機動戦士ガンダムSEED⇔(ターン)   作:sibaワークス

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PHASE 18 「重力下のアスラン」

『頭が重い――なぜかカガリを思い出すのは、甘えているからだろうか? それとも』

 

 

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 犬がいる――と、遠目から見れば、誰もが思うだろう。

 エイプリル・フール・クライシスの影響で、土地から離れられない事情を持つ者や、

 先住民の血を引く人間以外がすっかり居なくなってしまったシベリアでは、

 野生化したハスキー犬が、群れを成して歩く姿が良く見られたからだ。

 

 が――、少し目を凝らせば分かる。

 犬の姿が、辺りの樹林と比べて、余りに大きいのに。

 

 それは、犬ではなかった。

 ザフトが、地上侵略の為に開発した四足歩行動物型モビルスーツ、TMF/A-802”バクゥ”だった。

 

 その付近で、ノーマルスーツを着込んだ男達が数名居た。

 極寒のシベリアでは、宇宙用の装備を使いまわした方が、ザフトには効率が良いのである。

 

 

 「例の戦艦の様子はどうか?」

  ――バクゥのコクピットの中、金髪のリーゼントに同じ色の髭を蓄えた中年の男が言った。

 目は鋭く、その口元には余裕と不敵さが自然と浮き出ていた。

 ザフトの小隊長用に用意された黒い軍服を着ており、立ち振る舞いから組織内での地位の高さをうかがわせる。

 

 「ハ! 依然なんの動きもありません!」

 外に居るノーマルスーツを着た部下が、無線で、男に答えた。

 

 「まぁ、地球(おか)へ降りてきたばかりではな。 Nジャマーの影響で、自分達が今どの辺りにいるかも大まかにしか分からんだろう」

 「仕掛けますか? ――シュバリエ隊長?」

 「フゥム……」

 男はよく手入れされた顎鬚を撫でた。

 「あれは紫電(ライトニング)の隊が仕留められず、レイ・ユウキの第8艦隊がその身を犠牲にしてまで地上に降ろした艦だ。――目的は、敵艦、及び搭載モビルスーツの、戦力評価とする」

 男――モーガン・シュバリエが部下たちに告げる。

 と、直ちにノーマルスーツの男達は雪原に姿を消した。

 

 すると、雪の中からバクゥが四機、現れる。

 「倒しては、いけないのでありますか?」

 「ハッハッハッハ!」

 部下の豪儀な言葉に、モーガンは声を上げて笑った。

 「紫電(ライトニング)が仕留められなかった獲物を、”月下の狂犬”が仕留めたというのも、中々面白くはありませんか?」

 「貴様らは、地球に来てまだ半年だ。 そういう油断は寿命を縮めるぞ?」

 「ハッ!」

 「ですが、我々はアカデミーに選ばれて、地上任務となっているのです! お任せください!」

 「……ユーラシアの連中の事も気にかかる、気を抜くなよ?」

 「ハッ!」

 

 仄暗い雪原の中、バクゥが、立ち上がる。 その姿は獲物を狙う野犬そのものだった。

 

 

 

 

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 アスランは、当てもなく、外の景色が見れる艦橋までやってきていた、。 

 

「地球か……」

 

 既に夜深いのに眠れない。

 いや、大気圏から落ちた後、眠りすぎたのかもしれない。

 ここ三日余り、少し眠っては頭痛に苛まれて目を覚まし、そしてまた眠るという日々をアスランは繰り返していた。

 

 漆黒の闇の中、時折風に吹かれて飛んできた氷が、窓に張り付いては散る様をアスランは見ていた。

 

 その光景は美しかった。

 

 「宇宙とは違うんだな……」

 同じ闇なのに、とアスランは思った。

 

 目に見える景色は暗黒、なのに質感が異なる感じがした。

 窓を眺めても、吸い込まれていくような感覚がない。

 

 ――優しい?

 いや――。

 

 アスランはその質感をどうにか言葉で表現しようとした。

 しかし、それにぴったりと思い当たる言葉が見つからなかった。

 

 「夜明け、綺麗だったな」

 あの夜明けは素晴らしかった。

 

 「カガリならなんていうかな……?」

 

 

 ――それにキラなら。

 

 

 その思考が頭を擡げたとき、また、暗く、重たい感情がアスランを包んだ。

 何もかもが、アスランを追い詰めていた。

 

 

 「アスラン! ここにいたんですね! クルーゼ大尉が整備を……アスラン?」

 ニコルが、アスランを呼んだが、その様子に思わず顔を覗き込む。

 「ゲンキカ? アスラン!?」

 ハロもコロコロとアスランの周りを回った。

 

