ち破れんよ・・・・・・」

 

「さっきから響ちゃん、私は鉄壁でもガチガチでも無いよ!!」

 

「やって見ないとわからないよ?もしかしたら、そのガチガチな鉄壁(意味深)を簡単に破る事が出来るかも」

 

「無視!?川内さん、ガチガチじゃないです!鉄壁でもないです!ちょっとだけどありますから!柔らかいですから!」

 

「「・・・・・・ふーん」」

 

 あれ?なにか不味い事をい言ったかな・・・?そう思ったときには遅かった。

 響ちゃんは素早く私を後ろから羽交い絞めにし、こう言った。

 

「しゃあオラァ!川内さん捕まえました!やっちゃってください!俺の分も!俺がやると色々とアレなんで」

 

「離して響ちゃん!?待って川内さん、なんで手をわきわきさせてるんですか!?」

 

「それはね吹雪・・・調べるんだよ、吹雪が鉄壁かどうか・・・・・・」

 

「はは・・・・・・冗談・・・ですよね?」

 

「ふふふ」

 

「離してぇっ響ちゃん!「無理」いや本当に!川内さん来てるから!!」「諦めろ」

 

「ふふ吹雪・・・覚悟ぉぉおお!!」

 

 そう言って川内さんは手をわきわきさせながら近づいてきた。

 私は悟った。逃げられないと。




Sさん「これからに期待ですね」
Hさん「大きくなあれッ・・・・・・!!大きくなあれッ・・・・・・!!」
Hさん「ぐす・・・うぅ・・・お嫁にいけない・・・・・・」

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