 「――すまない、気分が悪いみたいなんだ」

 「あっ……わかりました。 クルーゼ大尉には伝えます。アスラン、未だ休んでたほうがいいですよ」

 「悪い……」

 

 アスランはニコルから顔を背けると、自室へと向かった。

 

 

 

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 ブリッジでは、クルーの面々が今後について話し合っていた。

 目下の問題は敵の勢力圏内の中で、いつまで見つからずにいられるか、ということだった。

 

 「船の排熱はブラックホール排気システムを通じて冷却されますから、熱源探査は問題ないでしょう。

  衛星からの赤外線探査さえ誤魔化せれば――レーダーが当てになんないのは、お互い様ですから」

 ダコスタがバルトフェルドに言った。

 

 「あとは、相手側がどう出るか――か、一度シッポを掴まれると不味いね」

 「ニュートロンジャマーかぁ……撤去できないんですか?」

 アスランを見送った後、ダコスタの隣で艦の状況確認をしていたニコルが言った。

 「テッキョ! テッキョ!」

 ニコルの膝の上で、ハロが飛び跳ねる。

 「コラ、そのロボットはブリッジに持ち込むんじゃない。 ――無理だな。 地中のかなり深いところにドリルで打ち込まれちゃててさ、数も分かんないんだよ?」

 「そうですか……」

 「出来りゃ、やってるさ。 電波にエネルギー、影響被害も大きいからな」

 

 

 ニュートロンジャマー。

 自由中性子の運動を阻害することにより、全ての核分裂を抑制するザフトの作った装置である。

 この装置の為に、核ミサイルをはじめとする核分裂兵器、核分裂エンジン、原子力発電などは使用不可能となった。

 

 副作用として電波の伝達が阻害されるため、それを利用した長距離通信や携帯電話は使用不可能となり、

 レーダーも撹乱される。これにより精密誘導兵器が使用不可能となり、戦争は長距離ミサイルによる抑止の時代を終えて、再び有視界接近戦闘の時代を迎えた。

 

 

 ザフトではこの通信妨害効果を活用すべく、ほぼすべての艦艇にニュートロンジャマーを搭載。

 戦闘時に稼動させるのが定石となっている。

 そして、その環境下で最も有効な兵器としてザフトが開発した新兵器がモビルスーツである。

 

 

 ――この兵器が撃ち込まれたCE70年 4月1日は、

 地球上の主要都市で通信の混乱、そして未曾有のエネルギー危機を引き起こした。

 化石燃料資源が既に枯渇して久しい、地球連合の各国政府は、地球規模で深刻なエネルギー不足が起きたことで、

 当時の地球人口の約1割、およそ10億人の餓死者・凍死者(その大部分は貧困層を主とした一般市民である)を出す惨事が起き、

 後に、エイプリフール・フール・クライシスと呼ばれる事になった。

 

 「でもさ? Nジャマーのお陰で、地球の世論はブルーコスモス以外も反コーディネイター派に傾いちゃったじゃん。

  オーブもコーディネイター嫌い、アレで増えたぜ? ザフトも随分な事やっちゃったよねぇ」

 ディアッカが言った。

 「――核ミサイルがドバドバ飛び交うよりはいいんじゃないの? あのユニウス7への核攻撃の後、核で報復されてたら、今頃地球無いぞ?」

 バルトフェルドが皮肉に皮肉で返す。

 「そりゃ、まぁ、そうですけどー?」

 「ま、このシベリアなんかも、ドームポリスだなんだって、暫くは栄えてたのに。今じゃ元の雪原に逆戻りだからね――」

 

 

 

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 「アスラン? アスラン!!」

 アスランの自室の前で、ミゲルがドアを叩いている。

 その様子を見た、イザークが声を掛ける。

 「……なんなんだ?」

 「アスランが出てこないんだよ……参ったなー、イージスの変形機構、アイツじゃなきゃわかんなくてさ」

 「――出てこない?」

 

 

 

 

 

 

 部屋の中、アスランは、おぼろげにその音を聞いていた。

 ――しかし、その音はぼんやりとした輪郭でしか掴めなかった。

 (なんだ――)

 体が動かない。

 

 (カガリ――……)

 どうしてだろうか、あの少女の顔が浮かんだきり、線が切れたように、アスランの自覚も切れた。

 

 

 

 

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 「足つきが落ちたのが旧ウルグスク――か」

 「狂犬部隊(マッドドッグ)が既に向かっています」

 「ええ……そうね、先ずは彼らに任せましょう」

 マリュー・ラミアスは執務室で、部下であるジャッキー・トノムラの報告を聞いていた。

 「脱走兵の行方はつかめそう?」

 「どうやら、先住民族(ヤクート)の集落で生活している模様です」

 「――受け入れられているの?」

 「ええ」

 「それは、皮肉ね。 ディノ委員長閣下が聞いたらどう思うかしら」

 

 マリュー・ラミアスは頭を抱えた。

 

 ザフトは既に数十名にも及ぶ脱走兵を出していた。

 

 

 アース・ショック。

 コーディネイター達が地球の文化、環境に触れることで受けるカルチャーショックのことである。

 コーディネイター達は知識では、地球を深く知っていた。

 恐らくは、地球に暮らすナチュラルの一般市民よりもだ。

 

 だが、実際に地球に降り立ったザフトの兵士達は、直に目にする地球の環境に、

 瞬く間に、今まで培ってきた価値観を破壊されてしまうのだ。

   

 ――マリュー自身にも思い当たるところはいくつもある。

 地上に降りたときの空気。 人工の大気とは異なる、無造作で、『自然』――まさにナチュラルな風。

 人造的に『調整』――コーディネイトされた環境では、到底感じられないものだ。

 

 その一撫で、彼女自身も地球という、大自然の存在を感じてしまうのだ。

 

 (未だに地球に帰りたがる第一世代が多いのも分かるけれど……まして生まれた故郷なら。けれどもこんなに根深いとは)

 

 過酷な戦場――慣れない地球という環境でのストレス。

 それが当初ザフト司令部の考えだした結論であった。

 

 しかし、マリュー・ラミアスは思うのだ。

 これはもっと、プラント――コーディネイターのアイデンティティに関わる処から起きている問題なのではないか、と。

 

 「お陰で、こちらに飛ばされてくるのは、よく言えばコーディネイターらしい。 悪く言えば、選民主義のお坊ちゃんばかり――」

 

 末端の部隊の統率にも苦労が絶えないという。

 

 「早く、ロアノーク隊長に来てもらえないかしらね?」

 

 

 

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 ザフトが数多く所有する宇宙基地。

 その一つ”ファルゲン”に程近い宙域で、ネオ・ロアノークによる新型機のテストが行われていた。

 

 「――ッ!!」

 彼の操縦するテスト機は、従来のモビルスーツを凌駕する速度、運動性能で、用意されたデコイを回避していく。

 

 デコイはスペースデブリや小惑星を模した形のバルーンで、中にはランダムに動いたり、

 こちらに接近してくるように操作されたものもあった。 

 

 「ぬおおおお!」

 

 

 しかし、ネオは巧みに操作を行い、全123のデコイを完全に回避した。

 

 「――フゥ……やはり不可能を可能にするな、俺は」

 『テスト終了。お疲れ様です。 ロー・バッテリー確認。 YMF-X000A、機能停止します』

 オペレーターからテストの終了を告げられる。

 

  ――その機体の形状は特異だった。

 足回りはザフトのシグータイプに見られる、曲線的なフォルムをしていたが、肩や胴回りは、先ごろ地球連合から奪取されたG兵器に酷似していた。

 

 敵から奪った兵器を直ぐに技術転用できる。

 ザフト脅威のメカニズムが、其処には具現化されていた。

 

 「……さすがだな」

 コクピットのネオが漏らす。

 『ハイ、3設計局が合同で開発しただけあります!』

 「そこは俺が、でしょ?」

 ネオは軽い口調で言った。

 『は、ハァ』  

 思わずオペレーターは言葉に窮してしまった。

 

 「しかし、殺人的な加速だな? 全領域での使用を想定しているとあるが、地上で使う事になればパイロットがもたんのではないか?」

 『ええ……コレだけの機体ともなれば、乗るパイロットを選ぶでしょう。 まあ、ですが、それ以前に、動力が――数分のテストでバッテリーがアガってしまいました。上層部はどうするつもりなんでしょうね?』

 「……その辺は考えがあるんだろうさ。 後、この妙なバックパックは?」 

 「それは"ファトゥム"です。 この機体でのテスト後、09Jの主兵装になる予定です。 切り離すとSFSとしても運用が可能です」

 「やれやれ……ドダイまでモビルスーツに詰め込むのか。 ディノ委員長閣下のモビルスーツ偏重主義には参るよ」

 

 ドダイ――というのは、地上でモビルスーツを直立で乗せて運べる、通称”SFS(サブ・フライト・システム)”と呼ばれる支援兵器の俗称だった。

 正式名称は”グゥル”と言い、主にジンと連動した運用がなされている。

 

 今後製作される新型兵器には、その支援兵器を内蔵してしまおうという事らしかった。

 

 

 

 ザフトは、宇宙におけるモビルスーツの圧倒的な優位性――それを確認すると、地上においても、それを実証しようとした。

 そして、それが正しいものと確認されると、地上での戦力も、ヘリや戦車などの既存兵器から局地専用にカスタマイズされたモビルスーツに変わり始めた。

 

 それには多大なコストが掛かったものの、その分の戦果をザフトに齎し、

 更には地球軍に対する心理的な威嚇を与えることに成功した。

 

 モビルスーツの既存兵器に対する優位性は、 コーディネイターにとっては自分達のナチュラルに対する優位性そのままだった。

 その観念が、ザフトという軍隊をいつの間にかモビルスーツ偏重主義に推し進めていた。

 

 しかしながら、ネオはそんな風潮を危惧していた。

 

 「モビルスーツは便利で万能だけどさ、何でもやらせる事無いんじゃないの? 却って非効率な場合もあるしさ。 人間にも向き、不向きってあるでしょ?」

 『それは努力でなんとでも出来ます。モビルスーツの運用も同じですよ!』

 「やれやれ……」

 

 努力でなんとでも出来ると思えるのは、そういう素質があるからなのだ、とネオは苦笑せずにはいられなかった。

 

 

 

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 「折角機会を与えていただいたのに、ご期待に沿えず申し訳ございません」

 「……足つきを取り逃がしたのは仕方があるまい。 アレがそれだけの船だということだ」

 国防委員長室で、アズラエルとパトリックが話している。

 「シベリアに落ちてはくれましたがね?」

 「フン、心配いらんよ……足つきはあそこから出られんさ」

 「月下の狂犬に、乱れ桜、切り裂きエド……確かに、錚々たる顔ぶれが集結しておりますしね?

  これなら、あの目障りなイージスも……」

 

 ――パトリックはアズラエルを睨んだ。

 アズラエルは気が付いていない様だった。

 

 「あの船はなんとしても沈める……それよりも今は目下の問題の事だ」

 「議長選の事でしょうか?」

 「あんなもの、何の問題でもないさ」

 「では例の――ジェネシス・システムに、NJC――ですか」

 「頼むぞ、アズラエル。 ――君やネオをこんな急な人事に付かせたのは、偏にこの為なのだからな?」  

 「お任せください、議長のご配慮、無駄にはしませんよ?」

 

 ――ヘリオポリス崩壊に伴う、ネオ・ロアノークの査問と一時的な異動。

 そして、それを補うべく召集されたムルタ・アズラエル。

 

 ヘリオポリス崩壊は予想外の事態ではあったものの、その一連は、パトリックの工作であった。

 

 

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 「イザーク?」

 フレイがイザークの部屋のドアをノックした。

 「いいぞ」

 フレイが部屋に入ると、イザークは机に座り、書物を読み、コンピューターを睨んでいた。

 

 「それ、モビルスーツの……」

 画面にはイージスのコクピットの映像と、操作方法のマニュアルが映し出されていた。

 「イザーク、貴方……」

 「――今すぐには無理でも、アレがアラスカについて、量産されるようになれば、俺のようなものでもパイロットになれる方法があるはずだ」

 「……イザーク」

 「アスランが、大気圏で撃ったのは、プラント時代の友人だ。 アイツは――もう」

 「うん……」

 フレイは、机に向かうイザークの肩に、後ろから手をかける。

 「フレイ?」

 「……私もついているわ。 イザーク。 だから――無理はしないでね」

 「俺は死なん。 ――お前を置いてはいかない」

 

 イザークはフレイの境遇を思った。

 

 彼女は自分よりも前に、両親をなくしている。

 「私も……私の想いが……」

 と、言いかけて、フレイは言葉を詰まらせた。

 

 「フレイ?」

 イザークはそんなフレイの様子に、後ろを振り返る。

 

 フレイは、そんなイザークの顔に口付けた。

 「ン……!」

 無言で、時が過ぎた。

 

 

 

 

 その静寂を打ち砕いたのは、第二戦闘配備のサイレンだった。

 

 

 

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 「本艦、レーザー照射されています! 照合! 索敵照準と確認!」

 「総員! 第二戦闘配備発令!」

 メイラムの報告に、バルトフェルドが叫ぶ。

 「なんだよ! もう見つかってんじゃんかよ!」

 ディアッカが慌てて席についてモニターを確認する。

 

 

 と、アラートが鳴り響く。

 「来たか!?」

 「第一波、ミサイル攻撃6発!イーゲルシュテルンにて迎撃します!」 

 「Nジャマーの干渉酷く! この吹雪の中の攻撃で発射位置、特定できません!」

 メイラムとカークウッドが次々と状況を伝えていく。 

 「戦闘配備発令! 機関始動! クルーゼ大尉とアスランは、搭乗機にてスタンバイ!」

 バルトフェルドもそれに答え、一つずつ指示を与えていった。

 

 「あの! アンチビーム爆雷とNジャマーは!?」

 ダコスタが叫ぶ。

 「いらんだろうが!」 

 「あッ!」

 

 地球上は常にNジャマーの影響下にあるのだ。

 先程、その話をしていたではないか。

 

 それに、ビーム撹乱幕は、ミラージュコロイドをばら撒いて起こすのだ。

 地上でそんなものを撒いても、風に吹かれれば、磁場で固定も出来ず、どうしようもないのだ。

 

 ――そもそも、地上では、大気の影響を受けて、生半可なビーム兵器は大幅に威力を減衰されてしまう事になる。

 その点では、アークエンジェルの対ビーム装甲に直接脅威となるビーム兵器は少ないであろう事は予測された。

 

 

 

 

 「どうした! イージスとスカイ・ディフェンサーのスタンバイは出来んのか!? ……何!?」

 

 バルトフェルドは、イージスのパイロットが、未だコクピットにいないという報告を受けた。

 

 

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 「スカイ・ディフェンサーはまだ出られんか?」

 「突貫でやってますが!」

 「イージス頼みか……アスランはまだ来んのか?」

 

 

 クルーゼがデッキを見回す。

 いつもなら、警報と共に飛んでくるアスランの姿が見えなかった。

 

 

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 自室のベッドで、アスランはうずくまっていた。

 (行かなくちゃ……)

 しかし、体が動かないのだ。

 頭も働かない。

 

 

 「アスラン」

 「……イザーク!」

 仕官用のコードを割って、部屋に入ってくる陰があった。 イザークだ。

 

 「乗れないのか?」

 「乗るさ……」

 「乗れないなら、俺が乗る」

 「バカ言うな……」

 「バカだと? 俺がバカな事を言っているというのか!」

 「イザークが戦いたい理由も分かる」  

 「今はそんな哲学など語っている暇はない!」

 「体が……動かないんだ」

 「頼む! ――立ってくれよ、おい! ――勝手なのは分かっている! だが!」

  

  イザークがアスランの服の襟元を掴んだその時。

 

 「……イザーク、君は下がれ。 そうして喚いていれば、気分が晴れるというものでもあるまい」

 ドアのほうから、また別の声がした。 

 バルトフェルドが、アスランを迎えに来ていた。

 「艦長!?」

 

 

 

 

 「――悪いな!」

 ドカッ!!

 「うっあ!?」 

 バルトフェルドに、いきなりアスランが頬を殴られ、ベッドから落ちる。

 

 「何を!!」

 「悔しいか!」

 「――ッ! なんでッ!」

 「悔しいなら、今回だけはイージスに乗ってくれ! 俺は悔しい、ユウキ提督を助けられなかった」

 「ユウキ提督――」

 

 そうだ――俺は――。

 

 「……俺だって!!」

 

 アスランは立ち上がる。

 「キラも……」

 と、小声でアスランはうめいた。

 「自分で決めた事だったのに――」

 アスランのヒザが震えている。 

 

 (アスラン・ザラ――)

 あの大気圏の戦い……あの戦いがこの少年を、更に傷つけてしまっているのが、痛いほどバルフェルドには分かった。

 

 

 「……乗れそうです。 ありがとうございます」

 

 「――アスランッ!!」

 

 イザークが、言葉にならない何かを言いかけた。

 アスランは無言でデッキに向かった。

 

 バルトフェルドはイザークの肩に手を置いた。

 彼らにも、彼らの戦いがあった。

 

 

 

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  コクピットに着座したアスランは、息を抑えた。

 体の不調――精神的な処から来ているものであるのは、アスランも自覚していた。

 だが、その重みを堪え、アスランはイージスの操縦艦を握った。

 

 「大気圏用には調整してある! 動けるはずだ」

 「ああ……!」

 ミゲルの説明にアスランは応じた。

 

 「……おい、アスラン、大丈夫かよ?」

 アスランの疲弊した様子に、画面越しのディアッカも、思わず顔をしかめる。

 

 「――行くさ、アスラン・ザラ……イージス、出る!」

 ディアッカの目は見ないようにして、アスランは発進をカウントさせた。

 

 

 カタパルトから、イージスが打ち出される。

 

 ゴウ! と猛烈な吹雪が、イージスを包んだ。

 

 

 

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 「――出てきたな、バクゥで仕掛けるぞ? トラックは後ろに下がらせろ、3機は先に行け! 様子を見てから、俺が後続として出る」

 アークエンジェルからイージスが発進された事を確認すると、モーガンは部隊の面々に進軍を指示した。

 

 

 イザークは、ミサイルの熱に紛れて、高速で接近してくる機影をレーダーに見つけた。

 「TMF/A-802…… ザフト軍モビルスーツ、バクゥと確認!」

 声を張り上げ、ブリッジに報告する。

 「地上戦用の四足モビルスーツか! 援護は出来るか?」

 「既に接近されてオリ! この距離ではイージスに当たリマス!」

 「敵の数も、所在も分からぬウチに艦を動かすのは得策ではないか――すまん、アスラン・ザラ!」

 

  

 襲撃してきたモビルスーツがバクゥである報は、アスランの元にも届いていた。

 「地上だから、当然か! 下に降りないと――」

 アークエンジェルのカタパルトから、そのままバーニアで加速し、

 一旦空中に跳んだアスランのイージスは、噴射で下降を減速しながら、地上に着陸しようとした。

 しかし、

 「雪か?!」

 イージスの足が雪原に取られて、バランスを崩した。

 (迂闊――?)

 

 

 と、思った瞬間。

 

 ピピピというブザーが、コクピットに鳴り響いた。

 (ロックされた!?)

 

 敵のバクゥが放ったマイクロミサイルポッドだった。

 すぐさま、フェイズシフト装甲を展開するが、雪に足を取られて、上手く立てない。

 

 止むを得ずアスランはシールドを構えてミサイルに備える。

 

 ドォオオオン!!

 轟音がして、ミサイルがイージスの近くの雪原に着弾した。

 

 ミサイルが着弾した地点からは氷が砕けたようなものと、舞い散った雪が派手に飛散して、

 イージスの目を奪った。

 (雪が目くらましになるのか!?)

 アスランはなんとか、イージスの体勢を整えようとした。

 だが、 

 

 

 「ぐわッ!!?」

 

 

 雪煙を割って、”犬”が――バクゥが飛び出してきた。

 

 

 

 

 

 イージスがシールドで、バクゥの突撃を受けた。

 衝撃で吹き飛ばされる。

 「しまった!?」

 ――アスランのイージスは、盾を手放してしまっていた。 

 

 

 「宇宙ではどうだったか知らないが、地上では妙な変形も使えんしな」

 モーガンは先行した3機の部下のバクゥと、イージスの戦闘の状況を見ていた。

 「だが、そいつは、あのネオの特務隊を幾度にも渡って退けたのだ。 ――慎重にやれよ!」

 

 「フン、ナチュラルの作ったモビルスーツなど!」

 「我らに適うはずがありません!」

 

 

 モーガン隊のバクゥは、代わる代わるアスランのイージスに砲撃を仕掛けた。

 「ック!!」

 アスランはそのたびに、大きく跳ねるようにして避けた。

 

 「蚊トンボのように! チョコマカと!」

 「ミサイルを使え! あの装甲も無敵ではない!」

 雪原を爆風が荒らしていく。

 バクゥは背面に積んだミサイルを次々と掃射し、アスランを追い詰めた。 

 

 (マズイか――!?)

 アスランに焦りが見え始めた。

 先程から何とか致命傷は避けているものの、流れ弾や爆風で、装甲へのダメージは重なっている。

 スラスターの推進剤も無限ではない、このままムチャなジャンプを続けていればあっという間に推進剤が切れて、

 追い詰められるだろう。

 (雪の設置圧を計算して、OSの設定を書き換えれば――クソ! そんなこと、戦闘中に出来るはずが無い、どうすれば――?)

 

 

 ――しかし、考える間もなく、イージスに再度ミサイルが迫る。

 

 「チィッ!」

 

 再度、イージスはスラスターを吹かせて空に舞った。

 ジャンプの最中、ライフルを構える。 

 

 「このっ!」 

 

 アスランは引き金を引いた。

 だが、イージスの放つビームは狙いから大きくそれて、バクゥには命中しなかった。

 

 大気圏内ではビームは大きく減衰し、また地上の環境の影響を受けて反れるのだ。

 (くそ! 変形して敵から離れて――せめて、出力の高いスキュラが使えれば……! ”使えれば”か!?)

 

 しかし、大気圏内では、変形は出来ない。

 ――いや、変形は――出来なくはない(・・・・・・・)

 

 

 アスランは、やや広い窪地を空中から見定めると、其処に着陸した。

 またも、バランスを崩し、地面にヒザを付いて転ぶイージス。

 

 「体勢を崩した!」

 「今度こそ終わりにさせてもらうぞ!」

 

 バクゥ、三機が、それぞれ三方から迫った。

 「ビームサーベルでしとめてやる!」

 

 貴様が乗ってる、”その機体”の技術を転用した新兵器だ!

 と、バクゥのパイロットは思った。

 

 つい先日、アズラエルの部隊からシベリア基地に情報が送られ、実装したばかりの兵器である。

 これならフェイズ・シフト装甲も、簡単に切り裂けるだろう。

 

 バクゥの口――犬の頭部に当たる部分に、まるで本物の犬がチューバーをくわえたように、ビームサーベルの柄の部分が装着されていた。

 水平方向にビームサーベルの歯が展開され、すれ違うだけで敵を両断できるようになっていた。

 

 三機のバクゥが、一斉に迫った。

 

 

 「今ッ!」

 アスランは思った。 アスランはイージスを立ち上げる。

 

 「間に合わんッ!」

 バクゥのパイロットはそう予測し、イージスに突っ込んだ。

 

 が――。

 

 

 アスランのイージスは軽くジャンプした。と、空中で強引に大きくその形を変えた。

 (大気圏内で変形したのか?)

 (バカな――)

 バクゥのパイロットたちは目を剥いた。

 

 宇宙用のモビルアーマーに変形しても、大気圏内では動けないではないか。

 宇宙用のロケットを地上で使うようなものだ。

 

 そう、一方向にしか噴射できないスラスターで一体何を――。

 

 

  ――と、イージスは最大出力で、そのまま空中に"跳んだ"

 

 

 ”飛ぶ”、というものではなかった。 スラスターの出力で強引に”弾け跳んだ”のである。

 

 ズバババ!!と、凄まじい重力と衝撃がアスランを襲った。

 

 「グァ……!」

 

 垂直に上方向に飛ぶかと思いきや、斜め上に吹き飛んだ。

 重力の影響を受けるのだ。 ビームライフルや装備した武器の重量が全方向に等しくなければ当然であった。

 

  (だけど――!!)

 

 アスランは上空に吹き飛んだ状態で、一度イージスを元に戻した。

 

 強引にではあるが、空高く、高速で舞い上がった為、変形できる時間は十分にあった。

 

 

 そして、今度は地上に頭を向ける形で再度変形させる――。

 敵はまだ、地表に密集している。

 今ならば――。

 

 

 「高エネルギー反応!?」

 「イージスからか!?」

 

 

 ズドォオオオオオオオッッ!!

 

 イージスから、スキュラが放たれた。

 三機のバクゥを薙ぎ払う形で、大出力のビームが放たれる。

 

 

 地上でのスキュラは、辺りの電磁波の干渉を受けて、宇宙で放った時以上に、プラズマの奔流が大きく波打っている。

 大口径のビームの閃光が、巨大なうなりとなり、バクゥを竜巻のように、なすすべも無く包んだ。

 

 「ガァ……!?」

 

 

 ――三機のバクゥのパイロットがビームの熱に融けていった。

 

 

 

 イージスはそのまま、モビルアーマー形態のまま、地上に落ちていく。

 (イージスを戻さないと――)

 この形態のまま、地上に落ちると直ぐには戻れなくなる。

 敵はまだいるかも知れないのだ。

 

 「うわっ!」

 慌ててイージスを人型に戻したが、雪原につんのめりになり、倒れこんでしまう。

 

 と、ビーッビーッ!とブザーがイージスの異常を告げた。

 

 アスランがハッとして、コンソール画面を見る。

 

 (駆動部に異常が――!?)

 画面には、脚部、それから肩、ヒザなどの関節部に多大なダメージがあると警告が表示されていた。

 

 さらに、スキュラを無理に使用したせいか、バッテリー残量――パワーも残り僅かとなっていた。

 

 

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 「――バカな? 地上でモビルアーマーにだと?」

 敵の余りにムチャな戦いぶりに、モーガンは絶句した。

 しかし――。

 「あんな動きをしたのだ。イージス、もうマトモには、動けんようだな」

 情報どおりならば、もう間もなく、パワーも尽きる頃だろう。

 

 「――よくもやってくれた。 あいつらも、ようやくザフトらしくなってきた所だったのに」

 

 命を散らした部下たち――まだ出会ってから数ヶ月。

 これから良い兵士となる筈の若者達だった。

 

 

 「部下の仇だ――沈めさせてもらう!!」

 

 ”月下の狂犬”の異名を持つ男が駆るバクゥが、アスランの元へ向かう。

 

 

 

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 「アスラン! 新しい敵だ! 武装したホバートラックが6台にバクゥが二機――一機は隊長機だ!」

 ディアッカがアスランに、新たな敵の出現を告げた。

 

 

 「な……!?」

 アスランの背中に嫌な汗が流れた。

 

 「二機――もうイージスは……」

 限界が来ようとしていた。

 

 絶体絶命――そんな言葉がアスランの脳裏に浮かんだ。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 

 『おい、そこの赤いモビルスーツ?』

 「!?」

 聞いたことのない声だった。

 

 イージスの無線機から、その声は流れているようだった。

 

 

 

 「どこからだ?」

 ブリッジのバルトフェルドたちにも、その声は聞こえていた。

 「わかりません! しかしこれは友軍のチャンネルです!」

 「照合完了! ユーラシア連邦軍です!」

 「ユーラシア連邦!? シベリア包囲網にもまだ残っていたのか!?」

 

 

 オペレーション・ウロボロス後の、”月下の狂犬”、モーガン・シュバリエの攻撃によって、

 大半がモスクワ基地まで後退させられたと聞いていたが――。

 思わぬ援軍の声に、バルトフェルドは縋る思いで耳を傾けた。

 

 

 

 『アーと、イージスのパイロットさん、コッチの誘導する地点まで、バクゥを誘ってくれる?』

 「味方なのか?」

 『そりゃ、そうっしょ?』

 

 しかし、コードは地球軍のものだった。迷っている暇は無かった。

 アスランのイージスは既に限界が来ようとしていたのだから。

 

 

 イージスはヨロヨロと立ち上がると、蛙とびの要領で、指示されたポイントに移動し始めた。

 

 

 

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 「逃げるつもりか――!?」

 「シュバリエ隊長! 自分達で包囲します!」

 「いや、待て――貴様ら、敵は――」

 

 

 バクゥ一機と、ホバートラックがイージスを包囲するように展開し、後を追った。

 

 すると――。

 

 

 グワアアン! と、駆動音がして、バクゥたちの前を何かが横切った。

 

 

 「ジン?」

 バクゥのパイロットはその影を見て思った。

 友軍のジンが何故此処に――と、しかし、そのジンは、あろう事か、自分に砲を向けてきた。

 

 

 ドガガガアア!

 爆音がして、バクゥが、炎に包まれた。それだけではない、ホバートラックが次々と砲火に曝されている。

 

 「地球軍、ユーラシアか!?」

 モーガンは咄嗟にバクゥを反転させた。

 

 「――ジンじゃない! 戦車だ! 足が戦車のジン!?」

 

 モーガンは奇妙なモノを見た。

 それは、一見すると、自軍のモビルスーツ、ジンに見えた。

 

 しかし、よく見るとそれは人型をしていなかった。

 脚部は、戦車をそのままつなげたような格好をしており、頭はジンよりも幾分か平べったく、箱型をしていて、

 人の頭というよりは、物見台のような格好と成っていた。

 

 「なんだあの機体は!?」

 『どうよ、ウチの”ジンタンク”? イカしてるでしょ? イージスのパイロットさん?』

 後方で次々と爆発が起き、呆然としているアスランに、先程の通信の声が答えた。

 

 

 「こ、こんな! ナチュラルが俺たちのジンを……舐めるな!」

 先程砲撃を受けたバクゥは、装甲を燃やされながらも、背中に背負ったリニアガンの照準を、ジンタンクにあわせた。

 しかし、キャタピラのほかに、ホバークラフトも付いているのか、ジンタンクは予想外に軽快な動きをしていた。

 

 「早い……!?」

 

 そうこうしているうちに、ジンタンクから更なる砲撃が行われた。

 それだけではない、周囲から――敵の伏兵がいるようで、次々と砲弾が撃ち込まれてくる。

 「に、逃げ……ウワァァアアア!」

 数発の榴弾が叩き込まれ、バクゥは爆散した。

 

 

 「クソ 撤収する! 残存部隊は俺に続け! 邪魔が入った!」 

 モーガンは残ったホバークラフトや航続の部隊をまとめて、戦場からの離脱を始めた。

 

 (なんてことだ! 若い部隊を任されて――いや、俺が甘かったか――あのモビルスーツ、やはり恐ろしい敵のようだ――!)

 

 敵が予想以上だったことはあるが、パイロット四人と同数のモビルスーツを失った。

 

 モーガンはこれから対峙する敵への恐怖と、自身の不甲斐なさに、怒りに震えた。

 

 

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 「地球軍のモビルスーツ?」

 『どうかな? そんな難しいもんじゃないけどね――モビルタンクかな?』

 

 アスランは、敵の撤退を確認すると、イージスのハッチを開けた。

 

 雪原に、一人の兵士がいる。

 先程のジン・タンクのパイロットだ。

 ノーマルスーツは着ていない。ファーつきの大きなフードをした防寒服を着ている。

 対して、ノーマルスーツを着たアスランは、ゆっくりと近づく。

 

 と、どこに隠れていたのか地球軍の車両と思われるジープや、ホバートラックがいくつも近づいてきた。

 

 アスランはヘルメットのバイザーをあけた。

 寒風がアスランの顔を襲う。思わず目を瞑った。

 眼球が凍るかと思う冷気だった。

 

 「――若い?」

 アスランはジンタンクに乗っていた兵士の顔を見て驚いた。

 

 「そりゃ、お互いさまっしょ?」

 相手の兵士は笑った。

 

 「俺はラスティ・マッケンジー。 どうぞよろしく?」

 


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